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自然観察大学ブログ

オオイヌノフグリ ファンクラブ通信 vol.14

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10月18日にオオイヌノフグリの芽生えを見た。
オオイヌノフグリ ファンクラブ通信 vol.14_d0163696_18203002.jpg
ちょっと遅めなのは、私が発芽を見てなかっただけであって、本当はもう少し早かったと思う。

オオイヌノフグリはこのあと厳しい冬を耐えて、来春に満開となる。
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これは今年3月14日のようす。
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やっぱり春は好い。いまからもう待ち遠しい。


オオイヌノフグリの生活史

この3年間の、オオイヌノフグリの発芽から開花・満開の記録をまとめてみた。
オオイヌノフグリ ファンクラブ通信 vol.14_d0163696_18205210.jpg
毎年いまごろに発芽して、年内に花を咲かせ、翌春に満開となる。
なお、上の表で、記録しているのは今年だけだが、最後に花を確認したのは7月13日であった。

OFC会員No.006のmiyabiflowerさんは、ベランダの鉢植えで継続観察しておられる。
なんとそのオオイヌノフグリは、8月末から現在まで開花・結実を続けているという。
● まだまだ咲きます オオイヌノフグリ秋から夏10 : 風と花を紡いで  

驚きの結果だが、そもそも原産地とされる西アジア・中近東ではどんな生活をしているのか? 知りたいところである。


名前の由来

名前の由来に関して、興味深い情報をいただいた。
OFCに新しく入会いただいた会員No.013のcflcflさんは中国海南省にお住まいだが、現地にオオイヌノフグリはないという。
cflcflさんによると、名前の元になったイヌノフグリの中国名は狗卵草で、中国の有名な薬草書である『本草綱目拾遺』(1765年)には、すでにこの名前が記載されているという。(OFC通信vol.1( )でいただいたコメントより)
狗卵草の音読みはエノコログサに似ているが、こちらの中国名は狗尾草だ。
たしかに、字面からするとイヌノフグリに通じる。
日本でのイヌノフグリの名前は1800年代半ばの『草木図説』に記されているというが、cflcflさんのご指摘のように、もしかすると上記の中国名に由来している可能性がある。

念のため、名前の由来となったイヌノフグリとオオイヌノフグリの果実を載せておこう。
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イヌノフグリ(↑)とオオイヌノフグリ(↓)。
オオイヌノフグリ ファンクラブ通信 vol.14_d0163696_18210689.jpg
オオイヌノフグリの果実は扁平。柄が長く、成長とともに下向きになる。
(実物の大きさはオオイヌノフグリのほうが2まわりほど大きい)

ところで、
前述のcflcflさんのコメントにある“婆婆納”という中国名が気になったので調べてみた。(現在の中国名は婆婆納が主流の由)
語感からして、ちょっと恐ろしい由来を想像してしまったのだが、そうではないらしい。
婆婆納というのは、老婦人(お姑さん)の利用する裁縫道具入れのことだそうだ。中国ではずいぶんかわいらしい裁縫道具入れを利用しているようだ。

※ cflcflさんから中国名について補足をいただきました。コメント欄をご覧ください。(10/26)

オオイヌノフグリファンクラブ(OFC)通信のバックナンバーは欄外のタグ <ファンクラブ> をクリックするとご覧いただける。( )

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2025年10月25日、報告:自然観察大学 事務局 大野透

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by sizenkansatu | 2025-10-25 18:32 | 植物 | Comments(8)
Commented by wabisuke-miyake at 2025-10-26 07:49
こちらでもふわふわっと
オオイヌノフグリの若葉が広がりました
お浸しにしてみたいくらいです(*^^*)
Commented at 2025-10-26 17:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sizenkansatu at 2025-10-26 18:27
> wabisuke-miyakeさん
コメントありがとうございます。
お手数ですが、発芽を見た日がいつだったのか、お教えください。
記録しておきますので。
Commented by sizenkansatu at 2025-10-26 18:30
> 鍵さん
OKだと思います。
じつは拝見したときに記録させていただいております。
ありがとうございました。
Commented by wabisuke-miyake at 2025-10-26 19:36
確か…
10日くらい前だったかと
記録用にしっかり写真押さえとかないといけませんね
これからは気を付けます(*^^*)
Commented by cflcfl at 2025-10-26 20:12
すいません、中国における呼称について補足します。
中国では現在、オオイヌノフグリのことは皆「婆婆纳」と呼びますが、イヌノフグリと区別する場合は、イヌノフグリを「婆婆纳」、オオイヌノフグリを標準名の「波斯婆婆纳」、または外来種であることを示す俗称の「阿拉伯婆婆纳」と呼びます。(「波斯」はペルシャ、「阿拉伯」はアラビアを指します)。
現在ではオオイヌノフグリの方が在来種のイヌノフグリよりもずっと普通に見られるため、元々薬草として用いられていたイヌノフグリの代わりに、オオイヌノフグリが代用(誤用?)されることが多いようです。その効果が同じか、あるいは実際に薬効があるのかどうかは分かりませんが。イヌノフグリにとっては少し寂しいことですよね。
Commented by sizenkansatu at 2025-10-26 20:59
> wabisuke-miyakeさん
了解しました。
だいじょうぶです。きらくにお願いします。
Commented by sizenkansatu at 2025-10-26 21:05
> cflcflさん
ごていねいにありがとうございます。
日本人は几帳面なので、生物種ごとに厳密に和名をつけるが、日本以外のふつうの人たちは細かな種別を気にしないということを聞いたことがあります。
私もそれに賛成です。見た目では区別がつかなくてDNAを調べないとわからないようなものは、分ける必要はないかと…

でも、イヌノフグリとオオイヌノフグリは分けたいですね。

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