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自然観察大学ブログ

カメムシの夏-その4 マルカメムシの卵

カメムシの卵は幾何学的でフォトジェニックなものが多い。
カメムシの夏-その4 マルカメムシの卵_d0163696_10141236.jpg
マルカメムシの卵も例外ではない。(クリックして拡大をぜひどうぞ)(拡大できなかったみたいなので修正しました。今度はOK。8.15)
王冠のようなフタは、尻を震わせた造形なのか?
それともミルククラウンのように弾けるように産み出すのか?
カメムシの夏-その4 マルカメムシの卵_d0163696_18381049.jpg
今の時期、クズがあるところでは必ずお目にかかるマルカメムシだが、どうやってこんな卵を産むのだろう。

ところで、
はじめの卵塊の写真で、すき間に観えるエンジ色のものに注目いただきたい。
失礼して卵塊を剥がして裏返してみた…
カメムシの夏-その4 マルカメムシの卵_d0163696_18383593.jpg
これは産卵と同時に母カメムシが用意したもので、腸内共生細菌のカプセルなのだという。
幼虫はふ化後すぐにこのカプセルを吸って、母親から受け継いだ細菌と共生することになるのだ。

応用動物昆虫学会『むしこら』2007年8月2日【マルカメムシの共生細菌カプセル】 ⇒ 
※ カプセルを吸う、ふ化幼虫の写真は必見!

この記事によると、共生細菌を獲得できなかった個体はその後順調に成長することが難しくなるそうだ。

この話は、2012年の自然観察大学観察会でも話題になった。
私も、ふ化幼虫が細菌を吸うシーンを観ようと飼育を試みたのだが、あえなく失敗。


余談ですが…

カメムシに関する新刊が、今、水面下で動いている。
仮称だが「カメムシ博士入門」という本で、カメムシの世界を一冊にまとめようという観察の手引き書。
日本原色カメムシ図鑑 第3巻」()の石川忠先生、高井幹夫先生、安永智秀先生らによる執筆で、順調に行けば2014年発行の由。
われわれシロウトにもわかりやすく〝カメムシの形とくらし〟を紹介してくれる画期的な内容と予想される。おおいに期待したい。

2013年8月14日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2013-08-14 18:43 | 昆虫など | Comments(2)
Commented by みい at 2013-11-06 06:48 x
我が家の庭先でも大量発生して困ってます。
完全予防はできないものなのでしょうか?
洗濯物などにくっついていることも多く非常にきもりわるいです(>_<)

https://www.youtube.com/watch?v=VugCZz6zYak
Commented by sizenkansatu at 2013-11-06 17:45
みいさん、コメントありがとうございます。

私は野外では帽子がわりに手ぬぐいをかぶることが多いのですが、先日その手ぬぐいにカメムシが紛れ込んでいたらしく、汗を拭ったらすごいカメムシ臭になってしまいました。顔全体に漂う臭いが、しばらく消えませんでした。

ちょっと困った奴等ではありますが、悪気はないはずなので、仲良くやって行こうではありませんか。
<事務局O>

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