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自然観察大学ブログ

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江戸川べりの観察-23 カスマグサ

今の季節、カラスノエンドウは元気がよい。
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4月13日の木場公園での観察会 『親子で雑草を観察しよう』 では、カラスノエンドウをみんなで詳しく観察した。

<『親子で雑草を観察しよう』の詳しいレポートは自然観察大学ホームページ参照(野外観察会の項を探してください。個別のURLがありません)>
なお、カラスノエンドウについてはこれまでに何度か観察記録があるのでそちらもぜひどうぞ。
※ 支え合うカラスノエンドウ   
※ カラスノエンドウをめぐる虫たち   

観察会では、カラスノエンドウのすぐそばにスズメノエンドウがあった。
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ズメノエンドウは、カラスに比べると全体に細くて弱々しい感じで、花もごく小さい。
上の写真で白くちらちら見えるのが花。
長い花柄の先に5個くらいずつ、まとまって咲く。
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拡大すると、きちんとマメ科の蝶形花になっている。

さて、カスマグサだ。
どこにでもあるということはないのだが、あるところにはあるという不思議な雑草である。
このカスマグサが、江戸川べりの土手にたくさんある。
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カラスノエンドウとスズメノエンドウを漢字で書くと烏野豌豆、雀野豌豆だそうである。
カラスは果実(豆と鞘)が黒くなるからで、スズメはそれよりずっと小さいからというのだが、その中間がある。
カラスとスズメの頭文字の “カ” と “ス” の、その間というので “カスマグサ” である。
全体の感じもカラスノエンドウよりも細いが、スズメノエンドウよりはしっかりしている。
まさしく “カスマ” だ。
花もカラスほど大きくはないがスズメよりは大きい。長い柄の先に2個ずつ咲くのだが、うつむいて絵になりにくい。

寝そべって仰角で撮ったのがこれ。
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なかなか美しい。
蝶形花を復習しておこう。
・後ろの大きいのが旗弁で、大きく旗を立てたような形。
・前方に開いたのが翼弁(側弁ともいう)。
・真ん中の白いのが竜骨弁(舟弁ともいう)で、この中に雌しべと雄しべがある。

ところで、カスマグサの花は花弁の縞模様がチャームポイントだと思うが、カラスノエンドウでも紋様のある花がときどき見られる。
この縞模様は葉脈に由来するものなのだろうか。

カラスノエンドウのさやを透かして見ると血管のようなものがある。
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これと同じものを、以前アレチヌスビトハギでも見た(

植物の花も果実も、もともとは葉から進化したものということなので、その名残ということなのだろうか。

話をカスマグサに戻して、果実を観よう。
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野菜のキヌサヤのような感じで、やはり花と同じに2個ずつならぶ。

それにしても、カスマグサとはなかなか味な命名だ。
カスマに似た由来ではヘチマがある。
ヘチマは、糸瓜や唐瓜が転訛してトウリとなり、その頭文字のトが、イロハニホヘトチ…  の “ヘ” と “チ” の間なので“ヘチマ”だというのだ。(異論もある)
ヘチマの命名も悪くはないが、言葉の遊びに過ぎない。これに対しカスマは観察にもとずく命名で、観察眼とセンスのよさが光る。


余談ですが…

自然観察大学ブログは、いつの間にか300回を突破していた。
2010年に『NPO法人自然観察大学』設立後にこのブログをはじめて、以来4年間で300回である。
お読みいただいたみなさん、ありがとうございます。
そして今後ともよろしくお願いいたします。

記念すべき300回は前々回、このときの話はなんと機能性タイツの話であった。もっとちゃんとした観察記録にしたかった。(反省)

2014年5月5日、報告:自然観察大学 事務局O




by sizenkansatu | 2014-05-05 19:04 | 植物 | Comments(0)

雑草の冬越し-4 動き続ける雑草

今回も越年する雑草のつづき。(季節外れで申し訳ありません)
厳寒の季節にも活動し続けるカラスノエンドウとハコベを観た。

カラスノエンドウの葉の変化
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画面右側のカラスノエンドウは細長い小葉が2枚。もう、ちゃんと巻きひげがあって2本が支え合うように伸びている。
画面左もカラスノエンドウだが、丸い小葉が3-5枚だ。
カラスノエンドウの葉は次のように変わっていくイメージがある。

  細長い小葉が2枚。秋の芽生えはこれ。
  
  丸い小葉。数は少なめ。早春まではこのタイプが目立つ。
  
  細長い小葉で、数は多い。普通は12枚か? 花を着ける時期はこのタイプ。

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これもカラスノエンドウ。裸地では全体のようすがよくわかる。
寒い季節には地表低く広がって、自分の縄張りを確保しているようだ。
暖かくなるとここから立ち上がって、うっそうと繁る。

