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自然観察大学ブログ

キタミソウの自生地の観察 -その6-

3月19日にキタミソウの自生地を観てきた。
24日に堰を止めるという情報をいただき、その前にチームのみんなで今シーズン最後のようすを観ておくためだ。

過去のキタミソウの記事は文末の「キタミソウ」タグをクリックしてください。

前回の1月末の観察から約2か月後…
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16210121.jpg
手前の川堤の斜面にはアブラナが広がり様相が一変しているが、円形のキタミソウエリアは遠目には変化がない。

さっそく河川敷に降りてみよう。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16211283.jpg
濃褐色の部分がキタミソウエリアだった所である。画面の右奥は筑波山。

キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16212241.jpg
キタミソウエリアでは枯れたキタミソウが張り付いている。
点々とある緑色の株はスカシタゴボウ、イヌガラシなどだ。

キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16213523.jpg
中心の黒いエリアは前回同様にコケ(おそらくアゼゴケ)が生え、所どころにスカシタゴボウやタネツケバナの芽生えがある。

みんなでキタミソウを探すと、新たな芽生えが見つかった。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16215178.jpg
枯れ株のふちのところに若い芽生えがある。
ひとつ発見すると、次々に見つかる。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16220145.jpg
枯れた親株は茎の先端に果実をつけているので、おそらくそこからこぼれた種子が発芽したものと考えられる。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16221207.jpg
枯れ株をめくり上げてみると、その下には芽生えがあった。
(白魚のような指は私のもの。)

前日の3/18に雨が降ったので、それで発芽したのかとも考えたが、そうではないらしい。
チームの一人が播種して発芽を観察したところ、このくらいに成長するまでに10日ほどかかった由である。

膨大な数の芽生えを確認したが、成長した株はどうか?
みなで探したところ…
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16224125.jpg
このくらいに成長した株(↑)が少数確認できた。
多数の花をつけ、ほふく茎を伸ばしはじめている。
この株の大きさから判断して、前年秋の株が生き残ったものとは考えられない。
厳冬期には霜で根上がりしてすべて枯れてしまっていたことを考えると、年が明けてから発芽し、成長したものと思われる。
キタミソウは種子を落としてすぐに芽生え、すばやく成長するのだろう。

こちらはオオオナモミの芽生え。(↓)
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16225144.jpg
オオオナモミは秋にも落ちた果実からすぐに発芽したものを観察している。それが成長したところは確認できないので、越冬はできないのだろう。


場所を移して、水路沿いを観察した。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16230158.jpg
こちらでは水際に大きな株が確認できた。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16230844.jpg
1月末の観察で氷の中にあった株が、そのまま生き残っていたのだろう。
そのほかにも次々に芽生えてきたようすがうかがえる。
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16231751.jpg
キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16232842.jpg

ここまでのキタミソウの観察で次のことがわかった。
●発芽し花をつけ果実をつけるというサイクルを秋から春まで繰り返す。
●氷の中のような低温にも耐える。
●乾燥には弱く、水辺でのみ生育できるが、霜による根上がりで枯れる。

今回の観察地点はいずれも今は堰き止められ、秋までは水中に没することになる。
ポット植えの観察では6月末ころにすべてが枯れるということであったが、それをこのフィールドで確認することはできない。

いずれにしても、秋の観察で驚いたキタミソウとオオオナモミによる同心円状の住み分けがどのようになされるのか、最大の疑問は解けていない。秋の堰の開放に伴ってどうなるのか、また観察したい。
なお、この謎を“キタミソウのミステリーサークル”と名付けた。


おまけ 同時に観察できた主な植物

ムシクサ
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キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16234789.jpg
葉腋に白い小さな花をつける。オオバコ科Veronica属(オオイヌノフグリなどと同属)。

コカイタネツケバナ(コタネツケバナ)
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キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16240511.jpg
タネツケバナによく似るが、葉や茎が無毛で、花は小さくて目立たない(閉鎖花もあるらしい)。

コバナキジムシロ
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キタミソウの自生地の観察 -その6-_d0163696_16242901.jpg
バラ科Potentilla属(キジムシロと同属)。帰化植物で日本では主に利根川水系に見られるらしい。

タビラコ(コオニタビラコ)
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キク科Lapsanastrum属。ヤブタビラコと同属で果実には冠毛がない。春の七草のホトケノザは本種のこととされる。

