自然観察大学ブログ

カテゴリ:植物( 155 )




春の雑草 ロゼットの観察-3

2月と3月のロゼットを比較してみよう。
(相変わらず季節外れですみません)

まずは2月末のヒメムカシヨモギ。
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整った形のロゼットだが、顔色が悪い。
冬のヒメムカシヨモギは、みな寒さに耐えるような色になっている。

次は3月末のヒメムカシヨモギ。(だと思う)
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春らしい、鮮やかな緑になった。(ヨカッタ)

次はオニノゲシ。
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2月末のオニノゲシは低い姿勢で寒さに耐える。
ロゼットの時期は、ノゲシと見分けやすいような気がする。

次は同じロゼットの1か月後。
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立体的に盛り上がって、元気いっぱい。
写真では大きさがわかりにくいが、元気に2まわりくらいでっかく成長している。

そして2月末のナガミヒナゲシ。
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1か月後のナガミヒナゲシ。
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これも中心部が上方へ盛り上がっている。
ナガミヒナゲシは、以前中心部の断面も観察しているので、そちらもご覧いただきたい。 ⇒ 

オニノゲシもナガミヒナゲシも、この時期早いものはもう花を開いているのに、まだこんな観察記録を書いている。
いいかげん、イヤになってくるが、もう少しだけお付き合いいただきたい。

2015年4月22日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-04-22 23:18 | 植物 | Comments(0)

早春の雑草 ロゼットの観察-1

2月末の暖かい日のこと。久しぶりに雑草を観に行った。
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ネギ畑の周りの雑草。
南向きに行儀よくならんで、日なたぼっこでもしているようだ。

気の早い、花をつけたヤツもいる。
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ホトケノザにスズメノカタビラ、奥で花茎を伸ばしているのはナズナ。

ロゼットがたくさんあると思ったら…
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よく観ると全部ナズナだ。
葉の切れ込みの深いものや浅いものといろいろある。
大小の違いは発芽時期の違いだろう。小さなものはどう見ても今年になってからの発芽と思う。

越年草(秋以降に発芽し、翌春成長して花をつける)とされるナズナだが、越年しないものも多い。秋に発芽して年内に花から実になるものもたくさんあるし、年を越してから発芽してロゼットを作らずに開花結実するのもある。その柔軟さ、型にはまらないところが雑草の雑草たるゆえんだ。

これもナズナのロゼット。
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寒さに当たったためか、古い葉(大きな葉)は色が悪い。
でも、中心部から新しく緑鮮やかな葉が出てきている。

次は切れ込みが細かくて深いもの。
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葉先のほうに緑が残っているのは、積雪や霜に触れてなかったためなのだろうか。
葉の数が多いのは、枯れた葉を補うために次々に出たものか。
厳しい寒さに震えながら育ったのだろう、このナズナの苦労がうかがえる。

好対照なのが次のロゼット。
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切れ込みが少なく、葉の緑は鮮やか。これもナズナである。
全体に丸っこくて、暖かいところでのんびりと育ってきたのかと想像してしまう。
(同じ畑のナズナだが…)

次はごく小さなロゼットだが、これもやはりナズナ。
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せっかく芽生えたのに、寒さにやられてしまって、なんとか新芽を出して持ちこたえている、といったところか。
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横から見ると宙に浮いたようになっているのは、たぶん霜で持ち上げられたのだろう。


余談ですが…
昨年後半から、なかなか更新できない日々が続いている。
毎週1回は更新できるようにしたいのだが、それが2週に一度になり、最近は月に一度たらずのペースになってしまっている。
雑用(本業とも言う)に追われて時間が作れなかったのだが、それもほぼ解消できた。
ぼちぼちと更新しますので、見捨てずにこれからもお付き合いのほど、よろしくお願いします。

2015年3月25日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-03-25 07:22 | 植物 | Comments(2)

続・セイタカアワダチソウの花を観る ‐開花の順序‐

以前にも「セイタカアワダチソウの花を観る」で記したが、今回はさらによく観させてもらおう。
(今ごろすみません)

