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自然観察大学ブログ

チュウゴクアミガサハゴロモの産卵

少し前にチュウゴクアミガサハゴロモの観察記録を報告した。
● チュウゴクアミガサハゴロモの観察  
その記事の末尾に産卵痕と思われるものを追記したが、これは誤りであった。
お詫び申し上げるとともに、正真正銘の産卵シーンが観察できたので、改めて報告したい。


ハクウンボクの新梢にチュウゴクアミガサハゴロモの成虫を見つけた。
チュウゴクアミガサハゴロモの産卵_d0163696_21123641.jpg
よく観ると、尻の後方(枝の先の方)に蝋物質を塗り付けたものがある。
これは産卵に間違いない。

翅の一部が破れていて、そこから灰色のゼリー状のものが見えている。(ピンボケですみません)
これは蝋物質を分泌する器官なのか、それとも負傷した痕なのか?
角度を変えて観ようとしたときに、ちょっとした刺激で成虫は飛び去ってしまった。

残念だがしかたがない。残った卵の方を観てみよう。
チュウゴクアミガサハゴロモの産卵_d0163696_21124254.jpg
糸状の蝋物質が全体を覆うように塗り付けられている。

さらに拡大してみよう。
チュウゴクアミガサハゴロモの産卵_d0163696_21125059.jpg
繊細な蝋物質に覆われたその下に、盛り上がっている。
それにしても、ていねいな仕事をしている。

よく観るために蝋物質を取り除いてみた。
チュウゴクアミガサハゴロモの産卵_d0163696_21125765.jpg
盛り上がりは産卵管を刺した痕なのだろう。
産卵管は観ていないが、この盛り上がり方からするとけっこう太いのだろう。

さて、卵を産み込まれた枝を裂いてみると…
チュウゴクアミガサハゴロモの産卵_d0163696_21130407.jpg
大きくて立派な卵が並んでいた。
この卵は夏の間に孵化して、秋には再び成虫になるのだろう。

しっかりした卵は、このあと順調に孵化し生育する確率が高そうだ。
そのうえ、枝の中に産み込んで、さらに蝋物質で覆い保護している。
チュウゴクアミガサハゴロモが急激に増えている理由の一端を見たような気がする。

次の成虫が出てきたら、はじめの写真の灰色のゼリー状の物質の謎について、改めて観察してみたい。

2025年7月21日、報告:自然観察大学 事務局 大野透

追加情報(2025年8月10日)
● チュウゴクアミガサハゴロモの孵化など  





# by sizenkansatu | 2025-07-21 21:17 | 昆虫など | Comments(13)

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり

ヤブガラシはたくさんの蜜を提供している。昆虫界で人気の花になっているようだ。
蜜が多いだけでなく開花期間が長く、花の少ない季節には貴重な蜜源なのだろう。
手元に写真のあった虫をまとめてみよう。

訪花昆虫
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20264072.jpg
アオスジアゲハとアゲハチョウ(ナミアゲハ)。
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20264969.jpg
イチモンジセセリとコブドウトリバ。

チョウやガは雄しべ・雌しべに触れずに吸蜜するようなので、受粉にはほとんど貢献しないものと思われる。

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20265616.jpg
スズメバチ(オオスズメバチ?)とハラナガツチバチ(ヒメハラナガツチバチ?)。

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20270622.jpg
シリアゲアリの一種とヨツスジトラカミキリ。

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20271692.jpg
コアオハナムグリとマメコガネ。
マメコガネは蜜をなめるだけでなく、花やつぼみ、葉もかじる。

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20272784.jpg
ナナホシテントウとオオニジュウヤホシテントウ。
肉食と植物食のテントウムシだが、両者とも蜜はお好きなようだ。


ヤブガラシを食べる虫
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20274662.jpg
ブドウスズメの幼虫は葉を喰う。
大形で長さ8~9cmにもなるので喰う量もすごいだろう。
ブドウスズメによく似たハネナガブドウスズメというのもいて、幼虫では見分けるのが難しいらしい。写真はどちらなのか不明。

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20280163.jpg
コブドウトリバ。
先の写真のように成虫は花を吸蜜するが、幼虫はつぼみを喰う。
このときは真珠体も喰っていた。
参考:コブドウトリバの幼虫  