2023年3月29日、報告:自然観察大学 事務局O





# by sizenkansatu | 2023-03-29 16:36 | 植物 | Comments(0)

雑草の魅力

春は雑草の輝く季節だ。
雑草の魅力_d0163696_15335327.jpg
こんな光景を見るとつい嬉しくなって、顔も心もほころんでしまう。
雑草は日々のくらしを豊かにしてくれる。


雑草という名前について

“雑草という名前の草はない”とは、牧野富太郎博士や昭和天皇の言葉として知られる。
どのような意図で言われたのだろう。詳細は存じ上げないが、おそらく“雑草だからと悪者扱いするのはよくない”という意図だったのではないかと思う。
それが独り歩きして、“雑草と呼ぶのは好ましくない”と考える方がおられるのではないかと思う。

雑草も野草も高山植物も、それぞれのジャンルを示す言葉であって、雑草は最も身近な植物を示すものと考えている。
私たちの身近でしか生きられない、そして身のまわりを緑で潤してくれるのが雑草だ。
親しみを持って“雑草”と呼んでいきたい。

『新訂 校庭の雑草』(2021年,岩瀬徹ら,全国農村教育協会)のまえがきに、次のような一節がある。

雑草はじゃまものという見方は根強いですが、身近な自然の重要な一員です。攪乱され裸地化された土地の緑の修復のスタートを担うのは雑草たちです。雑草に親しむのは自然観察の入り口にもなります。その意味で私たちは校庭の雑草に市民権を認めたいと考えてきました。もちろん校庭にも除草の必要性はあります。それは雑草の立場を認めた上でのコントロールでありたいものです。


雑草の魅力

除草してもすぐに生えてくるのが雑草であり、踏まれてもしぶとく生き残るのが雑草だ。
しかし逆の見方をすると、除草されたからこそ、踏まれる場所だからこそ生きていけるのが雑草だとも言える。
環境に適応した能力、柔軟なくらしぶりを身近に観察できるところが、雑草の魅力である。

これはミチタネツケバナ(↓)。
雑草の魅力_d0163696_15340210.jpg
草丈はわずかに数センチで、それでも花をつけ、実をつけている。
小さいながらも精いっぱい頑張っている姿を観ると、いとおしくなってくる。
この場所は、軒下の土壌がほとんどないような痩せた場所で、そんなところに生えるのは雑草だけだろう。

管理の行き届いたバラ園。
雑草の魅力_d0163696_15340917.jpg
芽吹く前のバラ園は寒々しいが、通路の雑草が彩りを添えてくれる。
通路まで除草してしまうどれだけ味気なくなることか。
画像を加工して除草してみよう(↓)。
雑草の魅力_d0163696_15343873.jpg
なんと味気ないことか。

画像の加工がおもしろくなって、逆に花壇の中まで雑草を生やしてみた(↓)。
雑草の魅力_d0163696_15342154.jpg
う~む。癒される。

なんて勝手なことを言うと、バラ園を管理している方々に叱られてしまいそう…

雑草の魅力は、観察のたのしさである。
身近で気軽に見られるだけでなく、ルーペで花などの各部を拡大すると、美しさや巧妙なつくりなど、思わぬ発見がある。
さらに、掘り出したり、抜いたり切ったりして詳しく観察することもできる。希少植物ではできないことが、雑草では多少のことは許していただけるだろう。
前述のミチタネツケバナのように、過酷な環境ですばやく種をつける柔軟なくらしぶりも興味深い。
これからもたのしく雑草観察を続けていきたい。

ところで…
前回の「牧野庭園にて」の文末に、追加のエピソードを記したので、よろしければご覧いただきたい。
● 自然観察大学ブログ/牧野記念庭園にて  
この記事を見た岩瀬徹名誉学長から教えていただいたエピソードだ。

余談ですが…
今回の記事から画像に“©Sizen Kansatu Daigaku”とクレジット表記をさせていただくことにした。
以前から無断使用があるので何とかしたかったのと、唐沢学長からのすすめもあったのである。
じゃまかもしれないが、ご容赦いただきたい。

2023年3月25日、報告:自然観察大学 事務局O

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これまでの野外観察会の名称を変えてリニューアルします。
いよいよ活動再開です。
くわしくは次でご覧ください。








# by sizenkansatu | 2023-03-25 15:45 | 植物 | Comments(2)

牧野記念庭園にて

先日、練馬の牧野記念庭園を観てきた。
4月からのNHKの朝ドラでは牧野富太郎をモデルとした『らんまん』がはじまるというので、混雑する前に見ておこうと思ったのだ。

●練馬区立牧野記念庭園  

<文末に追記があります 2023年3月22日>
牧野記念庭園にて_d0163696_20060467.jpg
この日、庭園の入り口では‘大寒桜’がみごとに満開。
牧野記念庭園にて_d0163696_20061530.jpg
あいにくの雨だったが、来園者も少なく、しっとりとした緑はなかなかGood。
牧野富太郎の晩年は、この庭の植物を観察する日々だったという。

