自然観察大学ブログ

タグ:テントウムシ ( 8 ) タグの人気記事




江戸川べりの観察-19 エノキワタアブラムシとテントウムシ

ふるい話で恐縮だが、6月上旬のこと。
エノキに、エノキワタアブラムシがいた。
d0163696_12533368.jpg
これは有翅虫で、もやもやした棉の中に虫の形がわかる。
棉は自身が分泌するワックスだ。
これさえなければ美形アブラムシなのに、惜しい。

参考 『テントウムシの共食い』

エノキワタアブラムシは、5月中旬ころから爆発的に増える。
風に乗って宙を舞い、時ならぬ雪のような情景となることがある。

上の有翅虫はまだよい方で…
d0163696_12545117.jpg
こちらはもう正体不明。

失礼して、棉を除けさせていただいた。
d0163696_12558100.jpg
無翅虫も、お肌にハリとツヤがあってなかなかGood。

このワックスは、捕食者から逃れるためなのかとも考えたが、そんなこともなさそうだ。
d0163696_12553954.jpg
ナミテントウの幼虫は、怪しいワックスなどものともしない。
d0163696_12555566.jpg
〝どうだ〟 と言わんばかりのポーズ。

エノキワタアブラムシはほとんどいなかったのだが、テントウムシに食われてしまったためだろうか。

ナミテントウの方はご盛況で、いろいろな場面が観察できた。
こちらは産卵中。
d0163696_12564999.jpg
どこにこんなに入っていたのかと思うくらい、次々に卵が出てくる。

近くでは孵化した幼虫がいた。
卵の大きさと比較して、もう2齢なのか?
d0163696_12571136.jpg
卵塊から離れないのは、緊急時に共食いできるように備えているのだとか…

こちらでは、卵が幼虫に食べられている。
d0163696_12573341.jpg
食べているのは、たぶん同じナミテントウの先輩幼虫だろう。

テントウムシの人生も、つらいものだ。

2013年7月17日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2013-07-17 12:59 | 昆虫など | Comments(0)

ニジュウヤホシテントウ –食痕の謎を解く-

d0163696_12555553.jpg
ニジュウヤホシテントウは黒い斑紋(星)が28個ある。
ジャガイモやトマト、ナスなどのナス科の農作物(のうさくもつ)を食べる農業害虫とされている。
西日本ではニジュウヤホシテントウが多く、北日本ではよく似たオオニジュウヤホシテントウというのが多いというが、関東では両方が見られる。

d0163696_12561635.jpg
スジスジに削り取られたような食痕で、ニジュウヤホシテントウのしわざとすぐにわかる。(オオニジュウヤホシテントウも同じ)

どうやったらこの不思議な食痕になるのか、以前から食事シーンを観たいと思っていたのだが、やっとそのチャンスが来た。

d0163696_12564935.jpg
葉の表面をスジ状にかじり取り、ごく細い食べ残し部分をつくる。

d0163696_1257977.jpg
意外にしっかりした大あご。
拡大してみよう…
d0163696_1257318.jpg
鋸状でかなり鋭い感じ。切れ味といい、薄皮一枚だけを残す技といい、たいしたものだ。
剣豪の “見切り”“間積り” に通じるのではないかと思う。

ときどき粗相をして食べ残しができてしまうと、戻ってかじりなおしていた。いたって几帳面な性格のようだ。
本人は稽古不足を反省しているのかもしれない。

筋は、頭だけを動かして、手前から前方に向かってたどられる。
一筋食べると、その右へ筋をつくる。
この虫は左から右方向に食べ進んでいた。
前掲の食痕の写真を観ると、ほとんど身体を動かさずに、効率よく食べ進む手順が推察できる。

連続写真をご覧いただきたい。(頭しか動かないので地味ですが…)
はじめは手前に頭をひきつけて、かじりながら頭を前方に伸ばしていく。
d0163696_12583033.jpg
d0163696_1301275.jpg
d0163696_1303825.jpg
d0163696_1305385.jpg
d0163696_131778.jpg
d0163696_13119100.jpg
けっこうなスピードで、一筋あたり5秒程度だったと思う。(タイムを記録したわけではない)


