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自然観察大学ブログ

カテゴリ:植物( 165 )




どんぐりの冬越し

12月なかばに都立林試の森公園で行われた樹木の観察会に参加させていただいた。
この公園はかつての林業試験場の跡地で、ほかの公園では見かけない木が多数ある。
アベマキもその一つで、この日はみんなでアベマキのどんぐりの冬越しを観察した。

一面に落ちたアベマキのどんぐりを見ると、発根して地中に伸ばしはじめているものがあった。
どんぐりの冬越し_d0163696_14440634.jpg
「ここにもあります」
「おぉ、こっちにも」
などとワイワイやっている間に、メンバーの一人が掘り出してくれた。
その場で撮影会になり、交代で這いつくばって写真を撮らせていただいた。
どんぐりの冬越し_d0163696_14441576.jpg
12月なかばの時点で、かなり深くまで根を伸ばしていたのに驚く。
(撮影会のあと、すぐに埋め戻しました)

別のメンバーがまた面白いものを見つけてくれた。
どんぐりの冬越し_d0163696_14442269.jpg
芽生えてから1年経ったアベマキである。
(12月なかばなのに、まだ緑の葉をつけている)

ところで、アベマキは関東ではあまり見かけない木だが、西日本ではふつうに見られる。
これは“天空の城”で有名な兵庫県の竹田城址で観たアベマキのどんぐり(7月末)。
どんぐりの冬越し_d0163696_14443299.jpg
ドングリは樹上の高いところにあって近くで観ることができないが、クヌギによく似ている。
葉の裏には毛がびっしりとあって、ビロウドのような感触である。

これは6月初めに別の場所で撮ったアベマキ。
どんぐりの冬越し_d0163696_14443958.jpg
やはりクヌギに似るが、樹皮のコルクがより発達した感じがする。

9月なかばに、地表に落下したどんぐりを見た。
どんぐりの冬越し_d0163696_14444878.jpg
クヌギに似るが、少し細長い感じ。


コナラの芽生え

さて、根を出したどんぐりは、その後どうなるか。
以前に観察したコナラの例を紹介しよう。

冬の間に根を張ったどんぐりは、春になると芽を伸ばす。
(2018年4月8日、千葉県)
どんぐりの冬越し_d0163696_14445996.jpg
これを掘り出してみた。
どんぐりの冬越し_d0163696_14450592.jpg
根の方が地上部より3倍から4倍も大きく伸びている。
ちなみに、子葉は開かず、どんぐりの形をしたまま地下あるいは地表に残っている。これを地下子葉型という。
(アサガオや野菜のキュウリのように子葉を地上で広げるのは地上子葉型という)

こちらは1か月後(5月5日)。
どんぐりの冬越し_d0163696_14451432.jpg
本葉が立派に開いている。
役目を終えた子葉と果皮(どんぐりの堅い殻)もまだ残っていた。


どんぐりは落ちてすぐに根を張って、冬を越す。
たくさん落ちたどんぐりの中で、根を出すのはほんの一部の運のよいどんぐりである。
多くは落ちたままで朽ち果ててしまうか、動物に食われるのだろう。
聞いたところでは、落ちて数日以内に根を出さないどんぐりは、みなその運命だとか…

選ばれたどんぐりだけが春になると枝葉(シュート)を伸ばすのだが、それでも多くは親木の下で芽生えているので、陽当たりなどの環境はよくない。おそらく1年または数年で枯れてしまうと考えられる。
自然の摂理とはいえ、つらいものだ。

2020年 おめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます

2020年1月14日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2020-01-14 15:04 | 植物 | Comments(0)

ホンコンヤマボウシとヤマボウシ

今年の2月の八田洋章先生の講演でホンコンヤマボウシのことを知った。
ヤマボウシが落葉樹でホンコンヤマボウシは常緑というのが決定的な違いだが、細かいところを観察して確認してみた。

参考:『ヤマボウシの自然誌とその自生地探訪』自然観察大学室内講習会レポート2019 ⇒ 


ホンコンヤマボウシは日本のヤマボウシと同属で、東南アジアあたりに生育する常緑の木で、最近の新築住宅で庭木に植栽されるということであった。
講演をうかがったあとでは、都内の新築のマンションや郊外の一戸建ての庭など、ほんとうに頻繁に見かける。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12420451.jpg
これは台東区の事務所近くで今年の6月11日に撮ったホンコンヤマボウシ。植えて間もないだけに、落ち着きのない変な樹形となっている。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12421542.jpg
白い大きな総苞片の中心にたくさんの花がある。
なるほど、日本のヤマボウシとよく似ている。
なお、上の写真はまだ開花していないつぼみの状態である。

