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自然観察大学ブログ

イケマとハナカミキリ –峠その1-

8月14日、山梨県大月市の、ある峠に行った。お盆の真っ只中、下界は連日の酷暑だが、ここは標高1500メートル以上あって快適な撮影だった。
主な目的はハナカミキリの撮影だが、あると思っていたシシウド類、アザミ類の花がない。すでに終わっているということか、それとも以前とは植生が変わったのか。
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なんとか咲いてくれていたこの花は “イケマ” のようだ。ガガイモ科というが、確かに葉や全体の感じがガガイモに似ている。花は白い小さいのが花弁で、外側の大きめの淡緑色のはがく。イケマはがくが反り返り、反り返らないのはコイケマだというので、もしかすると後者か。
イケマに来ていたカミキリは次の3種。
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上からヨツスジハナカミキリとマルガタハナカミキリ、もうひとつは種名不明 (どなたかご教示ください)。

ミヤマカラスアゲハに遭遇
帰り道でミヤマカラスアゲハを見た。林道脇に吸水に来ている。警戒心が強いらしく、近づくことが難しい。

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この程度の写真しか撮れなかったが、実物の美しさはとてもとてもこんなものではない。この日はお盆のUターンによる中央道の混雑が予想されるため、時間的に粘れなかったのだ。次の機会にがんばります。ご容赦ください。
ミヤマカラスアゲハは初めて見たのだが、すごい。美麗種かどうかというのは個人の感じ方によるのだが、これは私の琴線に触れる美しさだった。例えるなら、国宝とされる“曜変天目茶碗”に似た美しさだ。
(例えが解りにくくてすみません。 http://www.seikado.or.jp/sub030101.htm で見ることができます)

ミヤマカラスアゲハをまだ観てない方は、ぜひ画像検索して、上の写真でなくほかのサイトで見てください。きれいなのがたくさん紹介されています。そして実物はそれらの画像よりもっと綺麗だということです。

以下次号に続く。

2010年8月31日、報告:事務局O



# by sizenkansatu | 2010-08-31 12:44 | 昆虫など | Comments(0)

ハンミョウとアリとマーガリン

ハンミョウがアリを食べるところを撮影した。
ハンミョウの運動能力がすごいことはコハンミョウと同じだ。野外で撮ることは難しいのでポリ容器内に砂を敷きセットした。

狩猟の名人
意外なことにハンミョウの狩猟は、運動能力を生かして追い掛け回すものではない。無駄のない動きに驚いた。
まずアリが近くに来るまで不動の姿勢で待つ。
獲物を視界にとらえ、射程内に入ると、迅速かつ的確に捕らえる。射程距離は4、5センチ程度か。
ススッと滑らかに移動し、狙いを外すことなく大あごで挟む。
一連の動きは武道の達人のようである。“ハエを箸で挟む宮本武蔵” と例えるとわかりやすいだろうか。アリが、まるで止まっているように見えるのだ。
ハンミョウとアリとマーガリン_d0163696_19145216.jpg
私のカメラはとうてい追いつけず、写真は捕らえた直後のものである。しかも若干ピントがずれているが、ご容赦いただきたい。
捕らえた獲物は咀嚼してつぶし、体液を吸収するらしい。咀嚼は比較的長時間にわたり、大あごをゆっくりと開閉する。
ハンミョウとアリとマーガリン_d0163696_19163265.jpg

ハンミョウの口器は見るからに複雑で私にはよくわからないが、獲物を保持する部分と捕らえる部分が別にあるようだ。目の前の獲物を複数捕らえておいて、あとでゆっくり咀嚼するものと考えられる。先の報告で書いたが、このときは目の前であっという間に4頭のアリを捕らえたのだ。この間に咀嚼する時間はない。

マーガリンがお好き
もうひとつ驚いたことがある。ハンミョウはマーガリンを好むのだ。
マーガリンはアリがポリ容器を登って外に出ないようにと塗っておいたのだが、なんとハンミョウがこのマーガリンを夢中で舐めるのだ。
ハンミョウとアリとマーガリン_d0163696_19173467.jpg
容器壁面のマーガリンの存在を知ってしまったハンミョウは、這いつくばって口を押し付けるように貪欲に舐める。このときばかりは自慢の大あごが邪魔になるらしい。
幼虫はどうなのだろうか。マーガリンで育つとメタボなハンミョウになってしまうのだろうか。マーガリンはこのところ健康面で色々と言われているのでバターやマヨネーズ、ケチャップはどうだろうか。想像は際限ないが、やめておこう。
興味を持つのはたいせつですが、もてあそんではいけません。生物はみな同志です。

