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自然観察大学ブログ

江戸城の雑草観察

皇居東御苑に行った。まずは公開中だった今話題の薩長同盟の坂本龍馬の裏書をさっと見て、本番は雑草観察だ。
今年のヒガンバナは、10月も半ばだというのにまだ花の名残があった。
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普通は花が完全に終わってから葉を出すことが多いと思うが、今年は開花が遅かったためか、葉のほうも待ちきれずに顔を出したようだ。
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壮大な江戸城の石垣も、雑草の緑との対比があってこそ、美しく見える。 …というのは “身びいき” というものだろうか。
敷地内はかなり管理されているようで、作業員の方たちの姿も頻繁に見かけられたが、それでも雑草は見ることができる。
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江戸城本丸跡。このあたりに大奥があったらしい。画面右奥のほうには、忠臣蔵で知られる“松の廊下跡”というのもあった。
画面中央の植込みに近づくと…
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色とりどりの潅木は計算され植栽されたものと思うが、つる草が人知を超えた造形を見せてくれた。手前からカラスウリ、へクソカズラ、ヤブガラシ。徳川御三家を引き継ぐ“つる性雑草御三家”というところか。

江戸城天守台跡では、ツルボが目立った。立入禁止区域に堂々と侵入している。刈り込み時にツルボを残すとは考えられないが、刈り込みの後に短期間に成長した株なのだろうか。右は果実になった株で、遠方に見える屋根は日本武道館。
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こちらは外来種のメリケンカルカヤ。天守直下まで迫った異人といったところか。
刈られた後に残った株から急速に立ち上がったものだろう。今ごろの季節に種子をつける。我々ヒトは立入禁止で近づくことができなかった。写真のわかりにくいのはご容赦いただきたい。

東御苑の中には、昭和天皇の発案により再現された武蔵野の雑木林があることはみなさんご存知と思うが、新たな注目スポットとして今上天皇の発案により果樹の“いにしえの品種”が植えられていた。結実予想図が掲示され、意外なことに日本古来の梨は洋梨に似たいびつな姿のようだ。
まだ成長途中の若木であるが、結実が楽しみだ。

行き届いた管理をされた皇居ではあるが、楽しく雑草観察ができた。むしろ管理されていればこそ雑草にとってよい環境だともいえるだろう。
今後もぜひ適度な管理を心がけていただきたい。

2010年10月26日、報告:事務局O



by sizenkansatu | 2010-10-26 13:57 | 植物 | Comments(0)

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