自然観察大学ブログ

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セイタカアワダチソウの虫たち 2015 その1

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ここ数年、目立って増えているアワダチソウグンバイ。
バックの葉の白い部分はこの虫に吸汁された跡だ。
私の周りのセイタカアワダチソウは、ほとんどがこのグンバイムシに吸われている。
そしてこの虫は、セイタカアワダチソウだけでなくヒマワリなどキク科植物を中心にいろいろな植物につく。

【参考1】アワダチソウグンバイとゴボウと風と 
【参考2】エグリグンバイとアワダチソウグンバイ -グンバイムシを拡大して観よう- 


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こちらはセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ。
日本のセイタカアワダチソウでは、グンバイムシよりも少し先輩だ。
このアブラムシはセイタカアワダチソウだけで生活し、ほかの植物には移らない。
逆にセイタカアワダチソウで確認されているアブラムシは本種だけだそうである。

この記録は6月初旬のもの。(まいど季節はずれですみません)
セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシは真夏にはぐっと密度が下がる。


このアブラムシを狙って捕食者がやってくる。
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カマキリの幼虫。
小さなカマキリにとっては、アブラムシは格好の餌なのだろう。
上の写真を拡大して観よう。(虫嫌いの人はつぎ注意!)


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カマキリの成虫がセミやバッタなど大きな昆虫を食べるのはよく観るが、幼虫がアブラムシを食べるとは知らなかった。
それにしても、カマキリの食事シーンは相変わらず強烈だ。

【参考】カマキリの食事  


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アヅチグモに食われるカマキリの幼虫。
カマキリのほうも、うかうかしていられない。

私が観ていたセイタカアワダチソウの群落はクモも多かった。アブラムシを食うこともあるかもしれないが、林縁の群落だったので獲物が多いのだろう。


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これはササグモ。
これも網をつくらずに葉の上でじっとして、通りかかった獲物を捕まえるという。
トゲトゲの脚はそのためか?


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こちらはコシロカネグモ。
水平に網を張って、仰向けになって獲物を待つ。

こちらも仰向けになって仰角で観よう。
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金属光沢のある白い腹部と金緑色の脚が、なかなか美しい。
「野外観察ハンドブック/校庭のクモ・ダ二・アブラムシ」(浅間茂ら,全農教)によると、腹部の褐色のラインが肩のところで消えるのがコシロカネグモで、よく似たオオシロカネグモと区別できる由。

同書によると刺激して驚かすと、この褐色のラインが太くなるそうだ。今度見つけたらやってみよう。

(以下つづく)

2015年8月26日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2015-08-26 12:29 | 昆虫など | Comments(0)

ヘクソカズラグンバイ その2(幼虫) -続・グンバイムシを拡大して観よう-

ヘクソカズラグンバイ〟という名前だが、アカネ科植物につくらしいので、もしもアカネで発見されていたらアカネグンバイになっていたのだろうか…

これは吸収されたヘクソカズラの葉。
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中央左寄りに成虫が一頭いる。葉の大きさと比較すると、小ささがわかる。
日本原色カメムシ図鑑 第3巻』( )によると、成虫は体長2.6-3.2mm。

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葉の裏を見ると、幸子さんたちが並んでお食事中だった。
小さい虫でも、大勢で何度も吸収されては、ヘクソカズラがかわいそうになってくる。

ヘクソカズラグンバイの体臭をチェックした。
屁糞の臭いがするヘクソカズラの葉を吸汁するグンバイムシは、いったいどんな臭いなのか…
濃縮されて極め付きの悪臭なのか??
失礼して一頭だけつまんで臭いを確認したが、残念ながら臭いは感じられなかった。
たくさん捕まえて磨り潰せば臭うのかもしれないが…

さて、幼虫である。
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これは若齢幼虫。翼のかわりにとげとげをまとっている。透明な体は親ゆずりだ。とげの先に水滴状のものが多数あるが、これはなんだろう。
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触角にもある。分泌物なのか、あるいは結露なのか。(写真クリックで拡大)
うぅむ。謎だ。

こちらの幼虫はたぶん終齢。
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翅芽(しが)があるのは他のカメムシの仲間と同じだが、両肩も盛り上がって、若齢とは明らかに違う。おそらくこの盛り上がりが翼になるのだろう。(翼芽と言うのか?)
さすが、グンバイムシだ。

ところで、これだけ多数の成虫がいたのに、卵が観察できなかった。
おちゃたてむしさんのところに別のグンバイムシの卵が出ていた。(前述の水滴状のものも観察されています)