牧野博士の銅像をとりまくのは、スエコザサだ。
牧野記念庭園にて_d0163696_20062260.jpg

園内には、ところせましとさまざまな植物が育てられていた。
一時間ほど庭園を見せていただいたが、雨のため写真はナシ。
ヒロハアマナやセントウソウの花の盛りだったが、残念だ。

記念館で展示品を拝見する。
牧野記念庭園にて_d0163696_20063045.jpg
胴乱(採集した植物を入れる金属ケース)や根掘りはご自身のアイデアによるオーダーメイドだそうである。

一番驚いたのはこれ(↓)。
牧野記念庭園にて_d0163696_20064330.jpg
根朱筆という蒔絵用の筆で、これで細密画を書いておられたという。
ネズミの毛を用いた、現在では入手しにくい村田九郎兵衛という最高級品だとか…

植物画のことはまったく知らないが、漠然とペンで描くものだと思っていた。
それとも、現在でも植物の線画は筆で描くものなのだろうか?
故 浅野貞夫先生が描いて(墨入れ)いるところを拝見した記憶があるが、たしか丸ペンで描くと力の加減で表現の幅が広がると言っておられたように思う。

さて、牧野富太郎の、その驚くべき植物画を紹介しよう。
※撮影はOKだったのですが、掲載もOKでしょうか?

牧野記念庭園にて_d0163696_20070084.jpg
浅野貞夫先生の原画もすごいが、それとはまた違って立体感までもが表現されている。
絵画的というか芸術的というか、とにかくすごい。

画面で原画のすごさが伝わるかどうか心配なので、念のために部分拡大を…
牧野記念庭園にて_d0163696_20071168.jpg

もう一点、チャルメルソウは2枚組。
牧野記念庭園にて_d0163696_20085090.jpg
牧野記念庭園にて_d0163696_20085854.jpg
こちらの部分拡大も紹介する。
牧野記念庭園にて_d0163696_20090786.jpg
描画の表現はすごいが、微細な部分の観察ももちろんすごい。

あまりの観察のすごさに、どこがどうなっているのか、私などには実態がわからなくなってしまう(^^;)

記念館には牧野富太郎の写真がいくつも掲示されていたが、その中で私のお気に入りはこれ。(↓)
牧野記念庭園にて_d0163696_20091702.jpg
採集した水草を首からかけて満面の笑み。
昭和14年に武州水元水郷(現東京都)で撮影されたとあるが、今の水元公園のあたりだろうか。
無垢なお人柄がしのばれる好い写真だ。

植物学の父と称される牧野富太郎氏は、はたして人間的にはどのような方だったのか?
朝ドラでどう描かれるのか、4月からがたのしみである。

そして何よりも、放映によって植物愛好家が増えてくれることを願っております。

2023年3月17日、報告:自然観察大学 事務局O


<2023年3月22日追記>

牧野博士が蝶ネクタイをしている理由
最後の写真の牧野富太郎博士は蝶ネクタイをしておられる。
牧野博士は植物に接する際に常に服装にも気を使っておられたそうで、それはなんと『植物に敬意を表して』というのが理由なのだそうだ。
これは岩瀬徹先生からうかがった話で、岩瀬先生は若かりし頃に牧野博士ご本人にお会いしたことがある由なので、確実な話である。

牧野&岩瀬、両先生の共著?
牧野記念庭園にて_d0163696_19343797.jpg
『自然読本/野の草』(河出書房新社,1984)では、お二人の名前が並んで記されている。
牧野博士は1957年に亡くなっているので、過去に発表された文章を集めたものなのだろう。
ほかにも昆虫学や文筆家など、そうそうたる名前が並ぶ。表紙の画像しかないのだが、どんな内容なのか、読んでみたいものだ。


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# by sizenkansatu | 2023-03-17 21:58 | 植物 | Comments(8)

キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-

キタミソウ観察チームとして一緒に現地を見ているTYさんから、ポット植えのキタミソウの状況を、写真を添えて知らせていただいた。
せっかくの機会なので、この場で紹介させていただく。
ポットは屋外の霜や霜柱が立たない場所に置いているという。

