人気ブログランキング |

自然観察大学ブログ

2019年 02月 06日 ( 1 )




ハンノキの花から果実

まずは前回の続きで、ハンノキの雌花穂のつぼみ。
d0163696_19265973.jpg
ワックスでコーティングして、厳しい寒さを耐えている。
雌花はふつう2月初めころに開花する。
d0163696_19270919.jpg
花といっても、鱗片の間から柱頭を出すだけのシンプルな花だ。
前回の記事もご覧いただきたい)

上の写真は一昨年の2月4日に撮影している。
そう。立春の日だ。
自然界の元旦、生物のお正月とも言える立春に開花するとは、なんと折り目正しいことだろう。

ちなみに、この時期のハンノキの全形はこれ…
d0163696_19271790.jpg
盛大に開花しているのだが、遠目に派手さはない。
よく観ると前年の果実もたくさんついていて、観察のチャンスなのだが、ついパスされてしまいがちだろう。


ところで、ハンノキの雌花穂は何かに似ている。
そう。マツの雌花だ。
d0163696_19272435.jpg
これはクロマツの雌花穂。
一見するとハンノキの雌花穂によく似ている。
マツは裸子植物、ハンノキは被子植物で、系統分類ではかけ離れた植物なのだが、ふしぎに似ている。

d0163696_19273172.jpg
こちらはアカマツの雌花穂で、まさに開花の真っ最中。
下から覗くように観ると違いがわかる。
ハンノキでは雌しべの柱頭が顔を出していたが、マツは雌しべがなく、開いた種鱗があるだけだ。
種鱗のつけ根には胚珠があるが、この写真では確認できない。
やがて胚珠が膨らみ、種子になるのだが…

さて、ハンノキの雌花穂はどうなるか。
d0163696_19273858.jpg
これはごく若い果実。(2017年5月21日撮影)
やっぱり松ぼっくりに似ている。

さらに成長すると…
d0163696_19275164.jpg
ますます松ぼっくりに似てきた。
上の写真は7月1日の撮影。
よく観ると、このときに雄花穂と雌花穂のつぼみができていることにも注目したい。

d0163696_19280630.jpg
11月はじめのハンノキの果実。
最後まで松ぼっくりに似ている。
松ぼっくりは球果というが、ハンノキは球果ではなく果穂となる。

ハンノキの果穂から散らすのはこれ…
d0163696_19281560.jpg
種子のように見えるが、正しくは果実(堅果)だという。
マツの松ぼっくりから散るのは種子だが、ハンノキは果実を散らすのだ。

その成り立ちから、子房に由来するのが果実で、種子は胚珠が成長したものだという。
果実か種子かは難しい。われわれ素人にはややこしい話である。

ちなみに、ハンノキの果穂は果実を散らしたあとも長く残る。
d0163696_19282261.jpg
上の写真は7月の撮影で、今年できた若い果実(左)と、役目を終えた前年の旧い果実(右)が同時に観られる。


余談ですが…

季節の生きもの観察手帖」は立春からはじまる。
生物季節の新しい年がはじまるのだ。
季節情報の2月4日~7日を開くと、
●オオイヌノフグリ開花
●ウソ桜の花芽をついばむ
…といった情報が掲載されている。
さらにハンノキの花、ロウバイが開花盛期、シナマンサクが開花はじめ、などと書き込んだ。
観察に忙しくなる季節である。

2019年2月6日、報告:自然観察大学 事務局O




by sizenkansatu | 2019-02-06 19:34 | 植物 | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

最新の記事

最新のコメント

> take_it_ea..
by sizenkansatu at 20:13
ツユクサもだいぶ進化した..
by take_it_easy at 20:15
> なおぼんさん コメ..
by sizenkansatu at 13:33
イヌホウズキはよく見ます..
by なおぼん at 13:47
> 飛行機雲さん コメ..
by sizenkansatu at 20:24

検索

ブログジャンル