自然観察大学ブログ

カテゴリ:植物( 154 )




セイタカアワダチソウの花を観る

11月7日。セイタカアワダチソウが満開だ。
写真は堤防沿いの草刈後に再生してきたものなので草丈が低く、小さいものは10cm未満でも開花している。
d0163696_1954692.jpg
小さな花がびっしりついているが、全体のことを花序(かじょ)という。セイタカアワダチソウは円錐状の花序だ。
d0163696_1962143.jpg
嫌われものの外来植物として名高いが、こうしてみるとなかなか美しい。

それもそのはずで、花屋さんなどで観賞用の切花として売られている “ソリダコ” はセイタカアワダチソウと近縁なのである。(あるいは改良品種か?)
セイタカアワダチソウの学名は Solidago altissima L. だが、“ソリダコ” の名称は属名の Solidago からきているのだろう。
かつて、撮影用にセイタカアワダチソウの花を室内に持ち帰ったら、花がバラバラととめどなく落ちて閉口した。 “やはり野に置け…” である。

d0163696_1973273.jpg
花序の一部分を拡大してみると、個々の花がさらに小さな花で構成されているのがわかる。

少しややこしい話だが…
写真と文章を比べながら見ていただきたい。
個々の花の集まりを頭花(とうか)と言い、この頭花を構成する小さな花を小花(しょうか)と言う。
セイタカアワダチソウの小花には二つのタイプがある。
● 頭花の周囲に細長い花弁を見せているのが舌状花(ぜつじょうか)
● 中心部で反り返ったごく小さな花弁があるのが管状花(かんじょうか)
上の写真で管状花の中心から突き出ているのは雄しべだろうか。
『形とくらしの雑草図鑑』(岩瀬徹、全農教)によると、10数個の舌状花と数個の管状花でひとつの頭花となる。

d0163696_1983454.jpg
こちらは開花途中の花で、管状花の多くはまだ蕾だ。舌状花にくらべると管状花のほうが開花が遅いのだろうか。

ちなみに、セイタカアワダチソウはキク科で、小花が集まって頭花を構成するというのはキク科植物の特徴。

※ 以上、えらそうに説明しましたが、つい数年前までは訳が分からずにただ撮影するだけの私でした。文中で誤りなどがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

d0163696_199992.jpg
セイタカアワダチソウは、多くの植物が花を終えた今ごろに開花する。考えてみると、自然界では貴重な植物と言えるだろう。わずかな時間でミツバチをはじめとするいろいろな訪花昆虫が観察できた。
それらについては改めてご報告したい。

2010年11月10日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-11-10 19:12 | 植物 | Comments(0)

カエルの手の正体 - “ツタ”の続報 -

前回の 『秋葉原で“ツタ”を観察』 に関して、匿名の専門家からありがたいご意見をいただいた。
以下に紹介させていただく。

………………………………………………………
ナツヅタの吸盤をつける器官は 「根」 ではありません。
ブドウ科の巻きひげが変化したもので、茎またはそれが組み合わさったシュート群だと考えられています。
上の写真の若い吸盤の基に白っぽい半透明なものが写っていますが、これは鱗片葉ではないでしょうか。
葉がある以上、この器官は茎と考えたほうがよいでしょう。
ナツヅタは、ツルの “よじのぼり型” としては、付着根型に分類されることが多いとは思いますが、これは生態的な分類で、形態的には根ではないと思います。
………………………………………………………

なるほどそういうことか。そういえば半透明の器官が認められる。これが鱗片葉で、全体は茎ということか。(下の吸盤の写真では鱗片葉は落ちてしまっている)
昆虫の多様な進化には驚かされるが、植物もすごい。
自然観察って奥が深い。

ご参考までに、むかし撮ったボツ写真の中から、ブドウ科のヤブガラシの巻きひげの写真を掲載させていただく。ピントが今ひとつだがご容赦いただきたい。
d0163696_17454975.jpg


2010年11月8日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-11-08 17:47 | 植物 | Comments(4)