ハコベのひねた子ども
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ハコベもはじめは低く広がり、そのあとで立ち上がってくる。条件の良いところではカラスノエンドウに負けないくらい壮大な群落になることもある。

よく観ると先端に花をつけていた。
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雄しべが4つなのでコハコベ。厳冬期でも立派に開花している。
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すぐそばに、芽生えて間もないハコベがあった。
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こちらはもう果実をつけている。芽生えてすぐに開花・結実したのだ。
う~む。こんなに小さいのに立派な大人だ。

2012年3月22日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2012-03-22 20:58 | 植物 | Comments(1)

カラスノエンドウをめぐる虫たち

カラスノエンドウは今まさに満開。
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あいかわらず、互いに支えあって伸びている。
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拡大して観ると、まさしくマメ科の蝶形花(ちょうけいか)。
マメ科の花の構造は少し複雑だ。花弁は旗弁(きべん)、側弁、竜骨弁からなり…

説明はやめておこう。先日、友人たちとの宴席で、『ブログの文字が多くて、内容がマニアックすぎる』 という多数の批判を浴びてしまった。
反省して、まずはだまって花を観ていただくことにしよう。


<< ご注意! 以下の写真は、虫嫌いの方はけっして一人では見ないでください >>


ナナホシテントウに野生を見た!

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ナナホシテントウがアブラムシを食べていた。
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拡大するとすごい食べっぷり。野生の肉食動物の迫力を感じる。
(迫力を味わいたい方は写真をダブルクリックしてください)

食べられたアブラムシ(マメアブラムシ?)はかわいそうな気もするが、カラスノエンドウから見れば、寄生虫を食べてくれるありがたい味方ということになる。
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カラスノエンドウの先端付近では、群落のいたるところでコロニーをつくっている。アブラムシの繁殖力はものすごいが、負けずに伸びるカラスノエンドウの繁殖力もすごい。

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これはヒラタアブの仲間の幼虫。やはりアブラムシを食べるが、こちらは迫力がありすぎるので、今回はやめておこう。
(これでも、万人に愛されるブログを目指しているのです)

M先生によると “アブラムシは陸のプランクトン” … 食べられることが宿命だ。
別のM先生(こちらもアブラムシの専門家)は、テントウムシやヒラタアブが捕食しているのを見ると 「こらっ! 私のかわいいアブラムシちゃんに何をするかっ!」 などとブツブツ言いながらも、非情にも管ビンのアルコールの中へアブラムシを採集していた。これも悲しい宿命なのか?

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これは別のナナホシテントウ。前の写真より体色が濃い。

観ていて、あることに気がついた。
彼らはアブラムシを捕らえ、少し離れたところに持っていて食べるらしいのだ。
コロニーに居座って食べ続ければ効率が良いのに…
一人で静かに食べたいということか?

この一角にはかなりの数のナナホシテントウがいたが、居座り型のナナホシテントウは観察できなかった。
それどころか、絶好の餌場であるカラスノエンドウから離れ、長距離移動するものもいた。
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(意外に動きが早いのでカメラで追うのはけっこう難しい。)

後日、H先生にナナホシテントウの静かな食事についてご意見をうかがった。
……………………………………………………
私の観たところでは普通に居座って食べると思いますが、種の保存のためにいろいろな行動パターンを身につけているということは考えられますね。
小さいながらも野生動物だから、じゃまの入らないところで静かに食事をするという本能を身につけているのかもしれません。
……………………………………………………

少し離れたところの木杭に、もう蛹になっているのが観られた。
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樹幹などの安定した場所に移動して蛹になるらしい。
食事とはちがって蛹化では集団になるようだ。2008年の自然観察大学観察会で観たヒノキの樹幹の大量の脱皮殻が思い出される。
http://sizenkansatu.jp/index_8.html から見沼の第2回観察会参照)

なお、H先生によると、4月半ばのカラスノエンドウで見られるのはほとんどがナナホシテントウ。テントウムシ(ナミテントウ)よりもナナホシテントウのほうが低温に強いらしく、早くから活動をはじめるということだ。


タコがアリのエジキに…

暖かくなったためか、タコゾウムシが活発になった。
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植物体上を動きまわる幼虫が目につくが、どうも個体数は減っているらしい。

地表に落ちたタコゾウムシをアリが襲っている。
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小さくて動きが速いのでふだんは気づかないが、こうして写真を見るとアリもけっこう凶暴そうな大あごを持っている。
丸々と太った重たそうな幼虫だが、軽々とくわえて運び去る。

