樹木の観察会に参加しました
9月27日に樹木の観察会に参加したので、その報告と紹介をさせていただきたい。
“野田の樹木を見て歩こう会”という、千葉県野田市の清水公園を中心にした樹木を中心とした観察会である。(詳しくは文末を参照)
新型コロナウイルス禍で、自然観察大学に限らず多くの観察会で中止を余儀なくされているが、こちらは参加者のほとんどが地元の方であり、十分な対策を講じたうえで久しぶりに実施することになった。
この木は下枝を大きく広げた樹形で、メタセコイアの名木と言ってよいだろう。 メタセコイアは公園樹や街路樹として人気で、よく見かける木だが、普通は下枝が落とされている。
ところが、ここのメタセコイアは目の高さで花や球果を確認できる、貴重な木でもある。
垂れ下がった小枝に多数つく細長く小さいのが1枚の葉で、小枝全体が羽状になる。
1枚の葉の付け根ごとに粒状に多数見えるのがつぼみで、これは雄花のつぼみである。
この小枝のつけ根寄りから(画面で少し左)に垂れ下がる大きめの丸いのは若い球果で、もう少しすると褐色に熟して種子を散らす。
さて、ここで注目したいのは球果のつき方である。
これまでの記事で、雌花のつき方(=球果のつき方)には二通りあることが観察されている。
清水公園のメタセコイアは来年2月半ば過ぎには開花するはずなので、それを観るのがたのしみである。
そのほか、この日の清水公園の観察会での主な話題は次のとおり。
ヒマラヤスギ:
大きな球果をつけた木と、雄花のつぼみを鈴なりにつけた木を観察した。
これらの木は別々にあり、雌雄異株のように思える。雌雄同株だそうだが、自分の目で確かめたいものだ。
イヌマキとコウヤマキ:
同じマキという名でちょっと似ているが、マキ科とコウヤマキ科であり、実の形がまったく違うことを観察した。
イヌマキは種子のつけ根に肉質部分があるダルマ型、コウヤマキはマツに似た球果。
ヒノキとサワラとアスナロ:
ルーペで葉の裏の白い気孔帯を観て、違いを確認した。
ヒノキはY字形。サワラはX字またはH字形(蝶ネクタイ型という声も…)。アスナロは肉眼でも見える大きな気孔帯で、強いて言えばW字形。
なお、一般に“葉の裏の気孔帯”という言い方をされているが、厳密には誤りである。ヒノキのなかまは多数の小さな鱗状葉が小枝を包む形でついているので、気孔帯の見えるのが葉の裏面ということではない。
ほかにもスダジイ、シラカシ、マテバシイのどんぐりなどを観て、みんなで集会所へ。
松の葉の断面を観察
いよいよ、この日のメインイベント、マツ類の葉の断面の観察である。 この日の観察会の世話人である長澤さんの提案で、『樹木博士入門』( ⇒ )を参考に、二葉松、三葉松、五葉松の葉をハサミで切って観察した。
それぞれのマツの葉は、断面を合わせてみると円形になる。
二葉のマツは1枚の葉が1/2に、三葉のマツは1/3、五葉のマツは1/5の角度に、うまくできていることに感心させられる。
これは『樹木博士入門』の該当の部分。
野田の樹木を見て歩こう会 について
千葉県野田市の清水公園をメインにした、樹木を中心とした観察会だ。
毎月1回、清水公園や近郊のフィールドで観察会を実施している。
“同じ木を繰り返し何度も観ることが、木を知ること”をモットーにして、樹木好きが集まる会である。
清水公園はフィールドアスレチックなどの充実した民間の公園で、樹木の観察にも好適。
お近くの方、興味のある方は、一度観察会に参加してみてはいかが?
