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自然観察大学ブログ

黄金の猫又じゃらし

キンエノコロは光の加減で黄金に輝く刺毛があり、ドキッとするくらい美しい瞬間がある。
黄金の猫又じゃらし_d0163696_19142583.jpg
こんな場面に遭遇するとなんだか得したような気持ちがする。

見沼田んぼの観察会の下見、9月末のことだ。
キンエノコロ(もしかすると類似のコツブキンエノコロ?)が一面に広がる中に、一本だけ二股になったのが突き出ていた。
黄金の猫又じゃらし_d0163696_19145767.jpg
「これは珍しい」とカメラに収めるK沢先生。
私もはじめて見た。
“猫又じゃらし” と命名したい。

世間ではどうかと、“キンエノコロ 二股” と入力してネットで検索すると、75件もヒットした。
意外に多く見られるようだ。

余談ですが…
エノコログサ類の毛は小穂(しょうすい)の付け根から出る “刺毛(しもう)” で、イネやイヌビエのように先端につく “のぎ(芒、ぼう)” とは異なる。
黄金の猫又じゃらし_d0163696_19155670.jpg
キンエノコロの穂のアップ。
粒々(小穂)の付け根に毛があり、先端にはない。これが刺毛。

黄金の猫又じゃらし_d0163696_19163427.jpg
こちらはイネの花。
穎(えい)の先端に見えるツノ状のものが のぎ。
黄金の猫又じゃらし_d0163696_191765.jpg
これはセイバンモロコシ。
ところどころに長いのぎがある。

もうひとつ余談
刺毛やのぎは、本来動物に付着して種子散布のためのものだと思うが、果実を吸汁するカメムシ類の防御に役立っているという報告もある。
カメムシに吸われたイネは価格が下落することもあって、現代の稲作の最大の害虫はカメムシとされている。近い将来、カメムシ対策の品種改良で、のぎがボウボウと付いた稲が出てくるようなことになるのかもしれない。

2011年10月12日、報告:自然観察大学 事務局O



by sizenkansatu | 2011-10-12 19:21 | 植物 | Comments(6)
Commented by ミルフイユ at 2011-10-15 22:40 x
沢山生えていて、光に当たるとすっごく綺麗な時がありますよね~。
でも個別に見ると、エノコロの中では粒が大きくて毛が短くてまっすぐでぴんぴんしていてかたい感じなので、私はアキノエノコログサとかの方が柔らかそうで好きかなあ。あとムラサキエノコロとかも渋くて良し。

二股…帯化現象の一種ですよね。エノコログサもなりやすいらしいですね。虫の影響や栄養過多などでなりやすいとか。
今年は原発事故があったので、奇形植物の画像を集めているページとかありましたね。放射線量が高い地域で今までよく見ている人が「いつもと違う」と言っているのは、そうかもねと思うのですが、関西とかでしかもなりやすい植物の写真とかも載っていると、それただの帯化だからっ…て言いたくなります。
Commented by ミルフイユ at 2011-10-15 22:45 x
稲刈りや脱穀の時は、のぎのほこりでちくちくして大変です。ちくちくさえしなければ収穫だしもっと嬉しい気がするのになあ~と思います。ただでもまだ暑くてあせももできてるのに、ちくちくのおかげでかぶれまくってます。麦はさらにちくちくするらしいです。
のぎが増えるなんて、冗談じゃない!
カメムシ被害米は色彩選別機で取ってるところもあるし、いつまでも等級の基準にしとくのがおかしいと思います。農薬の使用が減らないようにかと勘ぐっちゃいますよ。
Commented by sizenkansatu at 2011-10-18 12:46
帯化の1種なんですか… なるほど。
おとといの日曜に二股のガマの穂も見ました。あれもそうなんでしょうね。
昆虫の羽化失敗も、放射能の影響とかいっている人があるらしいですね。因果関係が無いとは言い切れないかもしれませんが、羽化の失敗は自然界ではごくあたりまえだと知っていっているんでしょうか? 騒ぎすぎのような気がします。

のぎがちくちくして困るというのは、ミルフイユさんのように生産現場にいないとわからない話ですね。ありがとうございます。
米の等級も何かの理由で、誰が操作しているのですかね。多少斑点米が混じっていても、食べても問題があるわけではないし、気になるなら取り除けばいいんですよね。
米に限らず、農産物は流通などの都合やかってな思い込みで不当に扱われるケースが多いような気がします。

そういえば、最近は無洗米を使うことが多いんですが、あれには斑点米は無いですね。選別されているのか、それとも処理段階で除去されてしまうんでしょうか?
Commented by ミルフイユ at 2011-10-18 22:52 x
販売用の無洗米を作るようなところなら、たいてい色彩選別機も持っていると思います。行程(の多分最後の方、包装前とか)に入っているハズ。

会社にいた頃、発芽玄米やα化米、無洗米等を作る工場を見学させてもらったことがありますが、色彩選別機もちゃんとありました。
でも、もっとすごいのは、そこはその後に人の目による確認工程があったことでしたが。確認するのはともかく取れるのがすごい!だって米粒がザラーってコンベアの上を流れてくるんです。
Commented by ミルフイユ at 2011-10-19 00:10 x
上のコメントでの目視確認の話は、α化発芽玄米の行程の話で、加工費がある程度とれるのと、玄米で色にばらつきがあるので色彩選別機で取りきれないからだったと思います。
無洗米は精白してみがいてあるので、色選の感度は良いでしょうね。

うちでは石や斑点米は義母が目で見て取ってます。直接、飲食店に出しているので。
小型の色彩選別機も出てきていますがまだまだ高いです。安くなって性能が良ければ将来的には欲しいですね。近所の農協に入ったのは(小型じゃないですが)個別に調整しないせいかもしれませんが、試してみたけどいまいちでした。
Commented by sizenkansatu at 2011-10-19 19:04
流れる米のなかから瞬時に選別して除去するというのは、聞いただけですごいのがわかりますが、実際に眼にするともっと感動的なんでしょうね。
ヒトが潜在的に持っている力なんでしょうね。
宮本武蔵みたいです。
箸で除去するわけではないでしょうけど…

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