マメハンミョウと人との深いかかわり
今年の夏はマメハンミョウの集団に2度遭遇した。

カンタリジンという毒を体内にもつだけあって、目立ちたがりなのだろう。
斑猫(はんみょう)の毒というのはこのカンタリジンで、ネットで調べたことを無責任に列記してみよう。
●斑猫粉はトリカブトとともに毒薬として利用された。暗殺の歴史には欠かせない存在。
●致死量は30ミリグラム。成虫数にすると4、5頭~10頭くらい。
●漢方薬としてイボとり(発疱剤)や、ごく少量の服用で利尿剤、媚薬などの効能がある。
マメハンミョウはツチハンミョウ科に属し、この仲間はみなカンタリジンを持つようだ。誤ってつぶしたりすると、皮膚がただれるので注意。かくいう私もこの仲間のキイロゲンセイによってただれた経験がある。(夜の昆虫採集)
ちなみにハンミョウ科のハンミョウたちはまったく別物で、彼らには毒はない。( ハンミョウとアリとマーガリン)
話を元に戻そう。
今年マメハンミョウを見たのは8月7日と14日で、猛暑の中、すこぶる元気だった。
ネット上の風説では、どうも昨年(2013年)あたりからマメハンミョウの発生が多いらしい。
さて、このとき我々は雑草の写真を撮っていたのだが、多数のマメハンミョウがぞろぞろと移動していた。


そしてこちらでは畑のトマトを食べている。

マメハンミョウは、幼虫がイナゴの卵に寄生し、成虫は広食性の植物食だという。
これまでに見たマメハンミョウ成虫は田んぼの脇のダイズを食べていた。広食性とはいえ、やはりダイズは美味かろう。
田んぼの脇にダイズが点々と植えられるのを見かける。たぶん自家用の枝豆なのだろうが、この環境はマメハンミョウにとっては好都合で、まるで理想郷だ。
これまでに何度かそんな光景を見て、しかも名前がマメハンミョウということもあって、成虫はマメ科植物を食べると思っていたのだが、それは私の思い込みだったようだ。
日本では第二次大戦後イナゴが激減したものの、その後低毒性の農薬への切り替えによるものか、1980年前後にはイナゴが復活した。
それにともなって、一時は希少な存在となっていたマメハンミョウもゆっくりと増加傾向にあるのかもしれない。
ヒトとマメハンミョウの関係を考えてみると、幼虫はイナゴ食で競合関係にあり、成虫は枝豆食でこれまたライバルである。
謀殺での活用で歴史を積み上げてきたこといい、縁の深い昆虫である。
2014年10月22日、報告:自然観察大学 事務局O
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