ヤマボウシの花を見てみよう。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12422344.jpg
ヤマボウシも同じように4枚の総苞片があって、その中心にたくさんの花がある。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12424045.jpg
これが本当の開花で、この時点で半分以上はまだつぼみのようだ。


果実の比較

10月末になって、ホンコンヤマボウシの果実が色づいた。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12424915.jpg
なんとなく個々の花の痕跡がうかがえる。

次の写真はヤマボウシの果実。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12425680.jpg
より強く融合し表面が滑らかで一体感があるように見える。

なお、これは多数の花が一つの果実になったもので、“複合果”とされるが、こうしてみると花の数にも違いがあり、ヤマボウシの方が数は少ないようだ。
※ 八田先生によると、ホンコンヤマボウシとヤマボウシは花と果実で見分けるのは困難のということでした。上の比較写真の差異は栄養などの条件の違いのよるものなのかもしれません。

ホンコンヤマボウシの花芽

ところで、一つ前の写真のホンコンヤマボウシの果実の写真をもう一度ご覧いただきたい。果実のすぐ右にある、緑色の丸いものは花芽である。
この花芽に注目したい。

これがホンコンヤマボウシの花芽。(果実と同じ10月末に撮影)
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12430684.jpg
多数の粒状に見えるのがつぼみで、つけ根付近にあるのは4つの総苞片と思われる。
ホンコンヤマボウシの花は、このような裸の状態で越冬し、来年6月に総苞片を伸ばすのだろう。

別のホンコンヤマボウシでは、すでに総苞片を伸ばしていた。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12431351.jpg
花はまだつぼみで、この後どうなるのかと注目していたのだが、1か月過ぎてもつぼみのままである。
南方系なだけに、冬の寒さを知らずにうっかり伸び出してしまったのだろうか。
そしてこの後はどうなるのか…


ヤマボウシの冬芽

一方、ヤマボウシの花芽はこちら。(今年の1月に撮影)
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12432114.jpg
芽鱗に包まれた冬芽で越冬し、当然、総苞片も芽鱗に包まれている。
日本のヤマボウシは冬の厳しさを知っているからだろうか、そのガードは堅い。

この冬芽は春に展開するのだが、昨年(2018)の4月、そのシーンを見て驚いた。
ホンコンヤマボウシとヤマボウシ_d0163696_12432806.jpg
なんと、外側の芽鱗が横に裂けているではないか。
先端には裂片を帽子のようにかぶせている!

念のためほかの芽鱗を見ると、ほとんどみな同じような裂け方をしていた。
(一つ前の写真の右側の花芽も同じように避けている)

ひとりで興奮して、
「もしかするとヤマボウシの名前の由来はここからきた“山帽子”なのではないか。だとしたら命名者はよく観察しているなぁ”」などと考え、ひとりで感心していた。
(ネットで調べても、そんな説はどこにも見当たらなかったが…)

さて、写真を見ると開きかけの芽鱗の中に毛深い緑色のものが潜んでいる。
これは葉か、総苞片か、はたまた…
冬芽から何が出てくるか、ここで紹介することができないのが残念なのだが、2020年2月に完成予定の『樹木博士入門』という本に掲載される予定なので、そちらでご覧いただければありがたい。
後日、ヤマボウシの芽鱗が横に裂けることについて八田先生におうかがいしたところ、次のようにご回答いただいている。
「ヤマボウシの芽鱗が横に裂ける例は普通ではありません。その木の多くの花芽がこのようになったとすると、個体の持つ性質なのかもしれません」

お詫び
前回の記事が3月11日だったので、なんと8か月のご無沙汰でした。申し訳ありません。
ご報告したいことはたくさんあったのに、新しい自然観察大学ホームページの開設とか、前述の書籍のことなどがあって、つい怠けてしまいました。
心を入れ替えて、ぼちぼち続けさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

2019年11月22日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2019-11-22 12:54 | 植物 | Comments(2)

ハンノキの花から果実

まずは前回の続きで、ハンノキの雌花穂のつぼみ。
ハンノキの花から果実_d0163696_19265973.jpg
ワックスでコーティングして、厳しい寒さを耐えている。
雌花はふつう2月初めころに開花する。
ハンノキの花から果実_d0163696_19270919.jpg
花といっても、鱗片の間から柱頭を出すだけのシンプルな花だ。
前回の記事もご覧いただきたい)

