人気ブログランキング |

自然観察大学ブログ

カテゴリ:その他( 54 )




樹木博士入門、新・雑草博士入門などの書籍購入について

文末に追記あり(2020年5月26日)

『樹木博士入門』はおかげさまで皆様からたいへんなご好評をいただいております。
樹木博士入門、新・雑草博士入門などの書籍購入について_d0163696_19482478.jpg

しかし、残念なことに新型コロナウイルスの影響による物流の低下のためか、Amazonでは購入しにくいようです。

本書はずっとAmazonで在庫切れ状態が続いていたのですが、ここにきてついにAmazonの取り扱い表示がなくなってしまいました。
5月7日19時現在は 10,490円より と表示されています。※本来は定価3,190円(税込)

同じシリーズの『新・雑草博士入門』も同様です。
こちらは 8,900円より と表示されています。※本来は定価2,530円(税込)

現在いずれの書籍も書店での取り扱いがあり、取り寄せていただくことは可能です。
(残念ながら都市部の大型書店は休業中のようです)

新型コロナウイルスの一日も早い収束、そして物流の回復が望まれますが、
お急ぎの場合は下記出版社へ直接ご注文いただくことをおすすめします。
FAXで申込みいただけば、書籍と請求書・振替用紙を同封してお送りします。
1週間程度でお手元に届きます。
ただしその場合、定価プラス送料500円が必要となります。
(購入額の合計が1万円以上の場合は無料)

……………………………………………………
書籍購入申込先 (出版社)
全国農村教育協会
FAX:03-3833-1665
電話:03-3833-1821
……………………………………………………

Eメールの場合、事務局/大野あてに申し込みいただけば、こちらから転送いたします。

以上、臨時のご連絡をさせていただきました。ご了承ください。

……………………………………………………
2020年5月26日追記
先週末ころから、Amazonの在庫・物流の状況が改善されているようです。
在庫は短時間で売り切れてしまうようですが、すぐに補充されるはずです。
……………………………………………………

2020年5月7日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-05-07 19:52 | その他 | Comments(0)

『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり

この本の完成までの過程は、自然観察大学の講習会で岩瀬先生から話していただいた。 ⇒ 
しかし、制作上の細かな話、苦労話は第三者にとっては興味がないだろう、という判断からほとんど割愛している。せっかくの記録なのでここでまとめさせていただく。お付き合いいただければありがたい。
なお、立ち上げにあたって制作メンバーの名称を「チーム樹木博士」とした。


内容を固める過程について

全体の構成を考え、内容を決めていく。
観察し、撮影しながら繰り返し検討するので、時間も手間もかかる仕事になる。

次は草稿で、完成版では第1章p68‐69に相当する。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12465111.jpg
本項は果実の類型をまとめた内容で、真果と偽果、単花果と多花果など複数の基準があってややこしく、混乱しがちなところ。それを縦軸と横軸で整理した、画期的な類型一覧表とすべく熟考された。(担当は岩瀬先生)
この草稿を作成し、それによって必要な写真をリストアップしたのが次である。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12470140.jpg
2017年2月現在のリストの一部で、マークは要撮影のものである。まだこの時点ではだらけであった。
第1章のすべての項目、第2章の図鑑編のリストでもあるので、全体は13ページにもなった。
みんなでリストをもとに競うように撮影をすすめ、写真の充実とともに内容も充実した。
その結果のp68-69の仕上がりは次である。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12470846.jpg
草稿から仕上がりの変化(進化?深化?)がおわかりいただけるだろうか。
このように全ページ、全項目にわたって、みなさんで検討を繰り返し、練り上げていったのである。

ちなみに、はじめの草稿は第4稿で、最終は第10稿であった。9.1とか9.5などの小数点バージョンもあったので、全体では数えきれないくらい試行錯誤を繰り返している。

現場での観察でイメージがふくらんだものも多い。
例えば新鮮なクヌギの切り株を見つけ、ルーペで観てみると、これが意外なことに木の構造がよくわかる。
そこからアイデアが湧いてきて、切り株を探しまわることになった。
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_13065009.jpg
そのページがこれ。観察が重要であることを思い知らされた次第である。


チーム樹木博士

これがチーム樹木博士のメンバー。(以下敬称略)
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12472366.jpg
左から宮本、飯島、岩瀬、小幡、川名。
長時間の濃密な打ち合わせの後の撮影で、みな疲れた表情。それを少しでも隠すために白黒に加工している。
(ホントはみなさんもっと若々しいです!)

