自然観察大学ブログ

カテゴリ:植物( 155 )




江戸川べりの観察-33 フジバカマ

いつもの江戸川べりにはフジバカマがある。
(またまた旧い話で申し訳ないが、9月末の記録です)

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いつもこの近くでは雑草を見ているのだが、たまにはフジバカマもよい。

とてもたいせつにされて、熱心に保護管理をしておられるらしい。
雑草は草刈りをされるのだが、このフジバカマは刈られることはない。
(なぜかキンミズヒキもきっちりと残されている)

花を観てみよう。

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長い糸状のものが目立つ、独特の形をしている。
よく観ると正当なキク科の頭状花で、5個の管状花からなるようだ。これがたくさん集まっている。
ちょっとくたびれた花のように見えるが、丸い蕾も一緒にあるということは、開花したばかりだと思うのだけど… 

アップにすると地味な花だが、人気の理由は何だろう。
フジバカマは秋の七草として広く知られているが、それだけだろうか。
芳香のよさだろうか?

横から観てみよう。

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糸状に突き出しているのは雌しべであることが分かる。
ところで、この日雄しべは確認できなかった。何度も観ているのだが、いつも見つからない。
昼頃だけしか観ていないので、もしかすると朝のうちに雄しべは萎んでしまうのかもしれない。

キク科の花と雄しべと雌しべの話は、次で報告させていただいている。
『セイタカアワダチソウの花を観る』 
 
『続・セイタカアワダチソウの花を観る』 
 

フジバカマの果実はこちら。

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やっぱりキク科らしい、地味な果実。


余談ですが…


江戸川べりのこのエリアでは、地元の方々の意識が高く、つい先日、「国府台フジバカマの里ネットワーク」という活動が立ち上げられた。(国府台は「こうのだい」と読む)
観察会なども行われていて、これには、岩瀬名誉学長も一枚かんでおられる。

詳しく知りたい方は「フジバカマ 市川市」で検索すると、7,000件以上ヒットします。

2015年10月23日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-10-23 19:41 | 植物 | Comments(0)

オオニシキソウとショウジョウソウ-杯状花序を観る- (木場公園-1)

ちょっと前に報告した木場公園のつづきである。(9月末)

木場公園には、世にも珍しい「帰化植物見本園」というのがあって、これがじつに観ごたえがある。
雑草ファンなら、ぜひ一度は訪れたいところだ。

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立派に育ったオオニシキソウ。
普通の雑草だが、ここではきちんと区画に分けられて、名札がつけられている。

オオニシキソウの花。

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オオニシキソウの花は、ちょっとややこしい。
上の写真に写っているのは3つの花ではなく、3つの花序だというのだ。(杯状花序という)

丸いコロンとしたのは子房で、その先端に柱頭があり、先は3本に分かれている。
全体が雌しべであり、これがじつは1個の雌花であるという。

雄しべはどうか。
子房のつけ根のところに立っているのが雄しべで、先端に葯がある。
この雄しべが1個の雄花であり、花序には多数の雄花がある。

つまり「雌しべだけの雌花」と、「雄しべだけの雄花」が集まった「花序」なのだそうだ。
う~む。徹底的にややこしい。
「雄しべと雌しべを持った花」とはどう違うのか?

さらにややこしいのは白い花びらのようなのがあることだ。
これは花弁ではなく、腺体という付属物なのだそうである。


少し話を変えよう。
オオニシキソウの隣には、ショウジョウソウがあった。

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葉が赤くなって、ちょっとポインセチアに似ている。
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それもそのはず。
ショウジョウソウはポインセチアと同じEuphorbia属の植物なのであった。
雑草というよりは観賞用だが、九州以南では逃げ出して野生化しているものもあるようだ。

ショウジョウソウもポインセチアも、そしてオオニシキソウも、同じトウダイグサ科のEuphorbia属なのである。同じ属だから、花の構造も似ているはずだ。
オオニシキソウとショウジョウソウとを隣り合わせに配置するとは、ありがたい設計である。(すぐ近くにシマニシキソウモあった)

