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自然観察大学ブログ

桜草公園の野焼き

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勇壮で見ごたえのある光景。
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さいたま市の桜草公園で野焼きを観てきた。
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延焼をさけるために、徹底した草刈りで防火帯を設ける。
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計算どおりに野焼きが遂行されているようだ。

こ桜草公園では、自生するサクラソウをはじめとした野草の保全を目的としている。
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詳細はさいたま市のサイト( )をご覧いただきたい。

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さて、桜草公園での野焼きのあとがどうなるか…
3月30日に現地で観察会があるので、ご一緒しませんか?
●自然観察大学ミニ観察会/春本番、野原や林の花や鳥(桜草・秋ヶ瀬公園)/ 募集案内 ⇒ 


【参考】
●菅生沼のタチスミレ/自然観察大学第32回室内講習会、小幡和男先生  
(画面をスクロールしてください。「嫌われムクドリ本当の生活」に続いて後半にあります)
野焼きによる植生の回復・維持に成功したれ例の紹介。


一般に、野焼きの実施には賛否両論があるようだが、ほおっておくと植物の遷移がどんどん進み、森林(極相林)になる。野焼きによってそれをリセットし、植生を維持することは意義のあることだと思う。生物多様性の点でもむしろ好ましい。
できれば私の近くの江戸川べりなどでも、野焼きをしてもらいたい。

2025年1月21日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2025-01-21 18:15 | フィールド | Comments(2)

新年のごあいさつ2025

あけましておめでとうございます。
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2025年もよろしくお願い申し上げます。掲載したオオイヌノフグリは昨年のもの。
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春をたのしみに待ちましょう。
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さて、初詣のこと。
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万治(まんじ)の石仏と呼ばれている。
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この仏さまに、みなさんを代表して(?)お参りしてきた。
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万治の石仏は、あの岡本太郎の激賞したことや、新田次郎の小説で知られている。
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興味のある方は、次をご覧いただきたい。

ミステリアスだけど、どこかユーモラス万治の石仏って? | 下諏訪の観光・旅行情報【おいでなしてしもすわ】  

本年もよろしくお願いいたします。

2025年1月6日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2025-01-06 18:31 | その他 | Comments(4)

シロダモの花を観る

シロダモの花を今年はじめて観たのは11月16日。(今ごろすみません)
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写真は雌雄異株(しゆういしゅ)の雌株で、開花の時、前年に開花した果実が赤く熟す。
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2年分が同時に観られるということになる。

雌花序を観てみよう。
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もう少し寄ってみる。
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さらに寄って、雌花のつくりをよく観てみよう。
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白い毛の密生したところは雌しべの柱頭。
雌花にも雄しべがあるが、これは退化していて花粉はない(仮雄しべ)。
ちなみに、雄しべのつけ根にある濃い黄色のこぶ状のものは腺体。

別の雌花も観てみよう。
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雌花では当然ながら雌しべは発達しているが、雄しべは形を成さないほど退化しているものがあるようだ。
基本的には仮雄しべが6個あるのだそうだが、どうだろうか。


つぎは雄株。
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雄花序は花の数が多く華やかな感じで、遠目にも雌花序との違いがはっきりわかる。
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つんつんとび出ているのが雄しべ。
よく観ると、雄花にも雌しべがあり、あんがい立派な毛玉状の柱頭が確認できる。
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どの雄花にも未発達な雌しべがあった。

雌花には仮雄しべがあり、雄花には未発達な雌しべがあるということだ。
ここから想像するに、もともと両性花で雌雄同株だったシロダモが、雌雄異株へと進化してきたことがうかがえる。
私の観るところでは、少数ながら果実をつけるシロダモの雄株は普通に存在する。
シロダモに限らず、生物、とくに植物の雌雄については、例外はかなり多い。

話を元に戻して、注目したいのは雄花の雄しべ。
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左の雄しべは1個だけ葯の蓋が開いた状態で、右の雄しべは乳白色の蓋が閉じた状態。
雄しべの先端の膨らんだ部分に4個の葯室(葯を収納した部屋)があって、熟すと蓋を開いて葯を出す。
ちなみに、右の雄しべの下に観える白い毛玉が雌しべの柱頭だ。

シロダモの花を観る_d0163696_20114626.jpg
こちら(↑)は花が開きかけで、どの雄しべもまだ蓋を閉じている。

雄しべの動きをまとめてみよう。
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左:葯室ははじめ乳白色の蓋が閉じている。
右:雄しべが熟すと蓋が開いて反り返り、その裏側に花粉がある。

雄しべの葯のつき方(位置)のいろいろなパターンを並べてみよう。
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左端は両サイドの葯室と先端の葯室で計4個。全部の蓋が開いた状態。
真ん中と右端は葯室の位置が違っている。
基本的には左端のパターンだが、かなりばらつきがあるようだ。


ややこしいクスノキ科の花

シロダモは雌雄異株。同じクスノキ科のクロモジやアブラチャンも雌雄異株。
クスノキ科でもクスノキやタブノキなどは両性花を持つ雌雄同株。ただし雌雄異熟なのだそうだ。
落ちない葉で知られるヤマコウバシもクスノキ科で雌雄異株だが、日本国内では雌株だけだという。ところが、雌株だけで果実ができて、その種子はちゃんと発芽するという。
クスノキ科の花はかなりややこしい。

クスノキ科の花については次に詳しくまとめられている。
●木のメモ帳/続・樹の散歩道/ クスノキ科の花はよくわからなーい!! ⇒ 

来年の花のシーズンには詳しく観察してみたいのだが、クスノキ科はどの花も小さいうえに樹上の高いところにあることが多くて観察しにくい。
そのうえ、植物の世界では観察の繁忙期にあたる。
まぁ、がんばりましょう。

