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自然観察大学ブログ

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ハンノキの花芽~開花を観察

1月20日の観察記録。
この日から“大寒”。一年で最も寒い季節とされ、二十四節気の最後にあたる。
しかしこの日の千葉県は予想外に暖かく、観察日和だった。

さて、1月20日のハンノキ。
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これが花芽というか、つぼみである。
枝先から垂れ下がった大きいのが雄花序、画面上方、枝の少し手前にある小さいのが雌花序だ。
ハンノキの花は見た目は地味だが、なかなか味わい深い。

厳冬期のことであり、ほとんどがこの冬芽の状態であったが、ひと株だけ開花したハンノキを見つけた。
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雄花が開花すると葯が顔を出して全体が黄色っぽくなる。
全体の長さも、ずいぶん伸びている。
同じ枝の雌花はワックスがはがれはじめているが、未だ開花はしていない。
雄性先熟で自家受粉を避けるということだろう。

一年前の2月下旬に撮った開花の写真はこれ。
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どうです。なかなかGoodでしょう。
可愛い姿であるが、これこそ機能美なのである。
花といっても花弁はなく、鱗片の間から雌しべの柱頭を出すだけ。
風媒花なので、飾ったりする必要がないのだ。

雄花も拡大して撮っていた。
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黄色いのが葯。
こちらも機能を追求したシンプルな花だ。

果実についてはまた改めてご報告させていただこう。


余談ですが…

ハンノキが花粉を飛ばすところを撮るように言われている。
この日(1月20日)、試しに雄花序をつついてみたが、わずかに飛散が確認できた程度で、とても写真にできるような量ではなかった。開花盛期に改めてチャレンジするつもりだが、撮影は難しそうだ。

同じ風媒花でも、スギやマツにくらべると圧倒的に花粉の量は少ないらしい。
ハンノキも花粉症の原因を疑われているようだが、はたしてどうだろうか。

2019年1月24日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2019-01-24 20:02 | 植物 | Comments(0)

ハンノキの冬芽の観察

ハンノキの冬芽の動きを観察した。
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これは10月半ばの冬芽。
光沢があるのはワックスでおおわれているため。
ハンノキは裸芽とされるが、裸芽といえども素裸ではないことがわかる。

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こちらは11月はじめの冬芽。
褐色が濃くなっている。

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12月下旬の冬芽。
さらに色濃く、引き締まった印象だ。
冬芽のつけ根にあった葉が落ちて、葉痕が観える。

さて、冬芽が堅いワックスで守られているのはよいのだが、このあと芽吹きのときは果たしてどうなるのだろう。
暖かくなるとワックスが溶けるのか、それとも…
その成り行きに、一人しずかに興味を持ったのであった。

なお、この観察記録は2018年末まで複数年にわたる写真だ。
同じ冬芽ではないことはもちろん、私の気まぐれで撮影倍率も異なることは、ご容赦いただきたい。


話をもとに戻そう。

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年が明けて1月半ばの冬芽。
ワックス層にひびが入ってきた。(やっぱり!)

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つぎは2月はじめ。
まだ大きな変化はない。

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3月の中旬、いよいよ活発に動き出した。
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同じ日の別の冬芽。
芽が膨らむとき、ワックス層は細かく割れる。

外側の葉は、展開することないようだ。
裸芽は芽鱗がないのだが、外側の葉が芽鱗のような役割をするのだろう。

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3月下旬から4月にかけては、芽吹きのラッシュだった。
葉裏に残るワックスのかけらが、冬芽のときの名残だ。

念のためハンノキの全形はこちら。
d0163696_17182093.jpg
湿地のようなところにも先駆的に広まる。
シラカンバなどと同じカバノキ科とされる。


3種の冬芽

ところで、ハンノキには3種の冬芽がある。
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冬芽と言っていいのかどうかわからないのだが、この枝にその3種がそろっている。
わかりにくいので、それぞれ拡大してみよう。
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枝の下の方にあるのがこれ。
すでにおなじみの葉芽(ようが)である。

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枝先にあるのは雄花序。
これを冬芽と言ってよいのかどうかわからないが、葉芽同様にワックスでおおわれている。

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こちらは雌花序。
雄花序と葉芽の間の位置にある。

雄花と雌花がこのあとどうなるのか、それは近日中にご報告させていただくことにしよう。

これは9月1日の撮影。この時期にはすでに冬越しの準備をしていることに驚かされる。
ずぼらな人間に比べて、なんと計画的なくらしぶりだろう。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

2018年12月27日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-12-27 17:24 | 植物 | Comments(0)

冬芽から何が出るか

この写真が何の冬芽か、おわかりになるだろうか?
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かわいらしい、面白い形をしている。
東京都内の植物園の、9月下旬に撮ったものである。

答えはニガキの冬芽。
わかったあなたは、たいしたものだ。おそれいります。
ふだんから熱心に観察しておられることと思う。
私など、冬場は名札がないとお手上げだ。たとえ全形があったとしてもである。