各担当は複雑に絡んでいるので簡単には分けることはできないが、あえて簡潔に記させていただくと次のとおり。
宮本卓也:撮影全般のほか、第1章の根の菌との関わりを執筆。撮影では得意の接写を中心に、小幡と組んで第1章の1/2を担当。
飯島和子:第2章図鑑編の執筆と撮影を担当。執筆のために野外で詳細な形態を観察・確認するので、撮影のために時間をさけなかったのが悩み。
岩瀬 徹:第1章の約1/2の企画・執筆、第2章の一部の執筆を担当。当初はご本人の希望によりアドバイザーとしての参加だったが、次第に深くはまり込んだ。
小幡和男:筆頭著者として全体を統括。第1章の約1/2の企画・執筆。観察などで出てきた多くの疑問を、文献などで確認し結論を出すことにつとめた。
川名 興:撮影全般のほか、人とのかかわりに関する部分を担当。雨の降らない日はほぼ毎日撮影に出て、最高の時期のカットを抑えた。

みなさんそれぞれ得意分野を生かして、すばらしい仕事をしていただいたと思う。
ときには意見の食い違いもあったが、議論を重ねて最高の結果が出せたのではないかと思う。
まさに One Team(ワン・チーム)である。

なお、上の集合写真には写っていないが、チーム樹木博士にはあと一人、撮影全般と編集を担当した事務局O(大野透)がおります。みなさんのおかげでとても楽しく、充実した仕事を遂行できました。ありがとうございました。


余話の余談ですが…

『樹木博士入門』の企画を立ち上げたのは、『たのしい自然観察 雑草博士入門』の初版が完成した2001年ころにさかのぼる。雑草博士入門の著者である岩瀬・川名らが試行錯誤を繰り返したものの、内容は固まらないまま時が流れていた。
2015年ころに、小幡、飯島、宮本の3人が加わってチーム樹木博士が結成され、そこから完成までは約5年。それでも十分に長いのだが、トータルでは20年という長い年月が流れているのだ。

『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12473008.jpg
上は初版『たのしい自然観察 雑草博士入門』(2001年発行)
そして下は、初代 雑草ガールズ(2000年撮影)
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12473706.jpg
男の子に見えなくもないが、3人とも女の子である。
写真の右の二人は姉妹で、左端は隣のお子さんであった。
みなさん、とても素晴らしい表情をしていただいたので、書籍のほか、カタログなどでたびたびご登場いただいたものである。

さて19年後、初代雑草ガールズの現在はというと…
『樹木博士入門』余話 ① 完成までの道のり_d0163696_12474463.jpg
みごとな淑女になっておられた。
写真は上のお二人の姉妹からご提供いただいたものである。(2019年10月に撮影)
時の流れを実感した。

2020年4月10日、報告:自然観察大学 事務局O




by sizenkansatu | 2020-04-10 12:54 | その他 | Comments(0)

新型コロナウイルスで思うこと

新型コロナウイルスの影響で、4月に予定されていた二つの観察会が飛ばされてしまった。
4月12日のテーマ別観察会「樹木の“形とくらし”観察」(都立水元公園)は延期
4月26日の定例野外観察会第1回(都立野川公園)は中止
参加を予定されていたみなさんには申し訳なく、まことに残念なことになってしまった。この状況がいつまで続くのか、困った問題である。
われわれのできることは感染の拡大を防ぐことなので、できるだけ慎重に行動したいものである。(私自身、すでに無症状の感染者である可能性がある)

