自然観察大学ブログ

カテゴリ:植物( 155 )




スギの花

いつも遅い報告で申し訳ないが、3月はじめのスギの花である。
スギの雄花が花粉を出していた。
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風媒花で、鱗片のすき間から、ごく小さな、大量の花粉を散らす。
これが花粉症のもとになるという。

苦しんでいる方には気の毒なことであるが、しかたがない。
スギには罪はないのだ。

遠目に観たスギの花は、お世辞にも綺麗とは言い難い。
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冬の間は赤く、それも枯れたような褐色になる。
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拡大して観よう。
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こちらの雄花は、まだ花粉を出してはいない。

切ってみると、中の袋に多量の花粉が準備されていた。
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花粉症の方々には悪魔のように見えるのだろうか。

さて、次は雌花だ。
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ちょっと見ただけではわかりにくいが、下向きの枝先に雌花がある。
下から覗きこむようにしながら拡大して観ても…
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やっぱり花らしく見えないのだが、よく観ると鱗片の間に水滴のようなものがあった。
この滴は受粉のためのものだという。(画像のクリックでさらに拡大)

雌花も切ってみた。
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胚珠から液体が出ているのがわかる。(画像のクリックでさらに拡大)
これが受粉滴と言うものだろう。

ところで、スギの葉の一枚は、どこにあたるのか。
長さ1cmほどの針のような部分、これが一枚の葉だ。
あらためて本稿の一枚目の写真を観ると、枝先に向けて葉がだんだん短くなって、そのまま鱗片へと連続している。

こうしてみると、
“花はシュートが変化したもの” まさにそのことが観てとれる。
なお、スギの葉序はらせん状で、この鱗片もらせんに並ぶという。
(確かめてはいないが…)

裸子植物は原始的とされるが、飾りのない機能に徹した姿だ。
これをすがすがしいと観るか、それともしたたかと観るか…

2018年3月29日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2018-03-29 16:50 | 植物 | Comments(0)

立春のロウバイ

2月4日は久しぶりに暖かい日で、立春らしい日であった。
この日、水元公園ではロウバイが満開だった。
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大勢の人が通りがかりに足を止め、においをかいだり、写真を撮ったりしていた。

昨年「季節の生きもの観察手帖」が発刊されてから、二十四節気・七十二候を気にしながら観察している。
新しい年の始まりに、満開のロウバイを観られるとは、なんとうれしく、ありがたいことだろう。

別の場所ではあるが、今年の1月7日にロウバイの花を観ていた。
それからおよそ一か月である。ずいぶん長い間咲いているものだ。

ところで、
ロウバイは花の中心部が赤く見えるというが、この花はどうだろうか。
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何となくソシンロウバイ(花の中心部も黄色い)っぽい気がする。
庭園樹でもあるロウバイは、いろいろなタイプがあるのだろう。
ややこしいことだ。
※ ロウバイとソシンロウバイは次で紹介しています。 
  ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/23789102/ 

植物生態学部S子さんへ(事務連絡/再)
以前このブログに投稿いただいていたS子さんの連絡先がわからなくなりました。
事務局OのPC故障によりアドレス帳が紛失したためです。
S子さんにお願いしたいことがあります。一度事務局へご連絡いただければありがたいです。
急ぎませんので、いつでもお待ちしております。

2018年2月6日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2018-02-06 17:58 | 植物 | Comments(0)

ハクウンボクの冬芽

寒い。
今日(1月25日)は日本列島が寒気におおわれた。
都心でも-4℃と記録的な寒さだそうである。
さすが“大寒”まっただなか、“水沢腹堅”である。
『季節の生きもの観察手帖』( )を見ると、1月25日の欄に次のように記されている。

● 気温-41℃を記録 1902年 北海道旭川市 気象庁 ★観測史上国内最低気温

… 100年前も、やはり今日という日は寒かったのだ。
さすが、二十四節気・七十二候、先人の慧眼にはおそれいるばかりである。


さて本題。
昨年の暮れの観察である。(いつも月おくれですみません)
ハクウンボクの木に、落ちずに頑張っている葉が散見された。
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一見すると、どうということのない枯葉だが、葉のつけ根の部分が少し膨らんでいるのが見て取れるだろうか。
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葉柄のつけ根を拡大してみよう。
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冬芽である。

ハクウンボクは葉柄の中に冬芽を作る。
いわゆる“葉柄内芽(ようへいないが)”で、プラタナスと同じやり方だ。
夏にはすでに葉柄の中に冬芽を用意しているのを確認している。