秋葉原で “ツタ” を観察

秋葉原の事務所の近くに、ツタに覆われた建物がある。
d0163696_1974449.jpg
2軒の建物をまたいで、壁面にツタが広がる。建替えの予定でもあるのか、どちらも空き家らしい。
ツタは南側では壁面いっぱいに広がっているが、ほかの面にはあまり伸びていかないようだ。
普通は鮮やかな紅葉を見せてくれるものだが、ここではだいぶ落葉してしまったようだ。
d0163696_1994946.jpg
ブドウに似た果実もすでにかなり落果している。このツタは毎年多量の果実をつけ、路面いっぱいに散らす。鳥が食べてもよさそうなのだが、人通りが激しいので寄り付かないのだろうか。
d0163696_1911587.jpg
2軒の間の薄暗いところで根元を見つけた。太いものは直径が500円玉くらいになっている。

落葉する一方で、まだ伸長を続けている部分もある。
壁面にはりつくようすを観てみよう。新しく伸びた茎から付着器を出す。先端は球状。
d0163696_19122745.jpg
球体は変形して吸盤のようになり、壁面にはりつく。
d0163696_1915087.jpg
カエルの手のようだ。こうして観ると、必死にしがみつき、はりつく姿が健気でもある。
もちろんこの吸盤は手ではないと思うが、付着根(ふちゃくこん)なのだろうか。根には見えないが…

ツタは“ナツヅタ”とも言われ、ブドウ科に属する。総称として蔦(つた)と用いられるので、ナツヅタと表現したほうが間違いがなさそうだ。

別種の“キヅタ”は山林などで樹木の幹にはりついて伸びる姿をよく観る。こちらはウコギ科の植物。
キヅタの付着根は、岩瀬学長らの著書『写真で見る植物用語』(全農教)で紹介されている。
d0163696_19175778.jpg
こちらはナツヅタとはかなり印象が異なり、いかにもがっちりと着生した感じだ。付着するだけなので養分を吸収するわけではないが、はりつかれた樹木はかわいそうだ。

2010年11月5日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-11-05 19:18 | 植物 | Comments(1)

江戸城の雑草観察

皇居東御苑に行った。まずは公開中だった今話題の薩長同盟の坂本龍馬の裏書をさっと見て、本番は雑草観察だ。
今年のヒガンバナは、10月も半ばだというのにまだ花の名残があった。
d0163696_1313098.jpg
普通は花が完全に終わってから葉を出すことが多いと思うが、今年は開花が遅かったためか、葉のほうも待ちきれずに顔を出したようだ。
d0163696_13134094.jpg
壮大な江戸城の石垣も、雑草の緑との対比があってこそ、美しく見える。 …というのは “身びいき” というものだろうか。
敷地内はかなり管理されているようで、作業員の方たちの姿も頻繁に見かけられたが、それでも雑草は見ることができる。
d0163696_13142090.jpg
江戸城本丸跡。このあたりに大奥があったらしい。画面右奥のほうには、忠臣蔵で知られる“松の廊下跡”というのもあった。
画面中央の植込みに近づくと…
d0163696_13145397.jpg
色とりどりの潅木は計算され植栽されたものと思うが、つる草が人知を超えた造形を見せてくれた。手前からカラスウリ、へクソカズラ、ヤブガラシ。徳川御三家を引き継ぐ“つる性雑草御三家”というところか。

江戸城天守台跡では、ツルボが目立った。立入禁止区域に堂々と侵入している。刈り込み時にツルボを残すとは考えられないが、刈り込みの後に短期間に成長した株なのだろうか。右は果実になった株で、遠方に見える屋根は日本武道館。
d0163696_13465824.jpgd0163696_13483073.jpg

d0163696_1350484.jpg
こちらは外来種のメリケンカルカヤ。天守直下まで迫った異人といったところか。
刈られた後に残った株から急速に立ち上がったものだろう。今ごろの季節に種子をつける。我々ヒトは立入禁止で近づくことができなかった。写真のわかりにくいのはご容赦いただきたい。

東御苑の中には、昭和天皇の発案により再現された武蔵野の雑木林があることはみなさんご存知と思うが、新たな注目スポットとして今上天皇の発案により果樹の“いにしえの品種”が植えられていた。結実予想図が掲示され、意外なことに日本古来の梨は洋梨に似たいびつな姿のようだ。
まだ成長途中の若木であるが、結実が楽しみだ。

