人気ブログランキング |

自然観察大学ブログ

<   2020年 04月 ( 6 )   > この月の画像一覧




樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(番外編)

前回までの「樹木の“形とくらし”ひとり観察会」の報告に関して、『樹木博士入門』の著者である小幡和男先生が検証をしてくれたので、ここにまとめさせていただく。


イスノキの雄花と雌花

レポート(1) で花序の雄花と雌花の位置関係について疑問が出たが、小幡先生の観察結果を教えていただいた。
“どれを観ても一番下だけが雄花で、下から二個目からはすべて二又の柱頭が見られる” ということであった。
以下に小幡先生から送信いただいた写真を掲載する。(4月22日撮影)
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(番外編)_d0163696_12414769.jpg
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(番外編)_d0163696_12415464.jpg
雄雌のはっきりわかる、すばらしい写真をお送りいただいた。
小幡先生、ありがとうございました。


ムクロジの冬芽(主芽と副芽)

レポート(2) のムクロジの冬芽で、主芽と副芽について疑問が出たが、これも小幡先生に検証いただいた。
“複数の冬芽を観察した結果、いずれも2つ並んだ冬芽のうち、上の芽だけが展開し、下(葉痕に近い冬芽)は動かない” ということであった。
お送りいただいた写真を掲載しよう。(同じく4月22日に撮影)
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(番外編)_d0163696_12420198.jpg
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(番外編)_d0163696_12420837.jpg
“ほかの図鑑で「主芽のすぐ上に副芽がつく」という表記があるのは誤りであろう” との由。
なるほど、これですっきりした。

小幡先生の観察は茨城県自然博物館であるが、それにしても、私の「ひとり観察会」のあと、一週間で冬芽からこれだけ伸びるとは驚きである。

水元公園での「ひとり観察会」のつもりが、茨城県自然博物館との「リモート観察会」になったようで、うれしい限りである。
小幡先生、ありがとうございました。

2020年4月24日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2020-04-24 12:47 | 植物 | Comments(0)

樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)

前回に続き「樹木の“形とくらし”ひとり観察会」の報告をさせていただく。
タイトルの後の(p○)は『樹木博士入門』の掲載ページなので、この本をお持ちの方は紙面を見ながら記事をご覧いただけるとありがたい。
(記事に誤りなどがあった場合はご容赦いただき、ご指摘お願いします)


シロダモの新葉展開と果実(p26,137)

この時期に目立つのはシロダモの新葉の展開である。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_17580535.jpg
“ウサギの耳”といわれるように、たくさんの毛でおおわれ、遠目にもわかりやすい。
よく観ると、つけ根に何かついているものがあった。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_17581609.jpg
緑色の球体は若い果実である。
前年の初冬に開花したもので、このあと今年の初冬に赤く熟すのだろう。
この時期に若い果実をつけているというのは当たり前のことかもしれないが、思わぬ発見にうれしくなってしまった。


モミジバスズカケノキの花(p140)

モミジバスズカケノキは数多く植栽されていて、このなかまをまとめてプラタナスといわれる。
秋から冬に毛毬のような果実が目立つが、花が小さいうえにほとんどが高所にあり、観察がむずかしい。
水元公園には、この花を目の高さで観察できるところがある。

この日見つけた雄花。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_17582433.jpg
上の写真は2つとも雄花序である。

まず右側の雄花序を見てみよう。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_17583229.jpg
全体が締まっていて、花粉を出すことはない。いわゆる“つぼみ” の状態である。

次に、もう一つの雄花序を観よう。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_17583856.jpg
こちらはすでに終わった花で、もう花粉を飛ばすことはない。
なお、このなかまはごく小さな花が多数集まった花序で、この写真を見ると、一つずつの雄花には雄しべがあるだけということがよくわかる。

さて、開花中の雄花序はこれ。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_17584881.jpg
見た目はあまり変わらないが、成熟したような色になっていた。
花序の下半分に花粉がついていて、指先でチョンと突くとたしかに花粉を出していたが、写真ではわかりにくい。(画像クリックで拡大)
私の観察では、花序の先の方から順に熟して花粉を飛ばすように思われた。

