スギナの観察2024
つくしとスギナ
茎の部分は食用として人気があるようで、近所の江戸川の土手では、きれいに摘み採られていることがある。
緑色の栄養茎がスギに似ているので “杉菜”と名付けられたそうだ。
つくしと言われるのはスギナの胞子茎で、先端の縦長のフットボール形(胞子嚢穂)の中に胞子がある。
植物の種名(和名)はスギナであるが、ふつう栄養茎のことをスギナ、胞子頸をつくしと言うので、本記事ではそのように表記したい。
スギナは地中の深いところでたくさんの地下茎を縦横に走らせ、毎年春になるとその節々から芽を出す。
胞子だけでなく地下茎の切れはしからも再生するため、畑地などに侵入すると厄介な雑草の代表として扱われる。
つくしの胞子を観よう
その内側に並んでつく濃緑色の部分が胞子嚢で、その中に胞子が詰まっている。
胞子には4本の腕(それとも脚?)があって、それが絡まって綿埃のようになっている。
この写真を撮っている間に、風で飛ばされた胞子がきらきらと光って観えたのだが、残念ながら写ってはいなかった。
それが成熟し、乾燥したときに胞子嚢からあふれ出て、綿埃のように盛り上がってくるものと考えられる。
そして、風に乗って移動した胞子は、湿ったところに着地して弾糸をたたみ、そこで発芽するという仕組みだろう。
上手くできているものだ。
さて今回の観察で一つ気づいたことがあった。
これまで“弾糸”という呼称から、胞子は弾けるように飛びだすものと思っていた。
しかし、実際には弾糸を伸ばしてもこもこと盛り上がり、風を待って飛散するのであった。
私の勝手な思い込みであった。
胞子を飛ばす
カメラを片手で構えながらので、ちょっと難しい。
やりすぎを反省。m(_ _)m
2024年3月26日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
オオイヌノフグリ ファンクラブ 会員募集中
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by sizenkansatu
| 2024-03-26 14:32
| 植物
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Comments(2)
オオイヌノフグリ ファンクラブを結成しました
<2024年2月26日修正&追記>
目 的:オオイヌノフグリを愛でる者同士の連帯をはかる
入会資格:オオイヌノフグリを愛でる者であること
活 動:とりたてて明確のものはありません。必要に応じてこれから決めたいと思います
みなさまの入会をお待ちしております。入会は随時受け付けます。
入会希望の方へ:
この記事のコメント欄に記載して申し出てください。
現在の会員:
ご参考:
当ブログでのオオイヌノフグリに関する主な記事を上げさせていただきます。(新しい順)
よろしければ、お時間のあるときに見てやってください。
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by sizenkansatu
| 2024-03-24 21:03
| その他
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春の雑草2024
今の時期の雑草はじつに好ましい。
待っていた春が実感できるのは、雑草があってこそ、ではないだろうか。
ここ数日に撮った雑草をならべてみたい。
オオイヌノフグリとそのなかま
どこにでもあるわけではないが、あるところにはこれでもかというほど生えている。
オオイヌノフグリのなかまについては昨年まとめたので、よろしければそちらをご覧いただきたい。
キュウリグサ
ここのキュウリグサは成長が遅く、まだ小さい。
長さは数十cmになり、そうなると写真にしにくくなる。
カラスノエンドウ
今の時期のカラスノエンドウは奥ゆかしく、繁茂しすぎることもない。
ツメクサ
ホトケノザ
ヒメオドリコソウ
ヒメウズ
ヒメウズの魅力は以前に何度か報告しているので、そちらをご覧いただきたい。
2024年3月19日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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<自然観察大学より>
自然まるごと観察会
参加者募集中
第41回講習会レポート
① きのこ観察入門 -四季のきのこの観察-
② 鳥たちの狩り
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by sizenkansatu
| 2024-03-19 23:05
| 植物
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Comments(16)
スギの開花 2024
このときはまだ鱗片が硬く閉じていた。
これがその後どうなるか、いつ開花するかを観たかったのだ。
私の身のまわりではスギが開花していないにもかかわらず、世の中では花粉症が問題になっていることに違和感があった。そのことは以前記事にさせていただいた。
それ以来ずっと気にしていたスギが、やっと開花したのでご報告したい。
スギの雄花の開花
ただ、ほとんどは花粉が膨らんでいて、前掲の2/14のものとくらべると、その違いがはっきりとわかる。
この雄花では先端のところに花粉が残っているだけだ。
3/10,11に観たスギはそれぞれ別の個体だが、どちらも身近な場所のものだった。
3/10に開花初めで、3/11にはほぼ終了だったのは、観察したのがたまたまそうだったというだけで、個体差や生育環境の違いによるものだろう。
いずれにしても3/10,11の前後が開花時期ということになる。
とすると、2月半ばころから花粉症が問題になるのは、やはりスギ以外の花粉に原因があるのではないだろうか。
疑問は深まるばかりである。
スギの雌花
雌花も観ておこう。
これが胚珠の先端で、孔からは受粉滴を出す。
受粉滴は花粉を受け取るためのもので、雌しべの柱頭のような役割とされる。
上の写真でも少しだけ受粉滴が確認できる。
スギの花は花被も雄しべも雌しべもないので開花を確認するのは難しい。
今回3/10,11に花粉を出すのと受粉滴が確認できたということは、まさしく開花期であるといえる。
スギの花については以前にも報告しているので、よろしければそちらもご覧いただきたい。
2024年3月13日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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<自然観察大学より>
自然まるごと観察会
参加者募集中
第41回講習会レポート
① きのこ観察入門 -四季のきのこの観察-
② 鳥たちの狩り
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by sizenkansatu
| 2024-03-13 21:42
| 植物
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‘河津桜’とホトケノザ
もちろん、TVで観る本場の河津町には遠く及ばないが、これだけ立派な‘河津桜’を身近で見た記憶はない。
手元のメモを見ると、2022年、2023年といずれも3月初旬に‘河津桜’の見ごろとなっていた。
本稿で‘河津桜’を漢字で表記した理由
ところで、植物(生物)種の和名は、基本的にカタカナで記すことにしている。
漢字をあてると、ふさわしくない当て字であったり、複数の説があったり、なにかとまずいことがあるためだ。
専門家の先生方はふつうカタカナで表記するので、私もそれにならっている。
ところが本項では‘河津桜’と表記している。その理由を記しておこう。
‘河津桜’は‘染井吉野’などと同様に栽培品種であり、生物種ではない。
その場合は ‘ ’(シングルコーテーションマーク)でくくり、漢字で表記するのが望ましいということをうかがった(カタカナでもよい)。
漢字でOKなのは、おそらく名前の由来がはっきりしているからであろう。
このルールはあまり浸透してないようだが、みなで合わせるように心がけたい。
公園で木に名札をつけてくれているのはたいへんありがたいが、面倒でもこのようにしていただけると、野生種なのか栽培品種かを知ることができる。
私の記憶では、新宿御苑の名札はこのルール通りになっていたと思う。
2024年2月21日、報告:自然観察大学 事務局 大野透
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by sizenkansatu
| 2024-02-21 20:11
| 植物
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