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自然観察大学ブログ

ハンノキの花芽~開花を観察

1月20日の観察記録。
この日から“大寒”。一年で最も寒い季節とされ、二十四節気の最後にあたる。
しかしこの日の千葉県は予想外に暖かく、観察日和だった。

さて、1月20日のハンノキ。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19585369.jpg
これが花芽というか、つぼみである。
枝先から垂れ下がった大きいのが雄花序、画面上方、枝の少し手前にある小さいのが雌花序だ。
ハンノキの花は見た目は地味だが、なかなか味わい深い。

厳冬期のことであり、ほとんどがこの冬芽の状態であったが、ひと株だけ開花したハンノキを見つけた。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19590286.jpg
雄花が開花すると葯が顔を出して全体が黄色っぽくなる。
全体の長さも、ずいぶん伸びている。
同じ枝の雌花はワックスがはがれはじめているが、未だ開花はしていない。
雄性先熟で自家受粉を避けるということだろう。

一年前の2月下旬に撮った開花の写真はこれ。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19591142.jpg
どうです。なかなかGoodでしょう。
可愛い姿であるが、これこそ機能美なのである。
花といっても花弁はなく、鱗片の間から雌しべの柱頭を出すだけ。
風媒花なので、飾ったりする必要がないのだ。

雄花も拡大して撮っていた。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19591861.jpg
黄色いのが葯。
こちらも機能を追求したシンプルな花だ。

果実についてはまた改めてご報告させていただこう。


余談ですが…

ハンノキが花粉を飛ばすところを撮るように言われている。
この日(1月20日)、試しに雄花序をつついてみたが、わずかに飛散が確認できた程度で、とても写真にできるような量ではなかった。開花盛期に改めてチャレンジするつもりだが、撮影は難しそうだ。

同じ風媒花でも、スギやマツにくらべると圧倒的に花粉の量は少ないらしい。
ハンノキも花粉症の原因を疑われているようだが、はたしてどうだろうか。

2019年1月24日、報告:自然観察大学 事務局O





# by sizenkansatu | 2019-01-24 20:02 | 植物 | Comments(0)

ハンノキの冬芽の観察

ハンノキの冬芽の動きを観察した。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17170816.jpg
これは10月半ばの冬芽。
光沢があるのはワックスでおおわれているため。
ハンノキは裸芽とされるが、裸芽といえども素裸ではないことがわかる。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17171735.jpg
こちらは11月はじめの冬芽。
褐色が濃くなっている。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17172582.jpg
12月下旬の冬芽。
さらに色濃く、引き締まった印象だ。
冬芽のつけ根にあった葉が落ちて、葉痕が観える。

さて、冬芽が堅いワックスで守られているのはよいのだが、このあと芽吹きのときは果たしてどうなるのだろう。
暖かくなるとワックスが溶けるのか、それとも…
その成り行きに、一人しずかに興味を持ったのであった。

なお、この観察記録は2018年末まで複数年にわたる写真だ。
同じ冬芽ではないことはもちろん、私の気まぐれで撮影倍率も異なることは、ご容赦いただきたい。


話をもとに戻そう。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17173441.jpg
年が明けて1月半ばの冬芽。
ワックス層にひびが入ってきた。(やっぱり!)

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17174323.jpg
つぎは2月はじめ。
まだ大きな変化はない。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17175174.jpg
3月の中旬、いよいよ活発に動き出した。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17175882.jpg
同じ日の別の冬芽。
芽が膨らむとき、ワックス層は細かく割れる。

外側の葉は、展開することないようだ。
裸芽は芽鱗がないのだが、外側の葉が芽鱗のような役割をするのだろう。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17180914.jpg
3月下旬から4月にかけては、芽吹きのラッシュだった。
葉裏に残るワックスのかけらが、冬芽のときの名残だ。

念のためハンノキの全形はこちら。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17182093.jpg
湿地のようなところにも先駆的に広まる。
シラカンバなどと同じカバノキ科とされる。


3種の冬芽

ところで、ハンノキには3種の冬芽がある。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17182983.jpg
冬芽と言っていいのかどうかわからないのだが、この枝にその3種がそろっている。
わかりにくいので、それぞれ拡大してみよう。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17183633.jpg
枝の下の方にあるのがこれ。
すでにおなじみの葉芽(ようが)である。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17185148.jpg
枝先にあるのは雄花序。
これを冬芽と言ってよいのかどうかわからないが、葉芽同様にワックスでおおわれている。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17190370.jpg
こちらは雌花序。
雄花序と葉芽の間の位置にある。

雄花と雌花がこのあとどうなるのか、それは近日中にご報告させていただくことにしよう。

これは9月1日の撮影。この時期にはすでに冬越しの準備をしていることに驚かされる。
ずぼらな人間に比べて、なんと計画的なくらしぶりだろう。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

2018年12月27日、報告:自然観察大学 事務局O



# by sizenkansatu | 2018-12-27 17:24 | 植物 | Comments(0)

清水公園のメタセコイア

清水公園のメタセコイア

11月半ばに野田市の清水公園に行ってきた。
樹木の観察に適した、とても立派な公園なのだが、なんと私営だそうである。

その一角に、立派なメタセコイアがあった。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12520767.jpg
単独で植えられていて、まわりに邪魔するものがないので下枝が盛大に張り出している。
自然な状態ではこのような樹形になるということなのだろう。
剪定されることもなく、のびのびと育っているためか、花穂がたわわについている。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12521413.jpg
いまの時期はまだつぼみ。
下枝までつぼみがあるので、目の高さで間近に観察できるのがありがたい。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12522202.jpg
来年の2月にはどれだけたくさんの花をつけるのか。
このあと、雌花が出てくるのかどうか、たのしみである。
お近くの方はぜひ注目して観察していただきたい。
※ メタセコイアの花から実へは次で観察記録をご覧いただけます  
ところで、ふしぎなことに、このメタセコイアには球果が見つからなかった。
これはどういうことなのだろうか。