葉柄で包むことで冬芽を守るのだと思うが、冬に向かうころに落ちてしまうのだから、寒さ除けではないのだろう。

こちらはすでに落葉した冬芽。
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フリースのような綿毛にくるまって、寒さ対策は万全、といったところなのだろう。
葉が落ちた痕(葉痕)が、冬芽のつけ根の部分にぐるりと取り巻いて見える。
この日の観察では、ほとんどが落葉してこのような状態であった。

ちなみに、花の時期のハクウンボクも紹介しておこう。
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こちらは昨年5月5日の撮影。
ちなみに、冬芽を見たのと同じ木で、場所は千葉県柏市の柏の葉公園である。
多数の花をつけたようすが白雲のように見えるのでハクウンボクだそうだが、いかがだろうか。

ハクウンボクはエゴノキのなかまで、果実もエゴノキによく似ている。
昨年のこの木の観察では、果実に虫がかじったあとが散見された。
もしかしてエゴヒゲナガゾウムシ()の産卵痕か、と考えたのだが確認できていない。
今後の課題である。

2018年1月25日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2018-01-25 18:40 | 植物 | Comments(0)

ラクウショウとメタセコイアをくらべる(続)

紅葉と実(球果)

メタセコイアが鮮やかに紅葉していた。
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上の写真は12月9日の水元公園のもの。
紅葉、黄葉、といえばカエデやイチョウに代表されるが、針葉樹の紅葉も素晴らしい。
滋賀県のメタセコイア並木の紅葉はすごい人気のようだが、水元公園もみごとなものであった。

次はラクウショウの紅葉。
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この写真は10月末の柏の葉公園のもの。
夕刻の光に鮮やかに浮かびあがっていた。
どちらかというとラクウショウのほうが色鮮やかな気がする。

水元公園ではメタセコイアとラクウショウが数多く植栽されていて、くらべて観察しやすい。


実(球果)をくらべよう

これはメタセコイアの球果。
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遠くのものを望遠(600mm相当)で撮っているので、画質はご容赦いただきたい。

じつは、広い水元公園内で球果を確認できたメタセコイアはたった一本であった。そして貴重なこの木にも球果の数は少ない。
(すべてを見たわけではないし、高所で見えないものも多いだろうが…)

ラクウショウはどうか。
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遠目にも、枝先にたくさんの球果が確認できる。(クリックで拡大可能)

私の観察しているのは水元公園、柏の葉公園だが、メタセコイアの球果が確認できるのはそれぞれ1株ずつに過ぎない。
かたやラクウショウは、どの木も多数の球果をつけている。これは大きな違いだ。

なお、このブログで次の記録を見てない方は、先にご覧いただけるとありがたい。
●ラクウショウとメタセコイアをくらべる
 http://sizenkan.exblog.jp/25484953/ 
●メタセコイアの花から実
 http://sizenkan.exblog.jp/24231640/ 
次は落ちていたメタセコイアの球果。
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10月末、遅い台風によって、たくさんの若い球果が落ちてしまった。
貴重な球果が残念なことになってしまったものだ。
(柏の葉公園のメタセコイアの樹冠下で採集)

規則正しく並んだ鱗片に沿って裂開する。
手で割ってみたのがこれ。
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鱗片の間に、翼のある平たい種子があった。

次はラクウショウ。12月はじめの成熟した球果。
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不規則な割れ目はいかにも気まぐれなラクウショウらしい。
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成熟した球果は、手でふれるとすぐにバラバラになる。
不整形のピラミッドのような、濃い褐色のかけらが種子だろう。
メタセコイアとは全く異なる。


花をくらべる

気になるのは来年開花するはずのつぼみである。
今の季節、メタセコイアでは多くの株で多数のつぼみが確認できるが、ラクウショウはつぼみがまったく見られないのだ。

今年のはじめに観察した雌花の違いを確認しておこう。
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上がメタセコイアで、下はラクウショウ。
それぞれの雌花を拡大してみよう。
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上のメタセコイアは穂の先端に雌花がある。
下のラクウショウは雄花の穂とは異なる枝に雌花をつけている(すでに若い球果)。


メタセコイアのつぼみ


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12月のいまの季節、ほとんどのメタセコイアはすでに多数のつぼみをつけている。

次の写真は9月初めのもの。
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ここから葉が落ちて、一つ前のような穂になる。
ずいぶん早くから開花準備を進めるものだ。

