マツに観る生物多様性
3月のはじめに、アカマツを観た。
正月に剪定したマツで、自然観察大学ブログの 『2011年の正月は松で3年分を観る』http://sizenkan.exblog.jp/12686655/ のアカマツだ。
一か月前の記録で申し訳ないが、お許しいただきたい。

上の写真は葉芽だろう。順調に芽が育っているもようだが、中には変わった形のものがあった。

松ぼっくりにも似ているが雌花穂になる芽だろうか。それにしては正月に観たものとは形が違うようだ。継続して観てみたい。
剪定した切り口には松ヤニが溢出して固まっている。


樹脂の神秘的な美しさにしばし見とれる。
大きな枝ほどヤニが少ないようだが、活動の程度によって松ヤニの出かたも違ってくるようだ。
松ヤニは野球などで滑り止めに使うロージンが知られているが、ほかにも接着剤などにも利用されているらしい。以前にも述べたが、この松ヤニを吸汁するアブラムシがいというのは不思議なことである。
別のマツでアブラムシを発見した。残念ながら死体。

マツホソオオアブラムシだろうか、腹部が膨れているようで、よくわからない。
松ヤニをものともせずに吸い込むアブラムシを観てみたいものだ。
これはジョロウグモの卵のう。
卵粒が見えて、こちらも着々と春の準備ができているようだ。
ちなみにジョロウグモは漢字で表すと “女郎グモ” ではなく “上臈グモ” と、クモがご専門のA先生は言っておられる。上臈は高級女官などを示すので、こちらを採用したい由。
ヤニサシガメ
マツの樹皮下に怪しい影を発見。

マツの葉で突っついたら、姿を現した。
ヤニサシガメの幼虫だ。マツ類の樹上にくらす捕食性のカメムシである。
自然観察大学の観察会では、毎年のように外来種のヨコヅナサシガメが話題になるが、ヤニサシガメはそれよりやや小ぶり。この幼虫は体長1センチほどであった。
一見コブコブのごつい姿だが、よく観るときらきらと虹色に輝いて美しい。つぶらな瞳は愛嬌がある。(ぜひ写真をダブルクリックして拡大してみてください)
触角は中ほどで二つに折りたためる。狭い樹皮下でじゃまにならないためであろう。うまくできているものだ。
調べてみると全身に光沢があるのは松ヤニで、なんと、自分でヤニを採取して体表にこすり着けるそうだ。そしてヤニを着けた前脚で獲物を捕らえるという。
次のサイトで詳しく掲載されているので、ぜひご覧いただきたい。
埼玉県立自然史博物館 自然史だより 第14号 1991.3 『体にヤニを装うカメムシ』http://www.kumagaya.or.jp/~sizensi/print/dayori/14/14_3.html 驚くべき習性とともに、それらを追及する観察眼と好奇心に脱帽。
ヤニサシガメの前脚での捕獲シーンは考えただけでぞくぞくする。 “鳥刺し” のような要領だろうか? うーっ、観てみたい。
ところで、ヤニサシガメもジョロウグモも捕食性である。ということはアカマツには餌となる昆虫などがそれなりに豊富に存在するはずである。マツ類に寄生する昆虫(獲物)はマツカレハやハバチの仲間くらいで、個体数も多くはないと思うのだが…
余談ですが…
ヤニサシガメはかなりの個体数が樹皮下に隠れていたが、暖かい日差しに誘われたのかぞろぞろと這い出てきた。
レフ板とストロボ(デイライトシンクロ)のよい例が撮れたので紹介する。
【参考】『カブトムシを撮った話』 http://sizenkan.exblog.jp/12839581/
下は自然光(晴天直射日光)+レフ板+ストロボ。

松ヤニで輝く表皮の質感と、光った翅芽(しが、不完全変態の昆虫にある)がよくわかる。
次は自然光だけで撮った場合。
ごつごつした立体感は出ているが、これでは虫体がよくわからない。
ついでに、レフ板だけの写真と、ストロボだけのものもそれぞれ撮ってみた。


