自然観察大学ブログ

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スプリング・エフェメラル 2014 裏話

スプリング・エフェメラルといえば、身近な春の妖精たちにも目を向けたい。

境内の散策路にあったのはエゾタンポポ。
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出早雄小萩神社は住宅や田畑に囲まれたところにあるのだが、私の見たところ、境内はすべて在来のエゾタンポポであった。
神域をまもった、というべきか。さすがである。

こちらは隣接した小さな公園にあった雑種型のタンポポ。
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草刈りをすり抜けて、低い姿勢で生き残っている。

境内を出て、神社の西側には小川があった。
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ここのタンポポはどうか。
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総苞片は反り返っているが、先端には爪があるようにも見える。
悩ましいが、セイヨウタンポポとしてよいと思う。
これも十分美しい。外来だからといって敵視したくはない。
I瀬先生いわく、〝外来雑草はつい目の敵にしてしまいがちだが、彼らには責任はない〟 のである。

タンポポにまじって生えているのはカキドオシ。
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カキドオシは私の大好きな雑草の一つで、出会ったときは必ず撮ってしまう。
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カキドオシはいつも二人ずつ仲良く並んでポーズをとってくれる。
しかし、これもデジタル写真では色再現が難しい。みなさんのモニターではいかがだろうか。

カタクリやヒトリシズカもよいが、こうしてみると、雑草も好い。

2014年5月29日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-05-30 00:03 | 植物 | Comments(0)

スプリング・エフェメラル 2014

5月はじめにカタクリを観てきた。
場所は長野県の諏訪盆地で、東京周辺よりも1か月近くも春が遅い。そのつもりでご覧いただきたい。(遅い情報ですみません)


スプリング・エフェメラルといえば、まずはこれ。

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カタクリの花の色再現は、写真では難しい。
自宅のPCでは紫色が強いのだが、本当はもう少しピンクがかっていたように思う。事務所のモニターでは、もう少し本物に近かったのだが…
自然界の色をデジタルで表現すること自体に無理があるのだろう。
さすが、春の妖精(スプリング・エフェメラル)だ。

寝転がって、下から覗いてみた。

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立派な雄しべと雌しべが目を引くが、開口部をふちどる派手な紋様にもおどろく。
虫を呼ぶための符牒なのだろうか。
しかし、虫を呼びたいのなら、そもそもどうして、うつむいて咲いているのか?
雨水が溜まらないようにするためだろうか?



頭上では、イロハカエデの新緑だ。(しつこいですが、季節はずれ!)

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ここは長野県の出早雄小萩(いずはやおこはぎ)神社。
この社叢では、カエデを主体として、ハルニレ・ケヤキなどのもともとあった落葉広葉樹が45%で、55%はスギ・ヒノキ・サワラを植栽、と説明書きに記されていた。


境内の東側を水が流れている。(残念ながら川虫は見当たらず)

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人の手で注意深く管理された境内は、なんとも心地よい環境である。
カタクリと秋の紅葉で、地元ではちょっとした人気スポットのようだ。

散策路も整備されているが、ときどきカメラマンが寝ころがって邪魔をする(すみませんでした)。


この日は、カタクリの花には少し遅かったようだが、ニリンソウは最盛期のようだった。

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ニリンソウもカタクリと同じように、明るい林床で、雪解け後に顔を出す。


こちらはヒトリシズカ。

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静御前が名前の由来だというが、いかがだろう。
叢生する姿はけっこうにぎやかだ。

ヒトリシズカの花序はちょっと変わっている。

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構造を調べてみると、ヒトリシズカの花は花弁はなく、白い糸状のものは雄しべの花糸。
上の写真を拡大して観よう。
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黄色の葯は、なんと花糸の付け根にある。
緑色のこぶ状のものは雌しべで、雄しべはこの雌しべの側面から3本ずつでている。
3本のうち葯が付くのは外側の2本で、真ん中の雄しべは花糸だけだ。
どういうわけでこんな姿に進化したのだろう。
この形から考えると、花糸は来訪者(受粉昆虫)のための足場のようにも思えるが…
ジャングルジムのような花糸をグルグルと渡り歩くのはどんな昆虫なのだろうか。


つぎはヤマエンゴサク。

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空に尻を突き出したような姿だ。
これもスプリング・エフェメラルとされているが、やはり色再現が難しい。

この不思議な形の花はどんな構造なのか、調べてみた。
花弁は全部で4つ。
外側を上下2つの花弁で包み、上の花弁は後方で大きな距(きょ)となっている。
内側の2つの花弁は、雄しべと雌しべを包み隠してしまっている。
さらに驚くべきことに、この花弁は虫が来た時に開くのだそうだ。
なんという不思議な、マニアックな植物だろう。この花の扉を開けるのはどんな昆虫なのか…


ヤマエンゴサクについては次の二つがおすすめ。
● 東北大学植物進化学オンライン図鑑:日本の植物 より
「エゾエンゴサクとヤマエンゴサク」
● 松江の花図鑑 より
「ヤマエンゴサク」

2014年5月26日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-05-26 23:06 | 植物 | Comments(0)