トウダイグサ科なので花(花序)はややこしいが、ショウジョウソウはビッグサイズで観察しやすい。

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つぼ形の総苞を裂くようにして、巨大な子房(雌しべ=雌花)が突出し垂れ下がっている。
雄しべ(=雄花)はハート形の葯があって、王冠の飾りのように総苞のふちにならんでいる。
よく観ると、これも総苞を割って突き出ているようだ。

こちらは別の花序。

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上から観ると中心部はごちゃごちゃしてよくわからない。
左隣にある花序は、雌花が顔を出したところ。どうやら雌性先熟らしい。

それにしても、写真にあるラッパかタコの口のようなものは何か? 
ご存知の方は、ぜひ教えていただきたい。


ところで…

帰化植物見本園は、別の言い方をすると「雑草の見本園」でもある。
雑草といえば放っておいても育ってくれると考えがちだが、条件が整わなければひ弱な一面も持っている。変幻自在、神出鬼没なのも雑草である。
草種ごとに区画され、名札が付けられているが、雑草たちはおかまいなしに逃げ出してしまう。
枯れてしまうこともあるだろう。
管理するには、並々ならぬ苦労をされているのだと思う。

この見本園は、リーダの渡辺さん(むちゃくちゃ詳しい方です)を中心にボランティアの方々で運営されているという。ここでは、いつ行っても何人かの方が作業をされている。
訪れた際には、この方たちと植物たちに、感謝の気持ちをお忘れなく。

2015年10月19日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-10-19 13:01 | 植物 | Comments(0)

江戸川べりの観察-32 アレチヌスビトハギ 花の謎

前回の果実に続いてアレチヌスビトハギ。

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なかなか美しい花である。
ところで、この写真で何か気づくことはないだろうか。
よく観ると、画面左の花は典型的なマメ科の蝶形花だが、右の花では側弁と竜骨弁(舟弁)が下がって、雄しべと雌しべが突き出ている。

これはどういうことなのだろうか?
写真を整理していて初めて気が付いた。

後日、もっとよく確認しようと同じ場所に行ったときには、再度草刈りがなされて、残念ながら見当たらなかった。



木場公園で…

ところが、別の機会に東京都立木場公園でアレチヌスビトハギを見つけた。
さっそく観てみると、半数以上がそうだった。

正面から観るとこんな感じ。

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お次は横から…
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話はそれるが、この写真では雄しべが1本だけ離れて、残りの9本が合着しているのもわかる。
(雌しべは合着した雄しべに包まれている)

ネットで調べてみると、このことに注目している方がおられた。
●受粉すると蕊(しべ)が出るという説:
「そよ風の中で」(そよかぜさん)  
「自然観察日記」(やすこさん) 
 
「野草クラブログ」(あきさん) 
 
●時間が経つと受粉を促すために蕊が出るという説:
「花の日記」(Pandaさん)  

このように二つの説があるが、正解はどうなのだろう…

上のうち、そよかぜさんは虫が訪れて蕊がポンと飛び出すところを観ているという。
なんとなく前者のような気がする。

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この写真では、付け根に近い3個が閉じた花で、先端に近い1個が突き出た花だ。
普通に考えると、付け根に近いほうから咲くので、そうすると先端に近い新しい花だけが突き出た花ということになる。

アレチヌスビトハギは西日本で多いようだが、関東の私の周りではどこにでもあるというわけではない。
時期的にも、もうすでに終わりのころである。
アレチヌスビトハギの花の謎について、ご教示、ご意見いただければありがたい。
とくに西日本の方、いかがでしょうか…



余談ですが…

木場公園には“帰化植物見本園”というのがあって、地元の有志のご苦労により、見事に管理されている。春から秋まで、百花繚乱の帰化植物がたのしめるおすすめスポットである。
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index020.html