※ 7月ころからつぼみらしいものを見たが、そこから新葉が芽吹いてきたものもあった。


ラクウショウのつぼみ~花の謎

問題はラクウショウである。
現時点ではつぼみらしいものは確認できていないのだ。

これは10月末に見たラクウショウ。
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枝先についた芽は、果たしてこのあと花になるのか、どんなふうに成長・変化していくのか…
このときはワクワク・ドキドキしたものだ。

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こちらは12月初めの芽。(別の枝)
残念ながら、変化はない。
ラクウショウは、どこがどうなって、花を咲かせるのか。

じつは、昨年の2月に自然観察大学のI島先生とメタセコイアの花を観察したときにも、並行してラクウショウの花を探していた。
ところが結局見つからず、気づかぬままにいつの間にか結実していたという次第である。
2人そろって、情けない話である。
たくさんの球果をつけるということは、花もそれだけ多くなければいけないのだが…

メタセコイア、ラクウショウともに、近代に緑化目的で持ち込まれた樹種である。
導入種は植物図鑑では軽んじられることも多いようで、そもそもいにしえの植物図鑑には掲載されてない。
謎の多い植物である。


追 記

ここまでの報告をまとめたあとで、別の場所(さいたま市 見沼グリーンセンター)で、鈴なりになったメタセコイアの球果を発見した。
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また、ラクウショウのつぼみも見つけることができた。(見沼自然公園)
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しかし、それらの詳しい報告を追加するとなると、また投稿が先送りされてしまう。いつまでたってもきりがない。
ただでさえ、めったに更新されないこのブログである。
今回は中途半端な内容ではあるが、欲張らずにここまででアップさせていただくことにした。
ご容赦いただきたい。


植物生態学部S子さんへ(事務連絡)
以前このブログに投稿いただいていたS子さんの連絡先がわからなくなりました。
事務局OのPC故障によりアドレス帳が紛失したためです。
S子さんにお願いしたいことがあります。一度事務局へご連絡いただければありがたいです。
急ぎませんので、いつでもお待ちしております。

2017年12月20日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2017-12-20 13:03 | 植物 | Comments(0)

ラクウショウとメタセコイアをくらべる

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これは6月のラクウショウ。
メタセコイアに似るが、何となく葉や枝がバラバラでアバウトな印象だ。
ラクウショウには呼吸根というものがある。上の写真で画面右下に、根が地面から突き出ているのがお分かりだろうか。
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ラクウショウが池の端や湿地で生活できるのは、呼吸根によるものだという。
メタセコイアには呼吸根はない。これが一番の違いだ。

葉を比べてみよう。
まずはラクウショウの葉。
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一枚ずつ互い違いになっている。(互生)

次はメタセコイアの葉。
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2枚の葉が向かい合わせについている。(対生)

注目したいのは、ラクウショウの場合はきっちりとした互生ではなく、何となくランダムな並び方をしていることだ。このアバウトさが、樹形にも表れているのではないだろうか。(1枚目の写真)

ちなみに、どちらも細長い小さな葉がたくさん並んでいるのであって、複葉ではない。
それがよくわかるのが次の写真。
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早くも葉腋に芽を付けたメタセコイアがあった。(7月初め)
葉のつけ根から芽が出るのであって、複葉の小葉のつけ根であれば芽をつけることはない。


話がそれますが…

上の写真では、葉は対生でほぼ同一平面上に並ぶ。これを2列対生という。
葉の付け根の部分(葉柄のようなものか?)が葉鞘のように枝をくるんでいるのだが、よく見るとこれが節ごとにねじれて角度を調節しているのが分かる。

比較として、以前に報告したメタセコイアの若い実の写真をもう一度見てみよう。
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この葉も対生だが、節ごとに90度ずつ角度が変わっている。これを十字対生という。

メタセコイアの葉は本来は十字対生だが、一つ前の写真つまり普通の葉では、節ごとにねじることで2列対生になっていると思われた。


実(球果)を比べる

さて、かんじんの「花から実」を比べてみよう。
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上はラクウショウで、画面上方の緑色の部分がごく若い実。(4月撮影)
その両側に何本も垂れ下がるのが、雄花の穂だ。(すでに花は終わっている)
少し拡大してみよう。
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雌花は雄花の穂の付け根にあるように見えるが、枝先に雌花がつき、その少し上(元のほう)から雄花の穂が垂れる。