考 察 (えらそうにすみません)

どうしてこんな食べ方をするか、考えてみた。

普通、葉をかじる昆虫は、縁から食べる。食べながら自分の足場を確保しなければいけないから、これは当然のことだ。
まれには葉柄のほうから食べて、いつの間にか葉と一緒に落下してしまうという、おバカな個体もいるかもしれないが、そんなキケンなDNAは瞬く間に淘汰されるのだろう。

ニジュウヤホシテントウの場合、薄皮もさることながら、細く食べ残された筋により、足場としての強度が保たれるのだと思う。
ニジュウヤホシテントウが独自に編み出したテーブルマナーなのだろう。
この流儀と作法は、幼虫にも徹底され、親族のオオニジュウヤホシテントウにも引き継がれている。

手前から前方へ、左から右へなど、細部のしぐさまで決まっているものなのか、今後さらに観察をしていきたい。


200回御礼

ところで今回、自然観察大学ブログはめでたく200回目です。ご覧いただいたみなさま、投稿いただいたみなさま、コメントいただいたみなさま、ありがとうございました。そして今後ともよろしくお願いいたします。


2012年8月7日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2012-08-07 13:06 | 昆虫など | Comments(2)

テントウムシの共食い

このところ虫の話ばかりで申し訳ないが、今日も6月はじめに観た虫の話である。
まずはごくあたりまえの成虫。
d0163696_18411027.jpg
農業害虫を食べることもあり、昆虫の中では、普通愛されるタイプとされている。
色や模様には変異が多い。

d0163696_18322659.jpg
エノキのナミテントウの幼虫。
ナナホシテントウとは朱色の紋様の感じが違う。
『カラスノエンドウをめぐる虫たち』 http://sizenkan.exblog.jp/13454321/ のナナホシテントウと比べていただきたい。

テントウムシがたくさんいるので、餌になるアブラムシがいるはず、と探してみると、ごく少数のエノキワタアブラムシがいた。
d0163696_18343230.jpg
エノキワタアブラムシは、全身に綿毛をまとい、季節には有翅形が空を舞う。
数年前の都心で、 “こんなにたくさんどこから飛んで来るのか” と驚くほど、間断なく舞うエノキワタアブラムシを観たことがある。
よく観るとなかなかきれいな紋様があり、ワンポイントの赤目が効いている。ワタを取り除いたらさぞかしニヒルな二枚目のアブラムシだろう。

話をテントウムシに戻そう。
テントウムシはたくさんいるのに、アブラムシがほとんどいないという話だった。
すでに成長の早いテントウムシは蛹になっているが、まだ幼虫のまま餌を求めてウロウロしているテントウムシもたくさんいる。

蛹のそばでじっとしている幼虫がいたので、つついてみたら蛹がポロリとはがれた。
d0163696_18354520.jpg
幼虫は蛹を食べていたらしく、食事を邪魔され、ぼう然と大あごを開いている。
食われたほうは、先に蛹になって “一抜けた” と安心したのも束の間。油断も隙もない世界だ。

幼虫が幼虫を食うところにも遭遇した。
d0163696_1837214.jpg
食われた方は体を丸め背中が割れているように見えるので、蛹化直前で動けない状態だったのかも…
やっぱりテントウムシは獰猛な肉食動物だ。

多産型の昆虫は、条件が悪くなったときに共食いすることを前提としているのではないか。だからこそ幼虫はあまり広がらずにまとまって生活するのかもしれない
…という話を、Y崎先生からうかがったことがある。
生きるため、そして種の存続のためとはいえおそろしい話だ。

2011年7月7日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-07-07 18:49 | 昆虫など | Comments(4)