今回見たアレチヌスビトハギは、そんな管理の手から逃れて繁殖したものらしい。

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写真の左の花のように、傷ものの花が多数あった。
たぶんクマバチの盗蜜と思われる。

家に帰って写真を整理しているときに傷ものと気付いたのだが、こんなカットがかなりあって、これらはすべて蕊を出していた。



余談のオマケ

写真の中に、ヒラタアブが訪花しているカットがあった。

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狙ってもなかなかピントが合わないものだが、上の写真はバッチリだったので紹介させていただいた。

ヒラタアブも傷ものとは知らずに訪花したのだろう。
私と同様、老眼が入っているのかもしれない。

2015年10月7日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-10-07 13:14 | 植物 | Comments(0)

江戸川べりの観察-31 アレチヌスビトハギ ひっつく実の秘密

アレチヌスビトハギの果実。

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ズボンの裾や靴紐にこれが貼り付くと、取り除くのが一苦労である。
しかもくっついた後は節ごとにバラバラになりやすく、始末に困る。
ひっつく実のなかでも、横綱クラスだと思う。
その理由は拡大して観ると分かる。
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果実のへりの部分に鍵のようなとげがびっしりならぶ。(クリックで拡大します)
角度がバラバラなので、どんなチャンスも逃さずに引っ付くことができるだろう。
とげはへりに多いのだが、面の部分にもやや少ないが同じようなとげがある。(この写真では光の加減で観えていないだけ)


アレチヌスビトハギの全身はこれ。

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私の近所の江戸川べりの、決まったところに毎年出る。
今年は悪い時期に草刈りをされたらしく、わずかに残った(再生してきた?)のが上の写真である。

次回は“アレチヌスビトハギの花の謎”について報告の予定。
アレチヌスビトハギについては、「江戸川べりの観察-13」   で報告しているが、この花の謎のために、あえて2度目の報告となった次第である。

2015年10月6日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-10-06 13:04 | 植物 | Comments(1)

アケビの花

オトシブミのいたヒメリンゴに、アケビが巻き付いていた。
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からまれたヒメリンゴには気の毒だが、にぎやかで、なかなかみごとな眺め。

(梅雨明けして夏本番だというのに、まだ5月はじめの話が続きます。すみません。)

こちらは完全に覆い尽くされて、ヒメリンゴはほとんど見えない。
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上の2枚の写真をくらべると、花が微妙に違うことに気づく。
一枚目では雄花が多く見えているが、二枚目は雌花が多い。

これがアケビの雌花。
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雌しべが多数あって、先端がねばねばしている。
これが一つずつ実になるらしい。

こちらが雄花。
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なんとなくカナムグラに似た感じだが、あちらはクワ科(APGⅢではアサ科)で、アケビはアケビ科だ。

カナムグラではバナナ型の葯の中に花粉をたっぷり詰め込んでいたが、アケビのほうではバナナ型のものは葯ではなく、表面の二本の筋に花粉をつけているだけのように見える。したがって花粉はごく少量。
ネットで調べるとアケビは虫媒でもなさそうで、受粉に関してよくわかってないらしい。
来シーズンよく観察してみたい。

ひとつ規則性を見い出したのがこれ。
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枝の先に雄花をつけ、元のほうに雌花をつける。雌花は柄が長く、横一線に並ぶ。
少なくとも今回見たアケビでは、どの枝でもこのように規則正しく雌雄が並んでいた。


余談ですが…

アケビのつるの先にクモが網を張っていた。
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網の中心がずれているのは、苦心の造網だったということなのだろう。
(画面で網が見えるとよいですが… クリックで拡大できます。)

つる植物の成長の早さを甘く見てはいけない。網を張っている間にもつるが伸びて、マイッタに違いない。
つるはこの後もどんどん伸びて絡みつき、まもなく網は破れるだろう。
クモの運命や如何に…
続きを観察したかったが、残念ながら観ることはできなかった。

2015年7月19日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-07-19 19:56 | 植物 | Comments(0)

