江戸川べりの観察-20 カマキリの食事
7月中旬のカマキリ幼虫。

小さいうちから、すでに悪ガキっぽい風貌だ。
ずいぶん前の写真だが、このあと徐々にショッキングな場面になるので、とりあえずソフトな写真を掲載した。以降要注意!
1か月後の8月中旬のこと。
一番暑い季節の最も暑い時間に、いつもの観察コースを歩いていると、ただならぬセミの声が聞こえた。
カマキリに捕えられたアブラゼミが暴れている。
飛び立とうと必死にバタバタしていが、カマキリに翅の付け根を捕まえられている。
カマキリ(ハラビロカマキリ)は存外チカラ持ちのようで、浮き上がるセミを軽々とあしらっている。
仲間がつかまっているのに、画面右下のアブラゼミは隣で素知らぬ顔。
ハラビロカマキリは、暴れる獲物を抑えつつ、頭からかじりはじめた。
アブラゼミはまだ激しく抵抗を続け、時おりジジジジッと大音量で鳴く。
つらい場面だが、この機会に詳しく観察させていただこう。
近づくと、ハラビロカマキリがこちらを睨む。
妖気を含んだ視線に、一瞬ひるむ私…
カマキリは私を威嚇しておいて、すぐに食事に戻る。
アブラゼミのほうは、複眼が食われてしまったが、まだ鳴いている。
ここまでの時間は、捕えられてから約10分経過。鳴き声もだんだん小さくなる。

ううっ。妖怪っぽい顔。風になびく触角が妖気を増幅する。
アブラゼミの表皮はけっこう硬そうだが、ものともせずにサクサク食べてしまう。
頭がなくなって、アブラゼミはついに静かになり、さらに食べ進むと、アブラゼミの脚が取れた。
なんと、脚を持ってかじっている。
生命のありがたみを知ってか、はたまた母の教えか?
いずれにしても、余さず行儀よく食べる。
ハラビロカマキリは、食事を見つめる怪しいヤツ(私のこと)がどうにも気になるらしい。
残りの獲物を高々と差し上げて、後ずさりして高所へ移動してしまった。
残念ながら観察終了。はじめの写真からここまで35分であった。
ところで、冒頭の画面右下のアブラゼミだが、まだ同じところにじっとしていた。
普段はちょっと近づくと敏感に逃げるのに、不思議だ。
近くで仲間が食われている間は安全、というヨミなのだろうか。
余談ですが…
最近、百田尚樹氏の「風の中のマリア」を読んだ。
主人公は 〝疾風のマリア〟 と異名をとるオオスズメバチの戦士(ワーカー)という、変わった小説だ。
この中でマリアとオオカマキリの決闘シーンがあるが、この描写がなかなか素晴らしい。文庫本の巻末の養老孟司氏の解説文もよい。
百田尚樹氏のような人気作家がこのような小説を書いてくれたので、蜂好き、虫好きが世の中に増えるかもしれない。たのしみ。
2013年9月7日、報告:自然観察大学 事務局O

ずいぶん前の写真だが、このあと徐々にショッキングな場面になるので、とりあえずソフトな写真を掲載した。以降要注意!
1か月後の8月中旬のこと。
一番暑い季節の最も暑い時間に、いつもの観察コースを歩いていると、ただならぬセミの声が聞こえた。

飛び立とうと必死にバタバタしていが、カマキリに翅の付け根を捕まえられている。
カマキリ(ハラビロカマキリ)は存外チカラ持ちのようで、浮き上がるセミを軽々とあしらっている。
仲間がつかまっているのに、画面右下のアブラゼミは隣で素知らぬ顔。
ハラビロカマキリは、暴れる獲物を抑えつつ、頭からかじりはじめた。

つらい場面だが、この機会に詳しく観察させていただこう。
近づくと、ハラビロカマキリがこちらを睨む。

妖気を含んだ視線に、一瞬ひるむ私…
カマキリは私を威嚇しておいて、すぐに食事に戻る。
アブラゼミのほうは、複眼が食われてしまったが、まだ鳴いている。
ここまでの時間は、捕えられてから約10分経過。鳴き声もだんだん小さくなる。

アブラゼミの表皮はけっこう硬そうだが、ものともせずにサクサク食べてしまう。
頭がなくなって、アブラゼミはついに静かになり、さらに食べ進むと、アブラゼミの脚が取れた。

生命のありがたみを知ってか、はたまた母の教えか?
いずれにしても、余さず行儀よく食べる。
ハラビロカマキリは、食事を見つめる怪しいヤツ(私のこと)がどうにも気になるらしい。
残りの獲物を高々と差し上げて、後ずさりして高所へ移動してしまった。
残念ながら観察終了。はじめの写真からここまで35分であった。
ところで、冒頭の画面右下のアブラゼミだが、まだ同じところにじっとしていた。

近くで仲間が食われている間は安全、というヨミなのだろうか。
余談ですが…
最近、百田尚樹氏の「風の中のマリア」を読んだ。
主人公は 〝疾風のマリア〟 と異名をとるオオスズメバチの戦士(ワーカー)という、変わった小説だ。
この中でマリアとオオカマキリの決闘シーンがあるが、この描写がなかなか素晴らしい。文庫本の巻末の養老孟司氏の解説文もよい。
百田尚樹氏のような人気作家がこのような小説を書いてくれたので、蜂好き、虫好きが世の中に増えるかもしれない。たのしみ。
2013年9月7日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2013-09-07 08:58
| 昆虫など
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