人気ブログランキング | 話題のタグを見る

自然観察大学ブログ

観察録2025長野・夏-①

観察録2025長野・夏-①_d0163696_19200396.jpg
花が魅力の入笠湿原。

今年の夏も信州で観察してきたので、その報告をさせていただきたい。
生物名はグーグルフォトとネットで調べたものだが、間違っている場合はご容赦いただき、そのむねをご教示いただきたい。

まずはゴンドラに乗って、標高1780mまで登る。(らくちん)
気温は22℃。下界とは10℃も違っている。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19201589.jpg
正面の雲に隠れているところには、ほんとうならば八ヶ岳が広がっているはず。(残念)

冬はスキー、夏はマウンテンバイクで人気の、富士見パノラマリゾートという。
ここから入笠山湿原、花畑を抜けて山頂を目指す。
●入笠山(富士見パノラマリゾート)HP  
●ガイドマップ  


入笠湿原へ

ゴンドラを降りると整備された森の小径を進む。

<レンゲショウマ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19202314.jpg
はいつくばって低いところから見上げたい。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19203149.jpg
“森の妖精”の呼称がぴったりだ。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19203995.jpg
花弁のように開く白い部分はがくで、内側にある筒状で先端が紫色の部分が花弁だという。

<ソバナ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19204712.jpg
ツリガネニンジンに似るが、花がふっくらとして葉が互生なので、ソバナだと思う。
左下のオレンジ色はフシグロセンノウ。

ほかにもマルバダケブキ、クルマバナ、コオニユリ……
湿原に向かう途中の小径で、すでにたいへんな賑わいだ。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19205597.jpg
苔むした小径が続き、湿原が近づくと、明るい森になった。

<アサギマダラ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19210666.jpg
湿原を囲む森には、たくさんのアサギマダラ。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19211214.jpg
アサギマダラが訪花していたのは林床のヒヨドリバナのなかまだった。

ヒヨドリバナのなかまはたくさんあって、識別は難しい。(フジバカマもこのなかま)
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19211862.jpg
写真(↑)はヒヨドリバナ(左)とヨツバヒヨドリ(右)と思うが、どうだろうか。

この森を抜けるといよいよ湿原だ。


入笠湿原
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19212589.jpg
標高1700m付近にある、明るい快適な高層湿原。

<クサレダマ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19213629.jpg
漢字で書くと草連玉(草連球)という。(腐れ玉ではない)
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19214305.jpg
クサレダマはサクラソウ科オカトラノオ属だという。そういわれると、1個の花の構造はオカトラノオと似ているような気がする。

参考:オカトラノオ
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19215007.jpg

<エゾリンドウ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19215733.jpg
この湿原で観られるのはエゾリンドウだそうだ。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19220627.jpg
リンドウのなかまにも似たものがあって、私には識別不可能。

<ウメバチソウ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19221477.jpg
花が梅鉢紋(加賀前田家の家紋など)に似ているというのが名前の由来という。
好きな植物の一つなのだが、木道からなので上手く撮れなくて申し訳ない。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19222038.jpg
雄しべ5本のうち、上の写真(↑)では1本だけ開き、4本は雌しべに沿って閉じている。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19222612.jpg
こちら(↑)の雄しべは5本とも広がっているが、右下の2本は葯が落ちている。
雄しべの間にある黄緑色の熊手のような形のものは飾り雄しべ(仮雄しべ)で、先端に黄色い腺体がある。虫を呼ぶための構造と考えられる。

<タムラソウ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19223562.jpg
名前の由来は不明。
キク科タムラソウ属で、日本には本種のみが分布しているという。
アザミ類によく似るが、葉の感じが違っていて、タムラソウにはとげがない。

<サワギキョウ>
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19224174.jpg
沢の流れに沿って群生する。
キキョウ科だが、花の感じはキキョウとはかなり違っている。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19224975.jpg
5裂した花弁のうち、2個が上向き3個が下向きになる。(花弁が縮れているのは暑さの影響か?)
どこかで観たような形だと思ったら、ミゾカクシ(アゼムシロ)に似ている。
それもそのはずで、どちらもキキョウ科ミゾカクシ属。

参考:ミゾカクシ
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19225452.jpg

じつはこの日、爽やかな高層湿原を演出するポイントがサワギキョウであった。
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19230175.jpg
点在するシラカンバの足もとを縫うように、青紫色の帯が観られる。
写真ではわかりにくいかもしれないが、これが水路に沿って群生するサワギキョウなのだ。

季節を変えて何度も訪れたくなる、すばらしい環境であった。
“入笠湿原”の命名は今から50年ほど前と意外に新しい。そしてそれ以来地元の方々を中心に保護・整備されているいう。
おかげさまで堪能させていただきました。

最後に湿原の現地案内板を載せておこう。(これも今年の春の日付)
観察録2025長野・夏-①_d0163696_19230813.jpg
次回は花畑を経て山頂へ…

2025年8月27日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




by sizenkansatu | 2025-08-27 19:36 | 植物と虫 | Comments(4)
Commented by 88-232323 at 2025-08-27 22:11
こんばんわ
先ず記事を読む前に画像に目を奪われました
随分と前に行ったことが有る風景・・・やはり入り笠山でしたね、ゴンドラを降りてすぐのお花畑とアサギマダラ、
林を少し歩いて広々とした湿原に野草の花々は印象的でした
レンゲショウマを夢中で撮影してました。
リアルな記事を堪能させて頂きました、有難うございます。
Commented by sizenkansatu at 2025-08-27 23:33
> 88-232323さん
コメントありがとうございます。
記事を気に入っていただいて光栄です。

入笠山は素晴らしいところですね。
違う季節にも行きたいし、まだ観てないところもあります。
月一で通いたいくらいです。(無理ですが)
Commented by cflcfl at 2025-08-28 23:53
こんばんは。
確かに、これらの花はどれも珍しくて興味深いですね(レンゲショウマ、ウメバチソウ、ミゾカクシは特に素敵です)。

植物たちの花はそれぞれがまるで精巧なカラクリのようだと思います。生き残りをかけて、周りの昆虫や他の動物たちの力を借りるために、長い年月をかけて独自の戦略を進化させてきたのでしょう。
何万年もかけて築き上げられたこれらの生存戦略は、まさに自然界の知恵の結晶ですよね。
Commented by sizenkansatu at 2025-08-30 23:34
> cflcflさん
山で観る花はきれいですね。
ほんとうはときどき花を摘んだり分解したりして、じっくり拝見したくなりますが、それができないので少し欲求不満になってしまいます。

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

最新のコメント

> cflcflさん ..
by sizenkansatu at 15:01
> miyabiflow..
by sizenkansatu at 10:58
幼虫は跳ぶことができるの..
by cflcfl at 13:45
畑の周りのオオイヌノフグ..
by miyabiflower at 12:36
> cflcflさん ..
by sizenkansatu at 23:33

検索

ブログジャンル