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自然観察大学ブログ

アオツヅラフジ -青春の葛藤-

アオツヅラフジは秋に果実が濃い青紫色に熟す。(↓ 写真は10月末)
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漢字では青葛藤だという。
アオツヅラフジの名前のもとになったと思われるツヅラフジ(別名オオツヅラフジ、私はまだ観たことがない)が、フジに似ていて葛籠(つづら)を編んだという。

2023年6月からアオツヅラフジの観察をしてきたのでその報告をしたい。
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つる性の木で、雄の木(↑)と雌の木(↓)がある。
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雄株にはたくさんの花がついて華やかで、雌株はそれにくらべると花が少ないようだ。


アオツヅラフジの葉

ここまでの写真のように、アオツヅラフジの葉にはいろいろな形がある。
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ネットでは卵形とかハート形とか、切れ込みが入ることも多い、と記してある。
切れ込みのあるタイプとはこれ(↓)だろう。
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角の丸いほこ形といった感じで、このような葉を観ることが多い。

これだけ変化があると、葉の形は見分けるポイントにはなりにくい。


アオツヅラフジの花

まずは雄花。
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花の径は3~4mmほどと小さいが、ルーペで拡大すると不思議な美しさ。
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外側から包むように丸っこい部分は、花弁のように見えるがじつはがくだという。大きな3個が見えているが、このほかに小さながくが3個ある。
花弁はその内側に並ぶ6個で、先が2裂している。
雄しべ6個は、内側に3個、外側に3個と2列に並ぶ。

次は雌花。
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がくと花弁の構造は雄花と同じ。
雌しべは1個で、柱頭と子房は6個に分かれている。
別の記述では雌しべが6個というのもあった。
どちらでもよいようなものだが、私は雌しべ1個に一票。


花の咲く期間(千葉県市川市)

2023年に初めてアオツヅラフジの花を観察したのは6月13日であった。
この日は雄花と雌花の両方を観察した。
そして7月下旬に雌雄ともに花の盛りを迎えた。
雌花を最後に確認したのは8月17日で、この時期の雌株はすでに若い緑色の果実をつけていて、早いものでは濃青紫色に色づいた果実もあった。
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一方、雄株のほうはどうか。
多くの雄株は花の数は減っているものの、その後も咲き続けていた。
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写真(↑)は10月13日。つぼみもたくさんあって、暖かければ花を咲かせようという勢いがうかがえる。
まるで青春時代のようだ。
結局、アオツヅラフジの雄花を最後に観たのは11月8日であった。

開花を観察した日付をまとめると…
雄花:6月13日~11月8日
雌花:6月13日~8月17日

つる植物は茎を伸ばしながら花をつけるので、一般にその期間は長い。
それにしても、雄花が遅くまで咲いているのには驚いた。
なお、ネットでは花期7~8月という記述が多く、7~9月というものもあった。


アオツヅラフジの果実

さて、雌株のほうは着々と成長し、10月ころに果実が熟してくる。
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果実の中には、アンモナイトのような独特のたね(核果)がある。
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これについては以前に観察しているので、よろしければその記事をご覧いただきたい。



アオツヅラフジ 青春の葛藤

雌株は8月には花を終え、果実へと成長を続ける。
そのときはもう、雄株のことなど、まったく眼中にないだろう。

それに対し雄株は、受粉相手がなくなった後も3か月近く咲き続けている。
むなしく花を咲かせ、苦悩し続けるアオツヅラフジの雄株… これを “青春の葛藤” と呼びたい。


アオツヅラフジの冬芽

さて、アオツヅラフジは落葉性の木本で、冬芽をつくって越冬する。
まずは雄株。
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もじゃもじゃのところが冬芽で、すぐ上の逆ハート形は葉痕。(1月5日に撮影)
なお、垂れ下がったつるを撮っているので、写真の下が枝先方向になる。

別のタイプの冬芽があった。
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長毛に包まれた冬芽をはさんで、上下に2つの葉痕らしきものがある。
冬芽の上の逆ハート形が葉痕だとして、下にあるのは花序の落ちた痕らしい。

次に雌株の冬芽を観た。
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雌株ではまだ枯れた花序が残っていた。
注目したいのは花序のつけ根のところで、もじゃもじゃの毛が囲んでいる。
花序が落ちるとどうなるか想像できたところで、別の冬芽を観る。
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上が葉痕で、下の長毛に囲まれたところが花序痕だろう。
その間に挟まれた小さいもじゃもじゃが冬芽と思われる。

もう一つ雌株の別の冬芽。
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こちらはまだ葉が残っていて、そのつけ根に冬芽ができている。
ここには花序がつかなかったためか、冬芽はまるまると発達がよい。

さて、これらの冬芽からどんなものが現れるか… 
たのしみに観察したい。

2024年1月9日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




by sizenkansatu | 2024-01-09 19:14 | 植物 | Comments(6)
Commented by cflcfl at 2025-09-24 14:07
こんにちは😃。
アオツヅラフジの雄花の雄しべは、一見バラバラに見えますが、よく観察すると正三角形に配置されているのが分かりますね。

「アンモナイトのような独特の種」といえば、私も先月「皱子鸟足菜」(Cleome rutidosperma DC)の種を観察しました。その形もまさにアンモナイトのようでした。
Commented by sizenkansatu at 2025-09-24 22:08
> cflcflさん
コメントありがとうございます。

雄しべの配列はおっしゃるとおりですね。
3本が正三角形に並び、それが内輪と外輪の2列になっています。
押し葉が内外の2列に並ぶ植物はけっこうたくさんあります。

Cleomeのなかまは、日本ではフウチョウソウとして家庭園芸などで栽培されているようです。
ネットで種子を見たら、ちょっとアンモナイト的ですね。

ほかの種子でも、表面に凹凸・紋様を持つものがたくさんあります。
凹凸には何か意味があるのですかね?
Commented by cflcfl at 2025-09-24 23:49
そうですよね、これって何の意味があるんでしょうね🤔
(「種子が動物の毛、羽毛、または衣服に接触すると、これらの溝は無数の小さなフックのように働き、繊維との機械的な引っ掛かりと摩擦力を増加させ、動物の移動過程中に種子が脱落しにくくします」とAIに教えていただきましたが。)
Commented by sizenkansatu at 2025-09-25 08:55
> cflcflさん
もう一つ考えられるのは、小さい種子の場合は水がつきやすくなるというのがあります。
濡れた種子は、表面張力でほかの動物(鳥の足など)に付着しやすくなると思います。
確かめたわけでもなく、そのような説があるかどうかも調べていませんが。
Commented by cflcfl at 2025-09-25 09:07
おはようございます☀
その説もあるようですね。ますます植物たちに興味が湧きました(頭がない植物の方が、頭がある私よりも賢いかも😅)
Commented by sizenkansatu at 2025-09-25 22:25
> cflcflさん
あれこれと想像するのがおもしろいんですよね。
正解はわからないはずですが、そこがまた好いです。

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