メタセコイアでは雄花の穂の先に雌花があったので、これは大きな違いだ。
比較のためにメタセコイアの花を再掲しておこう。
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それぞれの先端にある、緑色の小さいのが雌花である。

※ 詳しくは「メタセコイアの花から実」をご覧いただきたい
 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/24231640/

これが実になるとどうか。
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左がメタセコイアで、右がラクウショウ。(6月撮影)
大きさが違うのは分かるが、もう一つ注目したいのは枝先だ。
左のメタセコイアは枝先に実がついて、そこで成長を止めている。それに対し、ラクウショウは実の脇から新しい枝を伸ばしている。


実の比較で分かるそれぞれの性格

もう一つ。面白い話を聞いたので紹介しよう。
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上がラクウショウの実で、下がメタセコイアの実。(比較しやすいように大きさを合わせて表示)

見るからに感じが違うのだが、その理由が面白い。
● ラクウショウは葉が互生でしかもアバウト。その延長なので実はサッカーボール的になる。
● メタセコイアは葉がきっちりした対生なので、実はバレーボール的になる。
ということなのだ。花や実は枝葉(シュート)の変化したものであるという証拠が、実の比較から見えてくる。

たいへんに面白い視点だと思うのだが、この話は茨城のO幡先生からうかがった。
O幡先生、ありがとうございました。

2017年8月30日、報告:自然観察大学 事務局O

その後に続編を掲載しています。よろしければ次をご覧ください。
→ http://sizenkan.exblog.jp/26251266/ 

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by sizenkansatu | 2017-08-30 17:09 | 植物 | Comments(0)

メタセコイアの花から実

4月下旬のメタセコイア。場所は千葉県の柏の葉公園。
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巨木が広げた枝を、見上げた写真である。
ちょっとわけの分からない写真かもしれないが、新緑が逆光に映えていた。
ちなみに、メタセコイアは単葉で、複葉の小葉に見えるのが一枚ずつの葉である。

この季節には若い実(球果)も見られる。

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実はよく見かけるが、メタセコイアの花はどんな花か?
毎度季節外れの話で申し訳ないが、この花を冬の間に追跡したので、以下にまとめてみたい。


メタセコイアの雄花

まずは、今年の2月14日のメタセコイア。

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高い位置で、たわわに穂がついている。
しかし、近くで見ることができない。
下枝は剪定されることが多く、そもそも剪定されたメタセコイアには花はつかないようだ。

低い枝に穂の付いたメタセコイアを探し回って、やっとみつかったのがこれ。

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ルーペで観ると、雄花だけであった。
葯が顔を出しているものもあったが、まだワックス質で被われているようだ。

それにしても、雌花はどこにあるのか?
あちこち探したのだが、見あたらない。
雌花は遅れて出るのだろうか?

10日ほど過ぎた2月25日に、同じ柏の葉公園でメタセコイアを観察した。
このときは自然観察大学のI島先生と一緒だった。

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前回より雄花が膨らんでいるのがわかる。

しかし、あいかわらず雌花が見当たらない。
メタセコイアの枝を、棒で引っ掛けて手繰り寄せては雌花を探す。
I島先生と二人で、手当たり次第に観た。
(柏の葉公園にはメタセコイアがたくさんある)



ついに雌花を発見!

公園のほぼすべてのメタセコイアを観て、最後に行きついたのがこれ。
ずっと成熟が進んで、りっぱな雄花になっている。

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ここで、穂の先端に注目!
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こっ、これは雌花ではないか!
I島先生と二人で喜び合った瞬間である。
それにしても、穂の先の、こんなところに雌花が付くとは、予想外であった。

いったんわかってしまうと、雌花は次々に見つかった。

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こちらは少し若いものである。
雄花はまだ顔を出しかけた状態だが、ふんだんに花粉を飛ばしていた。
逆に、満開のように見える熟した雄花(ひとつ前の写真)からは、花粉は出なかった。すでに雄花は終わっていたのであろう。



花から実へ

さて、この雌花はこの後どうなるか。継続して観察した。

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上の写真は3月13日の雌花。
3週間前よりも、すこし伸び出してきた。
それにしても、この雌花は枝先ではなく、脇芽から出ている。こんなケースもあるということだ。

次は4月2日。

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さらに伸びて、何やら葉らしきものが確認できる。

同じ4月2日には、葉芽も膨らんできた。

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よく観ると、たくさんの葉が出番を待っているのがわかる。
花芽から遅れること約1か月だ。

