タンポポの攻防 -苗木城のトウカイタンポポ-
いにしえの石工たちの仕事に驚嘆させられる。
城内のタンポポ
さて、タンポポである。
城跡で在来のタンポポとセイヨウタンポポの攻防を観るのが、私の観察テーマの一つなのである。
過去には彦根城、姫路城で、濠を境にしてカンサイタンポポがセイヨウタンポポを防衛しているところを観た。真田氏ゆかりの上田城、砥石城などでも観察した。
今回は、ここ苗木城でタンポポの攻防を観察しようというのである。
しかし、天守台付近は管理が行き届いていて、雑草もきれいに除去されている。観察にはちょっと悲しい状況だ。
あれこれ探していると、天守台を降りたところの二の丸跡が雑草地になっていた。
タンポポの識別には総苞(頭状花全体を包むお椀形の緑色の部分)がポイントになる。
トウカイタンポポは総苞外片(二重になっている総苞の外側の列)が長いのが識別のポイントで、総苞内片の1/2以上なのだそうだが、上の写真はそれを満たしているだろうか。
近縁のカントウタンポポは1/2程度とされている。微妙だが、いずれにしても在来のタンポポであることは間違いない。
さしものセイヨウタンポポもここまで来ることはできなかったのだと考えられる。
堅固な山城が、在来のトウカイタンポポを守っているのだ。
城外のタンポポ
一方、ふもとのタンポポはどうか。
近ごろは雑種のタンポポが増えて、はっきりセイヨウタンポポと言えるものが少なくなった。これはむしろ貴重なセイヨウタンポポだ。
下界では今まさに在来種と外来種がせめぎ合っているところなのかもしれない。
そんな中で、苗木城内で在来のトウカイタンポポが籠城しているのが頼もしい。
これから人の往来が激しくなるとともに外来種の圧力が強まると思うが、引き続き頑張っていただきたいものである。
苗木城跡では、地域のボランティアと思われる方々の活躍が目立った。
ふもとの駐車場をはじめ、要所ごとにスタッフがいてくれて、愛想よく案内してくれた。苗木城跡が地元で大切にされていることがうかがえる、気持ちのよいものであった。
その熱心さでトウカイタンポポの応援をしていただけると、もっとよいと思う。
聞くところによるとウルシのなかまでも最強クラスの毒なのだとか。
要注意の看板か何かを掲示してもらえるとよい。
参考:シナノタンポポ
じつは当ブログではこれまで、シナノタンポポをエゾタンポポとしていた。
過去にエゾタンポポとされていたものの一部が、シナノタンポポとして別種になったのだという。しかも、分類系統としてはカントウタンポポに近いという。ややこしいことである。
この記事で登場したタンポポ類をまとめておこう(異なる考え方もある)。
① シナノタンポポ:Taraxacum platycarpum subsp. hondoence② カントウタンポポ:T. platycarpum var. platycarpum③ トウカイタンポポ:T. platycarpum var. longeappendiculatum④ エゾタンポポ:T. venustum⑤ セイヨウタンポポ:T. officinale
①~③は広い意味では同種で、亜種(subsp.)または変種(var.)という近い関係ということになる。
シナノタンポポはこれまで④のエゾタンポポとされていたというのだから本当にややこしい。
2022年5月14日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2022-05-14 22:58
| フィールド
|
Comments(4)
シナノタンポポ
はじめて見ました
かわいいですね~(^^)
タンポポが咲くと
いつも反り返りを確認してます
庭に咲くのは反り返ってないのですが
畑は既にセイヨウタンポポに支配されてます
セイヨウタンポポはすごいですね
冬でも頑張って咲くし
花の密度が半端なく
綿毛もしっかりしてて
これはかなわないって思います
庭だけでも入り込まれないように
気をつけているのですが
侵略は時間の問題かも~(^^)
四国のうちのあたりで咲くタンポポは
何タンポポですか?
はじめて見ました
かわいいですね~(^^)
タンポポが咲くと
いつも反り返りを確認してます
庭に咲くのは反り返ってないのですが
畑は既にセイヨウタンポポに支配されてます
セイヨウタンポポはすごいですね
冬でも頑張って咲くし
花の密度が半端なく
綿毛もしっかりしてて
これはかなわないって思います
庭だけでも入り込まれないように
気をつけているのですが
侵略は時間の問題かも~(^^)
四国のうちのあたりで咲くタンポポは
何タンポポですか?
> wabisuke-miyakeさん
コメントありがとうございます。
セイヨウタンポポを食い止めるのは難しそうですね。
濠を掘って、築城するのが一番です。(ウソです)
四国はカンサイタンポポが分布するとされています。
全体が上品なやせ型で、総苞も細身です。
爪(角状突起)はほとんどない、とされています。
コメントありがとうございます。
セイヨウタンポポを食い止めるのは難しそうですね。
濠を掘って、築城するのが一番です。(ウソです)
四国はカンサイタンポポが分布するとされています。
全体が上品なやせ型で、総苞も細身です。
爪(角状突起)はほとんどない、とされています。
苗木までお出でになられたのですね~
植物を研究されているsizenkansatuさんはこの日はタンポポに夢中になられていたのですね~(*´∇`*)
この辺りはペグマタイトの中にジルコンの変種の苗木石が産出するので鉱物の研究者も訪れます・・・・・
植物を研究されているsizenkansatuさんはこの日はタンポポに夢中になられていたのですね~(*´∇`*)
この辺りはペグマタイトの中にジルコンの変種の苗木石が産出するので鉱物の研究者も訪れます・・・・・
> shizenkazeさん
コメントありがとうございます。
研究しているということはありませんが、好きで観察しています。
苗木石というのがあったのですね。
石はスケールが大きく、奥が深いようで、あこがれるのですが、残念ながらまったくわからりません。(汗)
石垣の組み方やノミの跡を見ると興奮してしまうのですが…
コメントありがとうございます。
研究しているということはありませんが、好きで観察しています。
苗木石というのがあったのですね。
石はスケールが大きく、奥が深いようで、あこがれるのですが、残念ながらまったくわからりません。(汗)
石垣の組み方やノミの跡を見ると興奮してしまうのですが…
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