こうなると個人的な好みの問題かもしれない。図鑑的に撮るか、雰囲気を重視するかで違ってくるだろう。
参考までにレフ板を当てた状況も撮っておいた。
白い紙をクリップでマツの樹皮に固定している。レフ板がよく効いているのがよくわかるが、これは写真でコントラストが強調されたもの。肉眼で見てこんなに明るくならないので念のため。
2011年3月29日、報告:自然観察大学 事務局O
正月に剪定したマツで、自然観察大学ブログの 『2011年の正月は松で3年分を観る』http://sizenkan.exblog.jp/12686655/ のアカマツだ。
一か月前の記録で申し訳ないが、お許しいただきたい。


剪定した切り口には松ヤニが溢出して固まっている。


大きな枝ほどヤニが少ないようだが、活動の程度によって松ヤニの出かたも違ってくるようだ。
松ヤニは野球などで滑り止めに使うロージンが知られているが、ほかにも接着剤などにも利用されているらしい。以前にも述べたが、この松ヤニを吸汁するアブラムシがいというのは不思議なことである。
別のマツでアブラムシを発見した。残念ながら死体。

松ヤニをものともせずに吸い込むアブラムシを観てみたいものだ。
これはジョロウグモの卵のう。

ちなみにジョロウグモは漢字で表すと “女郎グモ” ではなく “上臈グモ” と、クモがご専門のA先生は言っておられる。上臈は高級女官などを示すので、こちらを採用したい由。
ヤニサシガメ
マツの樹皮下に怪しい影を発見。

マツの葉で突っついたら、姿を現した。

自然観察大学の観察会では、毎年のように外来種のヨコヅナサシガメが話題になるが、ヤニサシガメはそれよりやや小ぶり。この幼虫は体長1センチほどであった。
一見コブコブのごつい姿だが、よく観るときらきらと虹色に輝いて美しい。つぶらな瞳は愛嬌がある。(ぜひ写真をダブルクリックして拡大してみてください)
触角は中ほどで二つに折りたためる。狭い樹皮下でじゃまにならないためであろう。うまくできているものだ。
調べてみると全身に光沢があるのは松ヤニで、なんと、自分でヤニを採取して体表にこすり着けるそうだ。そしてヤニを着けた前脚で獲物を捕らえるという。
次のサイトで詳しく掲載されているので、ぜひご覧いただきたい。
埼玉県立自然史博物館 自然史だより 第14号 1991.3 『体にヤニを装うカメムシ』http://www.kumagaya.or.jp/~sizensi/print/dayori/14/14_3.html 驚くべき習性とともに、それらを追及する観察眼と好奇心に脱帽。
ヤニサシガメの前脚での捕獲シーンは考えただけでぞくぞくする。 “鳥刺し” のような要領だろうか? うーっ、観てみたい。
ところで、ヤニサシガメもジョロウグモも捕食性である。ということはアカマツには餌となる昆虫などがそれなりに豊富に存在するはずである。マツ類に寄生する昆虫(獲物)はマツカレハやハバチの仲間くらいで、個体数も多くはないと思うのだが…
余談ですが…
ヤニサシガメはかなりの個体数が樹皮下に隠れていたが、暖かい日差しに誘われたのかぞろぞろと這い出てきた。
レフ板とストロボ(デイライトシンクロ)のよい例が撮れたので紹介する。
【参考】『カブトムシを撮った話』 http://sizenkan.exblog.jp/12839581/
下は自然光(晴天直射日光)+レフ板+ストロボ。

次は自然光だけで撮った場合。

ついでに、レフ板だけの写真と、ストロボだけのものもそれぞれ撮ってみた。


参考までにレフ板を当てた状況も撮っておいた。

2011年3月29日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2011-03-29 18:09
| 昆虫など
|
Comments(0)
最新の記事
| テントウムシの話 |
| at 2026-03-16 18:52 |
| すこしだけ春の気分 |
| at 2026-03-03 23:04 |
| オオイヌノフグリ ファンクラ.. |
| at 2026-02-10 22:55 |
| オオイヌノフグリ ファンクラ.. |
| at 2026-02-05 18:42 |
| チュウゴクアミガサハゴロモの.. |
| at 2026-01-18 10:45 |
最新のコメント
| そうですよね。半端じゃ、.. |
| by cflcfl at 11:20 |
| > cflcflさん .. |
| by sizenkansatu at 10:58 |
| 卵をまさか排泄物の中に隠.. |
| by cflcfl at 13:42 |
| はい、承知いたしました。.. |
| by cflcfl at 18:23 |
| > 鍵さん おっしゃる.. |
| by sizenkansatu at 23:19 |