そして4月23日。

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これで冒頭の4月下旬(23日)の若い実(球果)となるわけだが、つけ根には褐色の鱗片が、まだ残っている。
一つの冬芽から球果と枝葉が出てきたことになる。

ちなみに、5月21日の球果はこれ。

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褐色の枝は雄花がついていた部分だが、雄花はすべて落ちてしまっている。
その先の緑色の枝葉が、今年雌花と一緒に伸びた部分である。

球果がやや膨らんでいることが、前回4月23日との違い。あまり変化はない。
このへんで経過観察は終了としよう。

次回はラクウショウとの比較をしてみたい。
よく似ているが花から実についてはかなり違っている。

2017年5月24日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2017-05-24 21:16 | 植物 | Comments(0)

モミジバフウの話(3)

……………………………………………………………………………………
よろしければ、あわせて次もご覧ください
● モミジバフウ(1)葉の話など ⇒ 
http://sizenkan.exblog.jp/23824359/ 
● モミジバフウ(2)実と種の話 ⇒ 
http://sizenkan.exblog.jp/23865438/ 
……………………………………………………………………………………


花から実へ

狙っていたモミジバフウの花が観察できた。

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上に伸びるモコモコしたのが雄花序で、雌花序は下方に垂れている。(写真は4月13日)


モミジバフウはマンサク科なのだが、マンサクとはまったくイメージが違う。
● マンサクの花 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/23941931/ 


雌花はこれ。

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淡いピンク色が、いかにも女性的。

雄花はこちら。

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こちらはまだ熟してないようだ。
モミジバフウは雌性先熟ということなのだろう。



10日後

10日が過ぎた4月23日。

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雄花が熟し、
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多量の花粉を出していた。
このとき雌花は…
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柱頭が茶色になって、花はもう終わり。
すでにイガイガ、トゲトゲの果実の雰囲気になっている。

やはり雌性先熟だろう。
雄花と雌花の位置関係から考えて、熟期をずらさなければほぼ100%自家受粉してしまうだろう。雌性先熟はそれを避けるためのシステムなのだ。



感 想

それにしても…

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この冬芽のなかに、たくさんの花や葉が仕込まれていたとは驚きである。
念のため途中経過も紹介しておこう。(上と同じ芽ではありません)
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これは4月2日の萌芽のようす。
雄花序が顔を出して、下のほうには葉が観える。

羽化したチョウも舌を巻くような変態だ。
えっ、下はもともと巻いてるって?

2017年5月9日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2017-05-09 22:17 | 植物 | Comments(0)

筑波山のスプリング・エフェメラル

【お詫びと訂正】
アズマイチゲとキクザキイチゲに関して、取り違いがありました。
北海道のO先生からご指摘をいただき、赤字で修正しました。O先生、ありがとうございました。(2017年5月8日)


4月半ばの筑波山でカタクリを観た。

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山頂付近を一周する遊歩道があり、そのいたるところでカタクリが観られる。
今年は遅い積雪があったために、例年より10日から2週間ほど開花が遅れている由。
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カタクリの下に観えるのはニリンソウ。
こちらも間もなく花を咲かせるだろう。カタクリと並ぶスプリング・エフェメラルの代表だ。

筑波山では林床にササが広がっているところが多く、カタクリはササの根もとに観られる。残念ながらフォトジェニックではない。
また山頂付近には「カタクリの里」という管理の行き届いた一画があるのだが、これもちょっと風情に欠ける。
やはり写真としてはカタクリとニリンソウとのコンビが好ましい。

遊歩道では、コンクリート製の階段の隙間にもカタクリが咲いていた。

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カタクリも “すきま植物” になるとは…
カタクリが花をつけるまで7,8年かかるというが、その間ずっと階段の隙間で成長していたと思うと、感慨一入である。



そのほかの妖精たち

こちらはアズマイチゲ

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花も葉も一見するとキク科のようだが、キンポウゲ科。
花がまだ全開となっていないのは、時期的なものか…

こちらはキクザキイチゲ

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どちらも花の色は個体によっていろいろで、アズマイチゲが白でキクザキイチゲが青紫ということではない。
見分けるポイントはいろいろといわれているようだが、葉柄の翼(托葉?)らしい。
写真のように翼があるのがキクザキイチゲだそうである。