上の写真は一昨年の2月4日に撮影している。
そう。立春の日だ。
自然界の元旦、生物のお正月とも言える立春に開花するとは、なんと折り目正しいことだろう。

ちなみに、この時期のハンノキの全形はこれ…
ハンノキの花から果実_d0163696_19271790.jpg
盛大に開花しているのだが、遠目に派手さはない。
よく観ると前年の果実もたくさんついていて、観察のチャンスなのだが、ついパスされてしまいがちだろう。


ところで、ハンノキの雌花穂は何かに似ている。
そう。マツの雌花だ。
ハンノキの花から果実_d0163696_19272435.jpg
これはクロマツの雌花穂。
一見するとハンノキの雌花穂によく似ている。
マツは裸子植物、ハンノキは被子植物で、系統分類ではかけ離れた植物なのだが、ふしぎに似ている。

ハンノキの花から果実_d0163696_19273172.jpg
こちらはアカマツの雌花穂で、まさに開花の真っ最中。
下から覗くように観ると違いがわかる。
ハンノキでは雌しべの柱頭が顔を出していたが、マツは雌しべがなく、開いた種鱗があるだけだ。
種鱗のつけ根には胚珠があるが、この写真では確認できない。
やがて胚珠が膨らみ、種子になるのだが…

さて、ハンノキの雌花穂はどうなるか。
ハンノキの花から果実_d0163696_19273858.jpg
これはごく若い果実。(2017年5月21日撮影)
やっぱり松ぼっくりに似ている。

さらに成長すると…
ハンノキの花から果実_d0163696_19275164.jpg
ますます松ぼっくりに似てきた。
上の写真は7月1日の撮影。
よく観ると、このときに雄花穂と雌花穂のつぼみができていることにも注目したい。

ハンノキの花から果実_d0163696_19280630.jpg
11月はじめのハンノキの果実。
最後まで松ぼっくりに似ている。
松ぼっくりは球果というが、ハンノキは球果ではなく果穂となる。

ハンノキの果穂から散らすのはこれ…
ハンノキの花から果実_d0163696_19281560.jpg
種子のように見えるが、正しくは果実(堅果)だという。
マツの松ぼっくりから散るのは種子だが、ハンノキは果実を散らすのだ。

その成り立ちから、子房に由来するのが果実で、種子は胚珠が成長したものだという。
果実か種子かは難しい。われわれ素人にはややこしい話である。

ちなみに、ハンノキの果穂は果実を散らしたあとも長く残る。
ハンノキの花から果実_d0163696_19282261.jpg
上の写真は7月の撮影で、今年できた若い果実(左)と、役目を終えた前年の旧い果実(右)が同時に観られる。


余談ですが…

季節の生きもの観察手帖」は立春からはじまる。
生物季節の新しい年がはじまるのだ。
季節情報の2月4日~7日を開くと、
●オオイヌノフグリ開花
●ウソ桜の花芽をついばむ
…といった情報が掲載されている。
さらにハンノキの花、ロウバイが開花盛期、シナマンサクが開花はじめ、などと書き込んだ。
観察に忙しくなる季節である。

2019年2月6日、報告:自然観察大学 事務局O




by sizenkansatu | 2019-02-06 19:34 | 植物 | Comments(0)

ハンノキの花芽~開花を観察

1月20日の観察記録。
この日から“大寒”。一年で最も寒い季節とされ、二十四節気の最後にあたる。
しかしこの日の千葉県は予想外に暖かく、観察日和だった。

さて、1月20日のハンノキ。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19585369.jpg
これが花芽というか、つぼみである。
枝先から垂れ下がった大きいのが雄花序、画面上方、枝の少し手前にある小さいのが雌花序だ。
ハンノキの花は見た目は地味だが、なかなか味わい深い。

厳冬期のことであり、ほとんどがこの冬芽の状態であったが、ひと株だけ開花したハンノキを見つけた。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19590286.jpg
雄花が開花すると葯が顔を出して全体が黄色っぽくなる。
全体の長さも、ずいぶん伸びている。
同じ枝の雌花はワックスがはがれはじめているが、未だ開花はしていない。
雄性先熟で自家受粉を避けるということだろう。

一年前の2月下旬に撮った開花の写真はこれ。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19591142.jpg
どうです。なかなかGoodでしょう。
可愛い姿であるが、これこそ機能美なのである。
花といっても花弁はなく、鱗片の間から雌しべの柱頭を出すだけ。
風媒花なので、飾ったりする必要がないのだ。