この新型コロナウイルスの騒動で、思い浮かんだことがある。
ウイルス、細菌、菌はそれぞれ全く別のものではあるが、そのことは置いて以下に記させていただく。

「寄生菌は増えすぎた生物を抑制する役割を担っている」ということだ。
話の内容を抜粋すると、菌類は大きく3つに分けられ、それぞれ自然界で重要な役割がある。
①腐生菌:死んだ生物を分解し、土に戻す。
②共生菌:植物の根と菌根を形成し、互いに栄養を得る。
③寄生菌:動植物などに寄生し、悪影響を与える。
このうち③は“役割”とはいえないようにも思えるが、そうではない。
特定の生物種が増えすぎるのを抑制し全体のバランスを保つという、生物界全体あるいは地球規模で考えると非常に重要な役割なのである。

たとえば稲作は広大な水田にイネだけを高密度で育てる。これは自然界にとってはとんでもない異常な状態である。
そうなると“いもち病”などの病原菌が発生し、イネを枯らす。
(下の写真はいもち病に罹病した田んぼと、いもち病の病斑の一例。『防除HB/稲の病害虫と雑草』より転載)
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16534706.jpg
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16535474.jpg
ウンカ類などの昆虫も発生する。
いわゆる農業害虫で、下の写真は高密度で稲株を吸汁するトビイロウンカ群と、その長翅型雌成虫。(『防除HB/稲の病害虫と雑草』より転載)
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16541819.jpg
新型コロナウイルスで思うこと_d0163696_16542786.jpg
ほかにも稲作では “もみ枯れ細菌病”などの細菌、さらには“縞葉枯病”といったウイルス病などもある。
これらはみな、稲田という異常な状態を抑制する自然界の調節作用とみなされる。

これと同じことが、今回の新型コロナウイルスにも当てはまるのではないだろうか。
そう考えると恐ろしくなる。

三つの蜜(密閉・密集・密接)の徹底回避とはまさにそのとおりで、閉鎖空間で高密度で濃厚接触をしないように心がけたいものである。
収束を願いつつ、近所で一人観察会か…

2020年4月3日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-04-03 17:00 | その他 | Comments(0)

『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(3)

エゴノキの例

エゴノキのページを見てみよう。(p200-201、クリックで拡大表示)
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(3)_d0163696_17505434.jpg
左ページはエゴノキの基本情報で、右ページはエゴノキを取り巻く話題になっている。
本書は単なる樹木の図鑑ではなく、木と人間、木と動物の関わりにも注目しているのだ。

その右ページを上から順に見てみよう。

果実の石けん
自然観察大学の観察会で、川名興先生がエゴノキの果実で石けん水をつくってみせてくれた。
2008年 見沼田んぼでの第3回定例観察会レポート ⇒ 
本書にはそのときの写真が掲載されている。
エゴノキの石けんは古くから利用され別名が多いこと、また有毒の果皮を利用した魚採りの例などが川名節で紹介され、現場は大いに盛り上がったことを記憶している。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(3)_d0163696_17510693.jpg
ところで、肖像権のからむ写真の掲載には、許可をいただくことが必須である。
写真の左の女性と、川名先生の後方の背の高い男性は、当時お二人ともTH大学理学部の学生で、仲良く熱心に観察しておられたので、私もよく覚えていた。女性はH.A.さん、男性はK.Tさんといった。
ご本人たちに承諾をいただこうと思ったのだが、10年以上も経っているのでメールがつながらない。
思い切ってH.A.さんの携帯に電話したところ、無事つながってご了解をいただけた。
ところがである。
念のためにお名前を確認すると、いまはH.A.さんではなく、K.A.さんだというのだ。
なんとの写真のK.T.さんと結婚し、現在子育てに奮闘中なのだそうである。
ちょうどこの電話のすこし前に、ご夫婦で自然観察大学に参加した当時のことを思い出し、子育てが一段落したらまた参加したいと話をしておられたのだとか。(いつでも大歓迎です!)
これは驚いた。自然観察大学の歴史をしみじみと感じた出来事であった。
※ 写真の中央でこちらを向いておられる男性に連絡が取れません。
お心当たりの方は、自然観察大学事務局/大野までご一報いただければ幸いです。