捕食者など
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20280904.jpg
カニグモ科のガザミグモ(たぶん)。前の脚2対(4本)を広げて獲物待つ。
ヤブガラシの花には、集まる虫を狙って捕食者もやってくる。
↑の写真の左の脚を拡大して観よう。
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20483625.jpg
脚先の方にある剛毛で、がっちり捕まえるのだろう。
(第1脚と第2脚が重なって見えている。)

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20281609.jpg
クサカゲロウの幼虫。(種名は不明)
この仲間には、写真のようにごみや食べかすを背負う種がある。
このごみは、外敵の目から逃れるためのカムフラージュであることがわかっているそうだ。

ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20282807.jpg
こちらは別の個体(種名は不明)で、背中のごみが盛大!
頭部の左上にある緑色の球体は他の虫の糞だろう。ほやほやの新鮮な糞を貼り付けたのだ。

クサカゲロウの幼虫は肉食性でアブラムシやハダニ類を喰うといわれる。
ヤブガラシの花の周辺ではクサカゲロウの幼虫を頻繁に見かけるのだが、餌となるアブラムシもハダニもほとんど見かけない。
獲物がいないのにも関わらず、どうしてヤブガラシにいるのか?

上の写真の緑の糞玉をつけたクサカゲロウを追いかけていたら、その答えの一つと思われる場面を観察できた。


真珠体を喰う虫
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20284456.jpg
ひとつ前のクサカゲロウの幼虫を観ていると、真珠体を大あごで挟みつけた。
はじめは真珠体をはがして背負うのかと思ったのだが、挟みつけたまま動かない。
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20285165.jpg
↑ の写真で、左は挟んだところで、右はその1分後。
真珠体が小さくなっているではないか!
クサカゲロウの幼虫は真珠体の中の液体を吸っていたのである。

ということは…
ヤブガラシは真珠体で捕食性昆虫であるクサカゲロウを呼び寄せているのだろうか?

参考:ヤブガラシとノブドウの真珠体  

なお、クサカゲロウの幼虫の大あごは管状になっていて、これで挟むと同時に獲物に差し込んで体液を吸う。同じアミメカゲロウ目のウスバカゲロウの幼虫(アリジゴク)と同じ構造だ。

参考までにクサカゲロウの成虫も載せておこう。(種名は不明)
ヤブガラシの観察-5 昆虫とのかかわり_d0163696_20285965.jpg
幼虫とは正反対の弱々しい姿で、儚ささえ感じられる。

儚いといえばカゲロウだが、それと共通するイメージなのでクサカゲロウという名前になったのかもしれない。
ただし、カゲロウ目に対してクサカゲロウはアミメカゲロウ目。近縁の関係にはない。

2025年7月19日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2025-07-19 20:40 | 植物と虫 | Comments(10)

ヤブガラシの観察-4 性転換する花

ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22075347.jpg
これがヤブガラシの花。花の周辺にはつぼみが並ぶ。
花の緑色の部分が花弁で、まだ閉じていた時の形が残っている。開花したばかりなのだろう。
オレンジ色の部分は花盤(花托)と言われるもので、その縁に4本の雄しべがある。
花盤の中心は雌しべの花柱だ。
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22080279.jpg
こちらは花弁が開いてきた状態。
左の花はすでに終わった花で、花盤は淡いピンク色。

花盤の上面にはたくさんの蜜を分泌する。
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22082192.jpg
この蜜を求めて、さまざまな昆虫が集まってくる。

ところで、写真(↑)の花は花弁が5、雄しべが5。
ヤブガラシは基本的に花弁も雄しべも4個だが、自然界ではこのようなこともふつうに観られる。

さて、見出しに記した性転換を観てみよう。


雄しべの時期(雄性期)
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22083033.jpg
はじめは雄しべが熟す時期。
雄しべの葯にはたっぷりと花粉がついている。
花盤には蜜を分泌して、虫を誘っている。
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22084189.jpg
このとき雌しべの花柱は短く未熟な状態だ。

花弁は反り返り、このあと雄しべとともに落下する。


ちょっとひと休み(中性期/無性期)
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22084991.jpg
写真の左は雄性期だが、右の花は中性期/無性期という。
中性期では、雄しべを落としたあと、花盤はいったん淡いピンク色になる。ちょっとひと休みといった状態だ。

