ラクウショウとメタセコイアをくらべる

メタセコイアに似るが、何となく葉や枝がバラバラでアバウトな印象だ。
ラクウショウには呼吸根というものがある。上の写真で画面右下に、根が地面から突き出ているのがお分かりだろうか。

メタセコイアには呼吸根はない。これが一番の違いだ。
葉を比べてみよう。
まずはラクウショウの葉。

次はメタセコイアの葉。

注目したいのは、ラクウショウの場合はきっちりとした互生ではなく、何となくランダムな並び方をしていることだ。このアバウトさが、樹形にも表れているのではないだろうか。(1枚目の写真)
ちなみに、どちらも細長い小さな葉がたくさん並んでいるのであって、複葉ではない。
それがよくわかるのが次の写真。

葉のつけ根から芽が出るのであって、複葉の小葉のつけ根であれば芽をつけることはない。
話がそれますが…
上の写真では、葉は対生でほぼ同一平面上に並ぶ。これを2列対生という。
葉の付け根の部分(葉柄のようなものか?)が葉鞘のように枝をくるんでいるのだが、よく見るとこれが節ごとにねじれて角度を調節しているのが分かる。
比較として、以前に報告したメタセコイアの若い実の写真をもう一度見てみよう。

メタセコイアの葉は本来は十字対生だが、一つ前の写真つまり普通の葉では、節ごとにねじることで2列対生になっていると思われた。
実(球果)を比べる
さて、かんじんの「花から実」を比べてみよう。

その両側に何本も垂れ下がるのが、雄花の穂だ。(すでに花は終わっている)
少し拡大してみよう。

メタセコイアでは雄花の穂の先に雌花があったので、これは大きな違いだ。
比較のためにメタセコイアの花を再掲しておこう。

※ 詳しくは「メタセコイアの花から実」をご覧いただきたい
⇒ http://sizenkan.exblog.jp/24231640/
これが実になるとどうか。

大きさが違うのは分かるが、もう一つ注目したいのは枝先だ。
左のメタセコイアは枝先に実がついて、そこで成長を止めている。それに対し、ラクウショウは実の脇から新しい枝を伸ばしている。
実の比較で分かるそれぞれの性格
もう一つ。面白い話を聞いたので紹介しよう。


見るからに感じが違うのだが、その理由が面白い。
● ラクウショウは葉が互生でしかもアバウト。その延長なので実はサッカーボール的になる。
● メタセコイアは葉がきっちりした対生なので、実はバレーボール的になる。
ということなのだ。花や実は枝葉(シュート)の変化したものであるという証拠が、実の比較から見えてくる。
たいへんに面白い視点だと思うのだが、この話は茨城のO幡先生からうかがった。
O幡先生、ありがとうございました。
2017年8月30日、報告:自然観察大学 事務局O
その後に続編を掲載しています。よろしければ次をご覧ください。
→ http://sizenkan.exblog.jp/26251266/
by sizenkansatu
| 2017-08-30 17:09
| 植物
|
Comments(0)
最新の記事
コブシの咲く宝篋山へ -その2- |
at 2025-04-03 23:14 |
コブシの咲く宝篋山へ -その1- |
at 2025-04-01 23:46 |
春は足もとからやってくる |
at 2025-03-25 22:44 |
オオイヌノフグリ ファンクラ.. |
at 2025-03-20 21:21 |
スギの花が咲いた |
at 2025-03-13 23:15 |
最新のコメント
> miyabiflow.. |
by sizenkansatu at 22:38 |
こんばんは。 いつもいろ.. |
by miyabiflower at 21:58 |
> o-maricaさん.. |
by sizenkansatu at 22:18 |
> mrtnszさん .. |
by sizenkansatu at 22:12 |
早春のコブシ行、実に実に.. |
by o-marica at 12:08 |