雄花と雌花とその間(2) ヤマグワとマグワ
鮮やかな朱色のクワの果実。
このあと黒紫色に熟す。
上の写真はヤマグワで、マグワと違って果実の時期にも花柱が目立つのが特徴。
数十年前までは、身近でいたるところに桑畑があり、養蚕農家もおられた。
栽培されたのはマグワが多かったとされ、ウィキペディアでは、ヤマグワで育てると葉が固いためにカイコの成長が遅いと記されている。
いま、野外で見かけるのは圧倒的にヤマグワが多く、マグワは少ない。
ヤマグワの雌雄同株
画面左端の花序はちょっと感じが違う。
このような雌花と雄花が入り混じった花序が、この株では多数見られた。
この木は全体的には雌株で、雄花序がついたり、雌花序の一部が雄花になったものが観られた。
(整理するときにはじめて気づいたもの)
こちらは雄株にたまたま雌花序ができたようだ。
マグワの雌雄同株
ネットで調べると、マグワは“雌雄異株または同株”とされている。
一方、ヤマグワは“雌雄異株でまれに同株”と記されている。
ややこしいが、ヤマグワにくらべるとマグワでは雌雄同株が多いということだろう。
植物は 両性花 → 雌雄異株 と進化していると考えられるようだ。だとするとマグワよりもヤマグワのほうが進化していることになる。名前の印象からすると、ヤマグワはより野性的なように思えるが、そうではないらしい。
それとも、マグワは養蚕で改良されて選抜される中で変質してきたかもしれない。
おまけ:ヤマグワとマグワを雌花で見分ける
果実になったときの花柱が目立つのがヤマグワで、マグワでは短くて目立たないとされている。
果実になる前に雌花で見分けられる方法をご紹介しよう。
花柱での見分け方は『樹木博士入門』( ⇒ )で写真付きで掲載されている。
興味のある方は、ぜひ本書の紙面でご確認いただきたい。
(もちろん、中間的なものもあってややこしいが…)
2021年5月5日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2021-05-05 14:12
| 植物
|
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