真田の庄-その3 真田氏本城のタンポポ

前回の砥石城のすぐ近く。なだらかな丘陵地に、真田氏本城跡と言われる場所がある。
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真田昌幸が上田城を築くまでは、ここが真田氏の本城だったと考えられている。
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これは現地の案内板。
真田氏本城は右端にあり、砥石城は左上にある。
その先に上田城も記されているが、実際には上田城はずっと離れた場所だ。

真田氏本城は、芝を貼ったりして整備が行き届いた広場になっている。
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予想どおり、目にしたタンポポは雑種ばかり。
最近は「これぞセイヨウタンポポ」というものに、めっきりとお目にかからなくなった。

広場の芝地のすきまに、オドリコソウの群落があった。
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おそらく植栽されたものだと思うが、やはり在来の植物は気品がある。
(暑い日の夕方で、少し萎れている)
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語源とされる踊り子も、これなら納得できる。

在来タンポポをあきらめかけていたら、立派な群落があった。
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日暮れ近くで花は終わっているが、エゾタンポポの群落だ。
自然観察大学の観察会で見た野川公園のカントウタンポポもそうであったが、人の出入りの多い環境でも、うまい具合に管理すると在来のタンポポが残るようだ。

2015年6月13日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-06-14 00:17 | 植物 | Comments(0)

真田の庄-その2 佐久間象山とタンポポ

前回、砥石城のスズメノヤリを書いたが、次は本命のタンポポである。

砥石城へのメインルートは、最近整備されたこともあってか、在来のタンポポは見つからなかった。
やはり人の手が入り、森が拓かれると、セイヨウタンポポがとってかわるようだ。

それならと、別のルートにいってみた。
尾根の東側から大手口を経由して砥石城の本城へ行く。(前回記事の地図参照)
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こんな感じの、快適な小路が続く。(しつこいようですが季節は5月末です)
この小路は、かつては重要な街道だったようだ。
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旧松代街道といって、松代と上田を結ぶ道で、かの佐久間象山が通った道だそうである。
(ちなみに砥石城は戸石城とも記される)

ご存じのとおり、佐久間象山は幕末の学者。当時、洋学の第一人者で、開国論者であった。公武合体を唱えたのも象山である。
吉田松陰や勝海舟など幕末のヒーローたちのほとんどが象山の弟子だったことを考えると、歴史を作った巨人の一人である。

さて、開国論者が通ったという、西洋とかかわりの深い街道のタンポポはどうなっているか?
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明るい林床にポツリポツリとあるタンポポは、予想に反して(?)ほとんどがエゾタンポポであった。
樹林があると、セイヨウタンポポの来襲は阻止されるのだろう。

そんな中にも怪しいタンポポがあった。
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セイヨウタンポポではないが、エゾタンポポとは違う。
拡大して観よう。
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総苞外片は反り返らないが、しまりがない。
日本のタンポポは、外片がキュッとしまっているハズだ。

これがエゾタンポポとセイヨウタンポポとの雑種だとすると、和洋混交か、はたまた公武合体ということか?

別の怪しいタンポポがあった。
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総苞外片は日本のタンポポらしく、きっちりと折り目正しい姿。
しかし、1片ずつが妙に盛り上がっていて、これまでに見たことがない形だ。
もしかすると、これがうわさに聞く“シナノタンポポ”なのだろうか。
それともやはり、セイヨウタンポポと在来種の雑種なのだろうか?
シナノタンポポをネットで調べてみたが、サイトによって定義が違っているようで、残念ながらよくわからない。

そこで私は、この街道と開国にちなんで “ショウザンタンポポ”と呼ばせてもらうことにした。
我ながら、なかなかGoodな命名だと思う。
(ひとりで勝手に命名して遊んでいますが、どなたかご存知の方はぜひご教示お願いします)