雄花も拡大して撮っていた。
ハンノキの花芽~開花を観察_d0163696_19591861.jpg
黄色いのが葯。
こちらも機能を追求したシンプルな花だ。

果実についてはまた改めてご報告させていただこう。


余談ですが…

ハンノキが花粉を飛ばすところを撮るように言われている。
この日(1月20日)、試しに雄花序をつついてみたが、わずかに飛散が確認できた程度で、とても写真にできるような量ではなかった。開花盛期に改めてチャレンジするつもりだが、撮影は難しそうだ。

同じ風媒花でも、スギやマツにくらべると圧倒的に花粉の量は少ないらしい。
ハンノキも花粉症の原因を疑われているようだが、はたしてどうだろうか。

2019年1月24日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2019-01-24 20:02 | 植物 | Comments(0)

ハンノキの冬芽の観察

ハンノキの冬芽の動きを観察した。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17170816.jpg
これは10月半ばの冬芽。
光沢があるのはワックスでおおわれているため。
ハンノキは裸芽とされるが、裸芽といえども素裸ではないことがわかる。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17171735.jpg
こちらは11月はじめの冬芽。
褐色が濃くなっている。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17172582.jpg
12月下旬の冬芽。
さらに色濃く、引き締まった印象だ。
冬芽のつけ根にあった葉が落ちて、葉痕が観える。

さて、冬芽が堅いワックスで守られているのはよいのだが、このあと芽吹きのときは果たしてどうなるのだろう。
暖かくなるとワックスが溶けるのか、それとも…
その成り行きに、一人しずかに興味を持ったのであった。

なお、この観察記録は2018年末まで複数年にわたる写真だ。
同じ冬芽ではないことはもちろん、私の気まぐれで撮影倍率も異なることは、ご容赦いただきたい。


話をもとに戻そう。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17173441.jpg
年が明けて1月半ばの冬芽。
ワックス層にひびが入ってきた。(やっぱり!)

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17174323.jpg
つぎは2月はじめ。
まだ大きな変化はない。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17175174.jpg
3月の中旬、いよいよ活発に動き出した。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17175882.jpg
同じ日の別の冬芽。
芽が膨らむとき、ワックス層は細かく割れる。

外側の葉は、展開することないようだ。
裸芽は芽鱗がないのだが、外側の葉が芽鱗のような役割をするのだろう。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17180914.jpg
3月下旬から4月にかけては、芽吹きのラッシュだった。
葉裏に残るワックスのかけらが、冬芽のときの名残だ。

念のためハンノキの全形はこちら。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17182093.jpg
湿地のようなところにも先駆的に広まる。
シラカンバなどと同じカバノキ科とされる。


3種の冬芽

ところで、ハンノキには3種の冬芽がある。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17182983.jpg
冬芽と言っていいのかどうかわからないのだが、この枝にその3種がそろっている。
わかりにくいので、それぞれ拡大してみよう。
ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17183633.jpg
枝の下の方にあるのがこれ。
すでにおなじみの葉芽(ようが)である。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17185148.jpg
枝先にあるのは雄花序。
これを冬芽と言ってよいのかどうかわからないが、葉芽同様にワックスでおおわれている。

ハンノキの冬芽の観察_d0163696_17190370.jpg
こちらは雌花序。
雄花序と葉芽の間の位置にある。

雄花と雌花がこのあとどうなるのか、それは近日中にご報告させていただくことにしよう。

これは9月1日の撮影。この時期にはすでに冬越しの準備をしていることに驚かされる。
ずぼらな人間に比べて、なんと計画的なくらしぶりだろう。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

2018年12月27日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-12-27 17:24 | 植物 | Comments(0)

清水公園のメタセコイア

清水公園のメタセコイア

11月半ばに野田市の清水公園に行ってきた。
樹木の観察に適した、とても立派な公園なのだが、なんと私営だそうである。

その一角に、立派なメタセコイアがあった。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12520767.jpg
単独で植えられていて、まわりに邪魔するものがないので下枝が盛大に張り出している。
自然な状態ではこのような樹形になるということなのだろう。
剪定されることもなく、のびのびと育っているためか、花穂がたわわについている。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12521413.jpg
いまの時期はまだつぼみ。
下枝までつぼみがあるので、目の高さで間近に観察できるのがありがたい。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12522202.jpg
来年の2月にはどれだけたくさんの花をつけるのか。
このあと、雌花が出てくるのかどうか、たのしみである。
お近くの方はぜひ注目して観察していただきたい。
※ メタセコイアの花から実へは次で観察記録をご覧いただけます  
ところで、ふしぎなことに、このメタセコイアには球果が見つからなかった。
これはどういうことなのだろうか。


