自然観察大学ブログ

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エゴヒゲナガゾウムシをハクウンボクでも観た

エゴヒゲナガゾウムシは何度も紹介させていただいている。
以前ハクウンボクでもこの虫と思われる産卵痕を観たが、今年の7月末にそれが確認できた。
(あいかわらず時季外れの報告ですみません)

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エゴヒゲナガゾウムシの産卵痕。
ハクウンボクの果実はエゴノキよりも大きく、房状につくので写真にしたときに見栄えが好い。

ちなみに、このハクウンボクは年末に葉柄内芽を報告した木だ。
このときの記事では花も掲載したので、よろしければご覧いただきたい。
● ハクウンボクの冬芽  

さて、
これだけ食痕があるのだから、虫もいるだろうと探してみると…
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やっぱりいた。それもかなりの数だった。

上は雌で、眼が飛び出してない。(ウシヅラ)
下が雄で、眼は突き出ていて後ろ向き。正面からはのっぺらぼうに見える。長い触角も特徴だ。
じつに面白い、フォトジェニックな虫だ。
何度も撮影しているのだが、見かけるたびについ夢中で撮ってしまう。

エゴヒゲナガゾウムシの雌は、果実をかじって穴をあけ、中に産卵する。
一方の雄は何をしているのだろう。
ほかの雄に邪魔されないように見張っているという説があり、後ろ向きの眼は背後から近づく邪魔者を警戒するのではないか、ということだが、それだとすると、正面から近づく敵はどうするのだろう?


これまで本ブログのこの虫に関する記事は次のとおり。
よろしければご覧いただきたい。

● 妖怪変化か? -ウシヅラヒゲナガゾウムシ-  
● ウシヅラヒゲナガゾウムシの“くらし”を考える  
● ウシヅラヒゲナガゾウムシ、とっておきの裏話  
● エゴヒゲナガゾウムシの幼虫  
● エゴヒゲナガゾウムシの成虫がいた!  

2018年9月28日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2018-09-28 21:54 | 昆虫など | Comments(0)

エゴヒゲナガゾウムシの成虫がいた!

エゴヒゲナガゾウムシの成虫を観た。
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これは雌。
果実をかじって、これから産卵するのだろうか…
このときは残念ながら時間がなく、産卵を待つことはできなかった。

エゴヒゲナガゾウムシといえば、やはり雄の顔を観たい。
同じエゴノキを探してみたら、いた。
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相変わらずの奇怪な面相だ。
前を見ることができないようで、歩くときは触角を使う。
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長い触角をピタピタと杖がわりに使って、足場を確認しながら移動する。
何度見ても不思議だ。

ところで、このエゴノキは昨年秋に落ちた果実で幼虫を発見した、あの木である。
ほかの木では見かけてないので、やはり、特定のエゴノキに集まるという傾向があるらしい。
昨年の予想がみごとに的中して、希望通り観察することができた。
嬉しさのためか、この顔がとても可愛く見える。

過去のエゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラヒゲナガゾウムシ)の記事は次をどうぞ…
● 妖怪変化か? ウシヅラヒゲナガゾウムシ ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/11605716/
● ウシヅラヒゲナガゾウムシの “くらし” を考える ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/11638330/
● ウシヅラヒゲナガゾウムシ、とっておきの裏話 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/12973930/
● エゴヒゲナガゾウムシの幼虫 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/23561799/


お詫びと言い訳

前回の「メタセコイアの花から実」(5月24日)で、次はラクウショウとの比較について報告することを予告させていただいた。
それからあっという間に2か月近くが過ぎている。おまけに、予告とは全く違う記事になってしまった。
まことに申し訳ない。
言い訳をさせてもらうと、いま、新しい書籍のための撮影に追われていて、撮った写真の整理が追い付かないのだ。そのうえ、6月にはPCの故障という大事件もあった。
今後も投稿の頻度は寂しいものになると思われるが、見捨てずにお付き合いいただきたい。

2017年7月21日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2017-07-21 20:21 | 昆虫など | Comments(0)

エゴヒゲナガゾウムシの幼虫

先日の自然観察大学の観察会(2016.10.2、野川公園)で、エゴノキの実を食べるヤマガラを観察した。
そのとき落ちていた実には、エゴヒゲナガゾウムシと思われる幼虫が入っていたが、そのつながりで…

9月はじめのエゴノキの果実。みごとな稔り。

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ちょっと美味しそうに見えるが、有毒なのでご用心。
かつては、この毒を利用して魚採りが行われたという。

近くの別のエゴノキでは、孔の開いた実が目立った。

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これはエゴヒゲナガゾウムシの産卵痕と思われる。
8月ころに、このように孔を開けて産卵するのだ。

ところで、エゴヒゲナガゾウムシは、雄成虫がとんでもない顔をしている。

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正面がのっぺらぼうで、突き出た眼がナント後ろ向きについている。
この独特な姿が魅力だ。
(写真は以前このブログで掲載したもの)