ところで、残念ながらここでは雌花が見つからなかった。
一年前の同じ場所で観た雌花がこれ。(画像クリックで拡大)
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(3)_d0163696_18044623.jpg
赤い柱頭が目立ち、なかなかフォトジェニックである。
このまま毛毬のような果実になるのであろうと想像がつきやすい。

以上、4/12の「ひとり観察会」のご報告でした。
予定された観察会は新型コロナウイルスの渦中で延期となり、現状ではいつになるか不明です。
決まりしだい自然観察大学メールマガジンでご案内しますので、興味のある方はぜひメール会員にご登録ください。(問い合わせ、入会 ⇒ 
収束を祈りつつ、みんなで自粛をしましょう。

2020年4月22日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2020-04-22 18:09 | 植物 | Comments(0)

樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)

前回に続き「樹木の“形とくらし”ひとり観察会」の報告をさせていただく。
タイトルの後の(p○)は『樹木博士入門』の掲載ページなので、この本をお持ちの方は紙面を見ながら記事をご覧いただけるとありがたい。
(記事に誤りなどがあった場合はご容赦いただき、ご指摘お願いします)


トチノキの冬芽の展開(p36,229)

ちょうどトチノキが葉を広げはじめていた。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16490325.jpg
大きな天狗の団扇のような葉になる。
つけ根を包むようについているのは芽鱗である。

ちなみに冬芽はこれ(2月に撮影)。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16491469.jpg
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16492336.jpg
上が頂芽で下は側芽。頂芽が大きく、側芽は小さい。
どちらも一つの冬芽からあっという間に複数の大きな葉が出てくる。うまくできているものだと感心させられる。

トチノキで注目したいことが枝の途中にある。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16493082.jpg
写真中央の細かなしわがあるところは、冬芽の芽鱗の落ちた痕、つまり芽鱗痕だ。
冬芽は一年に一度だけできるので、この芽鱗痕をたどることによって、何年にもわたって茎が伸びてきた、その歴史を知ることができる。
長くなるので、詳しくは『樹木博士入門』p36をご覧いただきたい。
なお、三角のおにぎりのような形のところは葉の落ちた痕(葉痕)である。念のため。

トチノキの別の枝先。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16494005.jpg
こちらではもう花序を出していた。
冬芽の中には、あの盛大な花序がすでに準備されていたということだ。


ハナミズキの花(p33,191)

樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16494871.jpg
青空に映えるハナミズキの花。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16495797.jpg
花といってもこれはまだつぼみである。
開花は次のとおり。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16500530.jpg
ご存知の方が多いと思うが念のために申し上げておこう。
花びらのような白い大きな部分は、花弁ではなく花序を包む総苞片である。


ヤマグワとマグワを見分ける(p122)

水元公園ではヤマグワとマグワが混在している。両種を見分けるのはなかなか難しい。
『樹木博士入門』ではいくつかの見分けるポイントが挙げられているが、この日は“雌しべの花柱で見分ける” ことが実践できた。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16501994.jpg
上はヤマグワの雌花序。
花柱は長くY字形となる。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16502607.jpg
こちらはマグワの雌花序。
花柱は短くV字形となる。
このように雌花、花柱が新鮮な時は識別しやすいが、花柱が萎れると見分けるのが難しくなってしまう。今回はラーッキーであった。

ところで、ヤマグワもマグワも雌雄異株とされるが、ここで観たマグワの雌株には雄花序がついていた。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16503442.jpg
両サイドが雌花序で、真ん中は雄花序である。
ヤマグワにはまれにこのような例が観られるらしく、ネットで次のような記事があった。
なお、後者は同じ水元公園での観察記録である。


ムクロジの冬芽の展開(p175)

ムクロジの冬芽がちょうど開きはじめだった。
ムクロジは何かと観察ポイントが多く、『樹木博士入門』では冬芽の掲載がなかったが、この機会に観察しておこう。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16504569.jpg
頂芽から葉が出てきたところ。
すでに、あの巨大な複葉の片りんがうかがえて、感慨深い。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16505316.jpg
こちらの側芽はふくらんできたところだが、側芽と葉痕の間に、副芽らしきものかある。

芽吹き前の冬芽を探して見つけたのがこれ。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(2)_d0163696_16505904.jpg
大きな葉痕の先(写真の右側)に2個の冬芽がある。
隠芽のように見えるが、枯れてしまった冬芽なのかもしれない。
左の小さいのが副芽で右の大きいのが主芽のように観えるが、ネットの情報によると小さいのが主芽で大きいほうが副芽らしい。

