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自然観察大学ブログ

メタセコイアの雌花が梢に集中してつくのはなぜ?

メタセコイアは天を突く槍の穂先のような樹形がカッコイイ。
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秋に葉を落としてから早春にかけての間には褐色の紐状のものが簾のようにたくさん垂れさがっているのが目立つが、これは雄花序が連なった枝。
雄花序はふつう木の中部から上部の範囲に多く見られるが、最上部にはついていない。
(写真は2017年2月25日、千葉県柏市で撮影)

一方、ほとんどの球果は木の最上部に集中してついている。
雌花序は球果がついているあたりにあるはずなのだが、地上からでは遠すぎて、肉眼ではわからず、8倍の双眼鏡で見てもはっきりしない。
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昨季の球果が点々と見える。その範囲より下側に雄花序の集団が見られる。
(写真は2017年3月3日に東京都八王子市で撮影)


つい先日、斜面の下に植えられた木を斜面の上の方から観察できる場所から超望遠の設定での撮影を試みたところ、何とかそれと分かる写真が撮れた。
未熟なツクシのような見かけが面白い。
撮影したのはすでに雄花が花粉をほとんど飛ばし切った時期だったので、雌花序というよりは若い球果といった方が適切かもしれない。
メタセコイアの雌花が梢に集中してつくのはなぜ?_d0163696_18312193.jpg
昨季の球果と雌花序(ないしは若い球果)。
(写真は2020年3月18日、東京都多摩市で撮影)

メタセコイアが雌花序を雄花序より高い位置に集中させているのはなぜだろう。すぐに思いつく理由は2つ。
風媒による自家受粉を起こりにくくさせられることと風散布でより遠くまで種子を飛ばすことができるということ。ただ、後者だけが理由なら雄花序が梢につかないことを説明できない。
雌雄同株の風媒花が自家受粉を避ける方法としては、雄花と雌花の位置をずらせるやり方の他に、両者の成熟時期をずらせる方法(多くの場合は雄性先熟)や生理的に拒絶するやり方(自家不和合)もある。複数の方法を併用している場合もあるだろう。メタセコイアについてはどうなのだろうか?

メタセコイアの雌花序については、このブログにも「メタセコイアの花から実」⇒ という事務局O氏のレポートがあり、そこには雄花序がついた枝の先端についた雌花序の写真がある。なお、同じ写真は、先ごろ発刊されたばかりの樹木博士入門(全農教)にも掲載されている。
この例では雌花序が雄花序の直下に隣接してついており、成熟期が同調していれば自家受粉が起こるはずだ。あえて自家受粉をさせて確実に子孫(クローン)を残す作戦なのか、あるいはメタセコイアが進化の過程であれこれと試行錯誤した名残、はたまた現在も試行錯誤を繰り返している証拠なのか、非常に興味深い。
このような位置につく雌花序は稀なようで、ぜひ見たいと探してみてはいるが、私自身はまだ見つけられていない。

2020年3月23日、報告:自然観察大学 講師 中安均

……………………………………………………

中安均先生へ
ご投稿ありがとうございました。たしかに、事務局Oの観察例(=『樹木博士入門』の雌花序の記載はまれな例かもしれません。中安先生の観察で、いろいろなことが納得できます。

みなさんへ
本件について観察できた方がおられましたら、事務局までご一報いただけるとありがたいです。いつでもお待ちしております。

2020年3月23日、自然観察大学 事務局O






by sizenkansatu | 2020-03-23 18:36 | 植物 | Comments(0)

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