ついさっきまでの私は、右の花は正常な成長ができず、雌しべが未熟なまま終わってしまった花と考えていた。
ところが、じつはそうではなく、これが中性期であることを教えていただいた。
● 花色は3回変わる?~ヤブガラシ : 里山の四季  
アオイスミレさん、ありがとうございました。


雌しべの時期(雌性期)
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22085737.jpg
雌しべの花柱が長く伸びてくる。雌しべが熟した状態。
いったんピンク色になった花盤は、また鮮やかなオレンジ色に戻る。

ヤブガラシの花は雄しべが先に熟し(雄性期)、そのあとで雌しべが熟す(雌性期)。
“雌雄異熟”と言って、自家受粉を避けるためのしくみだ。

ところで、上の写真ではあふれんばかりの蜜を出している。
雄性期と雌性期にそれぞれ蜜を分泌し、昆虫を誘う。
ヤブガラシやノブドウなどは、花は小さいが多量の蜜を分泌し、非常に人気が高い。

そして花盤は再び淡いピンク色になる。
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22090586.jpg
これで花は終了。
なお、花のすぐ下のところにある球体が真珠体だ。

雄しべ期の花と終わった花が並んでいた。
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22081323.jpg
雌しべの先端が黒くなってしまっているが、花柱の長さの違いがよくわかる。

さて、以上をまとめると次の4つの段階がある。
① 雄しべの時期(花盤はオレンジ色)
② ひと休み(雄しべを落とす。花盤はピンク色)
③ 雌しべの時期(雌しべが伸びる。花盤はオレンジ色)
④ 終了(花盤はピンク色)
ということになる。

次は果実を期待したいところだが、残念ながら関東のヤブガラシは果実ができない。
関東のヤブガラシは3倍体なのがその理由で、果実ができないので地下茎からの繁殖をずっと続けていることになる。
なお、西日本のヤブガラシは2倍体で、よく結実するという。関東でも埋め立て地や造成地などでヤブガラシの果実を観たという話を聞くが、もしかすると土と一緒に西日本のヤブガラシが持ち込まれたのかもしれない。

果実を観たいと思いながら日々ヤブガラシを観ているのだが、ある時、ヤブガラシの果実と思われるのをみつけた。
ヤブガラシの観察-4 性転換する花_d0163696_22261377.jpg
これは!  黒光りする球体はヤブガラシの果実ではないか?

…興奮しながら近づいてみると、どこかおかしい。
なんと、ヤブガラシと絡み合ったヤマノイモのむかごであった。
一気に心がしぼんでしまった。


さて、前述のようにヤブガラシの花では繁殖のための3つのしくみがある。
まとめると次のとおり。
●開花の時期をずらす
●大量の蜜を分泌して訪花昆虫を誘う
●雌雄異熟で自家受粉を避ける
これだけ懸命にくふうを凝らしているにもかかわらず、果実ができないとは… 
なんということか!

次回はヤブガラシの花に来る昆虫の予定。
真珠体にかかわる新発見もあります。

2025年7月14日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2025-07-14 22:28 | 植物 | Comments(4)

ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ

ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22425883.jpg
小さな花がたくさん集まって花序となるヤブガラシ。
上の写真で鮮やかなオレンジ色のものが開花中で、花の終わったのは淡いピンク色、緑色はつぼみだ。


花序の開花順序
ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22430795.jpg
花序では開花の順番が決まっていて、はじめに中心の花が咲く。
ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22431429.jpg
花序は枝分かれを繰り返してできる。(この形を集散花序(しゅうさんかじょ)という)
はじめに咲くのは最初に枝分かれをしたところで、次に2番目の枝分かれのところになる。
ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22432391.jpg
この写真(↑)では3番目の花が開花中(ほぼ終了)で、1番、2番の花はもう終わっている。

ところで、はじめに咲いた中心の花は、じつは枝の先端であった。
ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22433060.jpg
横から見ると、枝の先端であることがわかる。

模式図にしてみた。
ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22533422.jpg
左上は1番目の花が咲いたところで、右下はその花が終わって2番目の花が咲いたところ。

花序全体ではこんな順序になる。
ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22534219.jpg
はじめに枝の先端が開花し、次は分かれた枝の先端が開花、それを繰り返す。
これはごく一般的な咲き方で、集散花序ではみなこの順序になる。
ヤブガラシの花序ではこの開花順序が比較的わかりやすい。
わかりやすい理由は、開花の間隔があいていることと、1個の花が終わるのが早いからだろう。