行き届いた管理をされた皇居ではあるが、楽しく雑草観察ができた。むしろ管理されていればこそ雑草にとってよい環境だともいえるだろう。
今後もぜひ適度な管理を心がけていただきたい。

2010年10月26日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-10-26 13:57 | 植物 | Comments(0)

またまたオオエノコロのこと

自然観察大学学長の岩瀬先生が、このところずっとオオエノコロに悩まされている。
オオエノコロは、アキノエノコログサ+アワ(栽培作物)の雑種とされているようだが、そう簡単に考えることができないほど、いろいろなタイプがあるのだ。
参考までにこれまでの記事を書き出しておくので、面倒でも一緒に見ていただけるとありがたい。
岩瀬学長の問題提起
http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html 面倒ですが、話のたねのテーブルのバックナンバー一覧から、No.101をご覧ください
前回の自然観察大学ブログ … アワの写真もあり
http://sizenkan.exblog.jp/11843370/

今回観察した群落。駐車場わきの猫の額のような区画である。
d0163696_1620728.jpg
穂の立ち上がるもの、垂れ下がるもの、太った穂、やせて細い穂などいろいろなタイプが混在している。

d0163696_16205249.jpg
これはオオエノコロのようだが、本来オオエノコロはもう少し穂先が細くなるらしい。
オオエノコロには小穂(解説は後述)が小枝に付くので、小枝ごとに塊のようになる。

d0163696_162129100.jpg
全体の形は先細りでオオエノコロらしい。しかし、はっきりした小穂の塊感があるのは穂の下半分くらいで、穂先のほうは塊感がなく小枝もなさそう。

d0163696_1621556.jpg
これは小穂の塊ははっきりしてオオエノコロ的だが、全体は小型のアキノエノコログサのようだ。拡大して観ると、小穂の苞えいが短くてアキノエノコログサと確認できた(解説は後述)。

d0163696_16223584.jpg
これも小型だが、さらに異質な感じである。直立して毛が褐色なのでキンエノコロかコツブキンエノコロのよう。しかし、小穂を拡大して観るとアキノエノコログサのようだった。

今回観たのは、わずかなスペースのほんの小さな群落だが、それでもこれだけのいろいろなタイプがあった。岩瀬学長が苦悩するのはもっともなことと思った。

岩瀬学長の話…
『栽培種(農作物)はもともと品種改良でできたものなので、野生種と交配するケースが多いです。交配するとなると、両種の間はそれぞれの特徴が連続して出るので、どちらの種ともいえないタイプがたくさん観られます。ネズミムギとホソムギもどちらともいえないタイプが連続して観られますが、これも牧草として改良されたものだからでしょうね。』

d0163696_16233915.jpg
苞えい(ほうえい)で見分けるエノコログサ…
エノコログサ類3種の見分け方が、岩瀬・川名両先生の 『雑草博士入門』(全農教) に掲載されているので紹介する。苞えいとは写真の小穂の上部覆う殻のような部分だ。ポイントはこの苞えいの長さが異なることである。


小穂のこと…
小穂は“しょうすい”と読み、穂を構成するもの。小穂は小花(しょうか)からなる。オオエノコロの小穂は5-6個の小花からなり、それが小枝に付くということ。
ほかのエノコログサ類3種は、小穂は1個の小花からなる。オオエノコロと異なる点だ。




イネ科はややこしいので…
穂や小穂、小花というイネ科の用語について、植物愛好家以外の方にはややこしいかもしれない。
岩瀬学長の『形とくらしの雑草図鑑』(全農教)にわかりやすい解説があるので紹介させていただく。
d0163696_16244657.jpg
(画面ではわかりにくいかもしれないので、本を購入していただけるとうれしいです)

2010年10月20日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-10-20 16:31 | 植物 | Comments(0)