いずれにしても、カエデ類とは全く異なる冬芽である。
葉も花も冬芽も、何もかもこれだけ違っているのに、同じムクロジ科に分類されるとは…
DNAはどうなっているのだろうか。

2020年4月20日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2020-04-20 16:57 | 植物 | Comments(0)

樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)

新型コロナウイルスの渦中で、4月12日(水)に予定されていた「樹木の“形とくらし”観察」が延期になった。
 ⇒ (延期のご案内) 
残念だがしかたがない。
ひとり静かに観察するのであれば問題ないだろうと、“ひとり観察会”をしてきたのでその報告をさせていただく。

なお、予定された観察会は『樹木博士入門』の発刊記念観察会であり、ひとり観察会でもこの本の内容にしたがって観察をしている。タイトルの後の(p○)は掲載ページである。お手元にこの本をお持ちの方は、紙面を見ながら記事をご覧いただけるとありがたい。
(講師不在の一人観察会です。記事に誤りなどがあった場合はご容赦いただき、ご指摘いただければ幸いです)


アケビの花(p62,233)

アケビの花はなかなかフォトジェニックだ。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16033849.jpg
上の写真は雄花ばかりで雌花がない。
アケビの花序では、先の方に雄花、もとの方に雌花がつくというのだが、時期的に遅かったのか、そのような典型的な花序はなかなか見つからない。
やっと見つけたのが次。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16034613.jpg
先端に雄花が6つ、その両側に雌花がついている。
雄花は花柄が短く、雌花の花柄が長いので、このような位置関係になる。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16035446.jpg
雄花には大きな雄しべがあるが、多量に花粉を出すわけではない。
虫媒花と思われるが、見る限りでは訪花した昆虫はいない。しかも自家不和合性という。
受粉できる確率は低いようで、栽培家は人工授粉をしているそうだ。
なお、雄花も雌花も花弁はなく、3個のがく片が花びらのように見える。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16040010.jpg
こちらは雌花。雌しべは3~8個と記されているが、この花では9個。人工授粉ですべてが結実するとしたら、秋にはすごいことになってしまうが…
柱頭では初め粘液を分泌するというが、触ってみてもべたつく感じはなかった。

ところで、花を探しているときに気づいたのが短枝のことである。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16041099.jpg
葉が短枝に束生し、花序も短枝の先から出ているようだ。
(この枝の花序はすでに落花している)


イスノキの花(p223)

この日はイスノキの花が静かに満開だった。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16042074.jpg
このイスノキはこれまでにも観察していたのだが、こんなに盛大に咲いているのは今回初めて見た。
ここでは2本並べて植栽されていて、どちらも同じような状態だった。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16042976.jpg
花といっても花びらもがくもなく、雌しべと雄しべだけがある。
上の写真は雌しべの柱頭が伸びているが、雄しべは未熟。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16043656.jpg
こちらは雄しべの熟した花。
イスノキは雌性先熟のようだ。
熟した雄はちょっとむさくるしい(わが身を反省)。

ここで気になるのが『樹木博士入門』の花に関する記載である。
「葉腋から花序を出し、それぞれ小花序の上部に両性花、下部に雄花をつける。」と記されている。
上の2点の写真が花序とすると、“小花序”とはどれなのだろう。
雄花は花序の付け根部分の1個だけで、あとはすべて両性花のようだ。


‘オオムラサキ’の冬芽の展開(p27,196)

‘オオムラサキ’はツツジのなかまの古くからの栽培品種という。
ツツジのなかまは半常緑樹といわれるが、このことがタイミングよく観察できた。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16044658.jpg
白い星型のようなのが葉芽の芽鱗で、その上に新葉が展開している。
芽鱗の下につく葉は前年の夏に出た葉で、このあと落葉する。
ツツジのなかまは春と夏の2度、葉を出すというわけである。
落葉樹でも常緑樹でもない半常緑樹(または半落葉樹)という。

参考までに、こちらは開き始めた花芽。
樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポート(1)_d0163696_16045320.jpg
芽鱗の下につく葉はやはり前年の夏に出た葉で、このあと落葉する。