大町公園-2 ついにカビ観察。そして…

カビ観察
d0163696_12261030.jpg
鮮やかなオレンジ色の物体。これはカビだ。
d0163696_12264799.jpg
変形して膨れた植物はキツネノボタン。表面のブツブツは “さび病菌” らしい。
キツネノボタンさび病だ。

ブツブツを拡大してみると面白い形をしていた。
d0163696_12285853.jpg
これがいわゆる “さび胞子” なのだろうか。
まわりの白いものはなんだろう? ハルジオンの舌状花にも似ているが…

後日、植物病理学者の岸 國平先生に写真を見ていただいたところ、次のようにご意見いただいた。
………………………………………………………
さび病で間違いないでしょう。橙色のところにさび胞子がたくさんできていて、周りに散っているのが分かります。
周りの植物にはさびがないので、このさび菌の場合はキツネノボタンだけに寄生するのが分かりますね。
舌状花のようなものははっきり解りませんが、胞子を包んでいた膜がはじけたようなものではないでしょうか。
………………………………………………………
“キツネノボタンさび病”は正式に発表されてないということだ。この後さび胞子で他の植物に宿主を移す由だが、どこへ移るのだろうか。

自然観察大学では昨年の講習会で『カビライフ入門』 をテーマにしているので、そのレポートをご覧いただきたい。 http://sizenkansatu.jp/index_2.html
『カビ図鑑』(細矢剛ほか、全農教)にはさび病の生活史などが詳しく載っているので、そちらもぜひどうぞ。 http://www.zennokyo.co.jp/book/kagak/kb.html

うどんこ病とテントウムシ
こちらはトウカエデのうどんこ病。
d0163696_12305996.jpg
果実の表面が、名前の通り、うどん粉をまぶしたようになっている。翼が変形しているのはうどんこ病菌のせいだろう。
d0163696_12312217.jpg
果房全体にうどんこ病が出ているが、注目していただきたいのは、画面下の葉上の小さなテントウムシ。

このキイロテントウは、うどんこ病菌などのカビを食べる。
食べるところを撮らせてもらおうと、果実の上に移動していただいたのだが…
d0163696_123288.jpg
満腹なのか、じっとして眠そうな顔。複眼にピントを合わせようとしても、ぼんやりしてうまくいかない。
仕上がり写真をチェックして解ったのだが、透明カバーのような構造があって、複眼はその下に隠れている。うまくできているものだ。
d0163696_12323338.jpg
やっと顔を出した。
おまけに見えてなかったヒゲもサービスしてくれた。
こんな立派なヒゲを何処に隠していたのか、特大のふっくらしたマガタマ型のヒゲだ。

先述の岸先生に、このテントウムシの写真も見ていただいた。
………………………………………………………
ほぉ、カビを食べるテントウムシがいるとは面白い。
うどんこ病菌だったらたっぷりと、腹いっぱい食べられるかもしれないね。
キイロテントウもいいところに目をつけたものですね。
………………………………………………………

多彩なテントウムシ
テントウムシはアブラムシなどを捕食するナナホシテントウ・ナミテントウなどの肉食性と、ジャガイモやナスなどの植物を食べるニジュウヤホシテントウ、今回紹介したカビを食べるキイロテントウなどがいる。
同じテントウムシ科というグループで 肉食、植物食、菌食に分かれるというのは面白い。

2011年5月30日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-05-30 12:35 | その他 | Comments(3)

サシガメとアカホシテントウ

ヤニサシガメが成虫になった
5月はじめのこと、以前から注目していたヤニサシガメが、やっと羽化した。
d0163696_12314093.jpg
立派な翅が出たが、あいかわらずゴツイ姿につぶらな瞳。
眼の後ろに平安貴族のような眉 (オレンジ色の点、拡大して見てください) を付けているが、これは幼虫では見られなかった。年頃になって色気が出たようだ。