ツルマメを食べてみた

9月28日にツルマメの花を紹介した。ツルマメは大豆の原種と申し上げた上で、賞味した体験談を募集したのだが、残念ながらまるで反響がなかった。
しかたがないので自分で食べてみた。
d0163696_16562045.jpg
茹で方は枝豆と同じ。小さいので一瞬で加熱できる。
鮮やかな緑色といい、細かい毛の感じといい、小鉢に盛った枝豆のようだが、莢の大きさは1cm強。器は小鉢ではなく猪口なのだ。
d0163696_16565827.jpg
中には小ぶりながらちゃんと豆(種子)があった。
d0163696_16573754.jpg

指先の大きさと比較するとお分かりいただけると思う。
莢を指で押すと豆がつぶれてしまうので、筋を取って隙間から押し出す。
傍らにビールを用意して、ちょっとワクワクしてきた。

いよいよ口に入れる…
肝心の味だが、これが小さすぎてわからないのだ。
種子は数mmの大きさで、口に入れてもどこに行ったかわからないほど。味も香りもしない。ほのかに塩味が感じられるのみだ。
それではと、豆(種子)だけを莢から出して20粒ほど集め、枝豆一粒くらいに相当する量をまとめて食べてみたが、それでも味がわからない。歯の隙間に入ってしまって噛むこともできない。
(味音痴でごめんなさい)

もっと大量に採取して口いっぱいにほおばるか、あるいはツルマメに肥料を与えて太らせるか、工夫が必要なようだ。
食味はわからなかったが、大豆・枝豆に品種改良した先人の偉大さに思いを寄せる試食であった。

2010年10月13日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-10-13 17:54 | 植物 | Comments(4)

“ひょう干し”で盛り上がっています

少し前に自然観察大学メールマガジンで紹介した話で、事務局スタッフの石井さんが書いた『雑草を食べる –ヒョウ-』(全農教話のたねのテーブル、No.108 http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html からバックナンバー一覧を見てください) が評判を呼んでいる。
10月3日の野川の観察会では “ヒョウ干しの記事面白かったですね” と複数の方から声をかけていただいた。

茨城県のHさん(熱心なメール会員)からは、ご自分の体験談を寄せていただいたので、ご本人了解の上で紹介させていただく。

<以下原文のまま>………………………………………………………
スベリヒユの記事、おもしろかったです。
昔自分でこの “ひょう干し” を作ろうとして失敗、スベリヒユが怖くなったことを思い出しました。
運転免許取得のため山形に2週間いたとき、お土産に、ひょう干しを買ってきたことがあります。
思いのほか高かったので、自分で作ってみようと庭のを刈り取り、笊に干したのです。
ところがそのスベリヒユは一向にいのちが切れる様子がなく、一ヶ月経っても、土に戻せば元気を吹き返しそうな様子。
最後は怖くなって庭に捨てました。バチが当たりそうで・・・(T_T)
その後山形出身の知人に、≪茹でて干す≫ と聞いて ナットク!!

以前、散策していてきれいだな、と思ったカキドオシをひょいと摘まんでコップに入れておいたら、葉が黄色くなっても生長を続け、気味が悪くなった時のことを思い出しました。
植物の生命力はすごいです。

探してみたら いろんな記事がありました。
おもしろい記事をこれからもよろしくお願いします。
●おらほの自慢【ひょう干し】 山形県ホームページ
http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/mm_bk_data/s/oraho_No76.html
●ひょう(スベリヒユ)料理
http://blogs.yahoo.co.jp/utsugi788/57348927.html
http://blogs.yahoo.co.jp/utsugi788/60553605.html
http://blogs.yahoo.co.jp/utsugi788/63503199.html
………………………………………………………

以上、転載させていただきました。Hさん、ありがとうございました。

ご参考までに岩瀬学長の『形とくらしの雑草図鑑』(全農教)の該当ページを掲載させていただく。
d0163696_12313615.jpg

“ひょう干し” の味を体験したくなった方もいると思うが、残念ながら今の時期スベリヒユは果実になっているだろう。今年はあきらめて、来年のために種子を採取しておいてはいかが?

