上田城の攻防 -エゾタンポポとセイヨウタンポポ-
連休中の一日、長野県の上田城に行った。
上田城は真田昌幸によって築城され、自らの指揮のもと、子息の信之・幸村らとともに二度にわたって徳川の大軍を退けた城として知られる。小城ではあるが、実戦で証明された正真正銘の名城なのである。
現在、城跡は公園となり、周囲には広場や運動場などがあるが、往時は湿地、泥濘地で囲まれた難攻不落の城であったという。
これは現地の案内板。
内堀は本丸全体を囲んでいるわけではなく、コの字型で、堀のない方面(地図の芝生ひろば)へは絶壁となっている。
ということで上田城の概略を頭において、タンポポのようすを観察しよう。
春に古城を訪れるときは、タンポポの攻防戦を観るのが楽しみなのである。
いわば 〝タンポポ版攻城シミュレーション〟 だ。
参考:岩瀬先生の彦根城のタンポポ観察の話 ⇒『籠城する? カンサイタンポポ』
※話のたねのテーブル過去の記事一覧表からNo.25をクリック (若干、手間がかかります)
http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html
さて、地図の右手の〝二の丸橋〟からの写真。
明治期に土塁に植樹されたケヤキが上空をおおい、何とも素晴らしい新緑の眺め。
地図の 〝けやき並木遊歩道〟 というところである。かなり深くて急な斜面で、空掘としてもみごとだ。
さてこの空掘へ下りる通路のタンポポは…
りっぱなセイヨウタンポポだった。
徳川軍だって、ここら辺までは寄せていたのであろう。
まぁ、許してやろうではないか。
この空掘の底で、一株だけ発見したエゾタンポポ。
セイヨウタンポポに混じって奮戦中というところか。
この先、城の内外での攻防戦はどうなっているのか… 興味津々である。
さて、空掘を渡って駐車場を過ぎると、内堀がある。
これまた見事な眺めだが、攻城にはやっかいな堀だ。
話はそれるが、真田昌幸は城内から穴を掘り、北方の山中に出口があって兵站(物流)に困らなかったという。この遠くの山なのだろうか。だとするとかなり長いトンネルになる。
堀を渡ったところに櫓門(やぐらもん)がある。
地図の 〝東虎口櫓門〟
櫓は復元されたものだが、画面中央の大石は 〝真田石〟 と命名された築城当時のものということである。巨大すぎて誰も動かせなかった、と傍らの由緒書にある。
櫓門を抜けると、いよいよ本丸である。
セイヨウタンポポの侵攻はどんな戦況か?

本丸内は整備された公園になっている。
画面右端の通路わきのタンポポはセイヨウだ。
やはり、これだけ人の手が加わり往来が激しければ、セイヨウタンポポに置き換わるのも仕方がないことだろう。
本丸内は舗装路があって、その奥の方は一段高くなっている。上段は過度に手を入れることなく、いい感じになっている。(地図の本丸内の上半分)
この段差の境界上にあったのは…
エゾタンポポである。(やったね!)
嬉々として本丸内をチェックすると、どれもこれもエゾタンポポである。

エゾタンポポは、総苞が太くがっちりしていて、実にたのもしい。
本丸の中心部は、どこを観てもエゾタンポポがしっかりと守っていた。
ところが…
北東の一角から、土塁を越えてセイヨウタンポポの大軍が押し寄せていた。
雪崩のように、斜面を下りてきている。エライことだ。
北東という方角はやはり 〝鬼門〟 なのだろうか。
がんばれエゾタンポポと言いたくなった。
今後の攻防が気になるところである。
余談ですが…
巷では今、真田幸村がブームらしい。
上田城本丸内では、〝NHK大河ドラマで真田幸村を実現しよう〟 という署名活動をやっていた。
かつて立川文庫の影響で幸村と真田十勇士が大人気だったように、いまはゲームの影響なのだろうか。事情通に聞くところによると、織田信長、伊達政宗、真田幸村が人気トップ3なのだそうである。
この上田城を築城したのは父親の昌幸であり、徳川軍を二度にわたって退けた際に采配を振るったのも昌幸である。幸村が嫌いなわけではないが、歪んだ人気に一言いいたくなってしまった。
そうは言っても、しっかり署名して、観光みやげの〝真田十勇士手ぬぐい〟を買ってしまったのだが…
2013年5月8日、報告:自然観察大学 事務局O
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by
鷲谷 城州
at 2021-08-01 11:44
上田城は真田昌幸によって築城され、自らの指揮のもと、子息の信之・幸村らとともに二度にわたって徳川の大軍を退けた城として知られる。小城ではあるが、実戦で証明された正真正銘の名城なのである。
現在、城跡は公園となり、周囲には広場や運動場などがあるが、往時は湿地、泥濘地で囲まれた難攻不落の城であったという。