残念ながら“野田の樹木を見て歩こう会”はHPなどがないので、参加希望の方は下記あてに連絡いただけば、私からつなぎます。
2020年10月22日、報告:自然観察大学 事務局O
“野田の樹木を見て歩こう会”という、千葉県野田市の清水公園を中心にした樹木を中心とした観察会である。(詳しくは文末を参照)
新型コロナウイルス禍で、自然観察大学に限らず多くの観察会で中止を余儀なくされているが、こちらは参加者のほとんどが地元の方であり、十分な対策を講じたうえで久しぶりに実施することになった。
メタセコイアの観察
ところが、ここのメタセコイアは目の高さで花や球果を確認できる、貴重な木でもある。
● 清水公園のメタセコイア ⇒この日、このメタセコイアがたくさんのつぼみをつけていた。
1枚の葉の付け根ごとに粒状に多数見えるのがつぼみで、これは雄花のつぼみである。
この小枝のつけ根寄りから(画面で少し左)に垂れ下がる大きめの丸いのは若い球果で、もう少しすると褐色に熟して種子を散らす。
さて、ここで注目したいのは球果のつき方である。
これまでの記事で、雌花のつき方(=球果のつき方)には二通りあることが観察されている。
● メタセコイアの花から実(2017年3月25日の記事) ⇒後者の中安先生の観察記録(2020年3月)を拝見して、前者の観察例(2017年3月)はごくまれな例かもしれないと思ったが、清水公園のこのメタセコイアは、現状を見る限りでは前者の観察例と同じように思えた。
● メタセコイアの雌花が梢に集中してつくのはなぜ?(2020年3月23日の記事) ⇒
清水公園のメタセコイアは来年2月半ば過ぎには開花するはずなので、それを観るのがたのしみである。
そのほか、この日の清水公園の観察会での主な話題は次のとおり。
ヒマラヤスギ:
大きな球果をつけた木と、雄花のつぼみを鈴なりにつけた木を観察した。
これらの木は別々にあり、雌雄異株のように思える。雌雄同株だそうだが、自分の目で確かめたいものだ。
イヌマキとコウヤマキ:
同じマキという名でちょっと似ているが、マキ科とコウヤマキ科であり、実の形がまったく違うことを観察した。
イヌマキは種子のつけ根に肉質部分があるダルマ型、コウヤマキはマツに似た球果。
ヒノキとサワラとアスナロ:
ルーペで葉の裏の白い気孔帯を観て、違いを確認した。
ヒノキはY字形。サワラはX字またはH字形(蝶ネクタイ型という声も…)。アスナロは肉眼でも見える大きな気孔帯で、強いて言えばW字形。
なお、一般に“葉の裏の気孔帯”という言い方をされているが、厳密には誤りである。ヒノキのなかまは多数の小さな鱗状葉が小枝を包む形でついているので、気孔帯の見えるのが葉の裏面ということではない。
ほかにもスダジイ、シラカシ、マテバシイのどんぐりなどを観て、みんなで集会所へ。
松の葉の断面を観察
いよいよ、この日のメインイベント、マツ類の葉の断面の観察である。
それぞれのマツの葉は、断面を合わせてみると円形になる。
二葉のマツは1枚の葉が1/2に、三葉のマツは1/3、五葉のマツは1/5の角度に、うまくできていることに感心させられる。
これは『樹木博士入門』の該当の部分。
書籍に載っていることでも、実物を観て確かめるのは感動的であり、新発見なのである。
千葉県野田市の清水公園をメインにした、樹木を中心とした観察会だ。
毎月1回、清水公園や近郊のフィールドで観察会を実施している。
“同じ木を繰り返し何度も観ることが、木を知ること”をモットーにして、樹木好きが集まる会である。
清水公園はフィールドアスレチックなどの充実した民間の公園で、樹木の観察にも好適。
● 清水公園の公式ホームページ ⇒この観察会は、教える人と教えられる人の垣根が良い意味で曖昧で、みんながその場で知っていることを報告しあう。そのようなスタンスが、この会を楽しくしている一因と思う。
お近くの方、興味のある方は、一度観察会に参加してみてはいかが?
残念ながら“野田の樹木を見て歩こう会”はHPなどがないので、参加希望の方は下記あてに連絡いただけば、私からつなぎます。
自然観察大学 事務局/大野 jimu@sizenkansatu.jp電話やFAXでもOKです。番号は自然観察大学HPに掲載されています。
(@は半角にして送信してください)
2020年10月22日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2020-10-22 15:20
| 植物
|
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