【2023年2月9日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15131371.jpg
枯れた株もあるが、葉は緑色。
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15132193.jpg
わずかに花とつぼみもついている。
(ご本人談:暗くなってから撮影したため、写りが悪く申し訳ありません。)
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15133173.jpg


【2023年2月19日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15133877.jpg
野外とは異なり、越冬できることがわかった。


TYさんからは、参考として一年前(2022年)のキタミソウ観察記録の写真を送っていただいた。


【2022年2月24日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15135412.jpg
多数の茎葉をつけ、今年の2月初めのものよりもいっそう元気なようだ。
ほふく茎を伸ばして、盛大に花をつけている。
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15141209.jpg
若い株では、中心部から新しい芽が出ている。(↓)
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15142114.jpg

【2022年3月20日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15142863.jpg
大きな株に成長し、花をつけ続ける。
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15143492.jpg
ほふく茎の先端に子株をつくっている。

【2022年5月17日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15144313.jpg
親株は枯れてきた。子株は成長を続けるが弱々しい。

【2022年6月2日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15145120.jpg
親株、子株ともに枯れた。
よく見ると新たな実生と思われる芽生えが多数確認できるが、このあと、芽生えはすべて枯れた。

【2022年9月11日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15145947.jpg
新たな実生(と思われる)芽生えが見られた。

【2022年10月23日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15150546.jpg
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15151368.jpg
ゆっくりと成長し、花や果実をつけている。

【2023年1月7日】
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15152230.jpg
キタミソウの自生地の観察 -その5、番外編-_d0163696_15152825.jpg
枯れた株もあるが、一部は成長を続け花をつける。


TYさんの観察の結果、越冬するものの、夏は越せず、一年草のようだ。
貧弱な地下部から多年草とは思えなかったし、寒冷地に由来する植物のようなので、納得できる。
TYさん、長期間にわたる観察の貴重な情報、写真をご提供いただき、ありがとうございました。

ただ、依然として謎は残る。
野外の観察では越冬できたキタミソウがごくわずかであったのに対し、ポット植えのキタミソウが無事に越冬できているのはなぜか? 温度の違いなのか、それともやはり水分の問題なのか?
そしてなにより、野外で観られた同心円状の群落になる理由は? オオオナモミとの住み分けはどのようにして起こるのか?
観察を続けたい。

2023年3月10日、情報提供:TYさん、まとめ:自然観察大学 事務局O

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# by sizenkansatu | 2023-03-10 15:34 | 植物 | Comments(0)

センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ

コセンダングサのとげの数は何本か、2021年に観察して2022年にかけて報告させていただいた。
● センダングサ類の観察①~⑥ (文末の「コセンダングサ」のタグをクリックしてご覧いただきたい)

上記の最終回の⑥で、村田威夫先生からご指摘いただいたのが、とげの数が2本か3本かは、コセンダングサとコシロノセンダングサの違いではないか、というご意見である。
昨年の秋に改めて調べてみたので、それを報告したい。

2022年10月末のコセンダングサ。
センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ_d0163696_15442473.jpg
コセンダングサの頭状花は通常は管状化だけで、舌状花がない。
センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ_d0163696_15443881.jpg
花の咲く時期であれば識別は可能である。
花はさみだれ式に咲くので、この時期には果実も観られる。
センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ_d0163696_15443112.jpg

同じ時期のコシロノセンダングサ(シロバナセンダングサ)と思われるもの。(↓)
センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ_d0163696_15444637.jpg

中間的なアヤシイものもあるので、コセンダングサとコシロノセンダングサとはっきりわかるものを選んで、それぞれA,B別々の群落から頭花一つずつを採取した。
頭花についた果実(痩果)をすべて取り外して並べた。

コセンダングサA。
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コセンダングサB。
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コシロノセンダングサA。
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コシロノセンダングサB。
センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ_d0163696_15452823.jpg


以上の結果をまとめると次の表になる。
センダングサ類の観察 2022 コセンダングサとコシロノセンダングサのとげ_d0163696_15453602.png


コセンダングサではとげの3本のものが多く、コシロノセンダングサはとげが2本のものが多いようだ。
サンプルの数が少ないので決定的なことは言えないが、傾向が見えてきた。
数十年前は身近な場所ではコセンダングサが主体だったのが、現在ではコシロノセンダングサが増えてきたのかもしれない。両種の中間的なものもあるのでなかなか難しい。

2023年2月24日、報告:自然観察大学 事務局O




# by sizenkansatu | 2023-02-24 15:50 | 植物 | Comments(4)

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