……………………………………………………………………………………

<2015年6月10日 追記>

I先生から「このタンポポはシナノタンポポと言われているものでよいだろう」とご意見をいただいた。
ポコポコと一片ずつが盛り上がった総苞外片が特徴のようだ。
逆に、一つ目のタンポポは雑種のようだ、というご意見も。
次からは標本を採集しなければ… 
M先生は花粉を採集して、顕微鏡で確認しておられる。
タンポポは難しい。

……………………………………………………………………………………

おまけ
路傍のマメ科植物にびっしりとついていたアブラムシ。
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「アブラムシ入門図鑑」(松本嘉幸、全農教)で調べると、ソラマメヒゲナガアブラムシらしい。角状管と尾片に特徴があるので間違いなさそうだ。
真っ赤な眼がチョイワル(古い!)っぽいが、なかなかの美形だと思う。

2015年6月8日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-06-08 07:20 | 植物 | Comments(0)

窓際の雑草 オニタビラコ(赤鬼)

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去年から注目していた、窓枠のオニタビラコ。
事務所の近くのラーメン屋さんの窓枠である。
この写真は今年2月19日。
葉が枯れてしまうと、中心部から新しい葉が出て入れ替わる。
枯れることはないが、大きくなることもない。
こんな場所でいつまで成長できるのか、心配しながら観察を続けた。

d0163696_18594252.jpg1か月後の3月19日。


鮮やかな緑色になってきた。







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3月27日。

ついに花茎が伸びてきた。

女性で “(とう)が立つ”というのはこの抽苔したことを例えているのだと思う。
たしかに、キャベツなどの野菜で薹が立ったものは食べられない。


d0163696_19071957.jpgしかし、薹が立つ時期とは花をつける直前である。

花茎先端には瑞々しい蕾があった。

…ということは、大人になりかけであろう。
薹がたった女性とは、青春まっただ中の年頃ということになる。



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3月31日。

前の写真から4日後だが、花茎は大きく伸びている。
スッとして、なかなか清々しい。










d0163696_19074196.jpgオニタビラコは膨らんだつぼみが美しいと思う。
(写真はいまいちで、すみません)

よく観るとつぼみに混じってアブラムシがいる。

窓枠でがんばっているオニタビラコだが、そこに寄生するアブラムシもたいしたものだ。




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窓枠の環境はこんな感じ。路地に面した窓で、陽が当たるのは昼前後の小一時間ほどである。(窓には路地の反対側のビルが映って見えている)

この窓の内側では、鍋で沸かしているのだろうか。窓枠はいつも濡れている。いま流行りの「すきま植物」である。

上の写真でオニタビラコの右手前に見えるのはこのコケ植物。

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左奥にはツメクサがある。
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ツメクサは「すきま植物」の王様的存在だと思うのだが、いかがだろうか。
 ※「都会派の雑草-ツメクサ」   

4月16日。
やっと開花を観ることができた。
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もっと前に開花していたはずだが、雨ふりなどでタイミングが合わず、
この日初めて観察できた。日当たりが悪いためか、草丈だけが伸びて、ひょろひょろしている。

注目したいのは、赤味を帯びた花茎と、茎生葉があること。

それに、枝分かれが多いこと…

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これらの特徴はアカオニタビラコである。

反対に花茎が緑色で、茎生葉がほとんどなく、
枝分かれも少ないものはアオオニタビラコといって
別種として扱われるようになった。

これまではオニタビラコとして同一種とされていたが、
最近は青鬼、赤鬼と分けられたようだ。


4月27日。

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ついに結実!

