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自然観察大学ブログ

ニガカシュウの観察 ② 花のことなど

ニガカシュウの花から果実を観察したかったのだが、悲しい出来事があって中途半端な結果になった。
その経過を記すので、お付き合いいただけるとありがたい。

前回記したように、自宅付近の江戸川べりには、数十株のニガカシュウが点在している。
しかしながら、そのうち花を確認できたのは4株だけだった。それを順に記したい。


A 株
まずはA株と名付けたこれ。(↓、9月3日)
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17273407.jpg
川沿いの急斜面にあって、そこからつるを伸ばして這い上がり、先端がフェンスにからんでいる。
葉腋ごとに2,3本の花序を垂らす。
フェンスは通行人が江戸川への落ちるのを防止するもので、とても観察しやすい。

9月14日、花が開いた。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17275411.jpg
花の径は3mm程度と小さい。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17280851.jpg
花弁とがく片が同じ形で6個。子房の部分はヤマノイモにくらべると短い筒状。
柱頭らしきものが観える花もある。
拡大して正面から観てみよう。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17281940.jpg
中央の柱頭は3個に分かれ、先端はさらに2裂している。
雄しべは6個だが、退化して花粉を出さないようだ。
つまりこの株は雌株と考えられる。

ネットで見ると、ニガカシュウは雌雄異株だが、雌株はほとんど存在しないらしい。
探しても雌花の画像は見当たらない。
確認できずに困る。はたしてニガカシュウでよいのか? 

悶々としていると、岩瀬先生がわざわざ現物を見に来てくださって、ニガカシュウの雌株の雌花であると判断していただいた。
ありがとうございました。

A株は次々に新しい花序を出しているが、なかなか果実にはならない。
まだかまだかと待っていると…


A株の悲劇
9月末日に草刈りをされてしまった。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17283081.jpg
もとの方を切られている。
巻きついたつるを丁重にほどいて、岩瀬先生にお送りし標本にしていただくこととした。
合掌。


B 株
B株は、少し離れた上流の、川べりのエノキの幼木にからんでいる。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17284481.jpg
小さな株だが、多くのむかごと花序をつけて頑張っていた。(9月14日に観察)
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17285632.jpg
花序のもとの方では花冠が赤紫色で、先の方は白色。
開花までは白色で、花が終わると着色するということと思われる。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17290874.jpg
この花はすでに終わっていると思うが、雄しべ雌しべの跡が見当たらない。
じつはB株では、花冠の白い若い花でも雄しべも雌しべも確認できなかった。
わけがわからない花なのだが、子房部分は少し膨らんでいる。(↓)
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17291695.jpg
稜が張り出していて、この調子でいくとヤマノイモのなかまらしい翼のある果実に成長してくれるのだろうか?
期待を持って観察を続けていたのだが、またまた悲劇が起こった。


B株の悲劇
花を観察した9月半ばから、B株は成長を止めた状態が続いていた。
およそ1か月後の10月19日。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17292778.jpg
なんと花序全体が枯れてしまった。
こんなこともあるのかと悲しくなった。
合掌。


C 株
C株はもう少し上流にあっって、繁茂したカナムグラとからみ合って見え隠れしていた。
葉の陰に花序があるのを見つけた。(↓、9月29日)
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17293852.jpg
ほとんどの花はまだ開いていないが、つけ根にある花が半開きになっている。
それを拡大して見よう。
ニガカシュウの観察 ② 花のことなど_d0163696_17294738.jpg
花冠の奥の方に見えるのは雄しべの葯のようだ。しかも花粉らしきものが出ている。
…となると、これは雄株ということか?


C株の悲劇
C株自身にはなんの問題もなかったのだが、周辺に悲劇が起きた。
詳しく記すのはためらわれるが、緊急自動車が詰めかけてひと騒ぎがあったのである。
ニガカシュウの観察どころではなくなり、私も早々に現地を離れた。
何日か過ぎて落ち着いたころを見計らって現地を訪れると、こんどはカナムグラがすべてを被ってしまっていた。
ニガカシュウは駆逐されてしまったのか、探しても見つからない。
合掌。

次回はD株とその悲劇(ニガカシュウの最終回)の予定。

2023年11月11日、報告:自然観察大学 事務局 大野透




by sizenkansatu | 2023-11-11 17:38 | 植物 | Comments(6)
Commented by miyabiflower at 2023-11-13 10:12
それぞれに起こった悲劇は
人の手によるものだけではなくて
他の植物に駆逐されてしまうこともあったりで
生き残るのは大変なのですね。
花はきっとまだ見たことがないと思います。
かわいい花が並ぶのですね。

ベランダのニガカシュウは枯れてしまいました。
ムカゴがひとつだけ残ったので(ひとつは早々に落ちてしまいました)また育ててみようかと思っているところです。

根も育っていましたが
同じプランターでヤマノイモもムカゴから育てた上に、
枯れた葉を先に切ってしまっていたので
どの根がヤマノイモでどれがニガカシュウかわからなくなりました。
Commented by sizenkansatu at 2023-11-13 13:57
> miyabiflowerさん
コメントありがとうございます。
むかごを見れば、ニガカシュウかヤマノイモかはわかると思います。
根から来年も芽を出すかどうかわかりませんが、芋ができていれば出てくる可能性が高いと思います。
たのしみですね。
Commented by cflcfl at 2025-08-24 19:04
韓国のドラマよりドラマチックですよね😢
Commented by sizenkansatu at 2025-08-24 23:11
> cflcflさん
コメントありがとうございます。
韓国ドラマはあまり見てないのですが、
朝鮮王朝ものはいくつか見ました。
チャングムで、漢方薬治療と針治療を併用することの神髄を知りました。
Commented by cflcfl at 2025-08-26 13:49
『宮廷女官チャングムの誓い』ですよね😊
Commented by sizenkansatu at 2025-08-26 23:10
> cflcflさん
そう、それです。
日本では大人気でした。

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