2024年12月25日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2024-12-25 20:21 | 植物 | Comments(0)

ツルマメとヤブマメの果実(改題)

【お詫びと訂正】<2024年12月24日>
当初の記事ではすべてをヤブマメとしていましたが、前半がツルマメ、後半がヤブマメであることがわかりました。お詫びして訂正します。タイトルも変更しました。

●ツルマメの果実
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12月の半ば、オニグルミの幼木に何かがからんでいるのを観た。
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つる植物だが、針金のような、鉄条網のような、ちょっと異様な形。
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近寄ってみると、枯れ葉ではなく、果実のようだ。
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ぐるぐる巻きのへんな形。

莢の全面に剛毛があるのでツルマメ。
まだ枯れきってないものを近くで探すと…


●ヤブマメの果実
ツルマメとヤブマメの果実(改題)_d0163696_21365118.jpg
ぐるぐる巻きはヤブマメの果実の莢が裂開したものらしい。

裂開と同時にくるくると巻いて豆(種子)を散らすらしいのだが、ときどき豆がくっついたまま残っているものもある。
ヤブマメの莢の毛は縫合線に沿って一列に並ぶ。

こちらは別の果実。(↓)
ツルマメとヤブマメの果実(改題)_d0163696_21365835.jpg
こちらも1個だけ豆が残っていた。
ツルマメとヤブマメの果実(改題)_d0163696_21370629.jpg

ヤブマメはよく見かけるが、このように莢がねじれて豆を散らすことは観ていなかった。
次のシーズンには、ぜひ裂開してねじれる瞬間、豆を飛ばすところを観てみたい。

ヤブマメは少し前にも記事を書かせていただいた。( ⇒ 追記あり
地上の開放花、地上の閉鎖花、地下の閉鎖花、という3つのパターンの花をつけて、それぞれの果実はまた違っているらしい。
上記の観察は“地上の開放花”の果実であり、ほかの果実も観てみたくなる。
観察は難しそうだが、来年以降のたのしみとさせていただこう。

ツルマメとヤブマメ、それとノアズキの果実について、アオイスミレさんのところにわかりやすくまとめていただいている。ぜひご覧いただきたい。
●種子散布~さやをくるりと巻いて~ : 里山の四季 ⇒ 


2024年12月18日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
2024年12月24日、訂正




# by sizenkansatu | 2024-12-18 21:43 | 植物 | Comments(2)

公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉

“公園の紅葉図鑑”のつづき。 ( ① ⇒ ② ⇒

……… アカマツ ………
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16450949.jpg
アカマツは常緑樹だが、古い葉が紅葉する。
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16452148.jpg
枝をたどってさかのぼると、前々年に出た葉が褐色になっている。
これだけを観ると“紅葉”と言ってよいのか、悩ましいところではある。

しかし昨年、鮮やかに紅葉したアカマツを観た。
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16584433.jpg
場所は長野県の標高1,000mほどのところ。
この木だけでなく…
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16585324.jpg
アカマツ林の全体で美しい紅葉が見られた。
このときは11月初めであったが、高冷地のことであり、晩秋と言ってもよい季節だろう。
平地と山地では、紅葉の鮮やかさに違いがあるのかもしれない。

さて、話を戻して、葉の寿命を考えてみる。
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16590387.jpg
↑ の写真は昨年11月に野川公園で撮ったもの。
枝の先端の緑色の葉は今年の春に萌芽したもので、この時点での葉齢は7か月(半年)になる。
もとのほうの褐色の葉(紅葉?)は、前年の春に萌芽した葉で、葉齢は19か月(1年半)だ。
アカマツの葉の寿命はおよそ1年半だろうと考えた。

ネットで調べてみると、マツ類の葉の寿命を調べた結果があって、アカマツは1.6年という記載があった。私の観察と同様であった。(すなおにうれしかった)
● J-STAGE/森林研究/マツ属の葉の寿命(大畠誠一,1992)  

……… サワラ ………
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16591078.jpg
サワラも常緑の針葉樹だが、この季節に一部が黄色~褐色になる。
枝をたどって葉齢を確認すると、当年と前年の枝につく葉は緑色で、前々年(2年前)の枝の葉が黄色になっている。
どうやら、2年前の春に出た葉が2年後の秋に枯れるので、葉の寿命は2年半ということだろう。
(ややこしくてすみません)

……… ヒノキ ………
公園の紅葉図鑑③ 常緑針葉樹の紅葉_d0163696_16591954.jpg
サワラによく似たヒノキはどうだろうか。
ヒノキの場合は黄葉を見た記憶がないので、いきなり褐色に枯れるのかもしれない。
サワラよりも葉の寿命が長いように思われるが、枝の年齢をたどるのが難しくてよくわからない。

ネットで調べると、ヒノキの葉の寿命は4年から6年という記事があった。
●森林総合研究所 多摩森林科学園/スギヒノキの新葉と葉の寿命(5月)  


ヒノキとサワラについては一昨年(2022年)に観察して記事にしているので、よろしければ時間のあるときにご覧いただきたい。
●ヒノキとサワラ : 自然観察大学ブログ  
●ヒノキとサワラを見分ける その1 : 自然観察大学ブログ  
●ヒノキとサワラを見分ける その2 : 自然観察大学ブログ  


2024年12月9日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




# by sizenkansatu | 2024-12-09 17:16 | 植物 | Comments(8)

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