オトシブミのゆりかご(揺籃)づくり その2
(その1から続き ⇒その1 )

何処からか雄がやってきて、交尾をはじめた。
このとき12時。まさに真昼の交尾。
雌は雄の来襲に動じることなく、揺籃づくりを続けている。

かいがいしく働く雌にくらべて、雄はエラそうに乗ってるだけ。
余談だが、オトシブミはとくに雄の首が長く、雌はちょっと短めだそうである。
なぜなら長すぎると揺籃づくりがしにくいから。
本人に聞いたわけではないが、だとすると雄は 〝生まれながらの役立たず〟 ということになる。

交尾は10分ほどで終わり、雄は無言で立ち去る。しょうがない遊び人だ。
働き者の雌に、ねぎらいの言葉はないのか?
雌のほうは、これからが本番。
葉縁を内側へ折り込みはじめた。


頭を突っ込んだと思ったら、そのまま中に入り込んで見えなくなった。
今になって考えると、このとき奥に産卵したのかもしれない。(12時23分)
…ということは、もしもあの雄が来なかったら、揺籃づくりは中断したままだったのだろうか?
だとすると、ベストなタイミングで現れた雄はエライ!
役立たずなんて言ってスミマセン。
(さっきの交尾で受精したとは限らないが…)

産卵を終えたのか、再び外へ出てきて、さらに巻いていく。

最後はあっという間に揺籃が完成した。
どこをどうとめるのか、こまかいことはわからなかったが、うまく作るものだ。
ひと仕事を終えて、隣の葉に移動した雌。
このとき時間は12時48分。73分間の重労働であった。

涼風を顔にあてながら、しばし充実感を味わったのち、さっそうと飛び去った。
その後、揺籃の中は…
後日、ほかの揺籃で落ちてしまったのを切ってみると、中に幼虫がいた。
ゆりかごの中でぬくぬくと育った、いわば深窓の令嬢。(御曹司かも)
丸々として元気そうである。

別の巻文では、未受精なのか、黒ずんだ卵がそのまま残っていた。
よく観て巻き方をたどろうとしたが、頭が痛くなってきたのでやめた。
巻き方を極めたい方は、鈴木海花さんの次のブログをどうぞ…
『オトシブミの揺籃づくりをマネしてみた』 ⇒ http://blog.goo.ne.jp/mushidoko64/e/99c0e36ca69621c7e8c678c135a0c19a
揺籃づくりのコツが、オトシブミ目線でまとめられています。
注目は、およそ1か月後のこのときまで、巻文が新鮮なままであること。
幼虫が成長する間、ずっと新鮮な葉が食べられるということだ。
見直したいオトシブミ
もう一つ感心したことは、揺籃に使った一枚の葉だけで成長しきることだ。
世の中には、あちこちの葉を食い散らす虫もいれば、たいせつな果実や種子だけを食べるヤツもいるし、ついでにウイルス病を伝染していく極悪虫もいる。
そいつらとくらべると、オトシブミたちはなんと奥ゆかしい、環境保全型の昆虫であろうか。
巻文という日本文化の継承者(?)であり、エコ生活の先導者でもあるオトシブミ
… おそれいりました。
2013年4月19日、報告:自然観察大学 事務局O
Commented
by
おちゃたてむし
at 2013-04-19 21:47
Commented
by
kaika
at 2013-04-25 08:28
Commented
by
kaika
at 2013-04-25 17:06

このとき12時。まさに真昼の交尾。
雌は雄の来襲に動じることなく、揺籃づくりを続けている。


かいがいしく働く雌にくらべて、雄はエラそうに乗ってるだけ。
余談だが、オトシブミはとくに雄の首が長く、雌はちょっと短めだそうである。
なぜなら長すぎると揺籃づくりがしにくいから。
本人に聞いたわけではないが、だとすると雄は 〝生まれながらの役立たず〟 ということになる。

働き者の雌に、ねぎらいの言葉はないのか?
雌のほうは、これからが本番。
葉縁を内側へ折り込みはじめた。


頭を突っ込んだと思ったら、そのまま中に入り込んで見えなくなった。
今になって考えると、このとき奥に産卵したのかもしれない。(12時23分)
…ということは、もしもあの雄が来なかったら、揺籃づくりは中断したままだったのだろうか?
だとすると、ベストなタイミングで現れた雄はエライ!
役立たずなんて言ってスミマセン。
(さっきの交尾で受精したとは限らないが…)



最後はあっという間に揺籃が完成した。
どこをどうとめるのか、こまかいことはわからなかったが、うまく作るものだ。
ひと仕事を終えて、隣の葉に移動した雌。
このとき時間は12時48分。73分間の重労働であった。