ところ変わって、私がいつも見ている柏の葉公園のメタセコイアでは、今年はたくさんの球果がついている。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12523394.jpg
昨年は園内を探し回っても、ほんの少ししかむつからなかったのに、今年はいたるところで見かけるのだ。
清水公園のメタセコイア_d0163696_12523914.jpg
どうも隔年結果の性質があるように思われる。

同じことはラクウショウでも観察される。
昨年たくさんの実をつけたラクウショウだが、今年は格段に少ない。
…ということは、来年の早春には、ラクウショウの花が見られるのかもしれない。
これもまた、たのしみである。

2018年11月21日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2018-11-20 12:56 | 植物 | Comments(0)

冬芽から何が出るか

この写真が何の冬芽か、おわかりになるだろうか?
冬芽から何が出るか_d0163696_19533994.jpg
かわいらしい、面白い形をしている。
東京都内の植物園の、9月下旬に撮ったものである。

答えはニガキの冬芽。
わかったあなたは、たいしたものだ。おそれいります。
ふだんから熱心に観察しておられることと思う。
私など、冬場は名札がないとお手上げだ。たとえ全形があったとしてもである。

さて、詳しく観察しよう。
この冬芽は芽鱗のない、いわゆる裸芽である。
先端の大きな冬芽(頂芽)と、葉柄のつけ根に小さな芽(腋芽)がある。
頂芽では、ひだのあるのが葉で、それに包まれている粒々の部分は花序になるのだろう。
腋芽は形から見ても、葉が出るだけと思う。
冬芽から、翌春の成長した姿を思い浮かべるのもたのしい。

それにしても、
冬芽とはいうものの、猛暑の続く9月には、すでに冬越しの準備がなされている。
そして、新葉や花の原型ができ上がっているとは、驚くべきことだ。

つぎの写真も、同じニガキの別の冬芽。
冬芽から何が出るか_d0163696_19541054.jpg
頂芽の脇にとび出しているのはおそらく花序になる。
丸裸の状態で寒い冬を越せるのか、ちょっと心配だ。
さて、
これらの冬芽が、春にはどんなふうに展開するのか。
これからのたのしみな課題である。


ちなみに、春のニガキはこれ。(今年の4月下旬に撮影)
冬芽から何が出るか_d0163696_19544079.jpg
ニガキは雌雄異株で、上の写真は雄花序をつけた雄株だ。

つぎは雌花。
冬芽から何が出るか_d0163696_19551039.jpg
なかなかキュートである。
花弁はなく萼が4つ。
雌しべの柱頭は4つに分かれ、付け根の子房も4つに分かれている。(この時点でけっこう膨らんでいる。)
雄しべも4つあるが、雄花に比べると退化して貧弱だ。


余談ですが…
このところ「タグ」をつけるようになった。
じつはこれまでタグの機能を理解してなかったのだが、使ってみるとたいへんに便利なことがわかった。
例えば、この記事の「冬芽」というタグをクリックすると、冬芽に関するこれまでの記事がまとめて表示されるのだ。
長いことブログをやっているのに、はじめて知った。
お恥ずかしい話である。

2018年10月12日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-10-12 20:00 | 植物 | Comments(0)

御嶽山のレンゲショウマ

御嶽山のレンゲショウマ_d0163696_19135432.jpg
まだ開きかけのレンゲショウマ。
ごく薄い紫色に、花弁の先にはちょっと濃いめの縁どり。
丸いつぼみが、また好い。

一見するとスイセンにも似た花だが、葉や茎はまったく違う。
キンポウゲ科レンゲショウマ属。一属一種だそうだ。
もう少し開いた花を見つけて撮っていると…
御嶽山のレンゲショウマ_d0163696_19140530.jpg
ハナバチがやってきた。
御嶽山のレンゲショウマ_d0163696_19141233.jpg
たぶんマルハナバチの一種だと思う。(ちょっとピンぼけ)
暑さに負けず、元気いっぱいだ。

写真は7月21日に御嶽山で観たときのもの。
この時点では開花がはじまったばかりで、離れたところにポツリ、ポツリと花がある程度だった。
御嶽山のレンゲショウマは9月まで続くという。
興味のある方にはお勧めしたい。
いまなら、タマアジサイも満開かも。

こちらはロックガーデンへ向かう途中の沢。
御嶽山のレンゲショウマ_d0163696_19142199.jpg
写真は涼しげだが、山上まで暑い日であった。
この日は、あまりの暑さに大事をとって、ここから引き返して温泉に下山した。
今年の暑さは生命にかかわるほどで、無理は禁物である。


なかなか投稿できません


前回の投稿から、なんと3か月近く経過してしまった。
これまで、なんとか1か月遅れで投稿できていたのだが…
このところ膨大な量の観察・撮影をしているため、整理が追い付かないのだ。
今回はレンゲショウマの魅力にひかれて緊急に投稿させていただいた。
(それでも約10日遅れ!)