どうしてこんな顔になったのか、次にその特異な進化が推察されているのでご覧いただきたい。
●星谷仁のブログ『エゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラヒゲナガゾウムシ)』 


話を元に戻そう。
エゴノキの樹冠下に落ちていた果実。

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果皮がはがれて、茶褐色の種子があらわになっている。
画面下の孔の開いたのはおそらく前年の果実で、大きな孔はエゴヒゲナガゾウムシの脱出口だろう。

落ちた果実の一つ割ってみると、中には幼虫がいた。

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中はきれいに食べつくされていて、糸状の黒いのは幼虫の糞。
この幼虫は「ちしゃ虫」の名で釣り餌として販売されていたというが、確かにちょっと美味しそうだ。
先日の野川公園でヤマガラが食べていたのは、もしかすると種子ではなくこの幼虫かもしれない。

エゴヒゲナガゾウムシは毎年決まったエゴノキに集中して産卵するという。
来年はぜひこの樹で成虫のウシヅラ(牛面)を拝ませていただこう。

過去の参考記事
『妖怪変化か? ウシヅラヒゲナガゾウムシ』 
『ウシヅラヒゲナガゾウムシの “くらし” を考える』 
『ウシヅラヒゲナガゾウムシ、とっておきの裏話』 


2016年10月19日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2016-10-19 13:18 | 昆虫など | Comments(0)

ウシヅラヒゲナガゾウムシ、とっておきの裏話

以前このブログで書いたウシヅラヒゲナガゾウムシについて “つくば市:けんぞう” さんから興味深い情報をいただいた。

ウシヅラヒゲナガゾウムシ (正しい和名はエゴヒゲナガゾウムシ、以下 “牛面” と略す) は昨年7月のブログ 『妖怪変化か?』 で紹介した珍妙な姿の虫である。見てない方はまずその記事をチェックしていただきたい。 http://sizenkan.exblog.jp/11605716/

………………………………………………………

ウジヅラヒゲナガゾウムシはヒゲ(触角)が長く、カミキリムシと誤認されてウシヅラカミキリとも呼ばれていた。
けんぞうさんは、淡水魚の釣り餌として売られている昆虫たちを調べていて、この虫に行き着く。“ちしゃ虫” の名でエゴノキの実に寄生した幼虫が高値で売られていたのだ(ちしゃはエゴノキの別名)。
さらに図鑑類でその珍奇な成虫を知ったけんぞうさんは、この成虫をぜひ見たいと考えた。そして釣具店で手に入れたのがこれ。
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表面に横長の短いすじがあるのは産卵痕らしい。
たのしみに飼育したものの、残念ながら成虫は見ることができなかったのである。
このちしゃ虫から成虫が出てこなかったのだ。けんぞうさんは昆虫飼育の専門家でもあるのだから、まことに不思議なことである。
氏の、まだ見ぬ牛面への憧れはつのるばかりであった。

時は過ぎ、その6年後のことである。
牛面の成虫をあきらめかけたころ、けんぞうさんの縄張りであるつくば市内の公園で毎年発生するという情報を、さるゾウムシ類の分類の専門家から得た。
期待に胸を膨らませながらも現地に通いつめ、探索したのであろう。そこで遭遇したのがこれ。
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エゴノキの若い果実に孔を開け産卵するウシヅラヒゲナガゾウムシ雌成虫である。
話に聞いたとおり、雌は眼が突出していない。正面から見るとさぞや牛面なのだろう。
“けんぞう”さんはこの発見のてん末について多くを語らないが、おそらく歓喜のあまりヒザが震えたに違いない。
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こちらは雄。おなじみ(?)の愛嬌たっぷりの姿。

どちらも本来は見事な写真なのだが、画面が荒れているのをご容赦いただきたい。
とくに産卵の写真は、かの 『インセクタリウム』(東京動物園協会発行)* の表紙を飾ったものなのだが…
けんぞうさんの名誉のために言い訳をさせていただくと、オリジナルがポジフィルムのためスキャニングで画質が劣化しているのだ。
安価なスキャナの、性能の限界なのである。業務用(製版等に使うスキャナ)は安くなったとはいえ数百万円以上するらしい。

*: 『インセクタリウム誌』 の表紙写真は、当時マニアの間で競って投稿されていた。
  残念ながら2001年から休刊。

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こちらは翌年同所で採集された幼虫。きれいな糞も確認できる。
きっちりと幼虫を撮っておられるのは、さすが研究者である。