画面左下は脱皮殻で、たぶん羽化したばかりなのだろう。
脱皮直後ということは、まだ松ヤニをまとってはいないハズ。これはチャンスだ。
話に聞いた松ヤニを体に塗るシーンが見られるのではないか?
しばらく待ったが、一向にそのしぐさを見せない。もしかすると夜行性で夜に化粧するのかも知れない。残念。

これまでのヤニサシガメは次で見られるので、まだの方はぜひどうぞ。
(1) 『マツに観る生物多様性』 http://sizenkan.exblog.jp/13268424/
(2) 『動き出したヤニサシガメ』 http://sizenkan.exblog.jp/13339094/

ヨコヅナサシガメ
d0163696_12334921.jpg
羽化直後のヨコヅナサシガメ。
自然観察大学の観察会で何度か遭遇したので、強烈な朱色を覚えておられる方も多いだろう。
体が柔らかくて危険な時期に、わざと目立つ色なのは何故だろう? 
カメムシの仲間では、ほかにも羽化直後に鮮やかな赤色をするものがいる。
“カメムシは臭い” のを逆手にとっているのだろうか。
d0163696_12341685.jpg
こちらは体色の落ち着いた成虫。アップしてみると、さすが “横綱” の迫力! 実物はかなり堂々としている。
両側にはみ出た白黒模様の部分を横綱の化粧まわしに見立てた命名だそうだが、成虫になるとその化粧まわしも立派で、名前が合っているなぁ、と感心する。
外来生物は “ブタクサ”や“ハキダメギク”“アルファルファタコゾウムシ”など、何とかしてもらいたい名前が多いが、ヨコヅナサシガメはあっぱれな命名と言いたい。
亀虫(カメムシ)のイメージではないが…

ウルトラ怪獣アカホシテントウ
同じウメに、アカホシテントウの幼虫がいた。
d0163696_12365775.jpg
すごいトゲトゲ。ウルトラ怪獣も真っ青だ。
あんまりエグイと嫌われてしまいそうなので少し遠慮した写真だが、それでもすごい。
d0163696_12374532.jpg
ウメの樹皮上を歩きながら、時折り凹みや隙間を覗くのは、たぶん獲物のカイガラムシを探しているのだろう。
ヒョイヒョイと頭を動かして覗き込むしぐさは、トゲだらけの外見とは裏腹に愛嬌たっぷりだ。

アカホシテントウはウメにつくタマカタカイガラムシを食べる。
昨年6月に 『農場の自然観察』 でアカホシテントウの蛹の大群を見つけた話を紹介しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。
カイガラムシとテントウムシ』 http://sizenkan.exblog.jp/11318324/
アカホシテントウのトゲは、ウルトラ怪獣と同じで柔らかく、刺さることはない。
見かけ倒しのトゲにはどんな意味があるのだろう。もしかすると捕食者を驚かせ、撃退する効果があるのかもしれない。

前掲のヨコヅナサシガメは、このアカホシテントウを食べていると考えられる。
ウメには両者がかなりの数で観察できたのだ。
はたして、横綱刺亀に対して赤星天道の “猫だまし” ならぬ “トゲだまし” の効果は如何に?

2011年5月24日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-05-24 12:42 | 昆虫など | Comments(7)

カラスノエンドウをめぐる虫たち

カラスノエンドウは今まさに満開。
d0163696_19262415.jpg
あいかわらず、互いに支えあって伸びている。
d0163696_19264857.jpg
拡大して観ると、まさしくマメ科の蝶形花(ちょうけいか)。
マメ科の花の構造は少し複雑だ。花弁は旗弁(きべん)、側弁、竜骨弁からなり…

説明はやめておこう。先日、友人たちとの宴席で、『ブログの文字が多くて、内容がマニアックすぎる』 という多数の批判を浴びてしまった。
反省して、まずはだまって花を観ていただくことにしよう。


<< ご注意! 以下の写真は、虫嫌いの方はけっして一人では見ないでください >>


ナナホシテントウに野生を見た!

