またまたオオエノコロのこと
自然観察大学学長の岩瀬先生が、このところずっとオオエノコロに悩まされている。
オオエノコロは、アキノエノコログサ+アワ(栽培作物)の雑種とされているようだが、そう簡単に考えることができないほど、いろいろなタイプがあるのだ。
参考までにこれまでの記事を書き出しておくので、面倒でも一緒に見ていただけるとありがたい。
● 岩瀬学長の問題提起
http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html 面倒ですが、話のたねのテーブルのバックナンバー一覧から、No.101をご覧ください
● 前回の自然観察大学ブログ … アワの写真もあり
http://sizenkan.exblog.jp/11843370/
今回観察した群落。駐車場わきの猫の額のような区画である。

穂の立ち上がるもの、垂れ下がるもの、太った穂、やせて細い穂などいろいろなタイプが混在している。

これはオオエノコロのようだが、本来オオエノコロはもう少し穂先が細くなるらしい。
オオエノコロには小穂(解説は後述)が小枝に付くので、小枝ごとに塊のようになる。

全体の形は先細りでオオエノコロらしい。しかし、はっきりした小穂の塊感があるのは穂の下半分くらいで、穂先のほうは塊感がなく小枝もなさそう。

これは小穂の塊ははっきりしてオオエノコロ的だが、全体は小型のアキノエノコログサのようだ。拡大して観ると、小穂の苞えいが短くてアキノエノコログサと確認できた(解説は後述)。

これも小型だが、さらに異質な感じである。直立して毛が褐色なのでキンエノコロかコツブキンエノコロのよう。しかし、小穂を拡大して観るとアキノエノコログサのようだった。
今回観たのは、わずかなスペースのほんの小さな群落だが、それでもこれだけのいろいろなタイプがあった。岩瀬学長が苦悩するのはもっともなことと思った。
岩瀬学長の話…
『栽培種(農作物)はもともと品種改良でできたものなので、野生種と交配するケースが多いです。交配するとなると、両種の間はそれぞれの特徴が連続して出るので、どちらの種ともいえないタイプがたくさん観られます。ネズミムギとホソムギもどちらともいえないタイプが連続して観られますが、これも牧草として改良されたものだからでしょうね。』
苞えい(ほうえい)で見分けるエノコログサ…
エノコログサ類3種の見分け方が、岩瀬・川名両先生の 『雑草博士入門』(全農教) に掲載されているので紹介する。苞えいとは写真の小穂の上部覆う殻のような部分だ。ポイントはこの苞えいの長さが異なることである。
小穂のこと…
小穂は“しょうすい”と読み、穂を構成するもの。小穂は小花(しょうか)からなる。
オオエノコロは小枝に5-6個の小穂がつく。それぞれの小穂は1個の小花からなる(もう1個は退化)。
ほかのエノコログサ類3種は小枝はない。
小枝があるのはアワで、オオエノコロがアワの性質を持っているのがわかる。
※ 以上、“イネ科をかじった一般市民”さんからのご指摘により修正しました。(赤字部分、2019年8月28日)
イネ科はややこしいので…
穂や小穂、小花というイネ科の用語について、植物愛好家以外の方にはややこしいかもしれない。
岩瀬学長の『形とくらしの雑草図鑑』(全農教)にわかりやすい解説があるので紹介させていただく。
(画面ではわかりにくいかもしれないので、本を購入していただけるとうれしいです)
2010年10月20日、報告:事務局O
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by
イネ科かじった一般市民
at 2019-07-20 15:46
オオエノコロは、アキノエノコログサ+アワ(栽培作物)の雑種とされているようだが、そう簡単に考えることができないほど、いろいろなタイプがあるのだ。
参考までにこれまでの記事を書き出しておくので、面倒でも一緒に見ていただけるとありがたい。
● 岩瀬学長の問題提起
http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html 面倒ですが、話のたねのテーブルのバックナンバー一覧から、No.101をご覧ください
● 前回の自然観察大学ブログ … アワの写真もあり
http://sizenkan.exblog.jp/11843370/
今回観察した群落。駐車場わきの猫の額のような区画である。


