つる植物の話-5
アレチウリ

江戸川沿いにアレチウリが広がり、立ち木を覆っていた。
河原などで大きな群落をつくる。

よく観ると、ここにはアレチウリに隠れてクズ、カナムグラ、ヤブガラシ、ヘクソカズラもあった。
どうやらこれらのライバルたちを、まとめて覆いつくしてしまったようだ。
特定外来生物とされているのもうなずける。
アレチウリは遅く発芽して急激に伸びるらしい。

これは去年の6月に野川公園で撮った芽生え。いかにもウリ科らしい姿。
このときはアレチウリとオオブタクサが河原でいっせいに発芽していた。
わずかな期間に他を圧する成長をするということだ。

アレチウリは巻きひげを盛んに出す。巻きかたは意外にも几帳面。
真ん中辺でらせんの向きが変わるのが写真でよくわかる。
全身に針のような毛があるが、痛いというほどではなくかゆい程度。

アレチウリの雄花序。雄しべは合着していて、葯は面白い形だ。
よく観ると写真の右端の花は花弁が6個ある。
写真はまだ若い花序で、中心から次々に開花のスタンバイをしているのがわかる。
アレチウリは英名でstar cucumber(星の胡瓜)とも言われるそうだが、この花の形が由来しているのだろう。

こちらは雌花。花粉がよくついているのが確認できる。
アレチウリにはミツバチやスズメバチなどのハチ類、ハエ・アブ類などをはじめ、盛んに昆虫が訪花するのが確認できる。虫媒で受粉する植物にとっては、虫に人気があるかどうかが大切なはずだが、その点アレチウリは高い支持率があるようだ。

果実。トゲは見た目ほど痛くはないのだが、トゲだけが抜けて皮膚に刺さるので扱い(?)にくい。

ウリ科植物と言えばウリハムシだ。(イメージ偏りすぎ?)
成虫が葉を食べ、特徴的な丸い食痕を残す。
キュウリやスイカ、メロンなどウリ科作物の農業害虫とされるが、幼虫も地下で根を食べるので、こちらの方が問題は大きいのかも…
※ 参考:病害虫・雑草の情報基地:菜園の病害虫 http://www.boujo.net/handbook/saien/saie-98.html
ウリハムシの近縁でクロウリハムシというのがいる。
農作物(のうさくもつ)につくのはウリハムシが多く、自然界(野生植物)ではクロウリハムシが多いような気がする。
農作物について(余談ですが…)
ニュースなどで、アナウンサーが “のうさくぶつ” と言っているのが気になって仕方がない。
学生時代から何十年間も農業関係に籍を置いているが、ずっと “のうさくもつ” と言ってきたのである。
以前、仲間との居酒屋会議で本件について話し合ったが、結論は全員が “のうさくもつ” で一致。“のうさくぶつ” はおかしい、ということで意気が上がった。
辞書で調べると、本筋は “のうさくぶつ” で “のうさくもつ”とも言う、という扱いのようだ。
言語学者の皆さんには、農学系で言われているのは圧倒的に “のうさくもつ” であることを知っていただきたい。
2011年10月2日、報告:自然観察大学 事務局O
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ミルフイユ
at 2011-10-06 00:07
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りりねこ
at 2011-10-06 11:11
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りりねこ
at 2011-10-06 11:12
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ミルフイユ
at 2011-10-07 00:23
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Ohrwurm
at 2011-10-09 08:55
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りりねこ
at 2011-10-11 07:56
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りりねこ
at 2011-10-11 08:04
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水蟷螂
at 2011-10-15 10:00

河原などで大きな群落をつくる。

どうやらこれらのライバルたちを、まとめて覆いつくしてしまったようだ。
特定外来生物とされているのもうなずける。
アレチウリは遅く発芽して急激に伸びるらしい。

このときはアレチウリとオオブタクサが河原でいっせいに発芽していた。
わずかな期間に他を圧する成長をするということだ。

真ん中辺でらせんの向きが変わるのが写真でよくわかる。
全身に針のような毛があるが、痛いというほどではなくかゆい程度。

よく観ると写真の右端の花は花弁が6個ある。
写真はまだ若い花序で、中心から次々に開花のスタンバイをしているのがわかる。
アレチウリは英名でstar cucumber(星の胡瓜)とも言われるそうだが、この花の形が由来しているのだろう。

アレチウリにはミツバチやスズメバチなどのハチ類、ハエ・アブ類などをはじめ、盛んに昆虫が訪花するのが確認できる。虫媒で受粉する植物にとっては、虫に人気があるかどうかが大切なはずだが、その点アレチウリは高い支持率があるようだ。