エゴノネコアシ
エゴノネコアシアブラムシの寄生による虫えいで、自然観察大学では何度か話題になっている。
前述の観察会レポートでは、果実の石けんに続いて掲載され、このときはエゴノネコアシアブラムシが中間寄主であるアシボソについているところが観察されていた。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(3)_d0163696_17511425.jpg
エゴツルクビオトシブミとエゴヒゲナガゾウムシ
どちらもおもしろい生態・形態の昆虫だが、自然観察大学の観察会では時期がずれていて、残念ながら直接観察したことはない。しかしながら当ブログでは何度も取り上げている。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(3)_d0163696_17512406.jpg
● エゴツルクビオトシブミ
オトシブミのゆりかご(揺籃)づくり その1 ⇒ 

●エゴヒゲナガゾウムシ
妖怪変化か? -ウシヅラヒゲナガゾウムシ- ⇒ 

どちらの昆虫もとても興味深く、何度もご登場いただいている。各記事の下部にある「タグ」を使って他の記事をご覧いただければありがたい。

エゴノキとヤマガラ
写真は自然観察大学で観察したときのものである。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(3)_d0163696_17513977.jpg
みんなの見ている前でヤマガラがエゴノキの実を割って食べはじめ、このときも大いに盛り上がった。(撮影は唐沢学長)
そのときの興奮したようすは次に記されている。
2016年 野川公園での第3回定例観察会レポート ⇒ 
(ここから末尾の「第3回の報告」をクリック。面倒をおかけしてすみません)


結 論
といったようなわけで『樹木博士入門』と自然観察大学は深い関係にある。
自然観察大学で積み重ねてきた観察こそが、『樹木博士入門』の内容に厚みと彩りを加えていると思う。
ちなみに、前述のヤマガラのレポートのすぐ後にあるハイイロチョッキリは、本書にも紹介されている。(p107)
さらに申し上げると、ハイイロチョッキリのレポートの後には、ヒマラヤスギの雌花序(雌花穂ともいう)の発見と観察が課題であることが記されているが、そのあと解明されて『樹木博士入門』に掲載されている。(前回の記事の文末「ヒマラヤスギの花から実」を参照)

本書に関しては、唐沢学長をはじめ自然観察大学からさまざまな写真、種々の話題を提供させてもらっている。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係は切っても切れないのだ。

2020年3月13日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-03-13 18:03 | その他 | Comments(0)

『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(2)

普通の図鑑とはココが違う(アカマツとクロマツの例)

たとえばアカマツとクロマツのページを見てみよう。(p76-77、クリックで拡大表示)
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(2)_d0163696_13062604.jpg
樹形、樹皮、葉、冬芽、花序(雄・雌)、球果と種子と図鑑としての基本的な情報をていねいに収めてある。
見分けるポイントを示した写真が、左右見開きでくらべられるようになっている。
たとえばクロマツの葉は硬く、先端が鋭くとがり、さわるとかなり痛い。
それにくらべてアカマツの方は柔らかめで先はやや鈍く、あまり痛くはない。
ほかにも樹皮や冬芽で明確に見分けられることが写真でわかるように示されている。
(雑種のような、どちらか悩ましいものもあるが…)

ここまででも立派な図鑑だと思うのだが、本書をつくる上で著者のみなさんが意識したのは
“観察の視点をもつ”
ことであった。
そのために、自然観察大学で取り上げてきたことを参考に、さまざまな話題を盛り込んでいるのである。

そんなわけで、アカマツとクロマツにはあと1ページあって、おすすめの観察ポイントや興味深い話題を掲載している。
ほかの図鑑と違うのはここなのである。(p78、クリックで拡大表示)
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(2)_d0163696_13064129.jpg

アカマツの花と球果(マツの3年分を観察する)

ページの上半分で、まずアカマツの雄花序と雌花序のつき方を観察する。
これが意外に勘違いされやすく、ふつうは雄花序と雌花序は別々の枝につく。
まれに一つのシュートに雄花序と雌花序がついている場合があるのだが、このまれな例を示してある教科書があるのだという。困ったものである。

さらに花序のついた枝をたどると、そのもとの方に1年経った松ぼっくり(一年前は花だった)と、さらにたどると花後2年経った松ぼっくりが観察できる。
つまり、開花時期に3年分の観察ができるということになる。
いずれも、自然観察大学では定番ともいうべき観察ポイントである。