その後、揺籃の中は…
後日、ほかの揺籃で落ちてしまったのを切ってみると、中に幼虫がいた。

丸々として元気そうである。

別の巻文では、未受精なのか、黒ずんだ卵がそのまま残っていた。
よく観て巻き方をたどろうとしたが、頭が痛くなってきたのでやめた。
巻き方を極めたい方は、鈴木海花さんの次のブログをどうぞ…
『オトシブミの揺籃づくりをマネしてみた』 ⇒ http://blog.goo.ne.jp/mushidoko64/e/99c0e36ca69621c7e8c678c135a0c19a
揺籃づくりのコツが、オトシブミ目線でまとめられています。
注目は、およそ1か月後のこのときまで、巻文が新鮮なままであること。
幼虫が成長する間、ずっと新鮮な葉が食べられるということだ。
見直したいオトシブミ
もう一つ感心したことは、揺籃に使った一枚の葉だけで成長しきることだ。
世の中には、あちこちの葉を食い散らす虫もいれば、たいせつな果実や種子だけを食べるヤツもいるし、ついでにウイルス病を伝染していく極悪虫もいる。
そいつらとくらべると、オトシブミたちはなんと奥ゆかしい、環境保全型の昆虫であろうか。
巻文という日本文化の継承者(?)であり、エコ生活の先導者でもあるオトシブミ
… おそれいりました。
2013年4月19日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2013-04-19 13:17
| 昆虫など
|
Comments(5)
こんばんは。
揺籃づくりの一部始終を見事に捉えた労作ですね。
私も何度か挑戦したことがありますが、時間はかかるし葉は風で揺れて撮りにくいし僅かな刺激で仕事を途中で放棄して行ってしまったりするしで、ほとんど満足に撮れたためしがありません。。
それにしてもこのオトシブミ、産卵にかける労力からしてもまた卵の大きさから見ても一生の間に生む卵の数は昆虫としては非常に少ないと思いますが、それでも代々子孫を残して来ているということに今更感心します。
揺籃づくりの一部始終を見事に捉えた労作ですね。
私も何度か挑戦したことがありますが、時間はかかるし葉は風で揺れて撮りにくいし僅かな刺激で仕事を途中で放棄して行ってしまったりするしで、ほとんど満足に撮れたためしがありません。。
それにしてもこのオトシブミ、産卵にかける労力からしてもまた卵の大きさから見ても一生の間に生む卵の数は昆虫としては非常に少ないと思いますが、それでも代々子孫を残して来ているということに今更感心します。
おちゃたてむしさん、コメントありがとうございます。
偶然ですが、初チャレンジで全部撮ることができました。これはかなり幸運なことだったんですね。
撮ったあと、膨大なカットを整理できなかったんですが、やっとアップできました。
ずっと植物ネタが続きましたが、虫ネタもがんばります。
偶然ですが、初チャレンジで全部撮ることができました。これはかなり幸運なことだったんですね。
撮ったあと、膨大なカットを整理できなかったんですが、やっとアップできました。
ずっと植物ネタが続きましたが、虫ネタもがんばります。
もうはじまっているんですね!今年の揺籃づくり。メスが一心に作業中の交尾、私も不思議でなりません。見るからに邪魔そうで、「今でしょ!」じゃなくて「今じゃないでしょ!」といいたくなります。でももしマウントが作業中のタイミングで行われる必要があるのなら、それはそれで面白い。どちらにしてもオトシブミのメスはたいへんだなあ。折り紙で揺籃づくりをマネしてみて、いったいどのタイミングで産卵するのかナゾだったんですが、この観察でわかりました!
Kaikaさん、コメントありがとうございます。
実はこのあとY崎先生に意見をうかがう機会があり、
「貯精能力があるので、このときに受精したとは限らない。ひとつ産卵するたびに交尾をするというのは、産卵数が少ないオトシブミといえども考えにくいです。」
ということでした。
残念ですが、このときはたまたまだったんでしょうね。
ところで、この写真は数年前のものですので、もうはじまっているかどうか…
今年は寒いから少し遅いかもしれませんね。
実はこのあとY崎先生に意見をうかがう機会があり、
「貯精能力があるので、このときに受精したとは限らない。ひとつ産卵するたびに交尾をするというのは、産卵数が少ないオトシブミといえども考えにくいです。」
ということでした。
残念ですが、このときはたまたまだったんでしょうね。
ところで、この写真は数年前のものですので、もうはじまっているかどうか…
今年は寒いから少し遅いかもしれませんね。
なるほどー。いくらなんでもマウントしてすぐ卵ができちゃうっていうのは、早業すぎますよね。でもなんであんなに大事で労力を伴うメスの作業の途中でマウントするのか・・・・・・まだ気になりますね。
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