緊急事態宣言のもと、この日の水元公園はグリーンセンターなどの各施設はすべて閉鎖されていた。
家族づれなどの人出がそれなりであったが、できる限り自粛に協力して、一日も早い収束を祈るほかはない。

樹木の“形とくらし”ひとり観察会レポートは全3回の予定。このあともしばしお付き合いいただきたい。

2020年4月17日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-04-17 16:08 | 植物 | Comments(0)

『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり

この本の完成までの過程は、自然観察大学の講習会で岩瀬先生から話していただいた。 ⇒ 
しかし、制作上の細かな話、苦労話は第三者にとっては興味がないだろう、という判断からほとんど割愛している。せっかくの記録なのでここでまとめさせていただく。お付き合いいただければありがたい。
なお、立ち上げにあたって制作メンバーの名称を「チーム樹木博士」とした。


内容を固める過程について

全体の構成を考え、内容を決めていく。
観察し、撮影しながら繰り返し検討するので、時間も手間もかかる仕事になる。

次は草稿で、完成版では第1章p68‐69に相当する。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12465111.jpg
本項は果実の類型をまとめた内容で、真果と偽果、単花果と多花果など複数の基準があってややこしく、混乱しがちなところ。それを縦軸と横軸で整理した、画期的な類型一覧表とすべく熟考された。(担当は岩瀬先生)
この草稿を作成し、それによって必要な写真をリストアップしたのが次である。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12470140.jpg
2017年2月現在のリストの一部で、マークは要撮影のものである。まだこの時点ではだらけであった。
第1章のすべての項目、第2章の図鑑編のリストでもあるので、全体は13ページにもなった。
みんなでリストをもとに競うように撮影をすすめ、写真の充実とともに内容も充実した。
その結果のp68-69の仕上がりは次である。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12470846.jpg
草稿から仕上がりの変化(進化?深化?)がおわかりいただけるだろうか。
このように全ページ、全項目にわたって、みなさんで検討を繰り返し、練り上げていったのである。

ちなみに、はじめの草稿は第4稿で、最終は第10稿であった。9.1とか9.5などの小数点バージョンもあったので、全体では数えきれないくらい試行錯誤を繰り返している。

現場での観察でイメージがふくらんだものも多い。
例えば新鮮なクヌギの切り株を見つけ、ルーペで観てみると、これが意外なことに木の構造がよくわかる。
そこからアイデアが湧いてきて、切り株を探しまわることになった。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_13065009.jpg
そのページがこれ。観察が重要であることを思い知らされた次第である。


チーム樹木博士

これがチーム樹木博士のメンバー。(以下敬称略)
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12472366.jpg
左から宮本、飯島、岩瀬、小幡、川名。
長時間の濃密な打ち合わせの後の撮影で、みな疲れた表情。それを少しでも隠すために白黒に加工している。
(ホントはみなさんもっと若々しいです!)

各担当は複雑に絡んでいるので簡単には分けることはできないが、あえて簡潔に記させていただくと次のとおり。
宮本卓也:撮影全般のほか、第1章の根の菌との関わりを執筆。撮影では得意の接写を中心に、小幡と組んで第1章の1/2を担当。
飯島和子:第2章図鑑編の執筆と撮影を担当。執筆のために野外で詳細な形態を観察・確認するので、撮影のために時間をさけなかったのが悩み。
岩瀬 徹:第1章の約1/2の企画・執筆、第2章の一部の執筆を担当。当初はご本人の希望によりアドバイザーとしての参加だったが、次第に深くはまり込んだ。
小幡和男:筆頭著者として全体を統括。第1章の約1/2の企画・執筆。観察などで出てきた多くの疑問を、文献などで確認し結論を出すことにつとめた。
川名 興:撮影全般のほか、人とのかかわりに関する部分を担当。雨の降らない日はほぼ毎日撮影に出て、最高の時期のカットを抑えた。

みなさんそれぞれ得意分野を生かして、すばらしい仕事をしていただいたと思う。
ときには意見の食い違いもあったが、議論を重ねて最高の結果が出せたのではないかと思う。
まさに One Team(ワン・チーム)である。

なお、上の集合写真には写っていないが、チーム樹木博士にはあと一人、撮影全般と編集を担当した事務局O(大野透)がおります。みなさんのおかげでとても楽しく、充実した仕事を遂行できました。ありがとうございました。