参考:このブログの以下の記事を見ていただくと、より深い(?)ところに進めます。
“安土城とハンミョウ”(8/19) http://sizenkan.exblog.jp/11770382/
“コハンミョウの脚”(7/22) http://sizenkan.exblog.jp/11597474/
2010年8月27日、報告:事務局O



# by sizenkansatu | 2010-08-26 19:21 | 昆虫など | Comments(1)

夜の昆虫採集

<追記があります。2013年10月2日>

8月11日、Y先生から夜間灯火採集に誘っていただいた。
紅顔の美少年のころに、家の灯りに集まる昆虫を採集した経験はあるが、本格的な灯火採集はまったく経験がない。喜んで同行させていただいた。

先生は地域の生物調査などで豊富な経験を持っておられるベテランだ。
発電機や支柱、ロープなど、さまざまな道具でワゴン車が満載状態だった。
まず、日程は新月を選ぶ。月夜の灯りは灯火採集と競合するらしい。
場所は開けたところで、川沿いに下から昆虫が登って来るようなところがよいらしい。
夜の昆虫採集_d0163696_19565222.jpg
夜の昆虫採集_d0163696_19571915.jpg
目的の昆虫によって、ブラックライト(紫外線)と水銀灯を使い分けるそうだが、今回はダブルである。ブラックライトは、郊外で見かける誘殺灯に使用されている。青い光で虫を誘ってバチバチッというやつだ。
明るいうちに準備を整えて、日暮れを待つ。
(といっても私は手際よく設営するY先生を脇で見ているだけだった)

暗くなると、あっという間にいろいろな昆虫が集まってきた。蛾や甲虫はもちろん、カメムシやセミ、バッタも来る。危ないドクガの仲間も来た。
およそ3時間近く、夢中で撮影した。その一部を紹介させていただく。
夜の昆虫採集_d0163696_19582614.jpg夜の昆虫採集_d0163696_19584742.jpg
夜の昆虫採集_d0163696_19592888.jpg夜の昆虫採集_d0163696_2001077.jpg
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上から順に名前を書いておくとキイロゲンセイ、コクワガタ(?)、ゴミムシの一種、ミヤマカミキリ、クワコ、ホソバスズメ、ゴマフボクトウ、ドクガの一種、クモヘリカメムシ、オオホシカメムシ、ミンミンゼミ、ヘビトンボ
【注】名前が間違っていたり、不明のものがわかったときはご指摘いただけるとありがたいです。

………………………………………………………
<2013年10月2日追記>
ドクガの一種はクロモンドクガでした。見かけによらず無毒らしいということです。
itotonboさんより下記のコメントをいただきました。
ありがとうございました。
………………………………………………………


私は飛来客のにぎわいに驚いていたのだが、先生によるとこれでも風のためか少ないそうである。多いときはシートが黒くなるほど集まって来て、虫が入らないように耳栓が必要となるらしい。

蛾の美麗種にショック
今回私が注目したのはコケガの仲間だ。
夜の昆虫採集_d0163696_2017279.jpg
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上からアカスジシロコケガ、スジベニコケガ、ハガタベニコケガと思われる。 『みんなで作る日本産蛾類図鑑』 で調べたら、ほぼ種名が判明した。(地域亜種とか難しい問題があるらしいが…)
農業害虫としてのヨトウムシなどを見てきた私にとって、蛾の概念を覆すカルチャーショックであった。
コケガはヒトリガ科のコケガ亜科と分類され、幼虫は地衣類を食べるらしい。コケを食べるというのもまたすごい。今後はコケに注目して幼虫も観てみたい。

余 談
その夜帰宅して首筋に軽い痛痒を感じた。どうも毒虫にやられたらしい。撮影したドクガの一種によるものではなく、水疱の症状から見るとアオバアリガタハネカクシか何からしい。
夜の昆虫採集_d0163696_20195367.jpg
痛痒は一週間弱続いた。犯人がわかれば写真を有効活用できるのだが、残念。