アワダチソウグンバイ ⇒  
ナシグンバイ ⇒ 

ヘクソカズラグンバイの卵も、これらと似ているのだろうか。観てみたいものだ。

2013年11月4日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-11-04 08:29 | 昆虫など | Comments(0)

ヘクソカズラグンバイ その1 -続・グンバイムシを拡大して観よう-

ヘクソカズラグンバイは以前にも登場 ( ) しているのだが、再度、異形チャンピオンに登場いただこう。

前回7月の エグリグンバイ、アワダチソウグンバイ と比べてご覧いただくとありがたい。

全身がステンドグラス状なのはグンバイムシ類に共通の特徴で、なかでもヘクソカズラグンバイは透明度が高く、キラキラとよく光る。
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特筆すべきは、なんといっても背中の飾り。
派手好きのグンバイの中でもナンバーワンだ。
写真ではよくわからないかもしれないが、頭の上に球状の袋が、まず一つ。
その後ろ、両側に大きなお椀型の膜が一対。
さらに後の翅の付け根には小さなお椀が一対ある。

立体的なので観ると面白いのだが、写真にするには困りものだ。
全身を撮ろうとすると、この角度でないと全体にピントが合わないのだが、頭は隠れて見えなくなる。
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複眼が見える角度から撮ると、今度は翅にピントがない。立体的な造形で、接写泣かせの困ったやつだ。

横から観ると派手さがよくわかる。
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この角度で観ると、翅に隠れた胴体が確認できて、本体が意外に小さい。

今度は正面にまわって顔を見る。
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うぅっ。やっぱりすごい迫力!
Y崎先生いわく 「グンバイ界の小林幸子」 である。
スタア揃いのグンバイムシ界で、際立った装いだ。

翅が大きいうえに、帆のような付属物があるのだから、さぞかし風に乗って飛ぶのだろう。
台風が来たらひとたまりもないように思えるが、意外と脚力があって、葉の裏にしがみついて頑張っているらしい。(Y永先生にうかがった)
それはそうだ。もしも台風の風に乗ったりしたら海の藻屑だ。二度と着地することはないだろう。ましてや、食草のヘクソカズラに降り立つことなど限りなく不可能だ。

おまけにもう一カット。
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触角は意外に毛深く、懸命に手入れをしていた。ということは感覚を研ぎ澄ましているというところなのだろう。
動きが鈍くてのんびりして観えるが、意外に神経質なのかもしれない。

余談ですが…
前回のヘクソカズラグンバイは2年前である。
当時はデジタルカメラで接写することができなくて、フィルムで撮影したものをスキャニングしていた。
現在はふるいオリンパスの接写レンズをデジタルカメラに着けて撮っている。
比べてみるとどうだろうか。どちらが好いかは別として、ブログの画面ではデジタルが上のようだ。

以下次回に続く。

2013年10月30日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-10-30 07:50 | 昆虫など | Comments(0)

エグリグンバイとアワダチソウグンバイ -グンバイムシを拡大して観よう-

グンバイムシはカメムシの中のひとつのグループだが、みんな個性的な姿かたちをしている。
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これはエグリグンバイ
翅脈は網目状の透かし彫り風で、翅の真ん中あたりには立体加工がなされている。
体長4mm前後の微小な世界で、この精密さだ。
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頭の後ろにお椀のようなものを付けていて、これにも透かし彫りが施されている。

ところで、この口器を観ると、グンバイムシはカメムシの仲間であることがうなずける。
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よく観ると、口器を収納するように盛り上がった部分(唇?)があって、そこにも透かし彫りが…
すみずみまで行き届いた造形だ。

う~む。いい仕事してますねぇ。


次はアワダチソウグンバイ
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全身の縁にとげをめぐらしていることと、翅の先端近くに大きめな○印が3個ずつ並ぶのが、アワダチソウグンバイの特徴。
頭上の風船は控えめだが、顔の両側に突き出す大きな膜がある。
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アワダチソウグンバイはえぐりグンバイより一回り小さく、体長約3mmなのだが、本体はさらにずっと小さい。
薄い膜(翅や付属物)の中央に胴体がちょこんとくっついているだけだ。

アワダチソウグンバイは、最近ほんとに増えている。
以前の記事: 『アワダチソウグンバイとゴボウと風と』  
(このときと同じような写真だが、今回は接写用の新兵器を導入したので再度掲載させていただいた)

さて、グンバイムシはどうしてこんな複雑怪奇な造形なのだろう。
この形態なら、飛び上がったあと、軽量化と風を受けやすい形態とで、どこまでも風に乗って飛ぶのだろう。エグリグンバイのお椀は、とくに風をはらみやすい形状だ。
風に乗るということは遠距離移動には効率がよいが、目標地点に到達するのは宝くじに当たるようなものだろう。心ならずも大海に放り出されてしまう仲間も多いに違いない。
「盲亀の浮木、優曇華の花」を超越しそうな「軍配虫の着地」である。