こちらはエンレイソウ。

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3枚の葉の中央に花があるのだが、葉と同じ緑色で小さくて目立たない。
漢字で書くと延齢草だそうである。

こちらはヒナワチガイソウ。

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この写真はまだ開きかけの状態だ。
ユリ科かと思ったら、なんとナデシコ科。
そう言われると、なんとなくツメクサに感じが似ていなくもない。

ヒナワチガイソウは、よく似たワチガイソウ「輪違草」が名前のもとで、その由来が面白い。
いにしえのある人が、この植物に名札をつけるにあたって、とりあえず「○○草」と記した。その○○を輪違紋(丸が二つで一部が重なる家紋)としたのだそうだ。
シャレて命名したのか、それとも単なる読み違いか。
この由来が本当かどうかは分からないが、話としては秀逸である。

都心からほど近い筑波山は、たいへんに豊かなフィールドであった。しかも、高尾山などと比べると、人出が少なくて圧倒的に静かである。自然観察のパラダイスといえるだろう。

今回は、専門家であるO先生らの植生調査に同行させていただいた。
O先生、ありがとうございました。

2017年4月28日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2017-04-28 18:43 | 植物 | Comments(0)

マンサクの花

2月の半ばのマンサク。
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ここ(千葉県柏市)では2月のはじめから咲き始め、この日は満開だった。
(あいかわらず遅い情報ですみません)
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一か所に複数の花がつき、遠目に見ると複数の花が重なり合って毛玉のように見える。

マンサクは、ほかに先駆けて咲くので 「まんず咲く」 が名前の由来だという。
この季節はまだ昆虫が少ないようで、花粉媒介者は観なかった。
マンサクは長い間咲くことで、受粉の確率を上げているのだろう。

細長い花弁の、もとのほうを拡大してみると…
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花弁が4個で、がくに包まれた雄しべと雌しべの柱頭も確認できる。
構造的には、正統派の花の構造をしている。

なお、マンサクは古くから栽培されていて、これはアカバナマンサクという品種らしい。



マンサクの花弁の開き方

それにしても、不思議な形の花だ。

細長い花弁は、つぼみのときには巻いて小さく収まっているが…

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徐々に伸びて開いていく。
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アカバナのほうで、まさに開きはじめの花があった。
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どういう力がはたらいて、開いていくのか?

羽化したばかりの昆虫の翅が伸びるような、そんなことを連想させる。

2017年3月9日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2017-03-09 18:24 | 植物 | Comments(0)

モミジバフウの話(2)

実と種子

モミジバフウの果実。(去年の11月の写真です。毎度すみません)

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イガイガの果実が枝からぶら下がって揺れている。

熟すと、ところどころにぽっかりと孔が開き、中から種子を散らす。

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上の写真の左に並べたのは種子である。
熟して裂けて種子が飛び散る、というのではなく、ぽっかりと開く感じだ。

種子を拡大してみよう。

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種子には翼があって、これで風に乗って飛散するのだろう。

まだ孔の開く前の未熟な果実もあった。

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ひとつ失敬して、切ってみた。
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断面を見ると、たくさんの果実の集まった複合果であることが分かる。
けっこう硬いので、断面が汚いのはご容赦いただきたい。



余談ですが…

モミジバフウの種子を撮ろうと、完熟して口の開いた果実を振ったら、こんなものが出てきた。

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果皮(内果皮 or 中果皮)が木質化して細かく分離したものなのだろうか?

はじめは、これが種子と思い込んで、まじめに撮影してしまった。
今にして思えば、翼のある本当の種子は、この時点ですでに散ってしまったということなのだろう。



イガイガの正体は?

モミジバフウの果実で一番気になるのは、あのイガイガである。
季節をさかのぼると、その正体がわかる。

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これは6月に撮影した若い果実。
とげは雌しべであり、先端はしおれた柱頭であることが分かる。

残念ながら、花の時期はまだ観察できていない。



冬のモミジバフウ

これは1月末に撮ったモミジバフウ。

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果実は樹上に残る。たぶん、すでに種子を散らしたあとで、要済みのはずなのだが、なぜかこの状態で長く残っている。


こちらは冬芽。

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今年はぜひ、展葉、開花を観察したい。

モミジバフウの話は、次に詳しく紹介されている。

小石川植物園の樹木:
http://www.geocities.jp/kbg_tree/frame-r-botany.html
(上をクリックして一覧から「モミジバフウ」へ)

2017年2月17日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2017-02-17 14:14 | 植物 | Comments(0)

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