ゴキヅルの観察
10月はじめのゴキヅル。(いまごろすみません)
ゴキヅルはウリ科ゴキヅル属のつる植物。
どこでも見られるというものではないようだが、江戸川べりではそこかしこに見られる。
上の写真は波消しブロックの上に広がっているゴキヅル。
本来は巻きひげを他物に絡ませるが、絡むものがなくても旺盛につるを伸ばすようだ。
葉は互生で、葉腋に花序と巻きひげがつく。
巻きひげは例の“飴玉巻き”だ(ヤブガラシの観察-1 成長と巻きひげ ⇒ )。
ゴキヅルの花序と雄花と雌花
この雌花はすでに花の時期を終えている。
花弁はその内側に並び、がくよりも少し短いのがふつうのようだ。
雌花の雄しべは退化しているというが、見たところでは花粉を出しているようだ。雌花ではなく両性花といった方がよさそうだ。
なお、私の観た雌花は雄花にくらべると花冠(がく片と花弁)が小さかったのだが、そのような記述は見られないので、特殊な例なのかもしれない。
さて、上の雌花の写真から、もう一つわかることがある。
雌花が咲いていて、ほかの雄花(たぶん)はまだつぼみということだ。
一つの花序では、まず雌花が咲き、遅れて雄花が咲くということになる。
雌花が先に咲くことは前掲の花序の写真(5番目のカット)で、雌花だけがすでに終わっていたことからもわかる。
花序にはまだたくさんのつぼみがあるが、おそらくそれらは雄花なのだろう。
雄花と雌花に関して、ネットで調べていて花序のつくりで気になることがあった。
以下は細かなことなので適当にスルーしていただきたい。
雌花が雄花序とは別に単独でつく(1)のか、それとも雌花は花序のもとのほうにつく(2,3)のか、記載が食い違っている。
ここまでの写真から①が正しいように思えたのだが、私の観察では両方のパターンがあるようだ。どちらの記載も正しいが、どちらも言い足りないということになる。
ゴキヅルの果実
たしかに蓋つきの器に見える。
蓋に当たるところにはいがいがの突起があり、お椀に当たる方は滑らか。
このようなつくりはどうしてできたのか?
毛はのちに落ちて、こぶ状の部分が蓋の突起になると思われる。
上の雌花の写真は子房の先が見えているが、先端付近は滑らかで突起はない。
ゴキヅルの葉の形
どうも蜜腺ではないような気がする。
葉脈を伝わってきた水分や栄養分を溜めているのだろうか。
ネットで調べてもこの突起について記されているものはなかった。
ご存じの方はご教示いただけるとありがたい。
2025年11月2日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
ご注意:参加申込みの際は質問への回答とルールへの同意が必須です
by sizenkansatu
| 2025-11-02 16:15
| 植物
|
Comments(17)
ゴキヅル!
初めましてです
パカッと割ってみたいです(*^^*)
初めましてです
パカッと割ってみたいです(*^^*)
> wabisuke-miyakeさん
コメントありがとうございます。
おもしろい果実ですよね。
西日本の方が多いそうですので、川べりなどを探すとみつかると思います。
果実は少しずつ静かに開いてくるので “パカッ” という音はしませんが…
コメントありがとうございます。
おもしろい果実ですよね。
西日本の方が多いそうですので、川べりなどを探すとみつかると思います。
果実は少しずつ静かに開いてくるので “パカッ” という音はしませんが…
ゴキヅルの葉にある突起は正式な資料などはありませんが30年ほど前から思っていたのは他の植物に絡みつく時のスパイクのようなものじゃないかと思っていました~
単なる私の考えなので参考にはなりませんが思い出したので書きました~
単なる私の考えなので参考にはなりませんが思い出したので書きました~
ウィキペディアによりますと、「ゴキヅルの種子は果実の蓋が外れることで落下するが、コルク質で水に浮くことが出来、それによって散布される」(中西弘樹、『タネは旅する 種子散布の巧みな植物』、(2022)、八坂書房)ともありますよね。
> shizenkazeさん
コメントありがとうございます。
なるほどです。まだ川縁にあると思うので、もう一度観てみます。
いろいろ考えるのはたのしいですね。
コメントありがとうございます。
なるほどです。まだ川縁にあると思うので、もう一度観てみます。
いろいろ考えるのはたのしいですね。
> cflcflさん
コメントありがとうございます。
Wikipediaはなんでもかんでも調べてまとめてくれているので、ありがたいです。
聞くところによると、以外に少人数で記事をまとめておられるとか。その労力には頭が下がります。
コメントありがとうございます。
Wikipediaはなんでもかんでも調べてまとめてくれているので、ありがたいです。
聞くところによると、以外に少人数で記事をまとめておられるとか。その労力には頭が下がります。
「蜜腺ではないような気がする」とのことですが、花外蜜腺の可能性はございますでしょうか?🐜
> cflcflさん
可能性はゼロではないと思いますが、私は蜜腺ではないと思います。
