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自然観察大学ブログ

コブシの咲く宝篋山へ -その1-

コブシの咲く時季をねらって、宝篋山(ほうきょうさん)を訪ねた。
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冬に登ったときにみごとなコブシの木を観ていたので、花の時季にもう一度来たかったのだ。

ふもとから宝篋山を望む。
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標高461mと、隣の筑波山の半分ほど。
登山口から点々と白く見えるのはコブシの木だ。
登山ルートはこのコブシをたどっていくことになる。
山頂には電波塔があるが、かすんでよく見えない。
この日は黄砂の飛来があった日で、残念ながら遠くはかすんでしまう。

上の写真の山頂から中腹までを切り取る。
コブシの咲く宝篋山へ -その1-_d0163696_23292088.jpg
このあたりのコブシがすばらしい。これから観るであろう景色への期待が膨らむ。
(画像がかすんでいたので、ちょっと加工してメリハリをつけてみた)

宝篋山の公式ガイドマップはこちら  

今回はメインである極楽寺コースをたどったので、その報告をしたい。
ちなみにコースタイムは往復2時間半ほどだが、私は5時間もかかってしまった(!)


アプローチの農道では、早くもカントウタンポポが出迎えてくれた。
コブシの咲く宝篋山へ -その1-_d0163696_23293159.jpg
この場所には在来種が似合う。
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イノシシ除けの柵を通過すると、早くもコブシの登場。
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このあたりのコブシは植栽されたものだろう。
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ねらいどおり、花の真っ盛り。
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まさに満開であった。
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純白のように見えて、裏側にほんのり紅が差している。
う~む。やっぱりコブシは好い。

さて、いよいよ登山道へ。
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登りはじめの道には縦横に根が這い、生命の力強さを感じさせる。

さらに沢沿いのよく整備された道を進む。
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登山道沿いにはニリンソウ。
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まだ咲きはじめで、一輪ずつ咲いている。
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つけ根につぼみがあって、これが開いて二輪草となる。

沢沿いの湿ったところにはネコノメソウのなかま。
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帰宅後に調べると、これ(↑)はヤマネコノメソウのようだ。

こちら(↓)はネコノメソウと思われる。
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ネコノメソウのなかまはたくさんの種があって、どれも小さくて区別しにくい。

さて、いよいよ第一目標地点まで来た。
コブシの咲く宝篋山へ -その1-_d0163696_23323790.jpg
周囲の木々から頭を出している、これが “太郎こぶし”
近くで観ようと林の中に入る。
見上げるような巨木で、1カットで全身を撮ることができない。
コブシの咲く宝篋山へ -その1-_d0163696_23324784.jpg
樹冠部ではたくさんの花が咲いているのだが、逆光で見えない。
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生えぎわはこれ。(↓)
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何本もの幹が癒合しているように見えるが、これで一本の幹。
“太郎こぶし”の表示板があって、裏面に周囲は270cmあると記されていた。

“太郎こぶし”の近くにはたくさんのコブシが林立していた。
コブシの咲く宝篋山へ -その1-_d0163696_23331745.jpg
“太郎こぶし”の子どもたちだろうか。
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みんな立派な大木で、10本くらいはありそうだ。
“次郎こぶし”“三郎こぶし”“拳四郎”…“九郎義経こぶし”、“十兵衛三厳こぶし”…
一株ずつ命名したくなってしまう。
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“太郎こぶし一家”の集合写真。(↑)
中央やや左の奥に見えるのが家長の “太郎こぶし”

このあたりは山頂までの中間地点で、前掲の写真でたくさんのコブシがあったところだ。
ガイドマップによると、ここまでの標準的コースタイムは50分だが、私の場合は80分もかかってしまった。(大汗)

<後編に続く>


登山道はとてもていねいに整備され、管理が行き届いている。
沢沿いの道は両側が通行可能になっていて、迷いそうに思うかもしれないが、どの道をたどってもすぐに合流するので心配はない。
地元の有志による活動によるそうだ。心より感謝したい。


おまけ
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沢沿いの登山道で観た不思議なもの。
太さは太腿くらいで、長さは10m以上だったろう。大蛇が横たわるような形だ。
フジのほふく茎(ランナー)と思われる。
地図に “大根おろし” と記されているのがこれなのだろうか? 
表示版がないのでわからないが、そうだとすると正しくは “大茎のばし” ということになる。
(細かいことが気になってしまいます。すみません)

2025年4月1日、報告:自然観察大学 事務局 大野透

………………………………………………………………

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by sizenkansatu | 2025-04-01 23:46 | 植物 | Comments(4)
Commented by mrtnsz at 2025-04-02 09:55
お早う御座います。
宝篋山登山、大変お疲れ様でした。
こんなにコブシが沢山生えているとは知りませんでした。
百里基地、涸沼に行く際は、宝篋山を眺め県道53号線を通っていますし、探鳥で東城寺、向上庵、雪入、三石によく行ってますが猪が多いですね。
殆ど知らない山草や、登山道の紹介、大変有難う御座いました。
Commented by o-marica at 2025-04-02 12:08
早春のコブシ行、実に実に楽しく拝見させていただきました〜!
”太郎こぶし”の子どもたちの命名のくだりなどいかにも自然観察さんっぽく愉快でした(^_^♪

後編があるなんて楽しみ〜
Commented by sizenkansatu at 2025-04-02 22:12
> mrtnszさん
コメントありがとうございます。

すぐ近くを通っておられたのですね。
宝篋山にも鳥がたくさんいました。
人懐こくてあまり逃げないのですが、残念ながら私には撮れませんでした。
イノシシも多いようで、掘り返した跡がたくさん見られました。
Commented by sizenkansatu at 2025-04-02 22:18
> o-maricaさん
コメントありがとうございます。
たのしんでいただき、私もうれしい限りです。
後編は近日中にアップできると思います。
またよろしくお願いします。

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