江戸川べりの観察-24 スギナの胞子

一か月も前のことだが、スギナの胞子の話。
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スギナはシダ植物で、つくしはその胞子茎。
つくしの足もとに出ているのがスギナで、やや遅れて顔を出す。
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芽を出したばかりのスギナは、つくしに似たところがある。

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写真の白いひだひだのところが胞子の出たぬけがらで、穂の下のほうの暗色のところには、まだ胞子がつまっている。

この胞子を観よう。
持ち帰ったつくしをカバ-グラスの上でトントンとたたいて、胞子を落とした。
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胞子は鮮やかな緑で、糸状の〝弾糸〟といわれるものが付く。

乾燥したときに弾糸を伸ばして胞子を分散させるという。
息を吹きかけると弾糸が縮むというのだが、うまくいかない。
それではと、湯を用意してかざしてみたのだが、いくら湯気に当てても変化は見られない。
だんだん湯に近づけるうちに、うっかり浸してしまった…
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どこにどう格納されたのか、弾糸は見えなくなってしまった。
それにしても、湿った状態の胞子は美しい。

少したって乾いてくると、また弾糸を伸ばしはじめた。
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どんどん伸びる。
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それにしても、うまくできているものだ。


なお、つくしの話は、以前一度報告させていただいた。   


その後、村田先生の指導に従って胞子を育てようと試みたのだが、コケが繁茂して残念ながら失敗。どうも私は飼育・栽培が苦手だ。

2014年5月15日、報告:自然観察大学  事務局O


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by sizenkansatu | 2014-05-15 07:31 | 植物 | Comments(0)

江戸川べりの観察-23 カスマグサ

今の季節、カラスノエンドウは元気がよい。
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4月13日の木場公園での観察会 『親子で雑草を観察しよう』 では、カラスノエンドウをみんなで詳しく観察した。

<『親子で雑草を観察しよう』の詳しいレポートは自然観察大学ホームページ参照(野外観察会の項を探してください。個別のURLがありません)>
なお、カラスノエンドウについてはこれまでに何度か観察記録があるのでそちらもぜひどうぞ。
※ 支え合うカラスノエンドウ   
※ カラスノエンドウをめぐる虫たち   

観察会では、カラスノエンドウのすぐそばにスズメノエンドウがあった。
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ズメノエンドウは、カラスに比べると全体に細くて弱々しい感じで、花もごく小さい。
上の写真で白くちらちら見えるのが花。
長い花柄の先に5個くらいずつ、まとまって咲く。
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拡大すると、きちんとマメ科の蝶形花になっている。

さて、カスマグサだ。
どこにでもあるということはないのだが、あるところにはあるという不思議な雑草である。
このカスマグサが、江戸川べりの土手にたくさんある。
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カラスノエンドウとスズメノエンドウを漢字で書くと烏野豌豆、雀野豌豆だそうである。
カラスは果実(豆と鞘)が黒くなるからで、スズメはそれよりずっと小さいからというのだが、その中間がある。
カラスとスズメの頭文字の “カ” と “ス” の、その間というので “カスマグサ” である。
全体の感じもカラスノエンドウよりも細いが、スズメノエンドウよりはしっかりしている。
まさしく “カスマ” だ。
花もカラスほど大きくはないがスズメよりは大きい。長い柄の先に2個ずつ咲くのだが、うつむいて絵になりにくい。

寝そべって仰角で撮ったのがこれ。
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なかなか美しい。
蝶形花を復習しておこう。
・後ろの大きいのが旗弁で、大きく旗を立てたような形。
・前方に開いたのが翼弁(側弁ともいう)。
・真ん中の白いのが竜骨弁(舟弁ともいう)で、この中に雌しべと雄しべがある。

ところで、カスマグサの花は花弁の縞模様がチャームポイントだと思うが、カラスノエンドウでも紋様のある花がときどき見られる。
この縞模様は葉脈に由来するものなのだろうか。

カラスノエンドウのさやを透かして見ると血管のようなものがある。
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これと同じものを、以前アレチヌスビトハギでも見た(

植物の花も果実も、もともとは葉から進化したものということなので、その名残ということなのだろうか。

話をカスマグサに戻して、果実を観よう。
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野菜のキヌサヤのような感じで、やはり花と同じに2個ずつならぶ。

それにしても、カスマグサとはなかなか味な命名だ。
カスマに似た由来ではヘチマがある。
ヘチマは、糸瓜や唐瓜が転訛してトウリとなり、その頭文字のトが、イロハニホヘトチ…  の “ヘ” と “チ” の間なので“ヘチマ”だというのだ。(異論もある)
ヘチマの命名も悪くはないが、言葉の遊びに過ぎない。これに対しカスマは観察にもとずく命名で、観察眼とセンスのよさが光る。


余談ですが…

自然観察大学ブログは、いつの間にか300回を突破していた。
2010年に『NPO法人自然観察大学』設立後にこのブログをはじめて、以来4年間で300回である。
お読みいただいたみなさん、ありがとうございます。
そして今後ともよろしくお願いいたします。

記念すべき300回は前々回、このときの話はなんと機能性タイツの話であった。もっとちゃんとした観察記録にしたかった。(反省)

2014年5月5日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-05-05 19:04 | 植物 | Comments(0)

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