あたりを見ると、ほかにも3、4件の連れ去り事件に遭遇した。
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わずかな時間に何頭もの幼虫が連れ去られたところを見ると、もしかすると落ちた幼虫だけではなく植物体上のタコゾウムシを捕らえているのかも知れない。

ところで…
一般にアリとアブラムシの共生関係について広く言われている。
甘露をもらう代わりに、アリがテントウムシからアブラムシを守るというのだが、今回はアブラムシのコロニーではアリは観られなかった。
アブラムシの甘露よりもタコゾウムシのほうが美味しいということだろうか。

2011年4月25日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2011-04-25 19:53 | 植物と虫 | Comments(4)

カラスノエンドウのタコゾウムシ

3月28日、カラスノエンドウでアルファルファタコゾウムシを探してみた。
3月の雑草-2 『支え合うカラスノエンドウ』 http://sizenkan.exblog.jp/13230234/ で南十字星さんにコメントをいただいたタコゾウムシだ。

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ひどく食べられた痕跡がある。
幼虫がいるはず、と探したのだが見つからない。
ところが南十字星さんの言葉通りにトントンとたたいてみると、次から次へと幼虫が出てくる。こんなにたくさん、どこに隠れていたのだろう。
ありのままの生態を観たいし、悔しくもあるのでさらに探索した…

いた!
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未展開葉の中にうずくまるようにじっとしている。
体長は7-8㎜といったところだが、小葉との比較で大きさがイメージいただけるだろう。
左の幼虫のわきには、さらにごく小さい幼虫の姿も観られる。

直射日光が当たって驚いたのか、もぞもぞと動き出した。
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幼虫の背面に白い筋があるのが特徴らしいが、近縁と言われたオオタコゾウムシ幼虫にも同じ白い筋があるので、幼虫からはアルタコなのかオオタコなのかはわからない。
今後の成長を見守ろう。

『日本農業害虫大事典』 http://www.zennokyo.co.jp/book/nogyo/nng.html によると、成虫は12月から5月の夜間に産卵する、とある。越冬するカラスノエンドウに産みつけられた卵がカラスノエンドウの成長とともに孵化、摂食し、5月には成虫になるらしい。うまくリンクしている。
カラスノエンドウのほかレンゲ(ゲンゲ)にもつき、成虫はキュウリやメロンを食う農業害虫とされている。

アルファルファタコゾウムシの名前は、マメ科牧草のアルファルファに着くタコゾウムシ(タコゾウムシ亜科)ということだろう。
それにしてもタコゾウムシの名前の由来はなんだろう。蛸なのか、凧なのか、いずれにしても成虫も幼虫もそのイメージはないのだが。気になる…

2011年4月5日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2011-04-05 16:50 | 昆虫など | Comments(0)

3月の雑草-2

支え合うカラスノエンドウ

3月はじめには地表を低く伸びだしたカラスノエンドウがあった。
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1月に『雑草の防寒対策』 http://sizenkan.exblog.jp/12790406/ で観た姿と比べるとずいぶん成長しているが、まだ2複葉で、羽状にはなっていない。

さらに2週間後は急速に伸びていて、日当たりのよい暖かな場所ではもう立派な群生も観られた。
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密生して、上に向かっていっせいに伸びる。
成長が速く、他の雑草に先がけて伸びるが、それと引き換えに茎はナヨナヨして頼りない。
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茎の一本一本は弱々しいのだが、みんなで巻きひげをからませることで支え合い、助け合って伸びている。
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成長したカラスノエンドウの葉は羽状複葉で、先端が巻きひげになっている。
羽状複葉は密生した時に効率よく光を受けられるということなのだろう。
葉の付け根には托葉(たくよう)があって、托葉には蜜腺(みつせん、赤褐色の点)がある。蜜腺は一般に昆虫を惹きつけると言われるが、なぜかカラスノエンドウではここに集まる昆虫は見かけない。
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これはマメアブラムシだろうか。成長点付近の未展開葉にばかり集まっている。
“蜜腺にはだまされんぞ” ということだろうか。

余談ですが…
カラスノエンドウをウィキペディアで調べてみたが、植物学的局面では『ヤハズノエンドウ』とあった。それはそれでいいのだが、気になるのは次の記述だ。
“茎には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立する”
これは誤りで、次のようにするのが正しいようだ。
“葉の先に巻きひげがあり、近くのものに巻きつかせながら、あるいは互いに絡み合いながら直立する”

インターネットの記載はこれだから信じられない! と憤慨しながらネットに書き込んでいる私である。

3月の雑草-3へつづく

2011年3月24日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2011-03-24 19:29 | 植物 | Comments(2)

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