昨年秋から約半年間を経て、やっと目的を達成したオニタビラコ。
お疲れ様でした。最後のカットだからというわけではないが、
光線の関係で撮影者の事務局Oが映り込んでいる。
お見苦しい点はお許しいただきたい。


余談ですが…
オニタビラコがアカオニタビラコとアオオニタビラコ(赤鬼と青鬼)に分けられたのは、専門家の研究の成果なのだと思う。
それはそれでよいのだが、図鑑などの索引では、オニタビラコの名称でも検索できるようにしていただきたいものである。
私のような素人は、オニタビラコで検索するハズだと思う。


もう一つ余談…
オニタビラコは外来の雑草で、名前のもとになったのはタビラコだという。
 ※「いにしえの雑草タビラコ」  
ところが、オニタビラコより小さいからというのだろう、現在はこのタビラコを “コオニタビラコ” という。
たしかにいま、街なかでも郊外でもオニタビラコはよく目立つ。
空き地や舗装のすきまなどどこにでもある、春の代表的雑草といってもよい。
だからといってコオニタビラコという主客転倒はいかがなものだろう。
大袈裟な表現をするなら“歴史を塗り替える”ことにも通じるのではないか。
将来、環境の変化などがあって、タビラコ(コオニタビラコ)が増え、オニタビラコが減るような再逆転現象が起こらないとは限らない。
そのときはオニタビラコをオオオニタビラコなどと改称することになったりしないだろうか。
文字にするとややこしいが、たとえるなら昆虫のトゲナシトゲトゲ、トゲアリトゲナシトゲトゲのようことになりはしないか?
(もっとややこしい!)

2015年5月26日、報告:自然観察大学 事務局O



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by sizenkansatu | 2015-05-26 19:36 | 植物 | Comments(0)

「新・雑草博士入門」ができた!

自然観察大学講師陣の岩瀬・川名・飯島の三人の先生方による、
「新・雑草博士入門」が全国農村教育協会から発行された。
著者の紹介は自然観察大学HP【講師紹介】でもご覧いただけるが、本書巻末の紹介文がなかなかよいので、そちらをご覧いただきたい。

表紙はこれ。

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自然観察大学でNPO会員のみなさんに協力いただいたデザインで、同じシリーズの「昆虫博士入門」とそっくりだが、同じシリーズだから似ていて当然だ。

書店店頭などで間違えないように、赤い帯がついている。(「昆虫博士入門」は濃緑色の帯)

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「形には理由(ワケ)がある。 …というキャッチも同じだが、これも致し方ない。
どちらも〝形とくらし〟をキーワードにしたもので、
〝形をよく見て、くらしを考えて、そして名前に近づく〟
という自然観察の極意であり、自然観察大学のテーマでもある。
(ほかの案も考えたが、これより好い案が出なかったというのが真相)

この本は2001年発行の「たのしい自然観察 雑草博士入門」のリニューアル版だ。
子どもから大人まで使えるように本格的な内容をわかりやすく表現する、というコンセプトも同じ。
ただし、一年半がかりで見直し、練り直しが行われた。
その結果、各項でより緻密でていねいな解説が加えられるとともに、新たな観察ポイントも多数加えられている。

たとえば、ちょっとややこしい「ツユクサの花」について、著者らは改めてツユクサを詳しく観察した。
その結果が2ページ弱にわたって掲載されている。

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花冠と花序の構造、受粉のしくみ、果実と、実にていねいな解説。2輪咲きのツユクサもある。
なかなか奥が深く、岩瀬先生をして〝いま、ツユクサに魅せられています〟と言わしめたほどである。
ツユクサの花は昨年の見沼の観察会で話題になった。参加いただいたみなさんにも、ぜひ本書で復習していただきたい。

もう一つ、観察会で盛り上がった話題。
「つるに巻かれてみよう」というもの。
見沼の芝川沿いの土手で、みんなでアレチウリのつる(巻きひげ)に巻かれてみたのを覚えておられるだろうか。

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そう。あれですよ。

こんな観察ポイントや話題が、ほかにもたくさん加えられている。キキョウソウなど追加された種も多い。
旧版の「たのしい自然観察 雑草博士入門」を持っておられる方にも、図書館などでぜひ一度目を通していただきたい。

制作裏話
「つるに巻かれてみよう」のコラムは、著者らのすすめにより、私の名前で書かせていただいている。
当初の原稿では文末に〝巻かれるのを待つ間にうっかり眠ってしまうと、搦め捕られてしまうので注意しよう〟と書いていたのだが、調子に乗りすぎという理由で割愛されてしまった。著者の見識というものであろう。