さて、詳しく観察しよう。
この冬芽は芽鱗のない、いわゆる裸芽である。
先端の大きな冬芽(頂芽)と、葉柄のつけ根に小さな芽(腋芽)がある。
頂芽では、ひだのあるのが葉で、それに包まれている粒々の部分は花序になるのだろう。
腋芽は形から見ても、葉が出るだけと思う。
冬芽から、翌春の成長した姿を思い浮かべるのもたのしい。

それにしても、
冬芽とはいうものの、猛暑の続く9月には、すでに冬越しの準備がなされている。
そして、新葉や花の原型ができ上がっているとは、驚くべきことだ。

つぎの写真も、同じニガキの別の冬芽。
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頂芽の脇にとび出しているのはおそらく花序になる。
丸裸の状態で寒い冬を越せるのか、ちょっと心配だ。
さて、
これらの冬芽が、春にはどんなふうに展開するのか。
これからのたのしみな課題である。


ちなみに、春のニガキはこれ。(今年の4月下旬に撮影)
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ニガキは雌雄異株で、上の写真は雄花序をつけた雄株だ。

つぎは雌花。
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なかなかキュートである。
花弁はなく萼が4つ。
雌しべの柱頭は4つに分かれ、付け根の子房も4つに分かれている。(この時点でけっこう膨らんでいる。)
雄しべも4つあるが、雄花に比べると退化して貧弱だ。


余談ですが…
このところ「タグ」をつけるようになった。
じつはこれまでタグの機能を理解してなかったのだが、使ってみるとたいへんに便利なことがわかった。
例えば、この記事の「冬芽」というタグをクリックすると、冬芽に関するこれまでの記事がまとめて表示されるのだ。
長いことブログをやっているのに、はじめて知った。
お恥ずかしい話である。

2018年10月12日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-10-12 20:00 | 植物 | Comments(0)

ハクウンボクの冬芽

寒い。
今日(1月25日)は日本列島が寒気におおわれた。
都心でも-4℃と記録的な寒さだそうである。
さすが“大寒”まっただなか、“水沢腹堅”である。
『季節の生きもの観察手帖』( )を見ると、1月25日の欄に次のように記されている。

● 気温-41℃を記録 1902年 北海道旭川市 気象庁 ★観測史上国内最低気温

… 100年前も、やはり今日という日は寒かったのだ。
さすが、二十四節気・七十二候、先人の慧眼にはおそれいるばかりである。


さて本題。
昨年の暮れの観察である。(いつも月おくれですみません)
ハクウンボクの木に、落ちずに頑張っている葉が散見された。
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一見すると、どうということのない枯葉だが、葉のつけ根の部分が少し膨らんでいるのが見て取れるだろうか。
d0163696_18325647.jpg
葉柄のつけ根を拡大してみよう。
d0163696_18330603.jpg
冬芽である。

ハクウンボクは葉柄の中に冬芽を作る。
いわゆる“葉柄内芽(ようへいないが)”で、プラタナスと同じやり方だ。
夏にはすでに葉柄の中に冬芽を用意しているのを確認している。

葉柄で包むことで冬芽を守るのだと思うが、冬に向かうころに落ちてしまうのだから、寒さ除けではないのだろう。

こちらはすでに落葉した冬芽。
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フリースのような綿毛にくるまって、寒さ対策は万全、といったところなのだろう。
葉が落ちた痕(葉痕)が、冬芽のつけ根の部分にぐるりと取り巻いて見える。
この日の観察では、ほとんどが落葉してこのような状態であった。

ちなみに、花の時期のハクウンボクも紹介しておこう。
d0163696_18333056.jpg
こちらは昨年5月5日の撮影。
ちなみに、冬芽を見たのと同じ木で、場所は千葉県柏市の柏の葉公園である。
多数の花をつけたようすが白雲のように見えるのでハクウンボクだそうだが、いかがだろうか。

ハクウンボクはエゴノキのなかまで、果実もエゴノキによく似ている。
昨年のこの木の観察では、果実に虫がかじったあとが散見された。
もしかしてエゴヒゲナガゾウムシ()の産卵痕か、と考えたのだが確認できていない。
今後の課題である。

2018年1月25日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2018-01-25 18:40 | 植物 | Comments(0)

モミジバフウの話(3)

……………………………………………………………………………………
よろしければ、あわせて次もご覧ください
● モミジバフウ(1)葉の話など ⇒ 
http://sizenkan.exblog.jp/23824359/ 
● モミジバフウ(2)実と種の話 ⇒ 
http://sizenkan.exblog.jp/23865438/ 
……………………………………………………………………………………


花から実へ

狙っていたモミジバフウの花が観察できた。

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上に伸びるモコモコしたのが雄花序で、雌花序は下方に垂れている。(写真は4月13日)


モミジバフウはマンサク科なのだが、マンサクとはまったくイメージが違う。
● マンサクの花 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/23941931/ 