2018年8月2日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-08-02 19:17 | 植物 | Comments(0)

スギの花

いつも遅い報告で申し訳ないが、3月はじめのスギの花である。
スギの雄花が花粉を出していた。
スギの花_d0163696_16450001.jpg
風媒花で、鱗片のすき間から、ごく小さな、大量の花粉を散らす。
これが花粉症のもとになるという。

苦しんでいる方には気の毒なことであるが、しかたがない。
スギには罪はないのだ。

遠目に観たスギの花は、お世辞にも綺麗とは言い難い。
スギの花_d0163696_16451000.jpg
冬の間は赤く、それも枯れたような褐色になる。
スギの花_d0163696_16451840.jpg
拡大して観よう。
スギの花_d0163696_16454430.jpg
こちらの雄花は、まだ花粉を出してはいない。

切ってみると、中の袋に多量の花粉が準備されていた。
スギの花_d0163696_16455319.jpg
花粉症の方々には悪魔のように見えるのだろうか。

さて、次は雌花だ。
スギの花_d0163696_16460097.jpg
ちょっと見ただけではわかりにくいが、下向きの枝先に雌花がある。
下から覗きこむようにしながら拡大して観ても…
スギの花_d0163696_16460933.jpg
やっぱり花らしく見えないのだが、よく観ると鱗片の間に水滴のようなものがあった。
この滴は受粉のためのものだという。(画像のクリックでさらに拡大)

雌花も切ってみた。
スギの花_d0163696_16461808.jpg
胚珠から液体が出ているのがわかる。(画像のクリックでさらに拡大)
これが受粉滴と言うものだろう。

ところで、スギの葉の一枚は、どこにあたるのか。
長さ1cmほどの針のような部分、これが一枚の葉だ。
あらためて本稿の一枚目の写真を観ると、枝先に向けて葉がだんだん短くなって、そのまま鱗片へと連続している。

こうしてみると、
“花はシュートが変化したもの” まさにそのことが観てとれる。
なお、スギの葉序はらせん状で、この鱗片もらせんに並ぶという。
(確かめてはいないが…)

裸子植物は原始的とされるが、飾りのない機能に徹した姿だ。
これをすがすがしいと観るか、それともしたたかと観るか…

2018年3月29日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2018-03-29 16:50 | 植物 | Comments(0)

立春のロウバイ

2月4日は久しぶりに暖かい日で、立春らしい日であった。
この日、水元公園ではロウバイが満開だった。
立春のロウバイ_d0163696_17532618.jpg
大勢の人が通りがかりに足を止め、においをかいだり、写真を撮ったりしていた。

昨年「季節の生きもの観察手帖」が発刊されてから、二十四節気・七十二候を気にしながら観察している。
新しい年の始まりに、満開のロウバイを観られるとは、なんとうれしく、ありがたいことだろう。

別の場所ではあるが、今年の1月7日にロウバイの花を観ていた。
それからおよそ一か月である。ずいぶん長い間咲いているものだ。

ところで、
ロウバイは花の中心部が赤く見えるというが、この花はどうだろうか。
立春のロウバイ_d0163696_17533889.jpg
何となくソシンロウバイ(花の中心部も黄色い)っぽい気がする。
庭園樹でもあるロウバイは、いろいろなタイプがあるのだろう。
ややこしいことだ。
※ ロウバイとソシンロウバイは次で紹介しています。 
  ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/23789102/ 

植物生態学部S子さんへ(事務連絡/再)
以前このブログに投稿いただいていたS子さんの連絡先がわからなくなりました。
事務局OのPC故障によりアドレス帳が紛失したためです。
S子さんにお願いしたいことがあります。一度事務局へご連絡いただければありがたいです。
急ぎませんので、いつでもお待ちしております。

2018年2月6日、報告:自然観察大学 事務局O





by sizenkansatu | 2018-02-06 17:58 | 植物 | Comments(0)

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