自然観察大学ブログ

2018年 05月 08日 ( 1 )




タケウチトゲアワフキ

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タケウチトゲアワフキ。なんともかっこいい。
背中の長大なとげは絶妙なカーブを描き、付け根の斑紋も粋でいなせな装い。
丸い頭とつぶらな瞳もGood。
体長5mm程度と小さめだが、ネットでもひそかに話題になっている人気の虫のようである。

ちょっと近づくと、ピンッ、と跳ねる。
上の写真で後脚をたたんでいるが、この脚で跳ねるのだろう。
ネットでは “あまり動かない虫”と記されていたが、このときは気温が高かったためか、かなり活発な虫であった。

地域によっては絶滅危惧種になっているようだが、ここでは多数の個体が観られた。
観察しているときに、上空からポツッポツッと雨粒のようなのが降ってきたのだが、それは彼らが跳ぶとき放つオシッコらしい。
トゲアワフキムシ科は半翅目だから、セミのオシッコと同じなのだろう。
私の顔は樹冠下でシッコまみれになっていた。(ちょっと大げさ)

この虫を見つけた経過をご報告しよう。
はじめて観たのは、いつもの公園のシナノキの樹上である。
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シナノキは花序のつけ根に抱葉があり、面白い形をしている。(2017年6月撮影)
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抱葉は果実のときまで残る。風に乗って種子散布をするのだろうか。(2017年7月撮影)

そんなシナノキの観察の中で、この虫に出会ったのであった。
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冬芽のそばに鳥の糞のようなものが付着していた。
どの芽も同じような状態なので、糞を取り除こうとしたら、中から虫が出てきた。
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アワフキムシの仲間の幼虫らしく、裸にされて驚いた彼らは、すぐに泡の製造を開始した。
尻を高く掲げるのはそのための体制なのであろう。

※ アワフキムシについては「アワフキムシと人間観察」をご覧いただきたい。
 ⇒ https://sizenkan.exblog.jp/13694948/ 


タケウチトゲアワフキの場合は、泡が固化して、堅牢な巣になる。
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このような筒の中にいて、枝から樹液を吸い続けるのだ。
下向きの先端はふたがなく、ここから排泄物を落とすのだろう。

帰宅して調べてみると、この巣はタケウチトゲアワフキであることがわかった。
成虫は図鑑などで見て知っていたが、実物は観たことがなく、あこがれの虫であった。

昨年秋に幼虫を見つけて以来、成虫の出現を待っていた、というわけである。
そのかいあって、彼らの雄姿を観ることができたのである。
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それにしても、この角はどんな役割があるのだろう。
小楯板が変化したものということだが、何かの擬態なのだろうか…

2018年5月8日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2018-05-08 13:02 | 植物と虫 | Comments(0)

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