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自然観察大学ブログ

夜の昆虫採集

<追記があります。2013年10月2日>

8月11日、Y先生から夜間灯火採集に誘っていただいた。
紅顔の美少年のころに、家の灯りに集まる昆虫を採集した経験はあるが、本格的な灯火採集はまったく経験がない。喜んで同行させていただいた。

先生は地域の生物調査などで豊富な経験を持っておられるベテランだ。
発電機や支柱、ロープなど、さまざまな道具でワゴン車が満載状態だった。
まず、日程は新月を選ぶ。月夜の灯りは灯火採集と競合するらしい。
場所は開けたところで、川沿いに下から昆虫が登って来るようなところがよいらしい。
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目的の昆虫によって、ブラックライト(紫外線)と水銀灯を使い分けるそうだが、今回はダブルである。ブラックライトは、郊外で見かける誘殺灯に使用されている。青い光で虫を誘ってバチバチッというやつだ。
明るいうちに準備を整えて、日暮れを待つ。
(といっても私は手際よく設営するY先生を脇で見ているだけだった)

暗くなると、あっという間にいろいろな昆虫が集まってきた。蛾や甲虫はもちろん、カメムシやセミ、バッタも来る。危ないドクガの仲間も来た。
およそ3時間近く、夢中で撮影した。その一部を紹介させていただく。
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上から順に名前を書いておくとキイロゲンセイ、コクワガタ(?)、ゴミムシの一種、ミヤマカミキリ、クワコ、ホソバスズメ、ゴマフボクトウ、ドクガの一種、クモヘリカメムシ、オオホシカメムシ、ミンミンゼミ、ヘビトンボ
【注】名前が間違っていたり、不明のものがわかったときはご指摘いただけるとありがたいです。

………………………………………………………
<2013年10月2日追記>
ドクガの一種はクロモンドクガでした。見かけによらず無毒らしいということです。
itotonboさんより下記のコメントをいただきました。
ありがとうございました。
………………………………………………………


私は飛来客のにぎわいに驚いていたのだが、先生によるとこれでも風のためか少ないそうである。多いときはシートが黒くなるほど集まって来て、虫が入らないように耳栓が必要となるらしい。

蛾の美麗種にショック
今回私が注目したのはコケガの仲間だ。
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上からアカスジシロコケガ、スジベニコケガ、ハガタベニコケガと思われる。 『みんなで作る日本産蛾類図鑑』 で調べたら、ほぼ種名が判明した。(地域亜種とか難しい問題があるらしいが…)
農業害虫としてのヨトウムシなどを見てきた私にとって、蛾の概念を覆すカルチャーショックであった。
コケガはヒトリガ科のコケガ亜科と分類され、幼虫は地衣類を食べるらしい。コケを食べるというのもまたすごい。今後はコケに注目して幼虫も観てみたい。

余 談
その夜帰宅して首筋に軽い痛痒を感じた。どうも毒虫にやられたらしい。撮影したドクガの一種によるものではなく、水疱の症状から見るとアオバアリガタハネカクシか何からしい。
夜の昆虫採集_d0163696_20195367.jpg
痛痒は一週間弱続いた。犯人がわかれば写真を有効活用できるのだが、残念。

追記:
これはキイロゲンセイのカンタリジンによる水疱だそうです。
詳しくはけんぞうさんのコメントをご覧ください。


2010年8月25日、報告:事務局O



by sizenkansatu | 2010-08-25 20:26 | 昆虫など | Comments(5)
Commented by りりねこ at 2010-08-26 22:42 x
夜の灯りにはこんなにもバラエティに富んだ虫たちが集まるんですね。そしてコケガって!金魚みたい!!!どれもしゃれてる3種類の金魚。値が張りそう。風合いは江戸時代の味のある版画みたいでもある。虫は品種改良してるわけじゃないのに。すごいなあ・・・。コケを食べるというところはまた風流。小さい蛾でしょうか。

でもでも・・・また初歩的な疑問を書いてしまうのですが・・・なぜ夜行性の虫が灯りに集まるんでしょう?そんなに光が好きだったら、なにもわざわざ夜行性にならなくても・・・。
だって電灯の周りにわらわら集まるくらいだったら、本当はよっぽど光が好きなんじゃないでしょうか?太陽の光が苦手なんでしょうか。
りりねこは基本的に昼間に活動しますけど、夏の虫みたいに電灯の近くに寄ったら光が強くて眩しすぎると思うのです。
それに、電球にめがけて飛んで来るみたいに、満月に向かって飛んでっちゃったりはしないんですね。やっぱり虫も、月はどうやっても届かない所にあるのがわかるのかな。
Commented by sizenkansatu at 2010-08-27 12:34 x
たしかに金魚か錦鯉にも似てますね。
ところで夜行性なのに光に集まる(集光性)というのは私も不思議で、調べたのですがよく解ってないようです。自然界は難しいことばかりですね。
言われているのは月との関係で位置を知るということで、伝統のまわりをグルグル回るのは月と勘違いしているからだということです。
Commented by けんぞう at 2010-10-22 11:28 x
この夜間採集では、皮膚の水泡の写真が一番!
カンタリジンの特徴的な被害。犯人はおそらく間違いなく写真の最初にある「キイロゲンセイ」。
Commented by itotonbosan at 2013-10-02 09:12 x
はじめまして。
幾つかの記事を楽しく拝見させて頂きました。

ゴマフボクトウの右にあるドクガの一種はクロモンドクガと思われます。
前翅前縁近くにある黒点が区別する目印です。
詳しくは下の私のHPを参照して下さい。
itotonbosan.web.fc2.com/dokuga.html
Commented by sizenkansatu at 2013-10-02 13:39
itotonbosanさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、クロモンドクガで間違いなさそうですね。
『勿来の関周辺の蛾』を拝見し、『みんなで作る…』でも確認しました。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

貴HPに〝無毒とされている〟と記されていますが、有毒か無毒かは難しいようですね。
自分でテストするのは嫌だし、反応の程度には個人差がありますからね。

チャドクガとヒロヘリアオイラガが有毒であることは、私自身で実証しました。
とくにチャドクガは背中全面がただれてしまい、快復までは約1週間かかりました。
事務局Oより

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