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頭花の周辺部が舌状花で、中心部は管状花(筒状花)。
舌状花も管状花も小さいが、こうしてみるとけっこうあでやかだ。

別の角度の写真はこちら…
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舌状花と管状花はよくわかるが、雄しべと雌しべはどうなっているのか、いまひとつわからない。

ひとつの頭花を取り出して、よく観てみよう。
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これはまだ開花はじめの、舌状花だけの頭花。
普通は舌状花が先に開き、そのあと少し遅れて管状花が開く。
たくさんの雌しべが観えるが、舌状花には雌しべしかない。
林立する雌しべの奥に観えるドーム型のものが管状花のつぼみだ。

次は管状花も開いた状態。
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管状花から長い雌しべが出ている。
この雌しべは長く、舌状花の雌しべ(少し細身でY字型)よりもアタマ二つくらい突出した感じだ。

雌しべを観ると、二またになった柱頭には花粉がついている。
花柱を取り巻くようについているのが雄しべで、この時点ですでに花粉は無くなっている。

頭花の全体を包むうろこ状のものは総苞片で、その内側に観える白いのは冠毛だ。この冠毛が果実のときに綿毛のようになる。
小さい頭花ながらも、キク科の基本をまもった形だ。

管状花の雄しべと雌しべの関係がよくわかる頭花があった。
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画面で突出して見えるのが3本ある。
両サイドは雌しべが伸びて、ちょっと太めの二またの柱頭が見える。
中央は雄しべが伸びた状態である。雄しべは多数が合着して膜状になり、その中には雌しべがある。
つまり1個の雌しべを多数の雄しべが筒状に取り巻く形だ。

注目すべきは花糸だ。膜状部分の下にある糸状のものが雄しべの花糸である。
両サイドの花糸は剥離して縮んでいる。どうやらこれが縮むことで雌しべの柱頭が出てくるようだ。

連続したシーンを観察したわけではないが、まとめてみると次のように想像される。
① はじめは雄しべが伸びた状態。(画面の真ん中の少しピンぼけのもの)
② 雄しべが終わると花糸が縮んで筒状の雄しべが下にずれる。
③ 中に隠れていた雌しべの柱頭が顔を出す。

う~む。
自家受粉を避けるための雄性先熟だろう。小さい花だが、うまくできているものだ。
しかし、これだと自花受粉(同花受粉)をしなくても、同じ頭花、あるいは同じ株同士では受粉してしまう(隣花受粉)。セイタカアワダチソウは大量の花を次々に着けるのだから、ほとんどは自家受粉になるだろう。緻密な仕組みを持っているくせに、意外にアバウトだ。
しかしこの鷹揚さが先祖代々つちかった、セイタカアワダチソウの繁殖戦略なのだろう。

余談ですが…
セイタカアワダチソウはかつて花粉症の原因植物とされたことがあったが、本当はそうではない。
先日、ラジオのある番組で、かのAさんが次のように言っていた。
「セイタカアワダチソウは花粉症の原因となり、別名ブタクサとも言われる」
セイタカアワダチソウの名誉のために、放送後その番組にメールで投稿しておいた。
お詫びと訂正をしてくれていればいいのだが…

2015年1月26日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-01-26 07:21 | 植物 | Comments(0)

ハキダメギク

ハキダメギクは、空き地や畑などで、厳冬期を除いてほぼ一年中現れる。
ちょっとの間に芽を出し、あっという間に花をつける。
ハキダメギクの神出鬼没ぶりは〝これぞ雑草〟
素早い動きのハキダメギクだが、毎年同じ場所に安住することはない。
大群落を作ったり、そうかと思うといつの間にか消えたりする。

ほかの植物のない土地を探してさまよいながら、隙(空き地)を見つけてはあっという間に成長・繁殖する。
雑草の生活としては、一つの完成型のようだ。

花は小さいが、拡大するとなかなかきれい。(これも雑草らしいところ)
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白いのは舌状花で、黄色いのが管状花。
ハキダメギクの花は、小さいながらもキク科の頭状花の掟を踏襲している。
外側の管状花はすでに終わりかけで、真ん中の3つはまだつぼみ、そのあいだにある3つが開花中だ。