オオエノコロには小穂(解説は後述)が小枝に付くので、小枝ごとに塊のようになる。



今回観たのは、わずかなスペースのほんの小さな群落だが、それでもこれだけのいろいろなタイプがあった。岩瀬学長が苦悩するのはもっともなことと思った。
岩瀬学長の話…
『栽培種(農作物)はもともと品種改良でできたものなので、野生種と交配するケースが多いです。交配するとなると、両種の間はそれぞれの特徴が連続して出るので、どちらの種ともいえないタイプがたくさん観られます。ネズミムギとホソムギもどちらともいえないタイプが連続して観られますが、これも牧草として改良されたものだからでしょうね。』
苞えい(ほうえい)で見分けるエノコログサ…エノコログサ類3種の見分け方が、岩瀬・川名両先生の 『雑草博士入門』(全農教) に掲載されているので紹介する。苞えいとは写真の小穂の上部覆う殻のような部分だ。ポイントはこの苞えいの長さが異なることである。
小穂のこと…
小穂は“しょうすい”と読み、穂を構成するもの。小穂は小花(しょうか)からなる。
オオエノコロは小枝に5-6個の小穂がつく。それぞれの小穂は1個の小花からなる(もう1個は退化)。
ほかのエノコログサ類3種は小枝はない。
小枝があるのはアワで、オオエノコロがアワの性質を持っているのがわかる。
※ 以上、“イネ科をかじった一般市民”さんからのご指摘により修正しました。(赤字部分、2019年8月28日)
イネ科はややこしいので…
穂や小穂、小花というイネ科の用語について、植物愛好家以外の方にはややこしいかもしれない。
岩瀬学長の『形とくらしの雑草図鑑』(全農教)にわかりやすい解説があるので紹介させていただく。

2010年10月20日、報告:事務局O
by sizenkansatu
| 2010-10-20 16:31
| 植物
|
Comments(2)
エノコログサの記述について、少々誤解(?)が見受けられましたので、僭越ながらコメントさせていただきます。
小穂のこと……の所、
オオエノコロの小穂は5-6個の小花からなり、それが小枝に付くということ。→小枝に5-6個の小穂がついているの間違いではないでしょうか?エノコログサで第五、第六小花まであるものなんて存在ないのではないかと。(詳しくは下記)
ほかのエノコログサ類3種は、小穂は1個の小花からなる。→小花は全て2個です。第一小花は護穎以外退化しており、ほぼ存在がわからないですが……。
小穂のつけね付近にちまっとあるのが第一苞穎、上を殻のように覆っているのが第二苞穎、下を覆ってるのが第一小花の護穎、そしてアキノエノコログサやキンエノコロで第二苞穎の下から見えている硬そうな部分は第二小花の護穎です。この二つの小花から成る小穂の基本構造がわかっていただければ、一番最初の件のおかしさもご理解いただけるかと思います。
小穂のこと……の所、
オオエノコロの小穂は5-6個の小花からなり、それが小枝に付くということ。→小枝に5-6個の小穂がついているの間違いではないでしょうか?エノコログサで第五、第六小花まであるものなんて存在ないのではないかと。(詳しくは下記)
ほかのエノコログサ類3種は、小穂は1個の小花からなる。→小花は全て2個です。第一小花は護穎以外退化しており、ほぼ存在がわからないですが……。
小穂のつけね付近にちまっとあるのが第一苞穎、上を殻のように覆っているのが第二苞穎、下を覆ってるのが第一小花の護穎、そしてアキノエノコログサやキンエノコロで第二苞穎の下から見えている硬そうな部分は第二小花の護穎です。この二つの小花から成る小穂の基本構造がわかっていただければ、一番最初の件のおかしさもご理解いただけるかと思います。
> イネ科かじった一般市民さん
返信が遅くなって申し訳ありません。
やっと専門家の確認がとれましたが、やはりご指摘のとおり、私の誤りでした。
本文を訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
事務局Oより
返信が遅くなって申し訳ありません。
やっと専門家の確認がとれましたが、やはりご指摘のとおり、私の誤りでした。
本文を訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
事務局Oより
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