オオイヌノフグリ ファンクラブ通信 vol.12
三寒四温とはよく言ったもので、今年はまったくそのとおりだ。
気温の変化で体調を崩すかもしれないが、我々には家があるし、着る服や暖房器具で調整できる。
<補足 2025年3月18日>
三寒四温は、いま日本では春に向かう今の季節のことになっているが、もともとは中国・韓国の冬の状況を表すことだったらしい。かの地の冬は三日寒くて四日暖かいというパターンがはっきりと規則的だったのだそうである。
参考:三寒四温の意味とは?季節や時期、正しい使い方は?いつの季語? ⇒
三寒四温のオオイヌノフグリ
三寒四温の試練をオオイヌノフグリはどのように過ごしているのか?
晴れて暖かいときの姿だけ観ている情けない私だが、はたして野外で寒風にさらされるオオイヌノフグリはどうしているか?
三寒四温をどうやって乗り切っているのか?
芽生えて間もない小さな株にも立派な花をつけることに感心させられる。さすが雑草である。
ここまでは江戸川土手のオオイヌノフグリで、いずれも遅く発芽して小さな株であった。
では、秋に発芽した畑のまわりのオオイヌノフグリはどうか。
枝葉が混んでいて細部はわからないが、寒さにあった葉は茶褐色に枯れ、暖かくなると復活して緑の葉を出していることがわかる。江戸川土手のオオイヌノフグリと同じだ。
これはこれで渋い色合いがGood。


艱難辛苦を乗り越え、酸いも甘いも知った大人の魅力のようなものか…
外見だけではわかりにくいが、冬越しは厳しいものだったのかもしれない。
フラサバソウの冬越し
子葉が大きくてしっかりしているのでフラサバソウと考えたが、このときはその確証はなかった。
赤褐色になって、そのままで花をつける。
全身で踏ん張って寒さをこらえている印象だ。
ここは風当たりが弱く日陰がちで、ちょっと湿った感じ。フラサバソウにはこんな環境が適しているのかもしれない。
ホトケノザとオオイヌノフグリ
ホトケノザの花はずいぶん前に細かく観察しているので、よろしければ次をご覧いただきたい。
●ホトケノザの花 -シソ科の花1 : 自然観察大学ブログ ⇒
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オオイヌノフグリ ファンクラブ(略称:OFC)とは…
私たちの目的は、オオイヌノフグリを愛でる者同士の連帯をはかること。
オオイヌノフグリを愛でる者なら、どなたでも入会できる。
● 会の規約はこちら(PDF) ⇒● 最新の会員名簿はこちら(PDF) ⇒※ いただいた情報により更新しています。● 設立時の記事(2024年3月24日) ⇒● 常時会員募集中:入会希望の方は、コメント記入などでご連絡いただきたい。
2025年3月12日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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by sizenkansatu
| 2025-03-12 18:33
| 植物
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スギの花はまだ咲いていない
報道によると、2月末の時点で東京近郊では多量の花粉が飛んでいたそうだが、それはどういうことなのだろう。
開花していないのに花粉が飛ぶというのは納得がいかない。
南房総などではもう開花して花粉を散らし、それが遠距離を飛散してきたということだろうか。
あるいは、スギではなく別の花粉ということなのかもしれない。
そんなわけで、身近なところで、スギに似た雄花を探してみた。
コノテガシワ
ラクウショウ
ラクウショウの数は多くはないが、花粉の生産量は多いだろう。
昨年の観察では、スギの花は3月10日に開花していた。( ⇒ )
そしてヒノキ、サワラなど、針葉樹はどれも風媒花で花粉を多量に飛ばす。
まだまだ花粉症の本番はこれからなのだろう。
心が躍る春に向けて、花粉症のみなさんにはお気の毒なことです。
2025年3月3日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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by sizenkansatu
| 2025-03-03 22:12
| 植物
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愛しい雑草の冬越し-2
ハコベ(コハコベ)
セイヨウタンポポ
ハルジオン
キュウリグサ
前年の秋に発芽するので、いまごろは大きなロゼットになっている。
やはり、環境によって巧みに成長パターンを変えているのだろう。
ユウゲショウ
カラスノエンドウ(ヤハズノエンドウ)
左向きの一本だけが、小葉が細長くて数が少ない。これが芽生えのときの葉。
その後に出てきた葉は放射状に並ぶのだが、小葉が丸っこく、数も多くなる。
