江戸川べりの秋2025 江戸川べりの観察-48

10月に入ってから外に出る機会がなかったのだが、快晴の17日にようやく江戸川べりを観に出かけることができた。

秋をたのしみたいので、あまり細かいことは気にせず、50音順に報告させていただこう。

過去の観察記録があるものが多いので、それぞれリンクを記した。よろしければあわせてご覧いただきたい。

アキノノゲシ

秋の野によく目立つ。いまの時期は花と果実を観ることができる。

イヌタデ

● イヌタデとオオイヌタデ 　⇒　

ウラナミシジミ

秋になると飛び交う姿をよく観る。おそらく江戸川べりでは越冬できず、毎年暖かい地方から数を増やしながらやって来ては死に絶えてしまう。

そう考えると、ちょっと恐ろしい。

オオイヌノフグリ

今シーズンはじめて見るオオイヌノフグリの芽生え。

やっと出てきたと思ったら、少し離れたところにびっしりと芽生えが…またうれしいシーズンがはじまる。

● オオイヌノフグリ ファンクラブ通信　vol.1　⇒　

オ ギ

河川敷に広がるのはオギ。今年はいまがちょうど花の時期のようだ。すでに花粉を散らした雄しべは風に揺れまくる。

ブラシのようなのが雌しべ。

今年はやはり開花が遅いようで、一昨年（2023年）10月半ばにはすでに果実になっていた。（↓）白い穂をなびかせてオギらしい光景。

ところで、オギとススキはよく似ていて区別するのは難しい。

オギは湿ったところで広がって群生し、ススキはより乾いたところで大きな株をつくる。

果実になったときは見分けやすい。オギ（↑）は芒（のぎ）がないが、ススキ（↓）は長い芒がある。

江戸川べりにはオギはたくさんあるのだが、ススキは見かけない。乾いた土手はセイバンモロコシに置き換わってしまったのかもしれない。

中秋の名月になると江戸川べりからオギを切って持ち帰る方を見かける。

もともとススキは稲穂の代わりのようなので、オギを生けるのは問題ないと思うが、ときどきセイバンモロコシを持ち帰る方がおられる。名月を愛でるときに､これはどうだろうか。

カナムグラ

果実が色づきはじめていた。

● つる植物の話-3 : カナムグラ　⇒　

カントウヨメナ

野菊の代表。舌状花は写真にすると白っぽくなってしまうが、多くは上品な淡い赤紫色。

舌状弁が開く前は、ちゃんとした色で写ってくれる。この姿は好ましい。

● ヨメナとノコンギク　⇒　

クズクビボソハムシ

ちょっと見にはウリハムシに似ているが、シルエットが違っていて、こちらは名前のとおり首が細い（正しくは胸部が細い）。江戸川べりでは今年はじめて見たのだが、いきなりすごい数で、成虫はクズの葉を穴だらけにしてしまう。

● 自然観察大学HPレポート／ミニ観察会 昆虫･植物･菌類のかかわりを観察しよう　⇒　

シロザ

小さいが、ルーペで観ると王冠のような花。

シロザについては近日中に改めてご報告したい。

セイタカアワダチソウ

江戸川べりでは数が減って落ち着いている。

邪魔者扱いされているが、昆虫たちにとってはこの時期の栄養源として大歓迎だろう。

● 続・セイタカアワダチソウの花を観る　‐開花の順序‐　⇒　

タコノアシ

やはり今年の色づきは遅いようだ。

いちばん赤いのを選んで撮ったのがこれ。（↓）これがタコノアシの名前の由来だと思うが、細かいことを言わせてもらうと“ユデダコノアシ”ではないだろうか。

ヒメジュウジナガカメムシ

夏の終わりから秋によく見かける。

ふつうはガガイモに群れているが、このときはヤブガラシの葉の上にいた。

フジバカマ

終演まぢかな江戸川べりのフジバカマで、一番よさそうな株を選んだのがこれ。

有志の方にていねいに保護されているが、今年はちょっと寂しい状況。

保護管理はかなり難しいようだ。

● 江戸川べりの観察-33　フジバカマ　⇒　

なお、フジバカマが好い香りなのは乾燥標本になってはじめてのことで、生きた状態では香りはない。

ミゾソバ

秋のたのしみの一つ。見かけると撮りたくなる大好きな花だ。

● 美しいものにはとげがある　② ミゾソバ　⇒　

とんでもなく暑い夏もようやく終わり。

季節が巡ってくれることのありがたさを、しみじみと感じた。

2025年10月20日、報告：自然観察大学 事務局 大野透

……… 自然観察大学からのお知らせ ………

自然まるごと観察会レポート（2025年第3回）

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