こちらはもう少し若い花序。
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つぼみの部分が多い。

外側から内側へという開花順序は、以前見たハルジオンと同じだ。
タンポポやキクイモなど、これまでに見た頭状花はみな外側から順に開花する。
参考:ハルジオンの花を観る ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/13602933/
(キク科の頭状花についても記してあります)

面白いのを見つけた。
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果実と花が同時に観られる。
先に開花した外側はとっとと果実になっているが、遅れた中心部はまだ開花中。
まわりを探すと、こんな花だらけだった。ひとつの頭花で時間差をつけているのはすごい。


ところで、上の写真の右側に卵がついている。(クリックで拡大できます)
鱗翅目の、オオタバコガのような卵。だが行く末がちょっと心配だ。
やっと孵化した幼虫が〝さて餌を食べよう〟と思ったときには、空中を舞っていたりするかも。
さぞかしびっくりすることだろう。

ハキダメギクの果実はこれ。
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冠毛は独特で、ふわふわ飛ぶ感じはしない。
そのかわり表面がトゲトゲで、何かにくっついてさらに移動しそうだ。

ハキダメギクの全貌は、次を転載させていただく。
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「形とくらしの雑草図鑑」(岩瀬徹、全農教)より。

〝掃き溜め菊〟とはひどい名前だが、掃き溜めで発見したというので、かの牧野富太郎氏が命名したそうである。上の群落の写真はまさに吹き溜まりのような場所だ。
少しかわいそうなので〝掃き溜めに鶴〟のように考えたい。

2014年11月11日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-11-10 07:21 | 植物 | Comments(0)

またへんなエノキグサ

またまた、へんなエノキグサを見た。

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今度は雌花だらけ。
雄花穂があるべきところにも雌花がならぶ。
前回のニュー・ハーフとちがって、ちょっと不気味だ。

こういうのを観ると、ついついいろんなことを考えてしまうものだが、いかがなものだろうか。
生き物には例外はつきもので、とくに植物の雌雄に関してはかなりあります〟 とはI瀬先生の言だ。

2014年10月1日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-10-01 18:55 | 植物 | Comments(0)

エノキグサのニュー・ハーフ

ちょっと変なエノキグサを見た。
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どこがおかしいのか、気付いた方は、ふだんから雑草をよく観ている方だろう。
答えは雄花穂の先に雌花があること。
エノキグサの雌花は画面下の苞葉に包まれたコロンとしたところにあるのが普通。
雌花は毛のような雌しべがあるだけで、花びらはない。
その上のエンジ色のところが雄花の集まった穂で、白いのが雄しべだ。
そこまでが普通のエノキグサなのだが、このエノキグサは雄花穂のさらに先に雌花がある。

こちらは別の花穂。
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少し小さめだがやはり先端に雌花がついている。
この株には、そんなおかしな花が多数あった。
いわばエノキグサのニュー・ハーフのようなものか?

そもそも、エノキグサのように雄花穂の下に雌花があると、落下した花粉によって自家受粉をする可能性が高いだろう。
先端の雌花は受粉できる可能性は低いだろうが、できたときは新しい遺伝子を備えたニュー・ハーフの種子を作り出すことになる。
このエノキグサがこの後どうなるのか継続して観察しようと考えたが、一週間後に行ってみたら、除草剤が散布されていた。もしかするとこの進化したニュー・ハーフ・エノキグサがなわばりを広げるところを見たかったのだが…
うーむ。雑草観察のつらいところだ。

ところで、エノキグサは今ごろの季節によく目立つ。
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葉がエノキに似ているというのでついた名前だそうだが、日なたのエノキグサはあまり似ていないと思う。
日陰で育った葉の大きなものではそれなりに似ているが…

エノキグサについては「形とくらしの雑草図鑑」(岩瀬徹、全国農村教育協会)にその一生が出ている。
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ちょっと地味だが、なかなか味のある雑草である。

2014年9月21日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-09-21 23:06 | 植物 | Comments(0)