この株は年が明けてから芽生えて、急いで成長しているものと思われる。
こうして勢力範囲を広げた後に立ち上がり、春になって花をつける。
立春の前後の報告のつもりが、もたもたして2月半ば過ぎになってしまった。
反省 m(_ _)m
2025年2月18日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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by sizenkansatu
| 2025-02-18 18:47
| 植物
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愛しい雑草の冬越し-1
江戸川べりの土手の越年草は、立春のころ(1月末から2月はじめ)に発芽の最盛期を迎えたようだ。
本来秋に発芽するはずの越年草だが、この土手は昨年の夏以降、セイバンモロコシにおおいつくされていて、秋の発芽のチャンスを失ったようだ。
立春のころに芽生えた愛しい雑草のようすをご報告したい。
ヒメオドリコソウ
それにしても、全身にびっしりとついた毛が目立つ。小さな芽生えだからだろうか。
毛の数と大きさは植物体が大きくなってもそのままなので、目立たなくなる。
毛深いのはヒメオドリコソウに限らず、どの芽生えもみな同じようだ。
植物体が小さいときなら、汚れや水滴が付きにくいのだろう。
ホトケノザ
これだけ小さいと、あまり自信がない。
“雑草”たるゆえんであろう。
オオイヌノフグリ
フラサバソウ
この子葉は株が大きく成長したころも残る。
ただし、同じなかまのコゴメイヌノフグリも子葉が大きく、長く残るので、花がないと見分けるのは難しい。
参考:オオイヌノフグリのなかまのまとめ : 自然観察大学ブログ ⇒
風当たりが弱く、寒さや乾燥で苦しむことはなさそう。
オオイヌノフグリとは、異なる環境で住み分けをしているようだ。
<つづく>
2025年2月12日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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by sizenkansatu
| 2025-02-12 22:54
| 植物
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オオイヌノフグリ ファンクラブ通信 vol.11
2025年、初回のOFC通信。
OFCのメンバーの記事を拝見して、いてもたってもいられなくなった。
● 初オオイヌノフグリ 里山の小さな星の瞳 : 風と花を紡いで ⇒● ぽかぽか… : 侘助つれづれ ⇒
触発されて近所のオオイヌノフグリを観察したので、報告させていただく。
ケース1
同じ群落の前年秋(2024年11月)のようす。(↓)
このときのようすはOFC通信 vol.10( ⇒ )で報告している。

それが順調に越冬しているようだ。
この群落があるのは陽当たりのよい畑のわきで、オオイヌノフグリにとってもよい環境なのだろう。
ケース2
ここは陽当たりこそ抜群によいのだが、寒風にさらされる。
寒さで枯れては新しい葉を出し、花をつける…
そんなことの繰り返しで、冬を乗り越えるものと考えられる。
ケース3
この土手は夏の間イネ科のセイバンモロコシが全面に繁茂していて、晩秋になってきれいに草刈りをされた。
それでオオイヌノフグリの秋の芽生えがなかったものと推測される。
余談ですが…
芽生えのような小さな被写体では絞りも稼ぎたいので、明るさは重要。
それでレフを当てて影を柔らかにしている。
銀レフとして、私はインスタントラーメンの袋を裏返して使っているのだが、当て方によっては強すぎたり、まだらになったりするので、距離や角度を微妙に調整する。
銀レフを動かしていると、意外な事件が起こった。
このあたりに住むネコたちが、チラつく怪しい光に集まってきたのだ。
なかでも、もっとも好奇心のおう盛な一匹は、数十センチの距離まで顔を近づけてきた。
しかしこちらはとりこみ中だ。
とりあえずネコは無視して、撮影を済ませる。
さて、相手をしてあげようと思ったら…
ネコは、すっと離れて、ごろごろと転がる。
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オオイヌノフグリ ファンクラブ(略称:OFC)とは…
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2025年1月30日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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by sizenkansatu
| 2025-01-30 23:14
| 植物
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