ところ変わって、私がいつも見ている柏の葉公園のメタセコイアでは、今年はたくさんの球果がついている。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12523394.jpg
昨年は園内を探し回っても、ほんの少ししかむつからなかったのに、今年はいたるところで見かけるのだ。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12523914.jpg
どうも隔年結果の性質があるように思われる。

同じことはラクウショウでも観察される。
昨年たくさんの実をつけたラクウショウだが、今年は格段に少ない。
…ということは、来年の早春には、ラクウショウの花が見られるのかもしれない。
これもまた、たのしみである。

2018年11月21日、報告:自然観察大学 事務局O





# by sizenkansatu | 2018-11-20 12:56 | 植物 | Comments(0)

冬芽から何が出るか

この写真が何の冬芽か、おわかりになるだろうか?
冬芽から何が出るか_d0163696_19533994.jpg
かわいらしい、面白い形をしている。
東京都内の植物園の、9月下旬に撮ったものである。

答えはニガキの冬芽。
わかったあなたは、たいしたものだ。おそれいります。
ふだんから熱心に観察しておられることと思う。
私など、冬場は名札がないとお手上げだ。たとえ全形があったとしてもである。

さて、詳しく観察しよう。
この冬芽は芽鱗のない、いわゆる裸芽である。
先端の大きな冬芽(頂芽)と、葉柄のつけ根に小さな芽(腋芽)がある。
頂芽では、ひだのあるのが葉で、それに包まれている粒々の部分は花序になるのだろう。
腋芽は形から見ても、葉が出るだけと思う。
冬芽から、翌春の成長した姿を思い浮かべるのもたのしい。

それにしても、
冬芽とはいうものの、猛暑の続く9月には、すでに冬越しの準備がなされている。
そして、新葉や花の原型ができ上がっているとは、驚くべきことだ。

つぎの写真も、同じニガキの別の冬芽。
冬芽から何が出るか_d0163696_19541054.jpg
頂芽の脇にとび出しているのはおそらく花序になる。
丸裸の状態で寒い冬を越せるのか、ちょっと心配だ。
さて、
これらの冬芽が、春にはどんなふうに展開するのか。
これからのたのしみな課題である。


ちなみに、春のニガキはこれ。(今年の4月下旬に撮影)
冬芽から何が出るか_d0163696_19544079.jpg
ニガキは雌雄異株で、上の写真は雄花序をつけた雄株だ。

つぎは雌花。
冬芽から何が出るか_d0163696_19551039.jpg
なかなかキュートである。
花弁はなく萼が4つ。
雌しべの柱頭は4つに分かれ、付け根の子房も4つに分かれている。(この時点でけっこう膨らんでいる。)
雄しべも4つあるが、雄花に比べると退化して貧弱だ。


余談ですが…
このところ「タグ」をつけるようになった。
じつはこれまでタグの機能を理解してなかったのだが、使ってみるとたいへんに便利なことがわかった。
例えば、この記事の「冬芽」というタグをクリックすると、冬芽に関するこれまでの記事がまとめて表示されるのだ。
長いことブログをやっているのに、はじめて知った。
お恥ずかしい話である。

2018年10月12日、報告:自然観察大学 事務局O



# by sizenkansatu | 2018-10-12 20:00 | 植物 | Comments(0)

エゴヒゲナガゾウムシをハクウンボクでも観た

エゴヒゲナガゾウムシは何度も紹介させていただいている。
以前ハクウンボクでもこの虫と思われる産卵痕を観たが、今年の7月末にそれが確認できた。
(あいかわらず時季外れの報告ですみません)

エゴヒゲナガゾウムシをハクウンボクでも観た_d0163696_21491650.jpg
エゴヒゲナガゾウムシの産卵痕。
ハクウンボクの果実はエゴノキよりも大きく、房状につくので写真にしたときに見栄えが好い。

ちなみに、このハクウンボクは年末に葉柄内芽を報告した木だ。
このときの記事では花も掲載したので、よろしければご覧いただきたい。
● ハクウンボクの冬芽  

さて、
これだけ食痕があるのだから、虫もいるだろうと探してみると…
エゴヒゲナガゾウムシをハクウンボクでも観た_d0163696_21492470.jpg
やっぱりいた。それもかなりの数だった。

上は雌で、眼が飛び出してない。(ウシヅラ)
下が雄で、眼は突き出ていて後ろ向き。正面からはのっぺらぼうに見える。長い触角も特徴だ。
じつに面白い、フォトジェニックな虫だ。
何度も撮影しているのだが、見かけるたびについ夢中で撮ってしまう。

エゴヒゲナガゾウムシの雌は、果実をかじって穴をあけ、中に産卵する。
一方の雄は何をしているのだろう。
ほかの雄に邪魔されないように見張っているという説があり、後ろ向きの眼は背後から近づく邪魔者を警戒するのではないか、ということだが、それだとすると、正面から近づく敵はどうするのだろう?


これまで本ブログのこの虫に関する記事は次のとおり。
よろしければご覧いただきたい。

● 妖怪変化か? -ウシヅラヒゲナガゾウムシ-  
● ウシヅラヒゲナガゾウムシの“くらし”を考える  
● ウシヅラヒゲナガゾウムシ、とっておきの裏話  
● エゴヒゲナガゾウムシの幼虫  
● エゴヒゲナガゾウムシの成虫がいた!  

2018年9月28日、報告:自然観察大学 事務局O



# by sizenkansatu | 2018-09-28 21:54 | 昆虫など | Comments(0)

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