夏の木曽駒ヶ岳と宝剣

8月のはじめに木曽駒ヶ岳に行った。
体力に自信がないので、山といってもロープウェイ利用の半日コースだ。
そこで観た高山植物を中心に紹介させていただく。
千畳敷カールより宝剣岳。
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う~む。絵になるなぁ。画面左端が宝剣岳。写真は事務局I嬢の写真。
手前に広がる千畳敷カールは夏の間お花畑になっているはずなのだが、今年は冬の大雪のために遅れているらしい。(画面でも残雪が見える)
我々はこれから写真中央右のつづら折りの登山道(八丁坂という)を登る。
稜線部分(乗越浄土という)を超えて、そこから木曽駒ヶ岳まで往復する。

なお、私は接写用のレンズしかないので、残念ながら上のような写真は撮影できない。
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これがその105mmマクロレンズで撮った宝剣岳。
つい、手前のナナカマドにピントを合わせてしまう。

これはイカンと、宝剣岳に合わせるとこうなる。
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岩肌がすごい迫力。
眺めるには好いが、あとでここを登ることを考えると、ちょっと恐ろしい。

振り返ってみると、南アルプスの山々…
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左端が北岳。富士山も遠望できた(画面右奥)。
雲海の下にかすかに見えるのは駒ヶ根の街だろう。
天候に恵まれたが、聞くところによると富士山が見えるのはめずらしい由。
常日頃のヨイオコナイによるものであろう。

お花畑で観たチシマギキョウ。
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逆光のため、とりわけ鮮やかだ。特徴である白い毛もよく観える。

この日一番多く見かけたイワツメクサ。
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ツメクサというよりは、下界で観るノミノフスマやハコベに似た感じ。
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高山植物らしく、全身に比較して花が大きい。

イワベンケイ。
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雌雄異株で、これは雌株。
つぼみかと思ったら、これで花らしい。

ハイマツ。
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何も考えずにスルーしてしまいがちだが、自然観察大学で学んだことを思い出した。
まずは雌花穂と松ぼっくり。
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右の雌花穂は、一年後に松ぼっくりになる。
左の松ぼっくりは去年の花で、今年の秋に笠を開いて種を散らすのだろう。
開花から種子散布まで通算して一年以上かかるということだ。

こちらは雄花穂。
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軽くたたくと多量の花粉を飛ばした。
ハイマツだけに枝は短く全体が低くなっているが、基本的なことは観察会で観たアカマツと同じだ。

女王といわれるコマクサ。
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木曽駒ヶ岳手前の登山道わきに点々とあった。
きれいなコマクサと思ったのだが、よく観ると花弁の横に穴が開いているのがある。
たぶんマルハナバチ類の盗蜜によるものだろう。

別株のコマクサ。
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こちらの女王は派手好みのようだ。
地上では小さく可憐に見える株でも、礫の間に深くたくましく根を張っているそうだ。

木曽駒から宝剣岳一帯のコマクサは明治・大正期に薬草として採りつくされ、今あるものは植栽なのだそうである。それでもなお盗掘があるとか… 盗蜜と違ってこちらは罪が深い。

木曽駒ヶ岳の頂上にあったヨツバシオガマ。
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近縁の○○シオガマというのがいくつもあってややこしいが、これはヨツバシオガマでよさそうだ。
名前の由来はいろいろあるようだが、こじつけのようなものもあって決定的なものはなさそう。
シオガマ類の特徴は花の形が鳥の頭に似て、先端がくちばしのようにとがっているところである。

そんなわけでタイミングよく登場したイワヒバリ。
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今年生まれた若鳥なのだろうか。山頂の人混みをおそれることなく姿を見せてくれ、しばしの間いろいろなポーズをとってくれた。
イワヒバリは山頂付近のハイマツと礫地帯で繁殖し、中腹の谷で越冬するそうである。ふもとの街でお目にかかることはまずない。

8月2日(土)というもっとも混雑の予想される日程だったが、頑張って始発のロープウェイに乗ったおかげで、木曽駒から宝剣を回って昼には千畳敷に戻ることができた。
次回はふもとの駒ケ根の話をさせていただく予定。