余話の余談ですが…

『樹木博士入門』の企画を立ち上げたのは、『たのしい自然観察 雑草博士入門』の初版が完成した2001年ころにさかのぼる。雑草博士入門の著者である岩瀬・川名らが試行錯誤を繰り返したものの、内容は固まらないまま時が流れていた。
2015年ころに、小幡、飯島、宮本の3人が加わってチーム樹木博士が結成され、そこから完成までは約5年。それでも十分に長いのだが、トータルでは20年という長い年月が流れているのだ。

『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12473008.jpg
上は初版『たのしい自然観察 雑草博士入門』(2001年発行)
そして下は、初代 雑草ガールズ(2000年撮影)
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12473706.jpg
男の子に見えなくもないが、3人とも女の子である。
写真の右の二人は姉妹で、左端は隣のお子さんであった。
みなさん、とても素晴らしい表情をしていただいたので、書籍のほか、カタログなどでたびたびご登場いただいたものである。

さて19年後、初代雑草ガールズの現在はというと…
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12474463.jpg
みごとな淑女になっておられた。
写真は上のお二人の姉妹からご提供いただいたものである。(2019年10月に撮影)
時の流れを実感した。

2020年4月10日、報告:自然観察大学 事務局O




by sizenkansatu | 2020-04-10 12:54 | その他 | Comments(0)

新型コロナウイルスで思うこと

新型コロナウイルスの影響で、4月に予定されていた二つの観察会が飛ばされてしまった。
4月12日のテーマ別観察会「樹木の“形とくらし”観察」(都立水元公園)は延期
4月26日の定例野外観察会第1回(都立野川公園)は中止
参加を予定されていたみなさんには申し訳なく、まことに残念なことになってしまった。この状況がいつまで続くのか、困った問題である。
われわれのできることは感染の拡大を防ぐことなので、できるだけ慎重に行動したいものである。(私自身、すでに無症状の感染者である可能性がある)

この新型コロナウイルスの騒動で、思い浮かんだことがある。
ウイルス、細菌、菌はそれぞれ全く別のものではあるが、そのことは置いて以下に記させていただく。

「寄生菌は増えすぎた生物を抑制する役割を担っている」ということだ。
話の内容を抜粋すると、菌類は大きく3つに分けられ、それぞれ自然界で重要な役割がある。
①腐生菌:死んだ生物を分解し、土に戻す。
②共生菌:植物の根と菌根を形成し、互いに栄養を得る。
③寄生菌:動植物などに寄生し、悪影響を与える。
このうち③は“役割”とはいえないようにも思えるが、そうではない。
特定の生物種が増えすぎるのを抑制し全体のバランスを保つという、生物界全体あるいは地球規模で考えると非常に重要な役割なのである。

たとえば稲作は広大な水田にイネだけを高密度で育てる。これは自然界にとってはとんでもない異常な状態である。
そうなると“いもち病”などの病原菌が発生し、イネを枯らす。
(下の写真はいもち病に罹病した田んぼと、いもち病の病斑の一例。『防除HB/稲の病害虫と雑草』より転載)
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16534706.jpg
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16535474.jpg
ウンカ類などの昆虫も発生する。
いわゆる農業害虫で、下の写真は高密度で稲株を吸汁するトビイロウンカ群と、その長翅型雌成虫。(『防除HB/稲の病害虫と雑草』より転載)
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16541819.jpg
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16542786.jpg
ほかにも稲作では “もみ枯れ細菌病”などの細菌、さらには“縞葉枯病”といったウイルス病などもある。
これらはみな、稲田という異常な状態を抑制する自然界の調節作用とみなされる。

これと同じことが、今回の新型コロナウイルスにも当てはまるのではないだろうか。
そう考えると恐ろしくなる。

三つの蜜(密閉・密集・密接)の徹底回避とはまさにそのとおりで、閉鎖空間で高密度で濃厚接触をしないように心がけたいものである。
収束を願いつつ、近所で一人観察会か…

2020年4月3日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-04-03 17:00 | その他 | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

最新の記事

最新のコメント

> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 11:31
一番美味しいときのタラの..
by チョコ at 18:19
> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 13:18
ヤマボウシの名前の由来、..
by チョコ at 20:02
> イネ科かじった一般市..
by sizenkansatu at 15:28

検索

ブログジャンル