紀州の話-1
7月末から8月はじめに和歌県に行ってきたので、その報告をさせていただく。
熊野の巨樹
山熊野速玉大社のご神木、オガタマノキ。

すごい迫力。
案内板に、天然記念物、モクレン科、樹高21m、目通り幹回り1.65mの大樹と記してある。
樹皮はマメヅタで覆われている。
名前はマメヅタだが、マメでもツタでもなく、ウラボシ科のシダ植物。
胞子嚢が確認できる。

高所の枝には着生ランが見える。
説明書きにボウランという暖地性の植物と記されていた。
このオガタマノキの巨樹ではミカドアゲハも育っているらしい。
次は熊野那智大社のクスノキ。

樹高27m、幹回り8.5m、樹齢約800年の天然記念物で、平重盛の手植えと伝えられている由。
こちらの御神木はやや通俗的。
樹幹部の空洞の胎内くぐりというのがあって、護摩木を手に中に入れるのだ。

護摩木初穂料300円。

どこの境内でも目立ったのがイヌビワ。
ビワに似ているが食えないのでイヌビワという名前が付いたらしいが、どう見てもイチジク似だ。(分類はクワ科イチジク属)
イヌビワは関東にもあるが、ここ紀州ではとても多かった。
もともとイヌビワの分布は関西以西で、東京近郊で見るイヌビワは導入移植されたものなのだろう。
熊野大社といえばカラス

三本足の八咫烏(やたがらす)は現在サッカー日本代表のシンボルとなっているが、熊野大社が元祖。太陽の使いの神獣とされている。

熊野牛王符(ごおうふ)は、一般的な護符のほか、古くから起請文として利用されている。
この牛王符は、熊野権現の使いである烏で文字が書かれている。
なんと記されているのか、残念ながら私には読めない。
熊野古道を少しだけ歩いた
熊野古道はご存知のように熊野三山を中心に伊勢神宮、高野山など紀伊半島を縦横に結ぶ道で、総延長は1000kmに及ぶと言われている。

千数百年の歴史を持つ古道は、自然と人間が作り出した傑作。
歩くだけでなんとなく荘厳な気持ちになってくる。
この道が太古の昔につくられたのだと考えると、まったく頭が下がる。
石畳あり、玉砂利や砂を敷いたような箇所あり、重機のない時代によくぞこれだけのスケールの道を整備したものだ。

山林のほとんどは整備されたスギの人工林。
どこを見ても手入れが行き届いている。
自然林とはちがって、これはこれで美しい。
世界遺産になってからは自分の山林の手入れができなくなったと聞いた記憶があるが、今は解決しているのだろうか。
余談ですが…
熊野古道には九十九王子というのがある。

これは “牛馬童子” という、九十九王子のうちのひとつ。
かわいい顔をしているが、牛と馬を横並びにしてまとめてまたがるのだから、驚くべき巨人だ。

隣にいたのは役行者。
説明書きを見てはじめて役小角と分かったのだが、よく観ると確かに長いあごひげと一本歯の高下駄姿だ。
ほかで見るおそろしげな修験者像とは雰囲気がまるで違う。
九十九王子自体が信仰の対象にもなったようだが、明確な由来はわからないそうだ。
牛馬童子のような石像は珍しく、普通、石塔や石碑が数kmごとにある。
熊野詣での人々には、旅程の目印・励みになったものと考えられるが、なぜか中辺路と紀伊路の二つの道にしかないらしい。
もう一つ余談
熊野古道の自販機で、カボス果汁入りの飲料(名前は失念)を購入した。
これが絶妙な大人の味! 酸味とほのかな苦みが夏の熊野古道にぴったりだった。
それ以後、もう一度飲みたいとずっと探していたのだが、残念ながらどこにもなかった。
みなさん紀州・熊野古道へ行ったらぜひ探して飲んでみてください。
ちなみに私が買ったのは、発心門王子の近くの休憩所そばの自販機です。
次回から、紀州で見た生物の話をさせていただく。
2011年8月15日、報告:自然観察大学 事務局O
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by
げんごろう
at 2011-08-23 17:59
熊野の巨樹
山熊野速玉大社のご神木、オガタマノキ。


樹皮はマメヅタで覆われている。

胞子嚢が確認できる。

説明書きにボウランという暖地性の植物と記されていた。
このオガタマノキの巨樹ではミカドアゲハも育っているらしい。
次は熊野那智大社のクスノキ。

こちらの御神木はやや通俗的。
樹幹部の空洞の胎内くぐりというのがあって、護摩木を手に中に入れるのだ。


ビワに似ているが食えないのでイヌビワという名前が付いたらしいが、どう見てもイチジク似だ。(分類はクワ科イチジク属)
イヌビワは関東にもあるが、ここ紀州ではとても多かった。
もともとイヌビワの分布は関西以西で、東京近郊で見るイヌビワは導入移植されたものなのだろう。
熊野大社といえばカラス


この牛王符は、熊野権現の使いである烏で文字が書かれている。
なんと記されているのか、残念ながら私には読めない。
熊野古道を少しだけ歩いた
熊野古道はご存知のように熊野三山を中心に伊勢神宮、高野山など紀伊半島を縦横に結ぶ道で、総延長は1000kmに及ぶと言われている。

歩くだけでなんとなく荘厳な気持ちになってくる。
この道が太古の昔につくられたのだと考えると、まったく頭が下がる。
石畳あり、玉砂利や砂を敷いたような箇所あり、重機のない時代によくぞこれだけのスケールの道を整備したものだ。

どこを見ても手入れが行き届いている。
自然林とはちがって、これはこれで美しい。
世界遺産になってからは自分の山林の手入れができなくなったと聞いた記憶があるが、今は解決しているのだろうか。
余談ですが…
熊野古道には九十九王子というのがある。

かわいい顔をしているが、牛と馬を横並びにしてまとめてまたがるのだから、驚くべき巨人だ。

説明書きを見てはじめて役小角と分かったのだが、よく観ると確かに長いあごひげと一本歯の高下駄姿だ。
ほかで見るおそろしげな修験者像とは雰囲気がまるで違う。
九十九王子自体が信仰の対象にもなったようだが、明確な由来はわからないそうだ。
牛馬童子のような石像は珍しく、普通、石塔や石碑が数kmごとにある。
熊野詣での人々には、旅程の目印・励みになったものと考えられるが、なぜか中辺路と紀伊路の二つの道にしかないらしい。
もう一つ余談
熊野古道の自販機で、カボス果汁入りの飲料(名前は失念)を購入した。
これが絶妙な大人の味! 酸味とほのかな苦みが夏の熊野古道にぴったりだった。
それ以後、もう一度飲みたいとずっと探していたのだが、残念ながらどこにもなかった。
みなさん紀州・熊野古道へ行ったらぜひ探して飲んでみてください。
ちなみに私が買ったのは、発心門王子の近くの休憩所そばの自販機です。
次回から、紀州で見た生物の話をさせていただく。
2011年8月15日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2011-08-15 19:03
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Comments(2)
初めてブログを拝見しました。「紀州物語」の楽しい話題と美しい写真に時の経つのも忘れて見入ってしまいました。この方は熊野の方なのかな?熊野に旅行なさったのかな?お盆で里帰りなさったのかな?なんて想像するのも楽しかったです。以上。
げんごろうさん、おほめいただき光栄です。
またお時間のあるときにゆっくり見てやってください。
今後ともよろしく。
またお時間のあるときにゆっくり見てやってください。
今後ともよろしく。
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