参考までに行程を記しておく。

駒ヶ根
 ↓ (バス。臨時便4:45発。運転技術にびっくり)
しらび平(標高1,662m)
 ↓ (ロープウェイ。臨時便)
千畳敷(2,612m)
 ↓
乗越浄土
 ↓
中岳(2,925m)
 ↓
木曽駒ヶ岳(2,956m。折り返し)
 ↓
中岳
 ↓
乗越浄土
 ↓
宝剣岳(2,931m。往復ピストン)
 ↓
乗越浄土
 ↓
千畳敷

2014年9月6日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-09-06 15:46 | 植物 | Comments(0)

ツユクサ-6 二輪咲きと自家受粉

いきなりクイズ。
この写真で、おかしいところにお気づきだろうか。
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気づいた方は、ふだんからよくツユクサを観ている方だろう。
苞を開いてみると…
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主軸には花ではなくて、葉のような、あるいは苞のようなものがついていた。
普通に観られる主軸の途切れたタイプのものは、朝の早いうちはこんなふうになっていて、その後落ちるものなのだろうか?
それとも先祖がえりのような突然変異なのだろうか。

もう一つ、側枝の花はこれから開こうとしているのだろうか。それとも開くことなく過ごすのだろうか?
この写真を撮ったのは朝の5時6分。まだあたりは暗い。

ところで、花序のつけ根にはアブラムシがいる。少し色が淡いがツユクサアブラムシだろうか。

同じ群落にあった別の頭花。
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写真左の主軸は途切れていて、側枝には3つ目の花が開こうとしているところ。
ツユクサは開花の時点で自家受粉をしているという〝なかなか〟さんの観察記録 (⇒) があったので、この日それを確認しようと早起きしたのだ。

苞を開いてみよう。
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左の二つはすでに実になっている。
花を無理やり開いてみたが受粉しているかどうかは分からない。
反対側から観てみよう。
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雌しべの柱頭(紫色の部分)はまわり込んで人字形の雄しべの葯に接近しているが、花粉は着いてないようだ。
花粉が付いているか否かをルーペで観ただけでは、受粉の有無を確認することはできないが…


少し移動して、別のツユクサの群落を観た。
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こちらでも開きかけの花をこじ開けてみたが、受粉は確認できない。
なお、このころようやく日が昇ってきて、背景が少し明るくなった。

この群落では、二輪咲きのツユクサがたくさんあった。
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例によって、苞を開いてみよう。
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予想通り、通常は花のつかない主軸に立派な花がついている。
ここで注目したいのは主軸の花(画面上の花)に雌しべがあること。
主軸の花は雌しべのないことが多いが、まれには雌しべを持つものもあるということだ。
ちなみに、この二輪咲きの同じ株の下では、普通に主軸の途切れた花序であった。

なお、上の写真で二輪とも柱頭に花粉がついていることにも注目。

こちらはまた違ったタイプ。
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主軸の花は、つぼみの状態。
このつぼみはこの後、開くことなくポロリと落ちるのか、それとも立ち上がって花を開くのか?

うーむ。続けて観察したいが、出勤前の観察ではそうしてもいられない。残念。

次はすでに開花済みのツユクサ。
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この状態で、雌しべの柱頭には花粉はついていない。

この写真で注目したいのは仮雄しべ。
一般に、ツユクサの雄しべは長い2個(上の画面の左)が本当の雄しべで、花の奥にあるΠ字形の3個(右側の花弁に隠れたもの)と、その間にある人字形の1個(画面中央)は仮雄しべであるとされているが、人字形の雄しべはたっぷりと花粉を持っているように観える。

〝なかなか〟さんの詳しい観察では、人字形の雄しべ(なかなかさんはY字形と呼んでいる)は授粉能力があり、Π字形の雄しべ(同X字形)は少量の花粉はあるものの授粉能力はないことが確認されている。 (⇒)
〝なかなか〟さんは前述のように、ツユクサの8-9割が自家受粉であることも観察している。 (⇒)