d0163696_19275257.jpg
ナナホシテントウがアブラムシを食べていた。
d0163696_19283887.jpg
拡大するとすごい食べっぷり。野生の肉食動物の迫力を感じる。
(迫力を味わいたい方は写真をダブルクリックしてください)

食べられたアブラムシ(マメアブラムシ?)はかわいそうな気もするが、カラスノエンドウから見れば、寄生虫を食べてくれるありがたい味方ということになる。
d0163696_19295175.jpg
カラスノエンドウの先端付近では、群落のいたるところでコロニーをつくっている。アブラムシの繁殖力はものすごいが、負けずに伸びるカラスノエンドウの繁殖力もすごい。

d0163696_19302278.jpg
これはヒラタアブの仲間の幼虫。やはりアブラムシを食べるが、こちらは迫力がありすぎるので、今回はやめておこう。
(これでも、万人に愛されるブログを目指しているのです)

M先生によると “アブラムシは陸のプランクトン” … 食べられることが宿命だ。
別のM先生(こちらもアブラムシの専門家)は、テントウムシやヒラタアブが捕食しているのを見ると 「こらっ! 私のかわいいアブラムシちゃんに何をするかっ!」 などとブツブツ言いながらも、非情にも管ビンのアルコールの中へアブラムシを採集していた。これも悲しい宿命なのか?

d0163696_19313294.jpg
これは別のナナホシテントウ。前の写真より体色が濃い。

観ていて、あることに気がついた。
彼らはアブラムシを捕らえ、少し離れたところに持っていて食べるらしいのだ。
コロニーに居座って食べ続ければ効率が良いのに…
一人で静かに食べたいということか?

この一角にはかなりの数のナナホシテントウがいたが、居座り型のナナホシテントウは観察できなかった。
それどころか、絶好の餌場であるカラスノエンドウから離れ、長距離移動するものもいた。
d0163696_1932419.jpg
(意外に動きが早いのでカメラで追うのはけっこう難しい。)

後日、H先生にナナホシテントウの静かな食事についてご意見をうかがった。
……………………………………………………
私の観たところでは普通に居座って食べると思いますが、種の保存のためにいろいろな行動パターンを身につけているということは考えられますね。
小さいながらも野生動物だから、じゃまの入らないところで静かに食事をするという本能を身につけているのかもしれません。
……………………………………………………

少し離れたところの木杭に、もう蛹になっているのが観られた。
d0163696_19514228.jpg
樹幹などの安定した場所に移動して蛹になるらしい。
食事とはちがって蛹化では集団になるようだ。2008年の自然観察大学観察会で観たヒノキの樹幹の大量の脱皮殻が思い出される。
http://sizenkansatu.jp/index_8.html から見沼の第2回観察会参照)

なお、H先生によると、4月半ばのカラスノエンドウで見られるのはほとんどがナナホシテントウ。テントウムシ(ナミテントウ)よりもナナホシテントウのほうが低温に強いらしく、早くから活動をはじめるということだ。


タコがアリのエジキに…

暖かくなったためか、タコゾウムシが活発になった。
d0163696_19341646.jpg
植物体上を動きまわる幼虫が目につくが、どうも個体数は減っているらしい。

地表に落ちたタコゾウムシをアリが襲っている。
d0163696_1936831.jpg
小さくて動きが速いのでふだんは気づかないが、こうして写真を見るとアリもけっこう凶暴そうな大あごを持っている。
丸々と太った重たそうな幼虫だが、軽々とくわえて運び去る。

あたりを見ると、ほかにも3、4件の連れ去り事件に遭遇した。
d0163696_1938271.jpg
わずかな時間に何頭もの幼虫が連れ去られたところを見ると、もしかすると落ちた幼虫だけではなく植物体上のタコゾウムシを捕らえているのかも知れない。

ところで…
一般にアリとアブラムシの共生関係について広く言われている。
甘露をもらう代わりに、アリがテントウムシからアブラムシを守るというのだが、今回はアブラムシのコロニーではアリは観られなかった。
アブラムシの甘露よりもタコゾウムシのほうが美味しいということだろうか。