マツの葉の断面と樹脂道を観察しよう 


さらに、驚くべきはこのページの下半分に掲載された葉の断面だ。
アカマツ、クロマツのように2葉のマツでは、その断面が半円形で、2つを合わせると円形になる。
そして3葉のダイオウマツ、5葉のゴヨウマツも、合わせたときにきれいな円形になるのだ。
これにより、もとは一つの葉で、それが2葉、3葉といった形に進化したのだと想像できる。

この写真を撮っているときに、ぷつぷつと断面から液体が滲み出てきた。
撮影を指導していただいた著者の方々にご報告すると、これは樹脂道から出てきた樹脂ということであった。
マツなどの針葉樹の葉は樹脂道というものがあり、それが種の判別ポイントなのだそうだが、顕微鏡でないとわからない。ところが、滲出した樹脂はルーペでも見ることができた。
思わぬところで樹脂道が表現できた、ということである。


アカマツの花と種子

ところで、アカマツの花はどんな花か。これまでに紹介した図鑑編のページには花序は掲載されていたが、花のアップはなかったではないか。
心配ご無用である。本書の第1章で、「マツの花と種子」のページ(p59)にちゃんと掲載されている。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(2)_d0163696_13064844.jpg
アカマツの雄花は葯のみ、雌花は鱗片に胚珠がつくのみである。
裸子植物の花は花弁も子房もない。被子植物とくらべると、花らしくない花だ。

『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(2)_d0163696_13065601.jpg
アカマツの雌花序。
この写真は「ハンノキの花から果実」(2019年2月6日の記事)の再掲。
機能美の極限のような花は4月22日の撮影である。
季節になったらぜひ実物をルーペでとっくりとご覧いただきたい。


もう一つのおすすめ記事

アカマツとクロマツについては、飯島先生による講演でも紹介されているので、よろしければそちらもご覧いただきたい。
ヒマラヤスギの花から実(自然観察大学室内講習会レポート、PDF) ⇒ 
じつをいうと、「ヒマラヤスギの花から実」こそが、自然観察大学と最も深い、密接なかかわりがあるのであった。くわしくは上記のレポートをぜひ!

2020年3月12日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2020-03-12 13:13 | その他 | Comments(0)

樹木博士入門 正誤表

お詫びと訂正

完成したばかりの「樹木博士入門」ですが、誤りがありました。
自然観察大学として申し上げるべきことではないかもしれませんが、この場を借りて訂正させていただきます。
内容は以下のとおりです

全農教/観察と発見シリーズ 樹木博士入門 (2020年3月10日初版発行)

p71 下段の芽生えの写真説明
アカシデ ⇒ ムクノキ

p84 メタセコイアの花序の写真説明(1か所)
雄花序 ⇒ 雌花序

P177 ニワウルシの冬芽の写真
写真の誤り。次の写真に差替え
樹木博士入門 正誤表_d0163696_15374941.jpg
詳しくは次からPDFをご覧ください。


申し訳ありませんでした。
お詫びして訂正いたします。

ご指摘いただいたみなさまにはお礼を申し上げます。

2020年2月26日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-02-26 15:50 | その他 | Comments(0)

『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(1)

「形とくらし」が共通のコンセプト
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(1)_d0163696_12594866.jpg
『樹木博士入門』の第1章のタイトルは「木の形とくらし」である。
第1章は樹木の全体を知るためのビジュアル樹木事典であるが、その根底にあるのは“形とくらし”であり、形をよく観てくらしを察する(考える)ということである。
まさしく自然観察大学のコンセプトと重なっていて、それは博士入門シリーズに共通したものでもある。

たとえば冬芽の、この項のタイトルは「冬芽とその展開/冬芽はシュートのはじまり」。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(1)_d0163696_13000076.jpg
左ページにはケヤキ、ニワトコ、ミズキの冬芽の展開のようすが、右ページにはクロモジ、ハナミズキ、タブノキが掲載されている。

