ヤマボウシとハナミズキ 冬芽の違い 前編
写真では総苞片は開いているが、中央の小花はまだつぼみである。
総苞片の先端は初めからへこんで茶褐色だということになる。
ヤマボウシもハナミズキも総苞片の色や形はさまざまだが、先端がピンと伸びているかへこんでいるかで両種を見分けることができる。
この総苞片の違いはどうして起こるのか。冬芽の観察から推測してみた。
めんどくさい話で申し訳ないが、お付き合いいただければありがたい。
なお、ヤマボウシのなかまについては八田洋章先生の講演のレポートをご覧いただきたい。
●ヤマボウシの自然誌とその自生地探訪/自然観察大学講習会レポート ⇒
樹木に関して智の泉のような八田先生だが、ヤマボウシ類については格別な興味を持って観察しておられる。
この講演では、ヤマボウシのなかまの冬芽の違いについても系統だてて紹介いただいたが、このとき時間が押していたこともあって、消化不良気味であった。
私としては、『樹木博士入門』(小幡和男ら,全農教)の取材に際し、ヤマボウシとハナミズキのそれぞれの冬芽の展開を観てきたのだが、じつは、上記の講演をうかがって以来、注目して観察してきたのである。(一部の写真は『樹木博士入門』と共通して掲載)
冬芽をくらべる
わかった方は、ふだんからよく観察しておられる方だと思う。
芽鱗と総苞片の間にはふつう2個の腋芽があり、これはシュート(枝葉など)になる。
ヤマボウシとハナミズキはどちらもミズキ科ミズキ属(Cornus属)で、ハナミズキにはアメリカヤマボウシという別名もある。両種の基本的な冬芽のつくりは同じだ。
なお、図は前述の講演での八田先生の図を改変したもので、冬芽の先端がとがってないのは作図の都合であり、ご容赦いただきたい。
それでは正解。
左がヤマボウシ、右はハナミズキ。
前述の八田先生の講演で、ハナミズキの冬芽は1/3当年に成長し、翌年残りの2/3成長して開花するとしておられた。
ハナミズキの冬芽の動き
ハナミズキの冬芽の動きを詳しく観てみよう。
これがさらに伸びて、前掲の冬越しの冬芽になる。
ハナミズキのほうは夏の間に芽鱗が開いて、花序が伸び出した状態で越冬する。
なお、芽鱗と総苞片の間にあるのは腋芽で、のちに伸びてシュートになる。
ヤマボウシの冬芽の動き
いっせいに出てくるが、シュートがやや先行して伸び、次に花序、最後は総苞片という順序のようだ。
芽鱗で守られた状態で越冬するので、先端まできれいに伸びるのだと思われる。
ハナミズキの冬芽の展開
と同時に、2個の腋芽(シュート)が伸びる。
総苞片の先端は、冬越しのときに褐色になったのがそのまま伸びたのであり、それが傷のようにへこんでいるものと思われる。
なお、このように総苞片の赤色のものもふつうにある。
2024年2月6日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
by sizenkansatu
| 2024-02-06 11:38
| 植物
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