成虫が葉を食べ、特徴的な丸い食痕を残す。
キュウリやスイカ、メロンなどウリ科作物の農業害虫とされるが、幼虫も地下で根を食べるので、こちらの方が問題は大きいのかも…
※ 参考:病害虫・雑草の情報基地:菜園の病害虫 http://www.boujo.net/handbook/saien/saie-98.html
ウリハムシの近縁でクロウリハムシというのがいる。

農作物について(余談ですが…)
ニュースなどで、アナウンサーが “のうさくぶつ” と言っているのが気になって仕方がない。
学生時代から何十年間も農業関係に籍を置いているが、ずっと “のうさくもつ” と言ってきたのである。
以前、仲間との居酒屋会議で本件について話し合ったが、結論は全員が “のうさくもつ” で一致。“のうさくぶつ” はおかしい、ということで意気が上がった。
辞書で調べると、本筋は “のうさくぶつ” で “のうさくもつ”とも言う、という扱いのようだ。
言語学者の皆さんには、農学系で言われているのは圧倒的に “のうさくもつ” であることを知っていただきたい。
2011年10月2日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2011-10-03 17:27
| 植物と虫
|
Comments(11)
アレチウリは見ているだけでなんだか嬉しくないですねえ。
うちでは梅の外縁に時々生えて、見つけ次第除去してます。
千葉では花見川のサイクリングコースで川岸や木を覆ってました。
ウリハムシはうちもキュウリがよくやられます。一緒にスイカやカボチャもありますが、こちらは被害は感じません。
見かけは可愛いんだけどなあ。
農業をやるようになったからか、クロウリハムシは前より見なくなりました。ツートンカラーでキレイなのに。
のうさくぶつ!初耳です。でも私の辞書にも出てました。えー。
何の「ブツ」だって感じ。
作物はさくぶつって言わないんだから、農作物ものうさくもつでいいじゃないですか。ねえ。
うちでは梅の外縁に時々生えて、見つけ次第除去してます。
千葉では花見川のサイクリングコースで川岸や木を覆ってました。
ウリハムシはうちもキュウリがよくやられます。一緒にスイカやカボチャもありますが、こちらは被害は感じません。
見かけは可愛いんだけどなあ。
農業をやるようになったからか、クロウリハムシは前より見なくなりました。ツートンカラーでキレイなのに。
のうさくぶつ!初耳です。でも私の辞書にも出てました。えー。
何の「ブツ」だって感じ。
作物はさくぶつって言わないんだから、農作物ものうさくもつでいいじゃないですか。ねえ。
農学系では、農作物→のうさくもつと発音されることが多いんですね~
それは、さくもつや農作業への、愛があるからにちがいない!
さくもつ、には、モノじゃなくって人が田畑でそだてたんだ、みたいな語感が含まれる気がします。呉音のほうが古い読みで大和言葉っぽく親しみもてるし。
私も、のうさくもつでも違和感がさほどない気がしますし、そっちのほうが感じがいい気もします。
でも日本語のしくみから、のうさくぶつと読むのが一般的だと思います。
のう-さくもつ、では、痛い頭痛、のように意味が重複してしまうし・・(作物の中に、すでに農作で人が作ったものの意味がありますから)・・・でもそれは熟語として別におかしいことではないか・・。
ただ、農-作物 ではなく、農作-物 の熟語だから、のうさくぶつの読みになるのですよね。製作物、著作物、創作物と同じ構造で。
それは、さくもつや農作業への、愛があるからにちがいない!
さくもつ、には、モノじゃなくって人が田畑でそだてたんだ、みたいな語感が含まれる気がします。呉音のほうが古い読みで大和言葉っぽく親しみもてるし。
私も、のうさくもつでも違和感がさほどない気がしますし、そっちのほうが感じがいい気もします。
でも日本語のしくみから、のうさくぶつと読むのが一般的だと思います。
のう-さくもつ、では、痛い頭痛、のように意味が重複してしまうし・・(作物の中に、すでに農作で人が作ったものの意味がありますから)・・・でもそれは熟語として別におかしいことではないか・・。
ただ、農-作物 ではなく、農作-物 の熟語だから、のうさくぶつの読みになるのですよね。製作物、著作物、創作物と同じ構造で。
ちなみに-もつ、と呉音読みになるものの中には、荷物、貨物 とか。
でも言葉ってルールだけじゃなく、みなが使って慣れ親しんでいけばそれが定着していくのですし、