“ちしゃ虫” と “牛面” の関係
昭和10年ころ、この釣り餌 “ちしゃ虫” は一頭50-60円相当の高値で販売されていたそうである。採集人にとっては格好のターゲットであり、釣り人には垂涎の餌だったのではなかろうか。
ところが驚いたことに、かつてはこの親子関係が分かっていなかったそうだ。それどころか、エゴヒゲナガゾウムシ(牛面)という昆虫の存在自体が、昆虫学者の間でもほとんど知られぬ希少な存在だったそうである。
どうやらこの虫は幼虫~蛹の期間が何年もかかるらしく。それが “ちしゃ虫” を買ってきても成虫が羽化してこない原因だったらしい。
幼虫態で長期間安定しているというその生態が、釣り餌として重宝された一因らしい。釣りに出かける間に成長して蛹や成虫になっては困るのである。
水中で牛面を見たら、魚のほうがびっくりするであろう。これでは釣り餌にならないことは、想像に難くない。

もう一つの不思議
それにしても、売品 “ちしゃ虫” の実の中にはほとんど100%生きた幼虫が入っているが、採集人がどうやって幼虫の有無やその生死を見分けているのか、その非破壊検査の手法も未だにナゾらしい。
けんぞう流にいえば釣り餌の業界は 「ナゾだらけのもう一つの虫屋の世界」 だという。

………………………………………………………

今回の記事は、けんぞうさんに提供いただいた写真と、氏が過去に綴られた複数の文章をもとに再編集させていただいた。
“つくば市:けんぞう” さんについては 『自然観察大学のブログを拝見して』 http://sizenkan.exblog.jp/12115610/ で紹介している。知る人ぞ知る昆虫界の重鎮である。けんぞうさん、ありがとうございました。

【教えてください】
上の文中で “エゴノキの実” としたのは、果実か種子かどちらか分からないためである。
どんぐり(堅果)のように堅い殻(殻斗)に包まれた果実で、中に入っているのが種子、という印象なのだが…
どなたか植物に明るい方、ご教示いただけるとありがたいです。

2011年2月22日、報告:自然観察大学 事務局O


【教えていただきました】 2011.3.3追記
エゴノキの果実か種子かで、岩瀬学長からコメントをいただきました。
右下の comments をクリックしてご覧いただけます。
岩瀬先生、ありがとうございました。
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by sizenkansatu | 2011-02-23 19:18 | 昆虫など | Comments(2)

ウシヅラヒゲナガゾウムシの “くらし” を考える

前回のウシヅラヒゲナガゾウムシへのコメントで “どうしてこんな顔になっちゃたんだろう” という “りりねこさん” の疑問があった。
いいことを言っていただいた。確かに “形を見る” そして “くらしを考える” というのが私たち自然観察大学の重要な第一歩ではないか。
肝心のこの虫は撮影した後でY先生に進呈しているので、すでに手元にいない。記憶をたどって意外に活発に飛ぶということを思い出した。眼を離したすきにすぐに飛んでいなくなってしまうのであった。歩くときは触角で探りながらゆっくりだったにもかかわらず、である。

いろいろ考えて、飛ぶ姿の想像図を描いてみた。
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体が立った状態で、背中の方向にゆっくり飛ぶということが考えられる。長い触角を揺らしながら、ヘロヘロと飛ぶ。かつて観察会で話題になった“ヒゲナガガ”に似た飛び方だ。
これなら眼で前方を確認できる。

別のパターンも考えた。あごをグッと引いて眼を前方に向けるのである。
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進行方向やや上方をにらみ、エゴノキや相手となる雌を探して飛ぶ。この飛び方なら高速でビューンという感じになるだろう。

ただし、雌に関しては別に考えなければならない。ウシに似た普通の顔なので、こんな飛び方をする必要はないのだ。謎は深まるばかりである。
“形を見てくらしを考える”というのはおもしろいものだ。
(イラストが下手なのはお許しください)

2010年7月28日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-07-28 19:19 | 昆虫など | Comments(2)

妖怪変化か? -ウシヅラヒゲナガゾウムシ-

7/17の野川公園の続きである。変な昆虫を観た。
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体長5㎜程度と小さく、肉眼でははっきり分からなかったが、カメラのファインダーを覗いてあらためて驚いた。のっぺらぼうでたくましい大顎(おおあご)。妖怪変化か、エイリアンか?
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角度を変えて背面から見ると、ツノのような突起の後ろ側に眼がある。
複眼がこの位置では、上方(背面)と後方は見えるだろう。しかし前方はまず見えないはずだ。
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たしかに前は見えないらしく、歩くときは長い触角を突き出して探っているようす。けっこう活発に歩くので、頭部前面が平らになっているのは、物にぶつかったときのためか?

図鑑で調べると“ウシヅラヒゲナガゾウムシ”でまず間違いない。似た虫もいないそうである。別名エゴヒゲナガゾウムシというようだが、牛面髭長象虫に一票投じたい。エゴノキの果実に産卵、幼虫は果実内を食べて育ち、かつては釣り餌にされたということだ。眼が突出しているのは雄で、メスはまさに牛面だそうである。

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座り込んで、これはちょいと一服のポーズか? 猛暑でお疲れのようだ。

2010年7月23日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-07-23 18:10 | 昆虫など | Comments(1)

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