2010年10月6日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-10-06 12:37 | 植物 | Comments(2)

ツルマメの花

少し前の9月18日、ツルマメの花を撮った。ギンヤンマを待つ合間のことだ。
d0163696_12262973.jpg
ツルマメは池の端の雑草にからみつきながら伸び、小さいが鮮やかな色の花が目立っていた。
名前のとおりつる性のマメ科植物で、大豆の原種とされているらしい。
d0163696_12255514.jpg
もう少し拡大してみた。
右の花の中心部に何かいる。これはアザミウマの一種。なかなかかわいく撮れている。
これまでずいぶん雑草を撮ってきたが、花のアップを撮るとアザミウマがいることが多かった。撮影時には気づかなかったものが、現像してみると花の奥からこちらをのぞいているのだ。(当時は全部フィルム撮影)
虫がいる写真は図鑑には使えないが、写真としては面白い。

皆さん、手近な花をルーペでのぞいてみませんか? びっくりするほどたくさんのアザミウマがいるはずです。

ちなみに漢字で表すと “薊馬”で、名前の由来はいろいろな説があるようだが、今ひとつしっくり来ないので紹介しない。

話をツルマメに戻そう。ツルマメの果実は枝豆にそっくり。
d0163696_12274879.jpg
これは 『形とくらしの雑草図鑑』(岩瀬徹著、全農教) の該当ページ。果実を見るとたしかに原種説に納得。
茹でて枝豆の原種を味わってみたくなった。ラガービールや地ビールに合うのではないだろうか。
ツルマメに限らず、作物の原種は雑草である場合が多いとされている。
勇気ある方の体験報告をお待ちしています。
【注】少量で慎重に体験してください。

9月28日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-09-28 12:29 | 植物 | Comments(0)

秋を代表する花

知人との酒の席で、このブログの話になった。マニアックな話でけっこう盛り上がったのだが、今後の傾向と対策に関して貴重なご意見をいただいた。誰しも酔った時にこそ遠慮のない言葉が出てくるものだ。
その結果私の反省として、昆虫のマニアックな話もよいが、もっと花にも眼を向けようと考えるようになった。秀麗なご婦人の意見なので、たいせつにしなければいけない。分野を狭くせず、間口を広くしよう、というものである。
ということでさっそく身近な植物の話。次の植物は何か、お分かりだろうか。
d0163696_1924514.jpg
先端のツクシのようなものは蕾の集まりで、葉はニラのよう。
開花すると…
d0163696_1932651.jpg
拡大して観るとこんな花だ。ツルボである。
ユリ科の植物だが、いわゆるユリの仲間には見えない。でも、同じユリ科のニラやネギには似ている。(ネギの花も普通は拡大して観ないか…)
花序(かじょ:花の集まりを言う)の下のほうから順に咲くので、写真の下のほうはすでに果実になっていて、先端のほうはまだ蕾だ。
ユリ科は花びらとがくが同じ形をしているので、花皮片(かひへん)とまとめて呼ぶ。花皮片は6個(6枚)ということだ。ちなみに雄しべも6で、雌しべは1個だがもとにある子房は3室。ユリ科の花は3という数字を基本としたものになっているということだ。(『雑草博士入門』岩瀬徹・川名興著、全農教)

ツルボは地下に球根を作って増える。そのためか路傍にみごとな群生を見せてくれることがある。

私にとってツルボは秋を代表する花なのであります。
雑草の花は地味で目立たないが、拡大して観るとけっこう楽しいですよ。

9月24日、報告:事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2010-09-24 19:11 | 植物 | Comments(2)

エノコログサとオオエノコロを改めて観た

岩瀬学長が書かれた『エノコログサとオオエノコロ』を見て、遅まきながら8月28日に改めて近くのエノコログサ類を観てみた。
人家の庭先には、まずエノコログサが目に付いた。
エノコログサは黄白色がかって、8月末の時点では終わりかけのものが多いようだ。
d0163696_1238473.jpg
d0163696_12383775.jpg
穂の全体がほかのエノコログサに比べて小さめで、立ち上がっている。手で包むように握ると毛が柔らかいのがわかる。