今回の観察では自家受粉が多いことを確認することはできなかったが、自家受粉が多いのであれば、二輪咲きのなどの性質は群落ごとにその傾向が強くなるのも納得できる。
そういえば、今回もそうだが、昨年の自然観察大学での岡発戸の観察会でも二輪咲きのツユクサが群生していた。
群落ごとに性質が違うのであれば、自家受粉かどうかも群落ごとに違ってくることになるので、そう簡単なものではない。

参考までにこれまでのツユクサの観察記録は次の4件。

1花を観る⇒ 2芽生え⇒ 3マルバツユクサ⇒ 4マルバツユクサの地中の花 5二輪の花のこと


ツユクサの開花はまだまだシーズン真っ盛りだ。
みなさんも観察してみては?

2014年8月24日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-08-24 23:09 | 植物 | Comments(2)

ツユクサ-5 二輪の花のこと

おととし以来のツユクサの観察である。
二輪の花をつけたツユクサを観た。
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ツユクサの花は一つずつ咲くのがふつうなのだが、ときどきこんなふうに二つ同時に開花するものに出会う。

もともとツユクサは貝殻のような苞の中に複数の花がある花序で、一日に一つずつ花を咲かせるとされている。

通常のツユクサの花序はこのようになっている。(苞をめくったところ)
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左に見える棒状のものが主軸で、ふつうこちらには花をつけない。
右の太い側枝には今咲いている花と、その下に見えるつぼみがある。さらにその下にごく小さなつぼみも見えるが、こちらはたぶん咲かずに終えると思われる。

詳しい花のつくりは一昨年(2012年)の記事をご覧いただきたい。
※「ツユクサ-1 花を観る」 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/16416456/

上の写真では、雌しべの柱頭に黄色い葯がついていて、受粉完了していることに注目。撮影は朝6時過ぎ。自家受粉(後述)か?

二輪の花をつけたツユクサに話をもどそう。
はじめの写真のツユクサの苞をめくってみた。
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予想どおり、主軸と側枝のそれぞれに花をつけている。
主軸も普通のツユクサよりも太くて立派な感じだ。

主軸の花(上の花)をよく観てみよう。
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雌しべがない。
主軸の花はふつう開かないが、開いたとしても雌しべがないのが普通なようだ。

側枝の花(下の花)のほうはどうか。
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くるりと巻いているのが雌しべ。
こちらはまっとうな両性花(雌しべも雄しべもある花)である。

以前も紹介したが、次のサイトでとても詳しい観察がなされている。ぜひご覧いただきたい。
※ 「なかなかの植物ルーム/ツユクサ」 ⇒ http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/tuyu-kusa-top.htm


もう少し続けて観察したが、以下続報へ

2014年8月20日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-08-20 21:41 | 植物 | Comments(0)

スプリング・エフェメラル 2014 裏話

スプリング・エフェメラルといえば、身近な春の妖精たちにも目を向けたい。

境内の散策路にあったのはエゾタンポポ。
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出早雄小萩神社は住宅や田畑に囲まれたところにあるのだが、私の見たところ、境内はすべて在来のエゾタンポポであった。
神域をまもった、というべきか。さすがである。

こちらは隣接した小さな公園にあった雑種型のタンポポ。
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草刈りをすり抜けて、低い姿勢で生き残っている。

境内を出て、神社の西側には小川があった。
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ここのタンポポはどうか。
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総苞片は反り返っているが、先端には爪があるようにも見える。
悩ましいが、セイヨウタンポポとしてよいと思う。
これも十分美しい。外来だからといって敵視したくはない。
I瀬先生いわく、〝外来雑草はつい目の敵にしてしまいがちだが、彼らには責任はない〟 のである。

タンポポにまじって生えているのはカキドオシ。
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カキドオシは私の大好きな雑草の一つで、出会ったときは必ず撮ってしまう。
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カキドオシはいつも二人ずつ仲良く並んでポーズをとってくれる。
しかし、これもデジタル写真では色再現が難しい。みなさんのモニターではいかがだろうか。

カタクリやヒトリシズカもよいが、こうしてみると、雑草も好い。

2014年5月29日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-05-30 00:03 | 植物 | Comments(0)

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