ところで…

奇怪な姿のグンバイムシの中でも、異形チャンプ として知られるのがヘクソカズラグンバイだ。
『ヘクソカズラとグンバイムシ』  
この記事を振り返って読んで、みずから課した宿題を思い出した。
● 臭いヘクソカズラを吸汁するヘクソカズラグンバイはどれだけ臭いのか?
…である。
今年はぜひ確認したい。

2013年7月8日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-08 19:09 | 昆虫など | Comments(0)

ヘクソカズラとグンバイムシ

ヘクソカズラ -不思議な花の形-

ヘクソカズラはこの時期よくめだつ。
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夏のつる植物の代表的な雑草の一つだ。
同じアカネ科のアカネやヤエムグラなどはトゲでひっかかりながら絡むのだが、ヘクソカズラはトゲがなく、巻きつき型のつる植物である。
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花も独特な筒状の形で、アカネ科らしくない。
不思議な形の花だ。
花の赤いところをお灸の火に見立てて、ヤイトバナ(灸花)とも言われる。
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ヘクソカズラの名前は、この葉を揉むと屁糞のようなすごいにおいがするから、ということはよく知られている。すごい名前を付けたものだ。
たしかにくさいが、個人的には名前ほどのことはないと思うのだが、いかがだろうか…

ヘクソカズラグンバイ -異形チャンプ-

このヘクソカズラに付くヘクソカズラグンバイという虫がいる。
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異形ぞろいのグンバイムシの中でもナンバーワンの奇怪な姿。
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拡大してみると、頭胸部に風船のような柄杓のようなものがある。
Y先生いわく “グンバイムシ界の小林幸子”
この飾りは、風に乗って長距離移動するための帆のような働きをするのだと考えられる。

ヘクソカズラグンバイは近年分布を広げていて、写真は昨年(2010年)野川公園の観察会でY先生が発見したもの。
(フィルム撮影のスキャニングなので画質の劣化はお許しいただきたい)
今年も探しているのだが、今のところまだ発見できない。
これから数が一番増える時期だと思うので、引き続き注意して観察したい。
みなさんもお近くのヘクソカズラで探してみてはいかが?
発見したらぜひご一報ください。

余談ですが…
屁糞のような葉を吸収するヘクソカズラグンバイは、いったいどんな臭いなのだろう。
濃縮され、極め付きの臭いになっているのだろうか?
興味のある方はぜひ試していただきたい。
これについても報告をお待ちしている。

2011年8月10日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2011-08-10 18:55 | 植物と虫 | Comments(0)

アワダチソウグンバイとゴボウと風と

天気のよい休日は、かならず近所を歩いている。これは9月なかばの話である。
遠目に見た菜園のゴボウの葉が、異様に白かった。
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葉の裏を返してみると、グンバイムシがびっしりといた。アワダチソウグンバイだ。
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飴色の、数の多いのが幼虫。
アワダチソウグンバイの成虫の大きさは葉脈との比較で想像できるが、体長3mm程度。
グンバイムシはカメムシの仲間(カメムシ目)で、針のような口器で植物を吸汁する。白くなっていた葉は吸汁された痕だ。
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これは以前セイタカアワダチソウで採集したもの。成虫はグンバイムシ特有の異様な姿だ。相撲の軍配に似ているのでグンバイムシということが知られている。
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横から見ると、頭の上が盛り上がっている。これは中空で、いかにも体が軽そう。
翅だけでなく胸部や頭部、全身を使って風に乗るということか。
セイタカアワダチソウなどの雑草で増殖して、農作物に飛来してくるのだろう。農家にとっては迷惑この上ない話だ。

同じグンバイムシの仲間のプラタナスグンバイは、秋葉原の事務所近くで今年も猛威を振るっている。被害を受けた街路樹は、秋になった今、新葉を展開し季節外れの新緑状態だ。

近く、ヘクソカズラグンバイを紹介する予定である。こちらはもっと面白い形をしているので乞うご期待。

Y先生いわく、アワダチソウグンバイ、プラタナスグンバイ、ヘクソカズラグンバイを外来グンバイ三兄弟と言うそうだ。
外来の生物は爆発的に増える場合がある。一時的な現象のことも多いが、三兄弟は今後どうなっていくのだろう。

アワダチソウグンバイについては“話のたねのテーブル” http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.htmlのバックナンバーから、No.103,87,9を参照いただきたい。

2010年10月29日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-10-29 18:25 | 昆虫など | Comments(0)

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