ヤブガラシの観察-3 開花のしくみ_d0163696_22434312.jpg
順番を守ってすこしずつ咲かせるので、花序全体として開花している期間は長くなる。
そのうえ、つる植物は茎を伸ばしながら、その途中で次々に花序をつけていく。花の時期は晩秋まで続く。

ヤブガラシは虫媒花だが、順番に長期間にわたって花を咲かせることで、受粉の確率を上げ、なおかつ自家受粉を避けるのだろう。上手なやり方だと思う。

ところで、上の写真でところどころに半透明の小さな球体がある。
“真珠体”あるいは“真珠腺”という魅力的な呼び名がある。
これについては以前に報告しているので、詳しい話はそちらをご覧いただきたい。
●ヤブガラシとノブドウの真珠体  

なお、真珠体についてはこのあとも登場してくるので覚えておいていただきたい。

2025年7月10日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2025-07-12 23:01 | 植物 | Comments(12)

ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ

前回( )の続き。

つる植物は、成長が速いうえに藪で絡み合うので、野生では継続観察が難しい。
そんな中で空振りしたヤブガラシの継続観察ができた。
ほんの一例であるうえに写真がわかりにくいのだが、お付き合いいただきたい。


空振りしたあと、巻きひげは落ちる

2024年8月29日
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17380494.jpg
写真の上の端に花序があり、花序のところからさらにつるを伸ばし、その途中の節に①②の巻きひげがある。
周囲に絡まるものはない。

2日後(9月1日)(↓)
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17382087.jpg
絡む相手を探してつる全体がやや下向きに方向修正し、先端から新しい巻きひげを伸ばしている。
すでに①の巻きひげはすでに欠落。②は空回りをはじめている。

さらに8日後(9月9日)
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17382846.jpg
巻きひげはすべて欠落している。
このつるの先の方を拡大してみよう。(↓)
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17384095.jpg
巻きひげだけでなく、葉もなくなっている。

つるのもとのほうも拡大してみる。(↓)
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17385358.jpg
さらに拡大。
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17390779.jpg
これ(↑)が巻きひげの欠落した痕だ。

このあとも継続して観たかったのだが、残念ながら見失ってしまった。
この藪はカナムグラやクズ、アレチウリ、さらにはニガカシュウなどが勢力争いをしている。油断するとあっという間に埋もれてしまうのだ。

別のところで観た、空振りしたヤブガラシのつるの先端。
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17391765.jpg
このように、自分で先端を枯らして成長を止めているのかもしれない。
(この枝先は虫にかじられたのかもしれないが…)


ほかのつる植物も見てみよう
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17392961.jpg
カラスウリ。
空振りした巻きひげは一人で巻き上がる。
ヤブガラシと同じだが、カラスウリでは頻繁に観ることができる。

ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17393723.jpg
ヘクソカズラ。
写真でちょっとわかりにくいが、絡むものがなくなったので、方向転換して後戻りしている。
ヘクソカズラは巻きひげはなく、つる(茎)自体が巻きつくのだが、このタイプのつる植物は巻きつくものがないときに、このように後戻りすることが多いようだ。


つるどうしが絡む
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17394845.jpg
こちら(↑)はツルマメ。(9月撮影)
つるどうしが絡み合って伸びている。

ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17395604.jpg
クズ。

ツルマメもクズも、ヘクソカズラと同様につる自体が巻きつく。
つるが巻きつくタイプは、同種のつるどうしが絡むところをよく見かける。

一方、ヤブガラシのように巻きひげで絡むタイプは、他の植物には絡むが、同種の植物どうしが絡み合うところは観た記憶がない。
ヤブガラシの観察-2 空振りした巻きひげ_d0163696_17400391.jpg
こちらはヤブガラシの花序に隣のヤブガラシが巻きひげを絡ませようとしている。
それでも、巻きついて締め上げることはないようだ。
絡む相手を間違って謝って頭を下げているようにも見える。

巻きひげで絡むつる植物が同じ種どうしで絡むことはないのか、これまでそのつもりで観てこなかったが、これから注目して検証していきたい。

2025年7月10日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2025-07-10 18:02 | 植物 | Comments(4)

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