2011年4月25日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-04-25 19:53 | 植物と虫 | Comments(4)

セイタカアワダチソウの訪花昆虫(5)

コアオハナムグリ
花に潜るから “ハナムグリ”というそうだが“潜る”を“むぐる”というのはどこかで転訛したのだろうか。そういえば私も子供のころ、潜水で泳ぐのを“むぐる”といっていたような記憶がある。
コアオハナムグリは意外に敏感で、危険を察知すると頭を埋めるようにしてじっと動きを止める。一度警戒体勢に入ると5分から10分は起動しない。気長に待って撮った。
d0163696_16511699.jpg

コアオハナムグリはミカンの花に潜って、頭や脚でミカンの子房表面に傷を付ける。成長したミカンは果実の表面に傷が残るので、商品価値がなくなるので、この虫はミカンの訪花害虫といわれている。味は変わらないと思うのだが、商売となると難しいのだろう。

テントウムシ
訪花昆虫ではないが、テントウムシの話をさせていただく。
d0163696_16531778.jpg
ナナホシテントウの飛び立つ瞬間の撮影にチャレンジしてみた。前翅が少し開いた直後にシャッターチャンスが来るのだが、そう何度も繰り返すことはできないので、けっこう難しい。
飛んでる姿をテーマに撮り続けている http://geocities.yahoo.co.jp/gl/tanatinsan 鎮さん に、秘訣を伝授いただきたいものだ。
(鎮さんは自然観察大学の学生です)

d0163696_1655188.jpg
ナナホシテントウは、擬死(偽死とも書くらしい)を撮るつもりで持ち帰った。ご存知の方は多いと思うが、昆虫が死んだふりをすることである。擬死はハムシやタマムシ、ゾウムシなど小さな甲虫類に多く観られる。葉の上の虫を採ろうとして、ポロリと落ちて逃してしまった経験は皆さんにもあると思う。
擬死は、野外では普通に体験できるが、撮影用に採集した昆虫は意外にも擬死しないようだ。環境の変化のためか、持ち帰った虫たちは興奮してしまって擬死どころではない。みなクモの子を散らすように逃げるのだ。
この写真は7,8頭のテントウムシをぶちまけて、何度目かの試技でやっと死んでくれたものである。

テントウムシの黄色い汁
擬死を撮るつもりが、思いがけずに黄色い汁が撮れた。
撮影中は気づかなかったのだが、写真の仕上がりをチェックしていて “擬死から復活したテントウムシ” の中にの中に次の写真を発見した。
d0163696_17402870.jpg
両肩(胸部と翅の境界部分)に黄色い汁が見える。ウィキペディアには関節から出るとあるが、どこの関節なのだろう。
なお、黄色い汁には呼び名がないようなので、“黄毒汁(きどくじる)” と呼ばせていただくことにする。黄痰、黄粘液、黄臭毒… ほかに良い名前が思いつかない。
d0163696_1725664.jpg
けっこう大量に出るものだ。その後もたらしながら歩いていたらしい。
汁に気づいていたら、臭いをかいだり、ちょっと舐めてみたりできたものを… 

黄毒汁も野外では普通に体験できるが、いざ撮影しようと思うと困難であった。
以前、試行錯誤したあげくに自然観察大学のY先生に黄毒汁撮影の秘訣をうかがったことがある。
Y先生いわく “カメラを構えた状態で奥さんに刺激を与えてもらうのがいいでしょう。だから秘訣は夫婦円満であることです。ちなみに私も撮影を試みていますが、いまだに成功していません。”

余談ですが…
黄毒汁の臭いと毒のおかげで捕食者に襲われることはない、というのは広く言われている話なので、ホントは正式な呼称があるのかもしれない。ご存知の方がいらしたら、ぜひ教えていただきたい。
しかし、もしも名前がないとしたら情けない話だ。
以前 『イモムシの眼は筋肉袋』 : http://sizenkan.exblog.jp/12032640/ でも呼称がないらしいことを記した。
昆虫学にかかわる先生方にお願いです。ぜひ適切な名称を付けていただきたい。
そうでないと、日常会話が困難になってしまうマニアックな人々がいるのです。

