自然観察大学ブログ

2010年 12月 13日 ( 1 )




カメムシの吸蜜

12月7日のブログを見て、私の考えを記させてもらいます。
カメムシはたぶん吸蜜をするだろうと思っています。というのはアブラムシがたくさん発生しているところにチャバネアオカメムシが居たり、本来寄主植物ではない植物の花に居たりすることがあるからです。

オオキンカメムシのこと
以前、夏の四国山地のサンショウの花で、オオキンカメムシを見たことがあります。
オオキンカメムシの寄主植物はアブラギリ(シナアブラギリを吸汁することもある)で、繁殖には果実が必要です。アブラギリが果実を着けるのは夏から秋にかけてであり、この時期に繁殖した個体は晩秋に越冬地(主に海岸部の照葉樹)に移動します。この時期四国山地を高知県側に越えている相当数の個体が確認されています。(オオキンカメムシは年1世代)
前述したサンショウのオオキンカメムシは、逆に越冬地から繁殖地へ移動していた個体ではないかと思われます。アブラギリは唐傘の紙に塗る油を採るため栽培されていたもので、何処にでも普通にある木ではないからです。
オオキンカメムシの移動能力は高く、かつて北アルプスの雪渓上で見つかったとの報告もあります。繁殖地から越冬地、そして再び繁殖地に向かうという移動には、やはりそれなりにエネルギーの補給が必要で、それにはアブラムシの甘露(排泄物)や花の蜜が良いエネルギー源なのではないかと、私は考えています。
あくまで推測の域を出ませんが、オオキンカメムシのように寄主範囲が狭く、繁殖時期が限られているカメムシにとって、花の蜜や甘露は絶好のエネルギー源になっているのではないかと思っています。
d0163696_16553629.jpg
写真はミカン類の花についたオオキンカメムシ成虫。(川村満氏撮影。フィルムからのスキャニングなので品質劣化はご容赦ください)

ところで…
ウスモンミドリカスミカメは我が家の庭の野菊や春菊にたくさんいます。春菊では生長点部を加害していますが、野菊では花上にいるのがよく目に付きます。前回のブログに掲載されているように筒状の花に口器を刺している個体もいれば、下の写真のように未開花のものに口器を刺している個体も見られます。
d0163696_16562751.jpg

d0163696_1657223.jpg
こちらの植物はキク科のレタスです。
ウスモンミドリカスミカメにとってキク科植物は繁殖植物であり、蜜を吸わなくてもよいわけですが、開花期には花に多く見られることから、栄養価の高い部位を選んで吸う可能性も考えられるのではないでしょうか。栄養成長期には生長点部、開花期には花蕾部を好んで吸っているように思います。開花期には蜜を吸うことも多分にありそうです。

以上、カメムシの吸蜜についていろいろ書きましたが、あくまで推測で、全く確証はありません。

2010年12月13日、報告:高井幹夫(自然観察大学 土佐支部長)
[PR]



by sizenkansatu | 2010-12-13 16:59 | 昆虫など | Comments(3)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新の記事

スギの花
at 2018-03-29 16:50
立春のロウバイ
at 2018-02-06 17:58
「季節の生きもの観察手帖」ト..
at 2018-02-05 18:39
ハクウンボクの冬芽
at 2018-01-25 18:40
ラクウショウとメタセコイアを..
at 2017-12-20 13:03

最新のコメント

> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 12:44
こんな感じの本が欲しかっ..
by チョコ at 14:10
鈴木裕子さん、コメントあ..
by sizenkansatu at 15:19
日経新聞で冬の雑草の記事..
by 鈴木裕子 at 19:35
アレチヌスビトハギ 最悪..
by EVIS at 15:16

検索

ブログジャンル