ケヤキのところを詳しく見てみよう。
冬芽がどんなふうに成長するか、動きの中で観察するのがおもしろい。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(1)_d0163696_13000871.jpg
冬芽のときから観察していて、右端の写真で開花している。(1月4日~3月31日の約3か月間)
5mmほどの小さな冬芽から、たくさんの葉や雄花、雌花を出し、全体が大きな枝(シュート)になったことに驚く。
私などは“冬芽から出てくるのは葉か花で、両方あるのが混芽”などと漠然と考えていたのだが、とんでもないことになった。
さらに、ケヤキでは芽鱗が遅くまで残るので、芽鱗ごとに葉や花がつく構造がよくわかる。
冬芽を見て樹種がわかればそれでヨシ、としないところが“形とくらし”の視点なのだ。


余談ですが…

ケヤキが開花した日(2018年3月31日)はソメイヨシノも満開であった。
写真の下部にあるピンク色にぼやけたところがそれで、全体の位置関係は次のとおり。
『樹木博士入門』と自然観察大学の関係(1)_d0163696_13001782.jpg
このケヤキは公園内の広場の中央に立っていて、その広場を取り囲むように満開のソメイヨシノがあった。
サクラの木の下では、家族連れなど大勢の花見客が盛り上がっているところであった。
そんな中で私一人、待ちに待ったケヤキの開花を観察していたのである。
かなり異質な存在であったと思うのだが、私はあまりの嬉しさに、周囲の人に大声で知らせたい思いでいっぱいであった。
ほら、ケヤキが咲いていますよ。
小さな冬芽からこんなに立派に成長したんですよ!
みなさん、サクラなんか見ている場合じゃないですよ!!
ちなみに、第2章ではこのケヤキの1年間を継続観察した結果が掲載されている。


自然観察大学と『樹木博士入門』、共通するメンバー


本書の5人の著者のうち、岩瀬徹名誉学長と川名興先生、飯島和子先生は我らが自然観察大学講師である。
また筆頭著者の小幡和男先生、宮本卓也先生はつい先日NPO法人自然観察大学に入会いただいた。
それに校閲いただいた八田洋章先生までもが、入会してくださった。
撮影協力の村田威夫先生、金林和裕先生も自然観察大学講師である。
さらには唐沢孝一学長、越川重治先生には、樹木と鳥の関係などで貴重な写真をご提供いただいている。
(樹木とほかの生きものの関わりを紹介するのも、この本の特徴である)
ついでに、観察会などでいつも受け付けを担当してくれる事務局のI嬢はデザイン監督(いわゆるアートディレクター)であり、不肖事務局Oは撮影と編集担当である。
全員が自然観察大学の仲間なのだ。

2020年2月21日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2020-02-21 13:04 | その他 | Comments(0)

『樹木博士入門』ができた!

博士入門シリーズに新しい仲間が登場する。
(正確には「全農教/観察と発見シリーズ」)
※ 追記あり(2020.3.9)

『樹木博士入門』
『樹木博士入門』ができた!_d0163696_13545824.jpg
このシリーズでは制作期間のもっとも長かった本で、ページも厚く重い。
「チーム樹木博士」として本格始動して以来、およそ5年を費やした本である。

厚みのわかる角度から見たカットがこれ。
『樹木博士入門』ができた!_d0163696_13550528.jpg
B5判256ページで、写真で見るとさほどでもないが、コート紙なのでずっしり手ごたえがある。
第1章:木の形とくらし
第2章:身近な木の観察図鑑
という2部構成である。
これまでの本シリーズと同様に事典+図鑑というアプローチで、身近な樹木のすべてがわかるようになっている。


掲載写真点数は2,300点余。ほとんどすべてがこの本のために撮影したもので、一次選抜されたのが約168,000カット、撮影総カット数はおそらくその何倍にもなると思う。
企画・構成から撮影、執筆と、チームが一丸となって取り組んだ、まさにワンチーム(One Team)の成果である。

たとえば著者のお一人であるK先生は、この本のために雨が降らなければほぼ毎日、撮影に出かけておられた。来る日も来る日も同じ被写体を追いかけ、最高の時期に最高のカットをおさめたというわけである。

不肖事務局Oも撮影を担当させていただき、その観察レポートもこのブログ上で何度も報告させていただいている。
(本命話題はブログでは報告せずに、紙面に掲載するために内緒にしておきました。気になる方はぜひ本書で見てやってください)