厳密なルールじゃないこともあるし、例外や説明できないことはたくさんあるでしょうし、
のうさくもつも自然に使われているのだから、それもありで、間違いではないですね。
あるいは、製作物などとは構造が違って、農+作物であって、「農」は作物の強調のための修飾的意味を持つ、っていう使い方が定着してる場合もあるといえるのかも?
とくに農学系のかたたちの中では、作物への愛と農作業(研究?)への想いもあって、「さくもつ」の読みに力があり、応用されるのかなと、りりねこは思いました。ステキ。
でも言葉ってルールだけじゃなく、みなが使って慣れ親しんでいけばそれが定着していくのですし、
厳密なルールじゃないこともあるし、例外や説明できないことはたくさんあるでしょうし、
のうさくもつも自然に使われているのだから、それもありで、間違いではないですね。
あるいは、製作物などとは構造が違って、農+作物であって、「農」は作物の強調のための修飾的意味を持つ、っていう使い方が定着してる場合もあるといえるのかも?
とくに農学系のかたたちの中では、作物への愛と農作業(研究?)への想いもあって、「さくもつ」の読みに力があり、応用されるのかなと、りりねこは思いました。ステキ。
ミルフイユさん、りりねこさん、おたよりありがとうございます。
コメントを拝見しながら以下のように考えました…
農作物(のうさくもつ)のほかに農産物(のうさんぶつ)という言葉もありますよね。
農産物は収穫されて商品となった野菜やくだもののイメージですが、農作物(のうさくもつ)というと、畑に育っている状態をイメージします。
“のうさくぶつ” という読み方にはなんとなく農産物のイメージが重なるので、われわれのような生産者に近い業界人(?)にはしっくり来ないのだと思います。
追伸:ミルフイユさん、誤植のご指摘、ありがとうございました。これでは編集者失格ですね。ナイショで修正してしまいました。
コメントを拝見しながら以下のように考えました…
農作物(のうさくもつ)のほかに農産物(のうさんぶつ)という言葉もありますよね。
農産物は収穫されて商品となった野菜やくだもののイメージですが、農作物(のうさくもつ)というと、畑に育っている状態をイメージします。
“のうさくぶつ” という読み方にはなんとなく農産物のイメージが重なるので、われわれのような生産者に近い業界人(?)にはしっくり来ないのだと思います。
追伸:ミルフイユさん、誤植のご指摘、ありがとうございました。これでは編集者失格ですね。ナイショで修正してしまいました。
なるほど、農作+物 だからですね。りりねこさん、ありがとうございます。確かに辞書にも農作のところに出てましたね。
でも、我々の感じとしては、農+作物 かなあ?相方に「のうさくぶつって言う?」と訊いたら「作物さくもつだけど、農が付いたときはブツになる時もあったような気がする」と言われましたし。
あと、農作という言葉が他に使われないというのもあるのかも。製作や著作、創作などは、その言葉だけでも使うし、製作者や著作権など他の言葉が付いたりもしますよね。でも、農作って辞書には出てたけど、実際使わないし、農作物以外では使わないので、農作+物には違和感があるんじゃないかと?
でも、我々の感じとしては、農+作物 かなあ?相方に「のうさくぶつって言う?」と訊いたら「作物さくもつだけど、農が付いたときはブツになる時もあったような気がする」と言われましたし。
あと、農作という言葉が他に使われないというのもあるのかも。製作や著作、創作などは、その言葉だけでも使うし、製作者や著作権など他の言葉が付いたりもしますよね。でも、農作って辞書には出てたけど、実際使わないし、農作物以外では使わないので、農作+物には違和感があるんじゃないかと?
こんにちは。
ボクも農学系ですが、「作物」は「さくもつ」。これに「物」がついて「農作物」となると「のうさくぶつ」になると習った記憶があります。以来、「農作物」は「のうさくぶつ」と読んでいます。
ボクも農学系ですが、「作物」は「さくもつ」。これに「物」がついて「農作物」となると「のうさくぶつ」になると習った記憶があります。以来、「農作物」は「のうさくぶつ」と読んでいます。
ミルフイユさんの、「・・初耳」 「何の「ブツ」だって感じ」 というコメントで、
ストレートに違和感が伝わってきました!
私は、「農作物」にふりがなをふれと言われたら、のうさくぶつ、と迷わず書くと思うんです。でも、のうさくもつは?と言われれば、そういえばそう聞くこともあるかも?というかんじです。家人に聞いても同じ反応でした。(パソコンでもケイタイでも、どちらの読みでも変換できますね)