追記:
これはキイロゲンセイのカンタリジンによる水疱だそうです。
詳しくはけんぞうさんのコメントをご覧ください。


2010年8月25日、報告:事務局O



# by sizenkansatu | 2010-08-25 20:26 | 昆虫など | Comments(5)

サギ山を観た

茨城県土浦市はハス(レンコン)の産地で名高い。
蓮田や稲田が広がる一帯は、サギにとって何よりのフィールドなのだろう。8月15日、ここで大きなサギ山を観た。
筑波山から霞ヶ浦へ流れる“桜川”の河川敷で、国道6号線の土浦バイパスが交錯するあたりにこのサギ山がある。大きさを目測すると、川沿いに幅数十メートル、長さ100メートル以上の範囲にわたっているだろう。
サギ山を観た_d0163696_18291257.jpg

営巣地の草原が枯れるのは排便のためだろうか。大きな樹も枯れているように見える。
サギ山を観た_d0163696_18302221.jpg

県外から来たというカメラマン数人が望遠レンズを据えて狙っていた。話を聞くと今年の春から通ってきているらしい。チュウサギが多いらしいが灰褐色のがゴイサギ、ほかにもダイサギ、コサギ、アマサギ、アオサギと6種類のサギが見られるそうだ。
サギ山を観た_d0163696_18295826.jpg

土浦市のサギ山はここ数年の間に現れたものらしい。見沼の “さぎ山記念公園” は250年続いて消滅したサギ山を記念して作られたものだそうだが、サギ山は地元にとって歓迎すべきものなのだろうか。数十年前に土浦市の隣の牛久市でサギ山を観たことがある。このときは、サギ山の直下だった松林の中まで入った。ものすごい悪臭に閉口した記憶がある。

2010年8月24日、報告:事務局O

【8/26追記】
この写真を見たK先生から、写真からは繁殖地か塒(ねぐら)か不明、というご意見をいただきましたが、撮影時刻が昼前なので、繁殖地と思います。今後も現地を見て、続報をお送りしたいと思います。



# by sizenkansatu | 2010-08-24 18:34 | | Comments(0)

境内の植物観察 -滋賀その6-

大津の日吉大社は信長の叡山焼き討ちで丸焼けになったとところである。火をまぬかれたのかそれとも400年間の再生によるものか、境内の植物はどこを見ても落ち着いて風格がある。
境内の植物観察  -滋賀その6-_d0163696_17503141.jpg

カツラのこんな大樹ははじめてだ。『日吉髄一の御神木、桂は祭礼で冠や衣服の飾りに使用する。また縁結びの御神木“愛染桂”としても親しまれる』と説明書きがあった。
境内の植物観察  -滋賀その6-_d0163696_1751250.jpg

ナギはこう見えてマキの仲間の針葉樹だそうである。葉はまるで広葉樹ではないか。たしかに実はマキに似ている。比較的温暖な地に生育するらしい。
雌雄異株でこれはもちろん雌株。傍らの説明書きでは『日吉雌梛(めなぎ)、男性が女性の幸せを祈る木。ナギは薙ぎ払うに通じ、災難よけを象徴する』とあった。近くに雄株の『日吉雄梛(おなぎ)』もあった。

境内の植物観察  -滋賀その6-_d0163696_1752665.jpg

木漏れ日のさす空間に、青味がかった植物の群落があった。近寄ってみると、どうもクラマゴケの仲間らしい。
境内の植物観察  -滋賀その6-_d0163696_17522557.jpg

クラマゴケは “太古の時代から出現したシダ植物の、分類的には子孫に当たる” と M先生(バレてますか?)にうかがった記憶がある。歴史のある境内で太古のシダを観てロマンに浸る… と言いたいところだが、後日M先生に写真を見ていただいた結果をお伝えする。

【M先生】
写真はコンテリクラマゴケです。中国原産で、庭に植えられていたのが里山などにも逸出しています。光の加減で光沢が出て、写真のように青く見られることがあります。きれいなので社寺の境内に植えてあるのをよく目にします。

… ちょっとがっかりである。

2010年8月23日、報告:事務局O

ところで、 自然観察大学 では 『シダ植物観察会』 を予定しています。参加者募集中ですのでぜひ。佐倉城址公園というロケーションも抜群です。

シダ植物観察会のご案内と参加申込書は こちら→



# by sizenkansatu | 2010-08-23 17:58 | 植物 | Comments(0)

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