書店店頭に並ぶのは、早くても2月末、おそらく3月になってからと思われる。
(奥付の日付は3月10日発行)


完成記念の講習会
自然観察大学では、この本の完成を記念して『樹木観察の面白さ』という講習会を実施した(2/9)。
『樹木博士入門』ができた!_d0163696_13551449.jpg
新型肺炎が危惧される中で、大勢の方にお集まりいただいた。
中には「ヒマラヤスギの花から果実」の講演を聞くために大阪から駆けつけてこられた方もある。
厚く御礼申し上げたい。
講演は本書の著者・関係者が制作裏話を紹介したもので、とても興味深い内容であった。近々自然観察大学HP上で紹介する予定なので、ご期待いただきたい。
追記(2020.3.9)
講習会レポートは2020年3月にアップしました。次でご覧いただけます。
⇒ http://sizenkansatu.org/koushuukai_RP36_top.html 

自然観察大学テーマ別観察会『 樹木の“形とくらし”観察 』
発刊記念の観察会も予定している。
木の名前を知るだけでなく、生物としての動きや巧妙なつくりに注目する、ユニークな観察会になるはずである。
こちらは現在参加者募集中なので、ご希望の方は次をどうぞ。


今朝、事務所近くのカワヅザクラがほぼ満開となった。(2月14日東京都台東区)
『樹木博士入門』ができた!_d0163696_13552030.jpg
暖冬のためかずいぶん早いようだが、私には本書の完成を祝っているように見えた。
『樹木博士入門』ができた!_d0163696_13552767.jpg
ちょっと後ピン。
スマホで撮ったのでご容赦いただきたい。

なお、当ブログでは、何回かにわたってこの本のことを報告させていただくことになると思う。
ご了承いただきたい。

2020年2月14日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2020-02-14 14:05 | その他 | Comments(0)

「カメムシ博士入門」ができた!

博士入門シリーズに新しい仲間ができた。
タイトルは「カメムシ博士入門」。
「カメムシ博士入門」ができた!_d0163696_16273481.jpg
このシリーズの中でも飛び抜けてマニアックといってよいだろう。
(ほめ言葉です)

ご存知かと思うが、このシリーズは個々の名前を調べるための図鑑ではない。
「昆虫博士入門」が昆虫の世界を概観し、そのすべてを知ることをめざした本であるように、本書はカメムシ界全体を知るための本なのだ。
4章で構成される本書を簡単に紹介させていただく。

第1章:カメムシの形とくらし
本シリーズでおなじみの「形とくらし」がテーマだ。
食性と口器、翅や脚の構造、子育てなどの多様な生態… 
これほどの写真がよくぞそろったものだと思う。
他では絶対に知ることのできない、至高の世界だ。
「カメムシ博士入門」ができた!_d0163696_16274312.jpg
●私の驚愕したもの3選(写真は書籍で見てほしい)
ヒラタカメムシ類の口針!
イトカメムシの臭腺!!
アシブトカタビロアメンボの脚!!!


第2章:カメムシを探そう
カメムシを見つけるための探索ガイド。森や草原、地中や水辺、建物内、日向と日陰、止水と流水、川と海、石ころの裏側から高山など、緻密に紹介してくれる。
「カメムシ博士入門」ができた!_d0163696_16280477.jpg
●私の驚愕したもの
なんといっても「遠洋のウミアメンボ」!!
こんなところにもカメムシはいるのか、と驚かされる。


第3章:いろいろなカメムシ
カメムシといっても、アメンボやグンバイムシ、トコジラミもカメムシの仲間だ。
タイコウチやナベブタムシ、ミズムシなんていう仲間もいる。
日本産カメムシ全55科について、代表種の写真(これが大迫力)、簡潔な特徴とともに紹介している。
「カメムシ博士入門」ができた!_d0163696_16282063.jpg
●お気に入りのカメムシ
事務所隣席の女性のお気に入りは「ヒラタカメムシ科」。侘び寂びを心得た、かなりハイレベルな女性のようだ。
私の好みは、やはり「キンカメムシ科」か。「オオメカメムシ科」も好いが…