内堀は本丸全体を囲んでいるわけではなく、コの字型で、堀のない方面(地図の芝生ひろば)へは絶壁となっている。
ということで上田城の概略を頭において、タンポポのようすを観察しよう。
春に古城を訪れるときは、タンポポの攻防戦を観るのが楽しみなのである。
いわば 〝タンポポ版攻城シミュレーション〟 だ。
参考:岩瀬先生の彦根城のタンポポ観察の話 ⇒『籠城する? カンサイタンポポ』
※話のたねのテーブル過去の記事一覧表からNo.25をクリック (若干、手間がかかります)
http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html
さて、地図の右手の〝二の丸橋〟からの写真。

地図の 〝けやき並木遊歩道〟 というところである。かなり深くて急な斜面で、空掘としてもみごとだ。
さてこの空掘へ下りる通路のタンポポは…

徳川軍だって、ここら辺までは寄せていたのであろう。
まぁ、許してやろうではないか。
この空掘の底で、一株だけ発見したエゾタンポポ。

この先、城の内外での攻防戦はどうなっているのか… 興味津々である。
さて、空掘を渡って駐車場を過ぎると、内堀がある。

話はそれるが、真田昌幸は城内から穴を掘り、北方の山中に出口があって兵站(物流)に困らなかったという。この遠くの山なのだろうか。だとするとかなり長いトンネルになる。
堀を渡ったところに櫓門(やぐらもん)がある。

櫓は復元されたものだが、画面中央の大石は 〝真田石〟 と命名された築城当時のものということである。巨大すぎて誰も動かせなかった、と傍らの由緒書にある。
櫓門を抜けると、いよいよ本丸である。
セイヨウタンポポの侵攻はどんな戦況か?

画面右端の通路わきのタンポポはセイヨウだ。
やはり、これだけ人の手が加わり往来が激しければ、セイヨウタンポポに置き換わるのも仕方がないことだろう。
本丸内は舗装路があって、その奥の方は一段高くなっている。上段は過度に手を入れることなく、いい感じになっている。(地図の本丸内の上半分)
この段差の境界上にあったのは…

嬉々として本丸内をチェックすると、どれもこれもエゾタンポポである。



ところが…
北東の一角から、土塁を越えてセイヨウタンポポの大軍が押し寄せていた。

北東という方角はやはり 〝鬼門〟 なのだろうか。
がんばれエゾタンポポと言いたくなった。
今後の攻防が気になるところである。
余談ですが…
巷では今、真田幸村がブームらしい。
上田城本丸内では、〝NHK大河ドラマで真田幸村を実現しよう〟 という署名活動をやっていた。
かつて立川文庫の影響で幸村と真田十勇士が大人気だったように、いまはゲームの影響なのだろうか。事情通に聞くところによると、織田信長、伊達政宗、真田幸村が人気トップ3なのだそうである。
この上田城を築城したのは父親の昌幸であり、徳川軍を二度にわたって退けた際に采配を振るったのも昌幸である。幸村が嫌いなわけではないが、歪んだ人気に一言いいたくなってしまった。
そうは言っても、しっかり署名して、観光みやげの〝真田十勇士手ぬぐい〟を買ってしまったのだが…
2013年5月8日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2013-05-08 18:41
| 植物
|
Comments(2)
初めまして、鷲谷と申します。
この度第二次上田合戦を題材にした記事を書かせていただいたのですが、その情報収集の際に自然観察大学さんのこちらの記事に出会いまして、読ませていただきました。
タンポポの攻防、面白いですね!
セイヨウタンポポが日本のタンポポの生育地を奪っているという話は聞いたことがありましたが、こんな風にせめぎ合っていたのですね。
エゾタンポポを応援したくなりましたw
それと、誠に勝手ながら自ブログにて自然観察大学さnのこちらの記事のリンクを貼らせていただいたので、ぜひ遊びにいらしてください!
この度第二次上田合戦を題材にした記事を書かせていただいたのですが、その情報収集の際に自然観察大学さんのこちらの記事に出会いまして、読ませていただきました。
タンポポの攻防、面白いですね!
セイヨウタンポポが日本のタンポポの生育地を奪っているという話は聞いたことがありましたが、こんな風にせめぎ合っていたのですね。
エゾタンポポを応援したくなりましたw
それと、誠に勝手ながら自ブログにて自然観察大学さnのこちらの記事のリンクを貼らせていただいたので、ぜひ遊びにいらしてください!
> 鷲谷 城州さん
コメントありがとうございます。
城を舞台にタンポポの攻防を観るのは、防御能力を測るようでおもしろいのですが、
このごろは雑種のタンポポが多くて悩ましくなっています。
貴ブログ、ちょっとだけ拝見しました。
おもしろそうなので、これからゆっくり楽しませていただきます。
コメントありがとうございます。
城を舞台にタンポポの攻防を観るのは、防御能力を測るようでおもしろいのですが、
このごろは雑種のタンポポが多くて悩ましくなっています。
貴ブログ、ちょっとだけ拝見しました。
おもしろそうなので、これからゆっくり楽しませていただきます。
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