自然観察大学と「新・雑草博士入門」の関係

この本の著者の3人はご存じのとおり自然観察大学の講師だが、ほかにも唐沢学長の推薦文や写真提供をはじめ、村田先生、浅間先生、久保田さんら自然観察大学講師陣の協力でできている。
そして、自然観察大学の学生(参加者)のみなさんにも、観察会での写真の掲載だけでなく、アイデアをいただくなど、有形無形のご協力をいただいた。(感謝)
巻末の協力者リストには『NPO法人自然観察大学』の名が記されている。

本書を使った観察会
4月26日(日)に、北の丸公園でこの本を使った雑草の観察会が実施された。
自然観察大学HPで紹介されている 

http://sizenkansatu.jp/15daigaku/t_1.html


 ※ 出版社からの紹介  

2015年5月8日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-05-08 20:08 | 植物 | Comments(0)

春の雑草 ロゼットのようで、ロゼットではない

変幻自在のスズメノカタビラ

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スズメノカタビラは越年草の代表の一つだ。
主に秋に発芽して越冬し、翌年の春に花をつけるのが越年草。
でも、発芽してその年のうちに開花結実するものや、春になってから芽生えて素早く成長するスズメノカタビラもある。さらに近年は、ツルスズメノカタビラといって多年草化したものもある。
越年草とされているが、1年草として生活するのもあり、そのうえ多年草の系統もある。
スズメノカタビラこそ、まさに「雑草の中の雑草」と言えるだろう。
その変幻自在ぶりは、ほんとうに見事である。


とろで「越年草」といえばロゼットで冬を越すかというと、そうとは限らない。
スズメノカタビラはロゼットではない。

このスズメノカタビラをロゼット植物とする図鑑もあるが、それは誤りだ。
ロゼットでは、地上に出るのは葉(根生葉:こんせいよう)だけで、それが放射状に地表に広がる形をいう。茎は地表面すれすれの、有るか無いかのごく短い部分のみである。
スズメノカタビラは放射状に葉が出ているように思えるが、よく観ると根元から分かれた茎が出て、それに葉がついている。
イネ科はこのタイプで、ロゼットではなく叢生(そうせい)という。

※ 用語というのは人間の都合で決めたものだから、植物にとってはどうでもよいことかもしれない。しかしながら、歴代の植物学者の方たちが積み上げてきたものを、図鑑という立場で誤って伝えるのはよくない。ポケット版といえども図鑑なのだから… (この図鑑は売れているというのでなお困る)

近くに小さなスズメノカタビラがあった。

d0163696_18414220.jpg
大きさからして、これは春になって発芽したもののように思える。
それでも、もう、しっかりと出穂している。


ロゼットではなく、茎が放射状に出て、叢生していることが分かる。(しつこくてすみません)

もっと小さいスズメノカタビラがあった。

d0163696_18415234.jpg
なんと、すでに穂がある。
草丈は2-3cmくらいだが、この幼さで立派に大人なのだ。
う~む。変幻自在!



神出鬼没のノボロギク

芽生えてすぐに開花するといえばノボロギク。

d0163696_18420205.jpg
芽生えて間もない小さな葉(写真ではわかりにくいが葉の長さは1cm未満)の間にもうつぼみをつけている。
この形は、一見するとロゼットのようでもあるが、これはロゼットとは言わないだろう。

ノボロギクは、畑が耕起された直後などに、あっという間に芽を出す。
そしてすぐに開花結実する。


d0163696_18421133.jpg
大きくなったノボロギクはこれ。
耕した後に一面のノボロギク… という光景をしばしば目にする。

春に限らず、冬でも夏でも、チャンスがあればいつでも出芽し、一年中開花結実する。
神出鬼没の雑草だ。

2015年4月30日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-04-30 18:56 | 植物 | Comments(0)

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