じつは今日も見てきたのですが、何かを分泌しているようには見えません。
なお、別のコメントにあった “突起を引っ掛けて絡む” という感じもありませんでした。
ただ、今はもう果実の時期であり、盛んに伸びる成長期ではなくなったので、時期によって違った性質を持つことも考えられます。
可能性はゼロではないと思いますが、私は蜜腺ではないと思います。
じつは今日も見てきたのですが、何かを分泌しているようには見えません。
なお、別のコメントにあった “突起を引っ掛けて絡む” という感じもありませんでした。
ただ、今はもう果実の時期であり、盛んに伸びる成長期ではなくなったので、時期によって違った性質を持つことも考えられます。
なるほど。化学分析といった確かなデータなしには、手がかりを見つけるのが難しいですものね。
緑色のどんぐりがぶら下がっているかのようでかわいいですね。
まだ見たことのないゴキヅル、
ぜひぜひどこかで会いたいです。
まだ見たことのないゴキヅル、
ぜひぜひどこかで会いたいです。
葉の突起について
私が一人で思いついたことですので全く的外れかもしれません。
あしからず・・・
突起は葉脈の先端、ちょうど水孔の場所にあります。
水孔は夜間などに余分な水分を排出する孔です。
この水分排出を「溢液現象」といいます。
この時、水分ばかりでなく栄養塩類、タンパク質、炭水化物も含まれると研究結果がでています。この水溶液が乾くと白っぽい塊となることがあるらしいのです。普通あまり見られませんが新陳代謝が活発で水辺に生えるゴキヅルだったら?と想像してしまいます。
溢液現象はイネ科でよく知られていますが私はワレモコウ(バラ科)で夏、早朝よく見かけます。
露玉ともいわれ、とても美しいです。
私が一人で思いついたことですので全く的外れかもしれません。
あしからず・・・
突起は葉脈の先端、ちょうど水孔の場所にあります。
水孔は夜間などに余分な水分を排出する孔です。
この水分排出を「溢液現象」といいます。
この時、水分ばかりでなく栄養塩類、タンパク質、炭水化物も含まれると研究結果がでています。この水溶液が乾くと白っぽい塊となることがあるらしいのです。普通あまり見られませんが新陳代謝が活発で水辺に生えるゴキヅルだったら?と想像してしまいます。
溢液現象はイネ科でよく知られていますが私はワレモコウ(バラ科)で夏、早朝よく見かけます。
露玉ともいわれ、とても美しいです。
> miyabiflowerさん
果実はかわいいですね。何ものにも似てないところがまた好いです。
ゴキヅルは江戸川べりや支流に点々とありますが、
どこにでもあるというわけではないようで、絶滅が危惧されているとか…
近くの水元公園の一角にもわんさかありますが、立ち入ることのできない場所で、近くで観ることはできません。
果実はかわいいですね。何ものにも似てないところがまた好いです。
ゴキヅルは江戸川べりや支流に点々とありますが、
どこにでもあるというわけではないようで、絶滅が危惧されているとか…
近くの水元公園の一角にもわんさかありますが、立ち入ることのできない場所で、近くで観ることはできません。
> kaya2018さん
コメントありがとうございます。
葉の縁に水滴がつくやつですね。ときどき見かけます。
これが塊になることもあるのですね。
勉強になります。
ただ、ゴキヅルの突起は葉の組織であって、何かの結晶ではないと思います。
まだ間に合うかもしれないので、もう一度見直してみます。
コメントありがとうございます。
葉の縁に水滴がつくやつですね。ときどき見かけます。
これが塊になることもあるのですね。
勉強になります。
ただ、ゴキヅルの突起は葉の組織であって、何かの結晶ではないと思います。
まだ間に合うかもしれないので、もう一度見直してみます。
ちょっとした発想なんですけど、この突起が風で果実とぶつかったり引っかかったりして、種の放出を助ける役立つのではないかと考えたのですが。
> cflcflさん
うーむ。
それはないかも。
質量も硬度もゴキを割るほどのものではないと思います。
うーむ。
それはないかも。
質量も硬度もゴキを割るほどのものではないと思います。
葉の突起について
アドバイスをありがとうございます。
はい、そうですね。分泌物ではなさそうですね。
葉の組織だとすると鋸歯の形成に関係あるでしょうか?
アドバイスをありがとうございます。
はい、そうですね。分泌物ではなさそうですね。
葉の組織だとすると鋸歯の形成に関係あるでしょうか?
> kaya2018さん
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、突起は鋸歯の先端にあります。
ゴキヅルでは鋸歯の無いような葉あるので、突起の有無との関係を確認しておきたいです。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、突起は鋸歯の先端にあります。
ゴキヅルでは鋸歯の無いような葉あるので、突起の有無との関係を確認しておきたいです。
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