第4章:カメムシ博士をめざして
採集・観察方法では、ビギナー向けはもちろん、専門家ならではのノウハウまで惜しげもなく紹介されている。
「カメムシ博士入門」ができた!_d0163696_16283242.jpg
ほかにも標本作成、同定から、さらには付録として「もっと知りたいカメムシの世界」。
至れり尽くせりだ。


本書を手にした愛好家は、紙面から目が離せなくなること、請け合いである。
一気に読破したそのあとは、実際に自分の眼で確認したくなって、野外に出ることになる。
そしてカメムシ博士への道を歩むことになるだろう。


自然観察大学では、「カメムシ博士入門」出版記念を兼ねて、室内講習会での講演をお願いしたかったのだが、著者のみなさんは多忙な方、遠方の方ばかりで今のところ実現できていない。
いずれはぜひ講演をお願いしたいものである。


なお、自然観察大学ブログでもカメムシは何度も扱わせていただいているが、その疑問は本書によってことごとく回答が得られたことをご報告する。
※ 本ブログの過去の記事は、PCのブログ内検索で「カメムシ」「サシガメ」などと入力すると一覧できます。

同じ博士入門シリーズで、いま水面下で進めている「樹木博士入門」というのがある。
その著者のお一人でもあり、自然観察大学講師でもあるK名先生の感想は次のとおり。
・「カメムシ学の基本を端的に示す」と前書きにあるが、その明確な目的に向けて、みごとに実現されている。
・鮮明な写真とともに個々の説明がていねいで、わかりやすく表現されている。
・4つの章立てがよい。
・第1章、第3章はもちろんだが、じっくり見ると第2章が凄い。カメムシの適応力に驚き、それをまとめた著者の力量に感心させられた。
・第4章「カメムシ博士をめざして」もよく考えられている。
・付録の「もっと知りたいカメムシの世界」の海外のカメムシのコメントが面白い。
・カバー裏の高橋敬一氏の推薦文がユニークで素晴らしい。

チーム樹木博士の他のメンバーのご感想も、一様に「よくぞここまでやった」というものだった。
(さらに「我々も負けていない」という発言も…)


「カメムシ博士入門」のくわしい内容と各ページの大きな画像(PDF)は、出版社のHPをどうぞ。
⇒ http://www.zennokyo.co.jp/book/hakase/Dr_km.html


なお、自然観察大学HPの【本の紹介】で、近日中に記事が載る予定である。


2018年9月7日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-09-07 16:33 | その他 | Comments(0)

「季節の生きもの観察手帖」トップに返り咲き!

節分の日に、「季節の生きもの観察手帖」が、Amazonランキングのベストセラー1位に返り咲いた。(自然観察カテゴリ)
おそらく、立春で新しい年を迎えるにあたって、気持ちも新たに自然観察をしてみよう、記録してみよう、という方々が購入してくださったのだと思う。
ありがたいことである。

次は、2018年2月3日11時54分の記録。
「季節の生きもの観察手帖」トップに返り咲き!_d0163696_18354294.jpg
私のスマートフォンからのスクリーンショットである。
いまでも折にふれてランキングをチェックしているのだが、2017年6月を最後に陥落して以来、およそ8か月ぶりの復活である。
※ 参考
「季節の生きもの観察手帖」がアマゾンで1位に! (2017年4月26日の記事)
⇒ http://sizenkan.exblog.jp/24123868/ 


余談ですが


トップに返り咲いたことに小躍りする一方で、これはほんの一瞬であり、記録しておく必要があると考えた。
(予想は的中し、残念ながら1時間後にはトップを陥落してしまったのであった。)

上の画像を得るために、スマホでのスクリーンショットというのを初体験した。
恥ずかしながら私はスマホが苦手で、その機能のほとんどを生かしていない。(というよりも知らない)
「スマホ スクリーンショット」で検索して、あわてて画像を得たというしだいである。

2018年2月5日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-02-05 18:39 | その他 | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新の記事

最新のコメント

> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 11:31
一番美味しいときのタラの..
by チョコ at 18:19
> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 13:18
ヤマボウシの名前の由来、..
by チョコ at 20:02
> イネ科かじった一般市..
by sizenkansatu at 15:28

検索

ブログジャンル