美しいものにはとげがある ② ミゾソバ
色の変化を紹介したいということもあるが、ついたくさんの写真を載せてしまった。(お気に入りなので)
花を観るなら午前中に限るというのは多くの花にあてはまるが、ミゾソバも例外ではない。
3コマめは11:59でほぼ全開状態だが、その前の2コマめは12:30と少し遅れてしまっている。
天気の具合などでずれることはあるだろうが、やはり花を観るなら午前中である。
ミゾソバはイヌタデ属の中でもウナギツカミやママコノシリヌグイなどと似ているので、それらと見分けることを念頭に紹介させていただく。
なお、シロバナミゾソバやヤマミゾソバなど、ミゾソバをいくつかの種に分ける考えもあるようだが、ややこしいのでミゾソバとさせていただく。
ミゾソバの典型的な葉はこれ(↑)だと思うが、葉の形にはいろいろなタイプがある。
しかも、ここまでの写真を見るとわかる通り、同じ個体でも茎の上部につく葉は細長くて鉾型にはならない。
とげが小さいのは、他に引っかかる必要がないことと関係していると思われる。
(とげは他のものに引っかかるためのものであるということ。)
もう一つ見分けるときで注目したいのは托葉鞘(托葉が鞘になったもの)である。
上の写真では、托葉鞘の先端が少しだけめくれているが、個体によってはめくれた部分が襟巻状に茎をとりまくこともあるようだ。
イシミカワの記事で触れたが、イヌタデ属の植物は一つの種にいろいろなタイプがあって、ほんとにややこしい!
上の写真では茎の稜に沿ってとげが確認できる。
この個体ではとげはさらに小さく、肉眼では見えない。
触ってみると引っかかりがあって、やっととげがあることがわかる、といったあんばいだ。
2種の名前はおわかりだろうか。
【 正 解 】
中央やや左寄りのがっちりした茎と、その左側の背の低い個体、この2つはミゾソバである。
その周りを取り囲む細身の草は、同じイヌタデ属のサデクサである。
サデクサについては次回改めて紹介させていただく。
ところで、
上の写真を撮ったのは昨年10月で、その時点で私はサデクサを観たことがなく、そんな植物があることさえ知らなかった。
当時、ミゾソバにしてはずいぶん変わった形だと思って自然観察大学のMLで聞いてみたところ、講師のK林先生からサデクサであろうとご教示いただいたしだいである。
K林先生、ありがとうございました。
2021年10月17日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2021-10-17 19:18
| 植物
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