雌花はこれ。

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淡いピンク色が、いかにも女性的。

雄花はこちら。

d0163696_22112497.jpg
こちらはまだ熟してないようだ。
モミジバフウは雌性先熟ということなのだろう。



10日後

10日が過ぎた4月23日。

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雄花が熟し、
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多量の花粉を出していた。
このとき雌花は…
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柱頭が茶色になって、花はもう終わり。
すでにイガイガ、トゲトゲの果実の雰囲気になっている。

やはり雌性先熟だろう。
雄花と雌花の位置関係から考えて、熟期をずらさなければほぼ100%自家受粉してしまうだろう。雌性先熟はそれを避けるためのシステムなのだ。



感 想

それにしても…

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この冬芽のなかに、たくさんの花や葉が仕込まれていたとは驚きである。
念のため途中経過も紹介しておこう。(上と同じ芽ではありません)
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これは4月2日の萌芽のようす。
雄花序が顔を出して、下のほうには葉が観える。

羽化したチョウも舌を巻くような変態だ。
えっ、チョウの舌はもともと巻いてるって?

2017年5月9日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2017-05-09 22:17 | 植物 | Comments(0)

親愛なる、そのへんの植物-13「秋の散策」

秋と言えば、実りの秋、紅葉・・ 秋が深まりつつある11月上旬、お天気のよい日にふらりと野外を歩いてみると、ちゃんと「秋」がありました。
今回は、その中からいくつかをお届けしたいと思います(少し前の話でごめんなさい)。

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果物売り場で見かけるブルーベリーによく似た実。
これはシャシャンボの実です。
ブルーベリーと同じツツジ科スノキ属で、昔は子供達のおやつがわりに食べられていたこともあるそうです。そのお味は? 早速食べてみました。

なんとなく甘酸っぱいような・・ でもちょっと皮が固い。
シャシャンボは、身近な雑木林でよく見かけます。私が歩いた林にもたくさんいましたが、日当りがよい場所の木には、丸々とした実が鈴なりになっていました。しかも、そちらの方がおいしかったです。

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こちらはノブドウの実です。色がきれいなので、思わず足を止めました。熟すともっと鮮やかな青や紫色になるのですが、残念ながら人が好んで食べるものではないようです。
ノブドウも、身近な薮などに普通にみられます。

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赤く染まった、よく似た葉が3枚。
落葉樹の葉が色づいた雑木林は、上を見ながら歩くのも見事ですが、下を見るのも楽しいです。赤、黄、茶色の葉っぱが道いっぱいに落ちて、色とりどりのふかふか絨毯になっています。

落ち葉の中から、きれいな葉を見つけては集める。そんなことをしていたら、とてもよく似た葉を3種類見つけました。
3枚並べてみたのが、上の写真です。
ちなみに、葉の裏はこんな感じです。

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木を見分けるには、葉の付き方(対生・互生)、生育場所、樹形など、いろんな要素をみるのが大事なので、葉っぱ一枚からというのは、本来はよくないのですが・・
落ち葉では仕方がないですね。まわりにヒントになるものがないか探してみました。落ちている実は? まわりにいる木は? ここはどんな林?


答えは、写真の右から時計回りに、ミズキ、オオウラジロノキ、ツタウルシ(小葉1枚)だと思います。
オオウラジロノキの実は、あたりにいっぱい落ちていました。


最後に、気に入った冬芽をご紹介します。
冬芽は、夏の終わり頃からできていたりするのですが、落葉すると目に留まりやすくなるので、私は秋以降に観察することが多いです。

ひとつめは、シロモジ。

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シロモジの冬芽は、葉芽と花芽に分かれています。先端の尖ったものが葉芽で、その両側のまん丸いのが花芽です。かわいらしくて個性的なかたちをしていると思います。


ふたつめに、ムラサキシキブ。

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裸芽は、葉のかたちがよくわかっておもしろいです。ムラサキシキブは対生で、幼い2枚の葉が仲良く向き合っています。


みっつめは、裸芽の代表格とも言えるオオカメノキ。

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ムラサキシキブと同様に2枚の葉がぴったりとくっついているのですが、こちらは、なんと言っても巨大です!


以上、散策中に見かけたものをご紹介しました。どれも派手さはないものの、秋を感じさせてくれました。

植物を、四季を通じて観察すると、その変化から季節の移り変わりがわかります。そんな変化をみるのに、散策はうってつけです。
時間や目的を気にすることなく、目に留まったものをゆっくりと観察しながら歩く。とっても贅沢なひとときです。


おまけの一枚

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つい先日、早朝の田んぼ道で、キラキラ光るノボロギクを見ました。
冠毛についた霜が溶け始め、水滴一粒一粒に朝日が当たって、なんとも美しかったです。秋の深まりを一層感じるとともに、こんなにきれいなものが見られて、とても嬉しくなりました。

2013年11月28日、報告:自然観察大学 植物生態学部 S子





by sizenkansatu | 2013-11-28 23:20 | 植物 | Comments(2)

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