実際に、農業に従事しているその道のかたたちやその周辺のかたたちにとっては、のうさくもつであって、のうさくぶつに違和感がある、というのは、とてもおもしろいです。
だとしたら、のうさくもつが正しいんじゃ?と思うくらい。
統計とったらおもしろいかもしれないですね、農業の生産者、その周辺の者、それ以外の者。それぞれ、年齢別にも。
言語学者さんにもの申すには、統計とらなきゃ。>事務局Oさん
ストレートに違和感が伝わってきました!
私は、「農作物」にふりがなをふれと言われたら、のうさくぶつ、と迷わず書くと思うんです。でも、のうさくもつは?と言われれば、そういえばそう聞くこともあるかも?というかんじです。家人に聞いても同じ反応でした。(パソコンでもケイタイでも、どちらの読みでも変換できますね)
実際に、農業に従事しているその道のかたたちやその周辺のかたたちにとっては、のうさくもつであって、のうさくぶつに違和感がある、というのは、とてもおもしろいです。
だとしたら、のうさくもつが正しいんじゃ?と思うくらい。
統計とったらおもしろいかもしれないですね、農業の生産者、その周辺の者、それ以外の者。それぞれ、年齢別にも。
言語学者さんにもの申すには、統計とらなきゃ。>事務局Oさん
事務局Oさんが考えたように、農産物と作物は印象がたしかに違いますね。農産物は、生産者から離れて、商品に近い感じですね。作物は生産者側からの呼びかたで、農産物は広く消費社会からの位置づけというか。ブツって言うと、生産物もそうだけど、化合物、廃棄物と同じブツだし。
それから、ミルフイユさんが、「農作」は独立して使われることがあまりない、というのに、なるほどなあ、と思いました。たしかにそうですね!
○○さんの著作、制作、などとよく使いますね。
農作は、どういう文の流れで使うかなと思ってみても、少なくとも、口語的にはちっとも文例が浮かびません。
かといって、農作と同じ概念の言葉もないかしら・・。耕作、農作業、農業、も微妙に違いますね。
「農作」という単語は抽象的で、強いイメージにつながるようななじみの力がなく、だから、イメージがしやすいなじみの「さくもつ」に発音をもってかれるのかな。
なんだか、りりねこも、のうさくもつのほうがいいような気がしてきたな。
それから、ミルフイユさんが、「農作」は独立して使われることがあまりない、というのに、なるほどなあ、と思いました。たしかにそうですね!
○○さんの著作、制作、などとよく使いますね。
農作は、どういう文の流れで使うかなと思ってみても、少なくとも、口語的にはちっとも文例が浮かびません。
かといって、農作と同じ概念の言葉もないかしら・・。耕作、農作業、農業、も微妙に違いますね。
「農作」という単語は抽象的で、強いイメージにつながるようななじみの力がなく、だから、イメージがしやすいなじみの「さくもつ」に発音をもってかれるのかな。
なんだか、りりねこも、のうさくもつのほうがいいような気がしてきたな。
農学系のOhrwurmさんが「のうさくぶつ」派とは若干ショックです。
りりねこさんのいわれるとおり、もう少し広く聞いてみたいと思います。
統計は苦手なんですが…
りりねこさんのいわれるとおり、もう少し広く聞いてみたいと思います。
統計は苦手なんですが…
久しぶりにこの欄を拝見しました。「サクモツ」の名が付くものは、園芸作物・換金作物・救荒作物・工芸作物・商品作物・繊維作物・染料作物・備荒作物etcすべて農作物ですね。すなわち、「作物サクモツ」はそれだけで農作物のことを指すのでしょう。ところが、「作物」がそれだけで農作物を指すことが歴史の経過の中で忘れられてゆき、「農作物なんだよ!」と強調する、いわば過剰規定として「農作物ノウサクモツ」という言葉が生まれたのではないかと思います。そしてこの過剰規定の中には、多くのコメントのご指摘の通り、ある強い「思い」も込められているのでしょうね。一方、それはそれとして、「ではノウサクブツとはなんじゃい?」という問題が残ります。少し調べてみます。
水蟷螂さん、ご意見ありがとうございます。
また調べた結果をお知らせいただけるとうれしいです。
短くまとめて投稿してもらえるとベストでですが…
また調べた結果をお知らせいただけるとうれしいです。
短くまとめて投稿してもらえるとベストでですが…
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