ハキダメギク
ハキダメギクは、空き地や畑などで、厳冬期を除いてほぼ一年中現れる。
ちょっとの間に芽を出し、あっという間に花をつける。
ハキダメギクの神出鬼没ぶりは〝これぞ雑草〟
素早い動きのハキダメギクだが、毎年同じ場所に安住することはない。
大群落を作ったり、そうかと思うといつの間にか消えたりする。
ほかの植物のない土地を探してさまよいながら、隙(空き地)を見つけてはあっという間に成長・繁殖する。
雑草の生活としては、一つの完成型のようだ。
ハキダメギクの花は、小さいながらもキク科の頭状花の掟を踏襲している。
外側の管状花はすでに終わりかけで、真ん中の3つはまだつぼみ、そのあいだにある3つが開花中だ。
外側から内側へという開花順序は、以前見たハルジオンと同じだ。
タンポポやキクイモなど、これまでに見た頭状花はみな外側から順に開花する。
参考:ハルジオンの花を観る ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/13602933/
(キク科の頭状花についても記してあります)
先に開花した外側はとっとと果実になっているが、遅れた中心部はまだ開花中。
まわりを探すと、こんな花だらけだった。ひとつの頭花で時間差をつけているのはすごい。
ところで、上の写真の右側に卵がついている。(クリックで拡大できます)
鱗翅目の、オオタバコガのような卵。だが行く末がちょっと心配だ。
やっと孵化した幼虫が〝さて餌を食べよう〟と思ったときには、空中を舞っていたりするかも。
さぞかしびっくりすることだろう。
そのかわり表面がトゲトゲで、何かにくっついてさらに移動しそうだ。
〝掃き溜め菊〟とはひどい名前だが、掃き溜めで発見したというので、かの牧野富太郎氏が命名したそうである。上の群落の写真はまさに吹き溜まりのような場所だ。
少しかわいそうなので〝掃き溜めに鶴〟のように考えたい。
2014年11月11日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2014-11-10 07:21
| 植物
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