2010年11月23日、報告:事務局O

【11/26追記:反射出血と言うそうです】
南十字星さんから、これは “反射出血” と言う、というコメントをいただきました。本稿の右下の “Comments” をクリックするとコメントを読むことができるので、ぜひどうぞ。
「反射出血 テントウムシ」で検索してみましたが、DNA解析に利用されているそうですね。
南十字星さん、ありがとうございました。今後ともご指導よろしくお願いいたします。
[PR]



by sizenkansatu | 2010-11-23 17:50 | 昆虫など | Comments(2)

カイガラムシとテントウムシ

6月6日(日)の『農場の自然観察』 http://www.sizenkansatu.jp/index_1.html 終了後に楽しい時間があった。
ウメの木にびっしりついたカイガラムシを発見し、近寄ってみると別の異様な虫がいた。Y先生によると異様な虫の正体は“アカホシテントウ”。ウメの枝に蛹がびっしりとついていた。
d0163696_12583380.jpg

一本の枝だけでなく、あちこちにいる。「うわっ、ここにもいる。」「こっちもすごいですよ。」ものすごい数で、K先生を筆頭にみんな興奮状態だ。
多くは蛹で、成虫が少し。
「ちょうど羽化しているのがいますよ。」T先生の言葉に、みんなワッと集まる。
d0163696_1259176.jpg

写真は羽化途中のアカホシテントウ(撮影:T先生)。黄色い翅は時間が経つと黒色になり、大きく不明瞭な赤い斑紋ができる。終齢幼虫の脱皮殻の中で蛹になる、ハエ類には多いがテントウムシとしては珍しい習性(Y先生)ということで、写真の一番外側がトゲトゲの幼虫の脱皮殻、その中に濃褐色の蛹の殻が見える。Y先生の言葉どおりだ。
アカホシテントウは別名アカボシテントウとも言われる。成虫はこのまま葉裏でじっと越夏するそうだ。
わいわいやっていると、そこへまたほかの先生が集まってきて、撮影会になった。
d0163696_13012.jpg

それぞれが角度を変えたり、位置を入れ替わったり、ときどき“オォッ”と声を上げたりしながらカシャカシャ撮り続ける。
先に撮り終えたY先生が、すぐ近くで面白いものを見つけた。
d0163696_1311170.jpg

これまた異様な姿をしている。クサカゲロウの仲間の幼虫で、捕食性昆虫である。食べかすを自分の背中に背負って擬態をする。
発見したときにY先生が“かす”を剥がしてしまったそうだが、写真ではまだ少し残っている。
体長1-2ミリほどと小さいので、この撮影は超接写システムを使っているT先生の独壇場であった。上の写真もT先生から提供いただいた。
d0163696_1321393.jpg

肝心のカイガラムシも紹介しておこう。“タマカタカイガラムシ”である。ウメの木でよく見かける。褐色の球状のものは昨年の雌成虫の死骸で、内部は現在空になっている。球の直径は5ミリ弱。白いのは幼虫で脱皮殻も多数見える。たくさんのテントウムシに食べられて、まだびっしりといるカイガラムシにも驚きだ。

以上、先生方の生態は昆虫以上に興味深いものでした。

2010年6月14日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-06-14 13:06 | 昆虫など | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

最新の記事

最新のコメント

> take_it_ea..
by sizenkansatu at 20:13
ツユクサもだいぶ進化した..
by take_it_easy at 20:15
> なおぼんさん コメ..
by sizenkansatu at 13:33
イヌホウズキはよく見ます..
by なおぼん at 13:47
> 飛行機雲さん コメ..
by sizenkansatu at 20:24

検索

ブログジャンル