少し歩いた江戸川沿いでは、アキノエノコログサを観た。こちらは8月末が最盛期のようだ。
d0163696_12394337.jpg
d0163696_1241072.jpg
穂はエノコログサよりも大きく、全体が垂れ下がっていて、握るとゴワゴワした毛の感触が伝わる。

少し歩いて今度はゴミの集積場脇で、オオエノコロと思われるものを観た。
d0163696_12421325.jpg
アキノエノコログサのように穂がたれているが、このようなタイプのオオエノコロもあるのだろうか。
d0163696_12425171.jpg
穂先がゆるやかに細くなるのがオオエノコロとしては少し違和感がある。
d0163696_12435578.jpg
穂をよく見ると、やや長めの小枝に小穂がついている。小枝ごとに5,6個の小穂が塊って見えるので、やはりオオエノコロなのだろう。

さらに歩いて、今度は畑の脇でオオエノコロを見た。刈り込まれて小さいが、穂は立派なオオエノコロのようだ。
d0163696_1245184.jpg
d0163696_12452145.jpg
穂先が細くなる感じといい、小穂にぽこぽこと小枝ごとの塊りがある感じはまさにオオエノコロだ。
前掲したエノコログサとアキノエノコログサの穂では小穂が一様にびっしり付いているので、違いがわかる。

以上3つのエノコログサ類を個人的な印象で定義付けすると次のようになった。
(統計を取ったわけではないし、あくまで個人の直感的な印象です)
エノコログサ:都市型、最も人間に近い存在。
アキノエノコログサ:郊外型。畑地周辺や非農耕地に多い。
オオエノコロ:造成地など、裸地化したあとに多い。都市部にも郊外にも見られる

【I先生からの補足】
街なかには7月ごろはエノコログサと雑種型(オオエノコロ)と思われるものが混在しています。雑種型にもいろいろあるようで、中には変異の幅に収まりそうなものもあります。
まだまだ観察の余地があります。

【参考】
岩瀬先生の『エノコログサとオオエノコロ』は、全農教HP/話のたねのテーブルhttp://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html  から左上の過去の掲載記事『もくじ』をクリックして、No.101でご覧いただけます。

【情報をお待ちしています】
エノコログサ類に関して皆さんのご意見、ご感想、観察報告などをお寄せいただけるとうれしいです。
NPO法人自然観察大学事務局まで。お待ちしております。

【余談】
近くの畑で、アワをみた。何十年も前に、大井川上流の山奥で祭礼用として栽培されているのを見たことがある。それと同じだ。オオエノコロの片親とされるだけあって、小穂の塊感がはっきりしている。
d0163696_12463920.jpg
珍しいので撮影していたら、年配の女性があらわれ、ニコニコしながら声をかけてくれた。
“アワが珍しいかい。お盆で仏様に上げるんでつくってるだ。わしも何年か前に近所のお年寄りに種を分けてもらっただよ。ホオズキとアワとキビ、ナス、カキ、クリなんかと一緒に供えるだと。”
アワのほかにキビも栽培されていたが、目の前でそれらをいきなり刈り取り始めた。
“知ってる人で畑のある人に分けてくれ、絶やさないようにみんなで作ってほしいんだ。”
ありがたくいただきました。種は自然観察大学講師の何人かの先生方で分けて、来年栽培してみてくれることになりました。

2010年9月1日、報告:事務局O

追記
2010年10月20日、『またまたオオエノコロのこと』 をアップしました。
[PR]



by sizenkansatu | 2010-09-01 12:53 | 植物 | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28

最新の記事

立春のロウバイ
at 2018-02-06 17:58
「季節の生きもの観察手帖」ト..
at 2018-02-05 18:39
ハクウンボクの冬芽
at 2018-01-25 18:40
ラクウショウとメタセコイアを..
at 2017-12-20 13:03
漆掻きを体験
at 2017-10-06 12:56

最新のコメント

> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 12:44
こんな感じの本が欲しかっ..
by チョコ at 14:10
鈴木裕子さん、コメントあ..
by sizenkansatu at 15:19
日経新聞で冬の雑草の記事..
by 鈴木裕子 at 19:35
アレチヌスビトハギ 最悪..
by EVIS at 15:16

検索

ブログジャンル