テントウムシの話
だいぶ間が空いてしまったが、予告どおりテントウムシについてまとめてみたい。
ナナホシテントウ
参考:ヤブガラシの観察-4 性転換する花 ⇒
反射出血というもので、臭くて苦い汁とされる(舐めたことはない)。
テントウムシ類は全般にこの裏技があり、捕食者に襲われにくいという。
参考:セイタカアワダチソウの訪花昆虫(5) ⇒
ナミテントウ
ナナホシテントウが草本につくアブラムを食べているのに対し、ナミテントウは遅れて萌芽する樹木のアブラムシを喰うことが多いようだ。
ナミテントウは体色や斑紋の数と形に変化が多い。
4つの斑紋(↑)と12個の斑紋(↓)。
こちら(↓)のナミテントウは18個。
ナミテントウなどの捕食性のテントウムシは共食いをする。
早く孵化した幼虫は、孵化の遅れた卵を喰ってしまうのだろう。



ナミテントウなどの捕食性のテントウムシは共食いをする。

参考:テントウムシの共食い ⇒
テントウムシの脚の裏を観る
テントウムシはつるつるのガラス面を自在に歩くが、脚の裏はどうなっているのか?
微細な毛がびっしりとつき、そこに液体を分泌しているのがわかる。
ネットで調べてみると、これに関する研究成果が紹介されていた。
何パターンかの微細な毛と分泌液でガラス面に貼りつき、しかも固着することなく素早く歩くことができるのは、分子間力(ファンデルワールス力)によるのだという。
● テントウムシ脚裏の接着原理を解明(国立研究開発法人 物質・材料研究機構) ⇒
余談ですが…
写真は痛みをこらえてなんとか撮ったもの。
肉食とはいえ、私の指を喰うとは驚いた。
私の手にアブラムシの匂いか何かがあったのだろうか。
幸い噛みあとから出血するようなことはなく、このあとナミテントウの脚をピンセットでつまんで固定し、裏の毛を接写させていただいた。
そのほかのテントウムシ
ナミテントウでは斑紋の数に著しい個体差があったが、ほかのテントウムシ類では種ごとに数が決まっていて、それによって命名されているものがある。2,4,6,10,12,13,14,28があるようだ。
テントウムシ科では日本で180種が知られているそうだが、手元に写真がある何種かを載せておこう。
トホシテントウ(斑紋10個)
シロジュウシホシテントウ(斑紋14個)
キジラミなどを喰う肉食。
ニジュウヤホシテントウ(斑紋28個)
ずいぶん前に、この食痕のできるメカニズムを観察したので、よろしければご覧いただきたい。
● ニジュウヤホシテントウ -食痕の謎を解く- ⇒
なお、形態も生態もよく似たオオニジュウヤホシテントウというのもいる。
キイロテントウ
各種植物につくうどん粉病菌を喰う菌食。
ムネアカオオクロテントウ
10年ほど前に確認された外来種で、クズのマルカメムシなどを喰う肉食。
前翅は黒色での光沢がすごいので、写真では私のカメラが映り込んでいる。
2026年3月16日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
………………………………………………………………
自然観察大学からのお知らせ
参加者募集中
2026年自然まるごと観察会(1,2,3回)
ミニ観察会/サギやカワウのコロニーを観察しよう
ミニ観察会/新緑の新宿御苑で植物観察をたのしもう
by sizenkansatu
| 2026-03-16 18:52
|
Comments(4)
今晩は。
テントウムシの種類、そんなに種類が有るとは、葦の詳細、食べ物、共食い他、大変面白く勉強になりました。
顕微鏡で撮影したような凄い詳細部分の解像度、ピント合わせ、絞りを絞って、SSを遅くして、マニュアルでしょうか。
私の拙いブログなど、恥ずかしくて困りました。
ご返事は結構ですので、有難う御座います。
テントウムシの種類、そんなに種類が有るとは、葦の詳細、食べ物、共食い他、大変面白く勉強になりました。
顕微鏡で撮影したような凄い詳細部分の解像度、ピント合わせ、絞りを絞って、SSを遅くして、マニュアルでしょうか。
私の拙いブログなど、恥ずかしくて困りました。
ご返事は結構ですので、有難う御座います。
> mrtnszさん
コメントありがとうございます。
テントウムシ科は形態はどれも似ていてますが、食性が多様なのがおもしろいです。
一つの科に肉食、植物食、菌食があるというのは驚きです
そちらのブログこそ、素晴らしい写真でいつも感嘆しております。
私には望遠系のレンズがないので垂涎の的です。
こちらの接写は旧いフィルムカメラ用のレンズを使っています。
脚の裏を撮ったレンズはその中でいちばん高倍率のもので、 解像度はよいのですが、絞り込むとがっくり落ちるので、f4で撮っています。
今のデジカメに装着して、ストロボを使用して比較的簡単に撮影可能です。
コメントありがとうございます。
テントウムシ科は形態はどれも似ていてますが、食性が多様なのがおもしろいです。
一つの科に肉食、植物食、菌食があるというのは驚きです
そちらのブログこそ、素晴らしい写真でいつも感嘆しております。
私には望遠系のレンズがないので垂涎の的です。
こちらの接写は旧いフィルムカメラ用のレンズを使っています。
脚の裏を撮ったレンズはその中でいちばん高倍率のもので、 解像度はよいのですが、絞り込むとがっくり落ちるので、f4で撮っています。
今のデジカメに装着して、ストロボを使用して比較的簡単に撮影可能です。
今日は早速「反射出血」を見てみたくて、朝、一匹のテントウムシを捕まえました。透明なプラスチックのケースに入れて、金属の針で刺激を与え続けていたのですが、十分ほど経ってようやくケースの表面にほんの少しだけ薄い黄色の液体が見られました。しかし、どこから分泌されたのかはまったくわかりませんでした。肉眼で見る限り、脚の付け根には液体のようなものはなかったように見えました。このままもう少し試してみたのですが、なかなかうまくいかなかったので、諦めてしまいました。
> cflcflさん
反射出血、私も気になってしまいました。
これを観たのはずいぶん前なので、ほんとうに脚のつけ根だったのかどうか…
もう一度チャレンジしてみようと思います。
ありがとうございました。
反射出血、私も気になってしまいました。
これを観たのはずいぶん前なので、ほんとうに脚のつけ根だったのかどうか…
もう一度チャレンジしてみようと思います。
ありがとうございました。
最新の記事
| 残念ながらからぶりだった“吉.. |
| at 2026-04-09 22:19 |
| セツブンソウの自生地を観てきた |
| at 2026-04-02 09:54 |
| 雑木林のどんぐりの芽生え |
| at 2026-03-25 22:04 |
| テントウムシの話 |
| at 2026-03-16 18:52 |
| すこしだけ春の気分 |
| at 2026-03-03 23:04 |
最新のコメント
| 「警戒心が強く、近づくと.. |
| by cflcfl at 14:09 |
| すみませんでした。どうし.. |
| by cflcfl at 13:50 |
| > cflcflさん .. |
| by sizenkansatu at 23:33 |
| ネットで調べたところ、ク.. |
| by cflcfl at 14:10 |
| > shizenkaze.. |
| by sizenkansatu at 22:13 |



















